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うさぎは全身毛皮に覆われている事から「寒さに強い動物」と思っている人も多いのではないでしょうか?でも実はそこまで寒さに強い訳でもないのです。冷え込む冬に、うさぎの健康を守る為には、うさぎの快適な室温・湿度、寒い時の仕草を知り、防寒対策を徹底する事が重要です。

この記事の目次

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うさぎは寒さに強い?弱い?何度まで耐えられるの?

うさぎと聞いて、ひょっとしたら「雪原を走り回っている姿」をイメージする人もいるかもしれません。でもそれはノウサギと呼ばれる、冬になると真っ白に換毛するタイプのうさぎ。飼いうさぎ(ドワーフやロップ等)の元になったアナウサギとはまた別で、日本では東北地方や北海道等にも生息する寒さに強い種類です。


ではアナウサギはどうかというと、アナウサギの原産地は、カラッとした地中海性気候が支配的なスペインですので「寒さに強い」とまではいえないんですよね。さらにいえば野生のアナウサギは巣穴に潜ればある程度寒さを乗り切る事が出来ますが、ペットのうさぎの場合、人間が文明の利器を使って室温管理してあげなければ、体調を崩してしまいます。


「じゃあ何度まで耐えられるの?」とはよく聞かれますが、ペットのうさぎは、どれだけ寒さに強い個体でも、10度あたりが限界といわれています。つまり冬の朝晩には気温が一桁台まで冷え込む日本で「外飼い」などはすべきでない、という事です。(最近は減ったものの学校でのうさぎ小屋飼育って本当は良くないんですよ・・・)


以下で

  • うさぎが冬も快適に過ごせる室温・湿度は?
  • うさぎがずっと寒さを感じているとどうなるの?

等の疑問にお答えしていきますので、うさぎの安心安全な越冬の為にお役立てください!

うさぎが冬も快適に過ごせる室温・湿度は?

うさぎの快適温度は18~28℃、湿度は40~60%といわれています。冬における夜や明け方の冷え込みは、例えライオンヘッドやジャージーウーリーの様な、暖かい被毛に覆われている長毛種であってもこたえます。


その為種類に関係なく、うさぎの生活環境を暖房で温める事が重要ですね。さらに安全かつ快適に過ごせるようにするには

  • 暖房を使うと乾燥しがちなので、加湿器で適切な湿度を保つ様にする
  • ストーブの様な人間用の暖房器具にうさぎが近づくのは危険なので、使用する場合はストーガード等でうさぎが触れられない様にする
  • ケージにヒーターを入れる場合、必ず床にスペースを開けておき、うさぎが熱くなったら降りられる様にする

等の対策が求められます。

うさぎがずっと寒さを感じているとどうなるの?

うさぎがずっと寒さを感じているとどうなるのか?というと、以下の様な体調不良が起こり得ます。

下痢

うさぎも人間と同じで、寒さでお腹を壊して下痢をしてしまう事があります。ただ下痢はうっ滞など深刻な病気の時にもみられる症状なので、部屋を温めてもなお下痢が続く様なら病院に連れて行きましょう。うさぎがまだ元気そうなら、ひとまずは下痢だけをラップに包んで、病院で検便してもらってください。

低体温症

下痢の状態が続くと、脱水を起こしてしまい、低体温症に陥る事もあります。低体温症は、体内で生産する熱よりも、体外に奪われる熱の方が多くなった時に起こる症状で、食欲不振からうっ滞の発症に繋がり、最悪死ぬ事もあります。部屋を温めても低体温症は改善しないので、すぐに動物病院に連れて行きましょう。

スナッフル(鼻性呼吸)

うさぎも寒さで免疫力が下がるとスナッフル(鼻性呼吸)と呼ばれる風邪に似た症状を発症する事があります。人間の風邪と違い死ぬ場合もあるので、鼻水が出たり、目やにが出たりといった症状を確認したら、すぐ病院に連れて行きましょう。
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うさぎのくしゃみは病気のサイン?くしゃみの原因とスナッフルについて解説

上記の症状は冬だけに出るとは限りません。夏でも温度を下げ過ぎたり、冷風が直接当たる様な場所にケージが置かれていると、寒すぎて体調を崩す事があるので注意してください。

うさぎが寒い時の仕草・サインを紹介!

うさぎは極度な寒さが続くと、体調を崩してしまう事、冬にしろ夏にしろ、適切な温度管理が必要な事についてお話ししてきました。


うさぎは寒い時に「寒いから温度上げて」なんて言えませんから、飼い主さんが、最大限気を遣ってあげて、寒い時の仕草やサインを見逃さない事が大切です。


具体的には

  • 体の下に手足を入れてじっとしている
  • 耳が冷たくなる
  • 食欲不振になる

といった仕草・サインが見られれば「今この子は寒さを感じているな」と察してあげて、暖房で温度をあげるなり、ケージを毛布で覆うなり、防寒対策を行う様にしましょう。以下でもう少しそれぞれの仕草・サインの特徴について解説していきますね!

うさぎが寒い時の仕草・サイン①体の下に手足を入れてじっとしている

うさぎも寒い時に「体を丸めて小さくする」のは人間と変わらず

  • 体の下に手足を入れてじっとしている(猫の香箱座りの様なもの)
  • 耳を折りたたんでぴったり体に付けている

等の様子が観察出来ます。これは体を可能な限り小さくし、体温を逃がさない様努めているのですね。


その他には、お腹や鼻の動きを見れば、呼吸のペースが遅くなっているのがわかるかと思いますが、これは「呼吸のペースを抑える」事で「体外に出ていく熱をセーブ」しているのです。


こういった仕草に加え、ケージの隅や部屋の壁際でじっとしている様子が見られるのなら、それは相当寒さを感じているという事です。

逆に暑い時、うさぎは体をゴロンと横にして、体積を大きくしたり、呼吸を早めて熱を外に逃がそうとします。

うさぎが寒い時の仕草・サイン②耳が冷たくなる

うさぎが寒さを感じている時のサインとして「耳が冷たくなる」という変化も。これは、うさぎの耳が「聞く」だけでなく「体温調節」という役割も兼ねている事が関係しています。


日中などにうさぎの耳を透かして観察してみてください。中央の太い動脈から細かい静脈が無数に張り巡らされているのがわかると思います。うさぎは暑い時は、この血管が張り巡らされた耳に外気を当てる事で、冷えた血液を体内に送り、体温が上がらないよう調節しているのです。


では寒い時はどうするのか?というと、逆のことをします。

  1. 耳を折りたたんで外気から遮断
  2. 耳の血管を縮ませ、血液を体内に留める
  3. 1,2で体温の維持に努める

つまりうさぎが寒いと耳が冷たくなるのは、2で体温を含んだ血液が耳に送られない様にしている為なんですね。

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うさぎの耳が冷たいのは病気?耳の役割とうさぎの様子別の対処法を解説!

うさぎが寒い時の仕草・サイン③食欲不振になる

うさぎは寒くて体温が低下すると、消化器官の動きが滞り、食欲不振になることがあります。うさぎはよく食べ、胃腸を活発に動かす事で健康体を維持する動物です。寒さで食欲不振が続けば、あっという間に体調を崩してしまいます。


また寒い時は食欲だけでなく、体温低下を防ぐ為に飲水量も減る傾向にあります。水分不足で尿に含まれるカルシウムが過剰になると、成分が塊(結石)となり尿道結石を発症するリスクが上がる事も知っておきましょう。


食欲不振は寒さに限らず、様々な病気にみられる典型的な症状なので、部屋を暖かくしてもなお

  • 餌を食べない
  • 水を飲まない
  • 糞をしない

等の異常が続くのなら、すぐに病院で診てもらう様にしましょう。

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うさぎがご飯を食べない!元気はあるし、水は飲むから2日・3日様子を見ても大丈夫?

「震える」「鼻水が出る」は寒い時のサインではないので要注意!

私達人間は寒い時に体を震わせて体温を保とうとしたり、寒さから鼻水を出したりしますが、うさぎがこれをやる時は「寒い時」のサインではないので注意してください。


震える原因

うさぎが震えるのは、病気や怪我で痛みを抱えている時や、何らかの恐怖を感じている時です。本能で弱っているのを隠すうさぎが「震え」の様な弱みを見せるというのは、かなり限界に近いサインでもあるので、一刻も早く病院に連れていきましょう。


うさぎが震える理由を解説!病気やケガをしている可能性が高い?【うさぎ先生監修】


鼻水が出る原因

うさぎが鼻水を出しているのなら、それは「寒さ」からではなくスナッフルと呼ばれる呼吸器系の病気である可能性が高いです。スナッフルは、パスツレラ菌の感染を主たる原因として、鼻炎を引き起こし、鼻水で鼻腔が詰まってしまう病気です。うさぎは口呼吸がほぼできない動物ですので「鼻が詰まる」という事態は、人間とは比べ物にならないほど辛い状況と思ってください。


うさぎが鼻水を出すと共に、鼻をフンフン言わせていたり、くしゃみを連発していたらスナッフルを疑いましょう。うさぎの呼吸器系の病気は重篤化し易く、命にも関わりますので、すぐに病院で診察してもらってください。


うさぎのくしゃみは病気のサイン?くしゃみの原因とスナッフルについて解説

スナッフルは「寒い時のサイン」ではないですが、寒さで免疫力が低下している時に発症し易い病気でもあります。予防の為にはやはり寒さ対策が欠かせないという事ですね。

うさぎと「寒さ」についてのまとめ

ここまでうさぎと「寒さ」について着目して解説してきました。


この記事のポイントは

  • うさぎは「寒さに強い」とまでは言えない
  • うさぎは寒さをずっと感じていると、下痢や低体温症になる可能性がある
  • 体の下に手をうれてじっとしていたり、食欲不振になったり、耳が冷たいことは寒さを感じているサインかも
  • うさぎが「震える」「鼻水が出る」場合は寒さ以外の原因の可能性が高いので注意
でした。

なんとなくうさぎは寒さに強そうなイメージがありますが、寒さが続けば体調不良になってしまいます。室温は18~28℃、湿度は40~60%を保つ環境を用意してあげてくださいね。

MOFFMEでは他にもうさぎや、うさぎのペット保険についても多数記事を公開していますので、ぜひ確認してみてくださいね!

記事監修者「西森 史奈」

西森 史奈
MOFFME編集部うさぎ担当。愛玩動物飼養管理士、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。

すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という想いに共感しMOFFMEに参画。特に近年飼育頭数が増えているうさぎに着目し、飼い主とうさぎが長く一緒に幸せに暮らしていけるようにうさぎに関する正しい情報を発信すべく日々勉強中。