内容をまとめると
- フクロウの飼育の歴史が浅いため飼育に関する情報が不足している
- フクロウは体調不良を隠す習性があるので異変に気づくのか難しい
- フクロウの医療費は保険適用されないので、もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと安心
愛らしい瞳とフォルムがかわいいフクロウ。フクロウカフェなど身近にふれあれる場所が増え、飼育をはじめたいと思う人もいるのではないでしょうか。本記事では、フクロウを飼うデメリットを解説していきます。後から後悔することがないよう事前に注意点をチェックしましょう。
この記事の目次
目次を閉じるフクロウの飼育は大変?後悔するに知っておきたいデメリットを徹底解説!
【写真:コキンメフクロウ】
ぱっちりした瞳と何とも言えない立ち振る舞いが愛らしいフクロウ。
「私も飼育をしてみたいな、、」と思ったことがある人も多いのではないでしょうか。
かわいい見た目とは裏腹に、実はフクロウの飼育は一筋縄ではいきません。
後悔しないためにも、事前に飼い方について押さえておくことが大切です。
飼う際には以下の7つのデメリットを受け入れる必要があります。
- 寿命が長いので飼育に覚悟が必要
- 飼育に関する情報が少ない
- 体調不良を隠すので異変に気付くのが難しい
- フクロウを診断できる動物病院が充実していない
- 糞と羽のカスの掃除が大変
- 餌の見た目がグロテスク
- 人間に懐きにくい
どんな動物でもそうですが、飼う際には責任を持って最後まで飼えるかどうかの判断が必要です。
いざ飼ってみた時に後悔してしまわないよう、事前の心構えをしっかりしましょう。
フクロウは寿命が長いので飼育に覚悟が必要
フクロウの寿命は種類によって様々ですが、小型で10年、初心者が飼いやすい中・大型は20~30年程度と、フクロウは長生きです。
長い年月を一緒に暮らすことができるのはうれしいことですが、安易な気持ちでは飼えないので最後までお世話をする覚悟が必要です。
また、フクロウの飼育に掛かる費用も無視できません。
初期費用はフクロウそのものを含んで50~60万は掛かります。
月々の費用は、餌・ペットシーツ代、メンテナンス代など2万円程度、加えて病気や怪我などの病院代は数万円掛かることも少なくありません。
いざ飼う場合は、最後まできちんと飼えるか、掛かる費用を問題なく支払うことができるかどうかを判断する必要があります。
フクロウの飼育に関する情報が少ない
いざフクロウを飼いたいと思った時や困ったことがあった時、飼育方法や餌について調べようと思う人も多いはずです。
そんな時に困ってしまうのが、フクロウの飼育に関する情報が少ないことです。
人気が高まっているとはいえ、フクロウを飼っている人はまだまだ少数です。
そのためフクロウの飼育方法は確立されておらず、人によって見解が異なります。
係留(フクロウに足革を留めて止まり木に結んで飼育する)がよいか、ケージ飼いがよいか、餌の処理はどのようにするのがよいかなど、十人に聞けば十通りの答えが返ってくるほどです。
飼う際には、様々な情報の中から取捨選択する能力が必要になります。
フクロウの飼育方法
フクロウの飼育方法は完全に確立されていませんが、一般的に知られている飼育方法3選をご紹介します。
フクロウの飼育方法は
- 係留飼育:フクロウの足首に紐をつけて止まりきに固定する飼育方法
- 放鳥飼育
- ケージ飼育
フクロウは体調不良を隠すので異変に気づくのが難しい
【写真:モリフクロウ】
一緒に暮らすとなれば健康に長生きしてほしいと思うものですが、フクロウの異変に気付くのはかなり難しいです。
自然の中では体調不良を表に出すと外敵から捕食されてしまう危険性があります。
フクロウは野性味の強い鳥なので、危険を避けるため体調不良を隠してしまう習性があります。
どんなにきめ細やかに観察していても、食欲がない、疲れている、など飼い主が気付くほど体調不良が表面化している場合は、すでに手遅れなこともしばしば。
少しの違和感も見逃せない、異変を感じたらすぐに病院に駆け込まないといけないというプレッシャーはフクロウを飼う上での大きなデメリットの一つと言えます。
フクロウを診断できる動物病院が充実していない
【写真:シロフクロウ】
フクロウは野性味が強いながらも繊細な鳥。少しの異変も見逃さずに病院に駆け込む必要がありますが、残念なことにいざという時に頼れる病院は少ないです。
フクロウを飼っている人はかなり少数派です。診察してくれる病院は限られているので、定期健診などの日常的な通院も難しく遠くまで行かないといけないこともあります。
信頼できるプロが近くにいない、というのは心細いですよね。
フクロウを飼う前に、診察してくれる病院をリストアップして移動手段などあらかじめ見当を付けておきましょう。
長期期間の外出や旅行ができない
大型のフクロウは1日1回、小型のフクロウは1日に2回の給餌が必須です。そのため、フクロウを飼い始めると、長期間の外出や旅行を制限されてしまう可能性があります。
家族や知人に預けるという選択肢もありますが、エサの下処理は慣れていない人には難しい作業です。
「ペットホテルに預ければ大丈夫」と考えるかもしれませんが、フクロウは環境の変化に敏感です。新しい場所でストレスを感じると、食事を拒否してしまうこともあります。ペットホテルを利用する場合は、アクセスの良さとフクロウに優しい環境が整っているかを確認しましょう。
長期の外出や旅行、急な出張が多い人は、家を空ける際の対応を飼育前に考えておくことが重要です。
フクロウの糞と羽のカスの掃除が大変
【写真:コキンメフクロウ】
フクロウを飼う前には、お世話の大変さが気になりますよね。
フクロウはとにかく、お掃除が大変です。
- 糞
- 細かい羽
- 羽鞘(うしょう、羽のカス)
- 脂粉(しふん、フケのようなもの)
これらをこまめに掃除する必要があります。
フクロウは体も大きいため、羽や羽鞘、脂粉は広く舞いやすいく部屋全体の掃除が必要です。
また、ハウスダストが発生しやすいのでアレルギーを持っている人は要注意です。
動物を飼うにあたって掃除などのお世話は当たり前。
とはいえフクロウのいる部屋の掃除は他の動物と比べるとかなり大変なので掃除が苦手な人は覚悟が必要です。
フクロウはトイレを覚えれない
フクロウは体の構造上、トイレをしつけることができません。フクロウの行動範囲やペットシーツを敷くなどして対応する必要があります。
フクロウの餌の見た目がグロテスク
【写真:スーパーホワイトメンフクロウ】
愛らしいフクロウですが、餌はかなりグロテスクです。
フクロウは肉食の猛禽類なので、ネズミやヒヨコ、ウズラなどを餌として食べます。
肉食ならスーパーに売っているお肉でもいいのでは?と思いたいですが、内臓が取り除かれている精肉では栄養面に偏りがあり、餌として適していません。
そのままの姿で冷凍されているネズミやヒヨコを解凍し、小腸などの不要な部分を取り除いたり刻んだりしなければいけません。
フクロウを飼いたい人にとっては乗り越えられる試練かもしれませんが、家族と暮らしている場合は理解が得られないことも。
フクロウを飼いたい場合は、毎日餌の処理をしなければいけないことや、冷凍庫にネズミやヒヨコを保存しておかなければならないことなど、覚悟しましょう。
フクロウは人間に懐きにくい
【写真:眠っているモリフクロウ】
飼い主としては手のかかる子ほどかわいいもの。
フクロウは比較的飼育に手が掛かる鳥ですが、残念ながらフクロウは人に懐きにくいという特徴があります。
フクロウはペットとして品種改良されているような動物と違い、野性味が強いのが特徴です。
そのため、人間に懐くにはたとえ雛から育てたとしても時間が掛かります。
個体差があるものの、慣れるまでに早くて数ヵ月、一般的には数年掛かると言われています。
ふれあいを楽しむよりは、愛らしい姿と仕草を目で見て愛でるつもりでいるとちょうどいいかもしれませんね。
フクロウの種類によって鳴き声が大きい場合がある
フクロウというと、「ホーホー」という落ち着いた鳴き声をイメージするのではないでしょうか?実際には「ホッホッホッ」「ゴロスケホーホー」「ギャー」といった多様な鳴き声を出します。種類によっては時折犬のように「ワンワン」と鳴くこともあります。
基本的にフクロウは夜行性であり、夜間に鳴くことが多いため、うるさいと感じることがあるでしょう。特に、フクロウはテリトリーコールと呼ばれる独特の鳴き声を発し、自分の領域を主張するために突如として大きな声で鳴くこともあります。これが夜間、周囲に対して騒音となる可能性があります。
このため、フクロウの飼い主は近隣住人や家族に迷惑をかけないよう防音対策を取り入れましょう。
十分な広さの飼育スペースが必要
フクロウは大きな翼を広げられるスペースが必要です。室内で放し飼いする方法と、外で禽舎(きんしゃ)で飼う方法もありますが、どちらにせよ十分な広さが求められます。特に室内で放し飼いにする場合、フクロウが自由に飛び回れる空間を確保することが大切です。しかし、それが難しい場合は、ケージ内での飼育を検討しましょう。
- 止まり木や止まり台を設置し、安定して止まれる場所を準備
- エサ以外のものを誤飲する危険や、部屋のいたるところに糞をされるリスクがある
- 多少歩き回れて、羽を広げてもぶつからないサイズが理想
- ケージの素材はフクロウが傷つかないものを選択
- ケージ内が自分のテリトリーであると認識することで、フクロウは安心できる
フクロウを飼うデメリットに関するまとめ
ここまでフクロウを飼うデメリットについて解説してきました。
後悔しないために、飼う前に知っておきたいデメリットはこちら!
- 寿命が長いので覚悟が必要
- 飼育に関する情報が少ない
- 体調不良を隠すので異変に気付くのが難しい
- フクロウを診断できる動物病院が充実していない
- 餌の見た目がグロテスク
- 人間に懐きにくい
かわいらしい瞳ともふもふした体、愛らしい仕草のフクロウ。
飼って後悔してしまうのは、飼い主にとってもフクロウにとっても悲しいことですよね。
飼うと決めたら、デメリットを受け入れて最後まで責任を持って飼育できるよう準備を整えましょう。
MOFFMEでは他にフクロウやペット保険に関する記事を多数公開していますので、ぜひご確認くださいね!