カナリアは姿や鳴き声が美しい古くからいる観賞用ペットです。ほかの鳥に比べて、クールで懐きにくいですが、ひと味違った奥行きを感じさせる鳥です。飼い方や飼育の際の注意点を、種類やかかりやすい病気の症状、飼育費用などを踏まえ解説していきます。
この記事の目次
目次を閉じるカナリアってどんな鳥?特徴について解説
見た目の愛らしさ、鳴き声の美しさからカナリアを飼いたいと思ったことはないですか?
カナリアは、ローラーカナリア(さえずり重視)、カラーカナリア(色重視)、スタイルカナリア(姿かたち重視)の3種類が存在し、飼い主が1番重視したいポイントで選べます。
小さく華奢な体で、儚げなイメージのカナリアですが、ペットとしての飼育の歴史は長く、平均寿命は約10年と小型のインコに比べて長いです。
環境に対しての適応能力も高く、20年近く生きたケースもあるので、健康管理やストレスを軽減することで、長い期間生活を共にできるでしょう。
一方で、性格は自立心を持ち、警戒心がやや強い傾向にあります。極端な触れ合いはストレスを感じるので、構いすぎはNGです。
クールで依存心が低めともいえるので、1羽でいても平気な個体が多いため、1日の在宅時間が短い人でも、比較的飼いやすい鳥といえます。
カナリアの飼育に必要なもの
カナリアをお迎えする際には、何が必要でしょうか?
最低限必要なものを記載していますので、参考にしてみてください。
- ケージ
- 餌入れや止まり木など基本アイテム
- 餌
ケージは小鳥用のものを用意します。
木製や金網タイプ、吊り下げ式などあるので、飼育環境に合わせて選びましょう。
餌入れや止まり木はケージと一緒になっているものでも使用できますが、お迎えしたカナリアに合ったものを探してみてください。さらに愛着が湧くでしょう。
餌に関しては、カナリア用の皮つき専用フードが望ましいです。
カナリアは羽が退色してしまうので、増色用フードを換羽期に与えます。
緑黄色野菜やボレー粉も踏まえ、カナリアに必要な栄養をバランスよくあげられるように準備しておきましょう。
ケージ
鳥の飼育を始める時、ケージは、鳥が羽が広げられるスペースがあればよいと見かけますが、ざっくり過ぎてイメージが湧きにくいのではないでしょうか?
カナリアの場合は、大きさで言うと35cm~40cm四方程度のものが望ましいです。
どことなく儚さを感じるカナリアですが、思いのほか活発に動き回るので、運動不足にならないように、もう少し大きめのサイズでもいいです。
しかし、大きくなれば掃除の手間もかかります。健康管理もかねての毎日の掃除、週に1度の大掃除が必要となるので、飼い主が扱いやすいサイズとの兼ね合いもポイントとなります。
カナリアの飼育に必要な基本グッズ
- 止まり木
- 餌入れ・水入れ
- 水浴び器
- ヒーター
- 止まり木
- 餌入れ・水入れ
- 水浴び器
- ヒーター
カナリアが食べる餌
カナリアが健康を維持するために、バランスの良い栄養を摂らせましょう。
3つに分けて、説明します。
- 主食
- 副食
- その他
主食
- ミックスシード
ミックスシードは、炭水化物が多い種子と脂肪が多い種子を混ぜたものになります。嗜好性が高く、よく食べてくれますが、中には選り好みする個体もいるため、まんべんなく食べさせることが難しい場合もあります。
皮つき、皮なしタイプがあります。
皮つきタイプのほうが、栄養価が高いです。
また、鳥が自分で皮をむくことにより、ストレスの軽減につながるともいわれるので、皮つきが良しとされますが、好みや成長に合わせて与えましょう。
- ペレット
ペレットは、人工飼料です。
必要な栄養がペレットのみで摂れるので、可能であれば無添加のペレットを選びます。しかし、嗜好性が低く、ミックスシード育ちのカナリアでは、切り替えには時間を要します。
副食
- 野菜
その他
- ボレー粉
- カルトボーン
- 増色用フードなど
カナリアは、羽の色が退色してしまうため、美しい羽の色を保てるように換羽期に増色用のフードを加えてあげましょう。また、常に清潔な水を与えられる環境を用意してあげましょう。
カナリアの飼育方法に関する注意点
カナリアの飼い方に関しての注意すべきポイントがこちらになります。
- 適切な温度管理
- 日光浴・水浴び
- 清潔な環境
- 誤飲に注意
詳細説明していきます。
- 適切な温度管理
温かい地方原産の鳥なので、寒さには弱いです。
冬場でも20℃はキープしてください。小型のヒーターなどを活用して、適温を保ちます。
- 日光浴・水浴び
カナリアは、体内でビタミンDを作ります。
直射日光を避けつつ、窓際などで1日に1~2時間程度は日光浴をさせましょう。
水浴びは体を清潔に保つため、体温調節という目的もあります。
- 清潔な環境
ケージの中が不潔だと、カナリアのストレスになり、病気のリスクも上がります。
糞を取り除くなど簡単な掃除は、毎日行いましょう。
- 誤飲に注意
カナリアは、小さいものを木の実と勘違いします。飲み込めるサイズのものは、ケージの周りに置いてはいけません。
カナリアは飼い主に懐きにくい
自立心が強く、クールなカナリアですが、飼い主には懐きにくいのでしょうか?
基本的に体に触れるといったスキンシップは苦手なので、インコのように手乗りにしたり、一緒に遊んだりする関係は望めません。
また、幼鳥からさし餌で育て手乗りになったというケースもあるようですが、一般的にカナリアの幼鳥は飼育が難しいとされ、ペットショップで見かけることがまずありません。
全く懐かないわけではないが、警戒心の強さや依存心の低さからべったり懐くということは難しいです。
しかし、1羽でいることがストレスにならないので、見た目や鳴き声を楽しみたい飼い主には、比較的飼いやすい鳥となります。
カナリアは単独行動を好むので多頭飼いに向かない
カナリアは多頭飼いができる鳥だと思いますか?
警戒心が強いカナリアは、野生でも単独行動で生活しています。
ペットとして飼育されているカナリアも本能は衰えていません。
ケージの中でも自分のテリトリー意識は強く、オス同士であれば壮絶な縄張り争いを繰り広げます。
ケガだけで済まない状況が起こり得るので、単体飼育が基本です。
複数飼育の場合も1羽ずつケージを用意してください。
メス同士でもオス同士ほどの争いは起こりませんが、テリトリーを侵されているストレスから病気につながることもあるので、同じケージ内での多頭飼育は止めましょう。
カナリアは寒さに弱いので冬は部屋の位置などに要注意
カナリアを飼育すると決めて、ケージはどこに設置するのがベストかご存じでしょうか?
飼育環境は、カナリアの健康状態にも大きな影響を及ぼします。
ここでは、設置場所について解説していきます。
まず、ポイントはこちらになります。
- 直射日光が当たらない場所
- 日の当たる場所
- エアコン使用時に風が直接当たらない場所
- 静かな場所
さらに気をつけるべきなのが、冬場の環境です。カナリアは寒さに極めて弱く、上記のポイントに加え、温度にも注意が必要です。完璧な設置場所は難しくても、ヒーターやケージカバーを使い、できる限り理想に近づけてください。
カナリアがなりやすい病気
カナリアはスキンシップが苦手な鳥なので、病気には特に気を付けたいですね。
なりやすい病気と症状を把握しておけば、早期発見につながります。
まとめて解説しているので、参考にしてください。
病気 | 症状 | 原因 |
---|---|---|
ルイソウ病 | 孵化40~50日の若鳥が瘦せ細る。 | 虚弱体質 遺伝性 |
カナリア痘 | まぶたが腫れて水泡ができる。 | ウィルス感染 |
気道炎 | 呼吸が早くなり、口を開けて呼吸する。 | ウィルス・細菌 真菌・トリコモナス原虫感染 |
カナリアの食欲や元気がなくなりだした時、オスであれば、鳴かなくなりだした時は特に注意深く、観察しましょう。
病気ではありませんが、「ワクモ」という赤いダニが付きやすいです。
ワクモの吸血による皮ふのトラブルが起こります。ひどい時は、貧血・衰弱と進んでしまうので、発生を防ぎ、発生した場合も速やかに駆除しましょう。
カナリアの値段や飼育費用は?
カナリアを購入する際に「値段相場はどのぐらい?」、「飼育にどのぐらいお金がかかるの?」と気になりますよね。
カナリアの種類は
- レモンカナリア
- 赤カナリア
- ローラーカナリア
- グロスターカナリア
カナリアの育て方・飼い方に関するまとめ
カナリアについて、特徴、飼育方法や注意点、さらには購入価格と飼育費用まで徹底解説してきました。
ポイントは
- カナリアには数々の種類がいる。
- カナリアは自立心が強く、極端なスキンシップは苦手。
- カナリアは寒さに弱く、特に冬の環境管理は注意する。
- カナリアがなりやすい病気がある。
となります。
カナリアは、見た目や鳴き声が美しく、1羽でいても寂しいと思わないので、初心者でも飼いやすいです。
しかし何もせず、眺めて喜んでいるだけでは、飼い主の責任は果たせていません。常に些細な変化も見逃さないようにしましょう。
MOFFMEでは、カナリアのペット保険についての記事も公開中です。ぜひご参考にしてください。