オカメインコの性格や特徴は?飼い方や病気についても解説【獣医師監修】のサムネイル画像

内容をまとめると

  1. オカメインコの性格は繊細 人懐っこく甘えん坊 穏やか
  2. オスは陽気、メスは大人しい性格が多い
  3. オカメインコは鳥類の中で飼育がしやすい
  4. 異変を感じる前に定期的に健康診断に行くことがおすすめ
  5. オカメインコの治療費は完全自己負担になるので、もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと安心

赤いほっぺやかわいらしいカラーで人気のオカメインコ。当記事では、オカメインコの気になる性格や特徴、実際飼う際の注意点や病気について徹底解説します。しっかり準備をしてオカメインコとの生活をスタートしましょう!

記事監修者「松本 千聖」

松本 千聖
獣医師

岐阜大学応用生物科学部獣医学課程を卒業後、獣医師として動物愛護団体付属動物病院やペットショップ付属動物病院にて主に一次診療業務、ペット保険会社では保険金査定業務などに従事。現在は製薬関係の業務に携わり、プライベートでは個人で保護猫活動並びに保護猫達の健康管理を行う。犬や猫だけではなく鳥類を含むエキゾチックアニマルについての正しい知識を伝えるために記事の監修業務も行っている。

この記事の目次

目次を閉じる

オカメインコの特徴は?


オカメインコの基本情報は
  • 原産国:オーストラリア
  • 平均寿命:15年~20年
  • 体長:30~35cm 
  • 体重:80~120g 
  • 羽を広げた時の羽の端から端までの長さは40cm以上
になります。

オカメインコは名前に「インコ」がついていますが、頭頂部の長く伸びた冠羽(頭上に生えている羽毛)が特徴的なオウムの一種です。驚いたり、興奮したりすると冠羽を立てるため、表情の変化が少ない鳥類の中でも感情表現が豊かです。

頬のあたりにある赤やオレンジの羽毛が頬を赤らめているようにみえるため、オカメインコと呼ばれるようになりました。「世界最小のオウム」であるオカメインコは、見た目の愛らしさとオウムとしては小柄な体型で人にも慣れやすいため、ペットとしての人気が高い鳥です。

オカメインコのカラーバリエーション

オカメインコはカラーによって種類が異なります。突然変異や遺伝子操作によって品種改良が進められた結果、オカメインコのカラーが豊富になりました。


オカメインコと言ったら頬にあるオレンジ色のチークを思い浮かべる方も多いでしょうが、チークがない種類も存在します。


当記事ではオカメインコに代表的な9つの種類を紹介します。

  • ノーマル
  • ルチノー
  • シナモン
  • ファロー
  • パイド
  • ホワイトフェイス
  • アルビノ
  • パール
  • エメラルド 

ノーマル

ノーマルは、並オカメ、ノーマルグレーとも呼ばれ、オーストラリアに生息する原種です。白い羽と顔、オレンジのチーク以外は黒に近いグレーで、オスは成長とともに顔や冠羽が黄色に変化します。


ルチノー

ノーマルとともにペットショップでもよく見かけるルチノーは、最も人気が高いカラーです。体全体は黄色みがかったクリーム色で、チークはオレンジ色です。脚や嘴は肌色で、赤い目が特徴です。


シナモン

柔らかい色味が特徴のシナモンは「イザベル(Isabelle)」と呼ばれることもあります。ノーマルの濃いグレーに見える部分がシナモンブラウンのように見える品種です。劣性遺伝子であり、特にオスは希少です。

ファロー

ファローとは日本語で「褐色がかった淡い黄色」を意味します。シナモンオカメインコをさらに淡い色合いにしたものをファローと呼びます。ルビーのような赤目と黄色の羽毛、ピンク色の嘴と脚が特徴です

パイド

パイドは「まだら」という意味。全体的な色味はノーマルがベースで、白いまだら模様が見られます。模様の出方に個性がでます。色の抜け具合によりライト、ミディアム、ヘビー、クリアパイドに区分されます。


ホワイトフェイス

濃いグレーと白い羽毛が落ち着いた色合いのオカメインコです。リボクローム色素という黄色の色素が無くなり、ノーマルが持つ黄色の羽とオレンジ色のチークが白く抜け落ちていることが特徴です。


アルビノ

アルビノとは、色素を持たない品種のことです。アルビノオカメインコは、頭から尾まで真っ白な羽毛、赤い目、ピンク色の脚が特徴です。突然変異で生まれてくるため、希少ですが、体が弱い個体が多い傾向です。


パール

「パール」とは、背中の羽が水玉模様のように見えるオカメインコのことです。メラニン色素が羽一枚単位で部分的に抜けています。オスは成長とともに水玉模様が少なくなるため、メスの方が水玉模様が残りやすいです。


エメラルド

ノーマルオカメインコの濃いグレー部分が、淡い緑色に見える品種です。その色合いから「オリーブオカメインコ」とも呼ばれます。珍しいカラーのため50,000円ほどの値が付くこともあります。

【監修者コメント】

ここでご紹介したカラー以上にオカメインコの色のバリエーションには様々なタイプが存在し、その美しい見た目だけでも私たちを楽しませてくれます。

しかし、カラーの表れ方には個体差が存在するため、「カラーが好み」というだけでオカメインコをお迎えすることはおすすめできません。カラーよりも、オカメインコ自身の性格などをよく確認して自分のライフスタイルに合った子をお迎えするようにしましょう。

オカメインコの性格は?


かわいらしい見た目と仕草で人気のオカメインコ。いざ飼育をはじめるとなると、気になるのがオカメインコの性格ですよね。


オカメインコといえば、甘えん坊な性格と小さく愛らしい姿。


オカメインコの性格はこちら

  • 繊細
  • 人懐っこく甘えん坊
  • 穏やか

かわいらしい姿のオカメインコと暮らすとどんな生活が待っているのか、わくわくしますね!オカメインコの性格について詳しく解説していきます。

オカメインコの性格①繊細

小さくかわいらしい見た目のまま、オカメインコはとても繊細な性格です。


地震や大きな音などに驚くと、パニックを起こして暴れたり壁や家具にぶつかったりする「オカメパニック」を起こしてしまいます。


掃除機やサイレン、大型の車が通る音はもちろん、ペンを落としたりぶつけたりしたような些細な生活音でもパニックになるほどオカメインコはデリケートです。


オカメパニックを起こすと打撲や出血、骨折してしまうこともあります。

パニック時はカバーを掛けてあげたり優しく声をかけてあげたりして、落ち着けるように工夫してあげましょう。


繊細なオカメインコに配慮して、パニックをなるべく起こさないような生活環境を整えられると飼い主としても安心できますね。

オカメインコの性格②人懐っこくて甘えん坊

オカメインコは人に慣れやすく甘えん坊で、愛らしい性格です。


放鳥中でも、近くにいて寄り添ってくれたり、近くでくつろいでくれたり、飼い主を癒してくれます。


また頭を撫でてもらうのが好きで、おねだりすることも。

あのかわいらしい姿で甘えられたら、たまらなくかわいいですよね。


人懐っこく甘えん坊な一方、寂しがりやな一面もあります。

群れる習性があるので、一羽だけで飼育している場合、寂しさから大きな声で鳴いてしまうこともあるようです。


オカメインコをお迎えしたら、寂しい思いをしないよう、しっかりスキンシップをとって信頼関係を築いていきましょう。

オカメインコの性格③穏やか

オカメインコは優しく穏やかな性格をしています。


飼い主にそっと寄り添ってくつろぐ姿は、まさしく癒されます。

オカメインコの愛らしさの一つであり、人気の理由でもあります。


大人しく温厚な性格なので、セキセイインコやジュウシマツなどの鳥と複数飼いをすることもできます。

闘争心があまりなくけんかをせずに仲良くできるため、すでに他の小鳥を飼っているという人も安心ですね。


穏やかな反面、大人しすぎてストレスを溜め込んでしまうことも

特に複数飼いをする場合はいじめられてしまう場合があるので注意が必要です。


オカメインコがストレスを溜めずに快適に生活ができるよう、日々の様子をしっかり観察して環境を整えてあげたいですね!

オカメインコのオスメスの性格の違い

穏やかで社交的な性格をしているオカメインコですが、オスとメスでは性格が違います。一般的に知られている性格の違いを解説します。


オスの性格の特徴

  • 陽気、活発
  • 寂しがり、甘えん坊
  • 鳴き声がうるさい子が多い
  • モノマネが得意

オスは陽気で活発な傾向にあります。寂しがり屋が多く呼び鳴きがうるさい個体が多い傾という特徴があります。遊ぶことが好きで、飼い主とのスキンシップを楽しむことが多いです。メスより甘えん坊で飼い主に対して、愛情を求めることがあります。また、オスは言葉を覚えるのが得意なので、モノマネが得意な子が多いです。


メスの性格の特徴

  • 大人しい
  • 1人で遊ぶことが好きな子が多い

メスは発情期はよく鳴きますが、普段は大人しい子が多く比較的落ち着いていることが多いです。活動的ではありますが、オスほど活発ではない傾向です。メスは独立心が強いことがあるため、一人で遊んだり自分だけの時間を楽しむ時間を好む子が多いです。


どちらも可愛らしく魅力的ですが、自分のライフスタイルや好みに合わせてしっかり考えてどちらのオカメインコにするか決めましょう。


性別による性格の違いは個体によって異なるため、個々のオカメインコの個性を尊重し、愛情と理解をもって接しましょう。


オカメインコのオスとメスの外見からの見分け方【参考】

  1. カラーによっては、オスのオカメインコのみ換羽期で羽根から模様が消える場合があります
  2. 成熟したオスは全体的に鮮やかな色合いを持ちます。一方、メスはより淡い色合いをしていることがあります

のサムネイル画像

オカメインコの平均寿命は何年?長生きのコツやカラー別の値段も紹介

オカメインコの性格が悪いと言われる理由は?


「優しいはずのオカメインコなのになぜか性格悪い…」という場合、必ず原因があります。


オカメインコの性格が悪いと言われる理由はこちら!

  • 換羽の最中でイライラしている
  • 飼い主より順位が上だと思っている
  • オカメインコが嫌がる行動をしてしまった

体力を消耗する換羽の最中にはイライラしてしまい、飼い主を噛んでしまうこともあるようです。


オカメインコは元々集団で生活し、順位が高いほど木の上の方にとまるという順位付けの習性があります。

ケージが飼い主さんがいつもいるところより高い位置にあったり、頭の上にオカメインコを乗せたりしていると自分の方が順位が上だと思ってしまうことがあります。


ケージの位置を変えたり、頭や肩に乗せたりすることをやめて対策をしましょう。


また、手が当たってしまった、爪切りで嫌がってしまった、感情的に叱った、などの行為は信頼関係を崩す原因になってしまいます。


オカメインコは繊細でデリケートな性格です。飼い主を噛んだり威嚇するような場合は、オカメインコのストレスを取り除く努力をしましょう。

オカメインコの飼育方法


オカメインコは比較的飼いやすい小鳥です。

愛情をかければかけただけ応えてくれるので、しっかりお世話をしてあげたいですね。


飼い方のポイントはこちら!

  • 餌はシードやオカメインコ用ペレットを基本に、栄養補給で副食や野菜を加える
  • 水浴びができる環境を整える
  • 十分なスキンシップ
  • 規則正しい生活

オカメインコは水浴びが大好き。思い切り水浴びをさせてあげられるよう、ペットシーツをケージの底に敷いておくのがおすすめです。


甘えん坊で寂しがりやなので、放鳥の時間に必ずスキンシップをとることを心掛けましょう。


規則正しく生活し、睡眠が10~12時間ほどしっかりとれるようにしましょう。

オカメインコの飼育の注意点

オカメインコは鳥類の中で飼育がしやすいですが、以下の注意点を意識することでよりよい生活環境をオカメインコに提供できるでしょう。


  • 部屋を静かにしすぎない
  • トイレ・脂粉の掃除が大変
  • 長時間不在にしない
普段部屋が静かだと、些細な生活音でオカメパニックを起こしてしまいます。多少の生活音には慣れておいてもらいましょう。

オカメインコにトイレのしつけはできません。ケージには糞と脂粉がたまるのでこまめに掃除が必要です。

オカメインコは寂しがりやで繊細です。長時間不在にしないようにするか、複数飼いをするなどしてストレスを溜めないようにしてあげましょう。

愛情をもって接すればオカメインコにもきちんと伝わります。かわいいオカメインコのために、快適な生活環境を整えてあげましょう。

オカメインコの飼育に必要なもの

オカメインコの飼育には以下の物が必要になります。

  • ケージ
  • ケージカバー
  • 止まり木
  • 水入れ・餌入れ
  • ヒーター

ケージ

ケージは、オカメインコが羽を広げられる広さの物を用意しましょう。

大きさの目安は幅45㎝、高さ50㎝以上です。

ケージカバー

光や音を遮り、熟睡できるようにケージカバーが必要です。

オカメパニックを起こしてしまった時にも役に立つので必ず用意しましょう。


水入れ・餌入れ

水入れ・餌入れはケージに付属していることも多いですが、定期的に洗浄することが必要なので予備を用意しておくと便利です。


止まり木

止まり木はできれば複数用意して設置してあげましょう。

ケージの中で移動することができ、運動をしたり爪が削れたりする効果があります。


ヒーター

オカメインコは気温差が苦手です。

暑すぎたり寒すぎたりすることを防ぐためサーモスタット機能の付いたヒーターを準備するのが理想的です。


オカメインコをお迎えする際には、快適に健康に過ごせるように必要なものを揃えてしっかり準備を整えられるといいですね。

オカメインコの寿命やかかりやすい病気は?


責任を持って最後までお世話をしたいと考えた時、気になるのはオカメインコの寿命やかかりやすい病気ですよね。


オカメインコはの寿命は平均で15~25年になります。

長いと30年ほどと、長生きしてくれる鳥です。

最後まで一緒に生活ができるかどうか、長い目で考える必要があります。


オカメインコがかかりやすい病気はこちら!

病名症状など
打撲・骨折オカメパニックで怪我をしてしまうことが多い
風邪くしゃみや鼻水など
そ嚢炎寒い場所に長時間いて体が冷えることが原因で発症する。嘔吐し、匂いがきつくなる。
毛引き症ストレスが原因で、自分の羽毛を引き抜いてしまう
鼻眼結膜炎目ヤニ、涙目、くしゃみなどを起こす。放置すると失明する可能性も。
腸炎感染によって引き起こされる。下痢や嘔吐など。

様子がおかしいなと感じたらすぐに受診できるよう、かかりつけの病院を探しておくと安心です。

【監修者コメント】

オカメインコに限ったことではありませんが、鳥類には犬や猫のように定期的なワクチン接種などで通院して獣医師に健康チェックをしてもらうという機会がないため、飼い主さんが異常に気がついた時には病状がかなり進行していることは珍しくありません。

大切な家族の一員であるオカメインコに健康で長生きしてもらうためには、飼い主さんの力で防ぐことができるストレスや不適切な飼育環境などといった病気の原因を発生させないことがとても大切となります。

万が一に備えてペット保険への加入がおすすめ

オカメインコを含む鳥類は、専門知識が必要なため、治療費が高額になりやすいです。手術などの医療処置において高額な費用がかかることがあり「治療が高すぎて支払えない」なんて後悔しないために、ペット保険への加入をおすすめします。 


おすすめのペット保険や絶対に知っておきたいペット保険の知識について気になる方はぜひ以下の記事をお読みください。

オカメインコのペット保険はこちら

オカメインコの性格に関するよくある質問


ここまで、オカメインコの性格や特徴、飼い方や注意点について解説してきました。

愛らしいオカメインコと生活するところを想像するとうきうきしますよね。


オカメインコは基本的に優しく甘えん坊が、個体差があったりオスメスで性格が違ったりすることも事実


成長するにつれて性格が変わってしまうのか、カラーによって性格に違いがあるのかなど、思った性格と違うのではと不安に思う人も多いのではないでしょうか。


ここからはオカメインコの性格に関するよくある質問に回答していきます。


「オカメインコを飼ってみたいけど不安」

「雛から飼おうか、どんなカラーにしようか迷っている」


という人はぜひ参考にしてみてくださいね。

オカメインコは雛から成鳥すると性格が変わりますか?

雛から成鳥すると性格は変わります


雛の頃は飼い主にずっとべったりと一緒にいたがり、かなり甘えん坊ですが、成鳥するとある程度落ち着きます。


飼い主さんとしては、「甘えん坊じゃなくなっちゃうのか…」と寂しくなってしまうかもしれませんね。


性格が変わるといっても、それは人間の子どもが成長につれて変化していくことと同じです。

成長につれて自我が芽生え自然と変化していきます。


成鳥すると落ち着くとはいえ、オカメインコは基本的には人懐っこく甘えん坊な性格です。

信頼関係を築くことができれば、成鳥しても飼い主さんに甘えてくれるようになります。


愛情をかけてお世話をして、スキンシップをしっかりとっていきましょう。

オカメインコはカラーによって性格の違いがありますか?

カラーによる性格の違いはないと言えます。カラーによるものというよりは個体差であったり性別の違いによるものが性格の違いの要因として大きいです。


オカメインコは基本的に穏やかで大人しい性格をしています。

その中でも活発に飛んで遊ぶことが好きな子、飼い主にべったりで甘えん坊な子、自立心が強くてたくましい子など、性格は様々です。


オカメインコはとても知能が高く、感情表現も豊かなので個体ごとに個性があるのも納得できます。

オカメインコの性格に関するまとめ

ここまでオカメインコの性格や特徴、飼い方や注意点について解説してきました。


今回の記事のポイントはこちら!

  • オカメインコの性格は繊細・人懐っこく甘えん坊・穏やか
  • オウムの一種で様々なカラーがある
  • 比較的飼いやすいが、繊細なオカメインコに合わせた飼育環境が必要
  • 寿命は平均で15年~25年ほど

小さく愛らしい見た目や、様々なカラーが魅力的なオカメインコ。

飼い主に甘えたり寄り添ったり、きっと毎日癒してくれる存在になること間違いなしです。


オカメインコと楽しく生活できるよう、環境を整え、いざという時の備えを万全にしておきましょう


MOFFMEでは、この他にも様々なインコや保険に関する役立つ記事を多数公開しておりますので是非ご覧下さい。

オカメインコのペット保険はこちら