うさぎと暮らしていれば誰しも、伸びたりしながら口を大きく開け「あくび」する姿を見た事が一度はあると思います。実はあくびは眠気以外でも、病気を理由としている場合もあるんです。当記事では、なぜうさぎがあくびをするのか、その理由やメカニズム、そして病気の場合の対処法について解説していきます。
この記事の目次
目次を閉じるうさぎがあくびをする意味を解説!人間と同じ理由でするの?
「あくび」とは、口を大きく開けながら、深く呼吸する事で、あらゆる動物が行う無意識の不随意運動です。
うさぎが背を丸めたり、前足を伸ばしながら「あくび」をする様子を見た人は多いと思います。その姿を「かわいい!」と感じる人もいれば、前歯が剥き出しになる様子から「怖い」「ブサイク」と感じる人も多いようです。
しかし改めて「あくびって何の意味があってするんだろう?」という疑問も抱いた事はありませんか?
実はあくびは未だに「謎多き生理現象」とされていて、その理由は完全にはわかっていないんですよ。でも諸説ある中で有力視されているのは
- 二酸化炭素濃度が上がった脳に酸素を送る為
- 自律神経のバランスを整える為
の2説です。
うさぎにしろ人間にしろ、眠い時・眠りから覚めた時・退屈を感じている時・気分転換をしたい時・落ち着いている時・緊張を和らげたい時・ストレスを解消したい時、例外的には病気の時等にもあくびを行いますが、いずれの場合も上記2説で説明がつきます。
下記ではこの2説に基づき、あくびの理由として最も多い
- ねむたい時
- リラックスしている時
- 緊張している時
の詳しい様子や、あくびが出る意味、メカニズムについて解説しています。
「最近なぜかあくび多いなぁ」と心配されている方、単純に「なぜあくびをするんだろう?」と素朴に疑問に思っている方は、是非最後までご覧ください!また、うさぎのペット保険についても詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみてくださいね!
うさぎがあくびをする理由①ねむたい
うさぎがあくびをする理由として最も多いのが「ねむたいから」というものです。
あくびをする理由は「脳が酸欠状態の時、脳に酸素を送り働きを活性化させようとしている」という仮説が有力視されているとお話ししました。
私達人間も、あくびをする時息を大きく吸い込みますよね?
これは無意識の「深呼吸」の様なもので、息を吸うと共に、酸素を脳に取り込んで、意識をはっきりとさせようとしているのです。
こういったねむたい時のあくびは「覚醒」の為のあくびであり、脳に酸素を送ると共に
- 普段使わない筋肉を使う事で、脳への血流を増やして、脳の血液を新鮮にする
- 覚醒の脳波であるβ波を発生させる
といった働きで、目覚めを促していると言われています。
とにかくうさぎが眠そうにあくびをしている時は、スムーズに眠りに移行出来る様、静かな環境を維持してあげましょう!
またうさぎがしきりにあくびをするのは寝不足の可能性もありますので、うさぎが落ち着いて眠れる環境かどうか、今一度飼育環境を見直してみてくださいね。
うさぎがあくびをする理由②リラックスしている
うさぎは「リラックスしている時」にもあくびを行います。
動物がリラックスモードに入るのは、自律神経が交感神経から副交感神経に切り替わる時であり、あくびはこの切り換えをスムーズにすると言われていますね。
リラックスしている時のあくびは、同時に手足を伸ばして伸びる動作も行う事が多いです。うさぎが心身ともに落ち着ける環境にあり、飼い主さんを信頼している証拠ですので、今までの飼育方針に自信を持ちましょう!
逆に「そんなあくび見たことない」というのであれば、それはうさぎに信頼されていない、うさぎが落ち着ける環境にない可能性もありますので、飼育環境を見直してみましょう。
うさぎがあくびをする理由③緊張している
意外に思うかもしれませんが、うさぎは「緊張している時」にも「切り換えのスイッチ」としてあくびを行います。
実は人間も極度に緊張している時・・・例えば大勢の前で何かを発表する時(大事な会議のプレゼン前、大学の研究発表)等、腕や背筋を伸ばして、大きく口を開けてあくびをする事があります。
これと同じで、うさぎも病院など「怖い」環境に置かれた時、脳の防衛本能としてあくびを行います。緊張状態になると、体の強張りから脳に送られる血液も減るので、酸素を取り込む為に脳があくびを指示して、心と体の緊張を和らげようとしているのですね。
こういう眠気のない時のあくびは「生あくび」等と呼ばれます。
ストレスに弱いうさぎが「生あくび」を繰り返すのは良い事とはいえません・・・。日頃から生あくびを繰り返しているのなら、何かストレスを与える様な要因がないか、飼育環境を見直してみましょう。
うさぎのあくびの回数が多いと病気の可能性がある?
うさぎがリラックスしている訳でも、眠い訳でも、特に緊張する様な状況に置かれている訳でもないのに、執拗にあくびをしている場合・・・それは何らかの病気を原因としている可能性もあります。
ただ上述した通り、あくびは決して珍しいものではありません。むしろ日常的に行われるものなので、「あくび=危険信号」と決めつけず、その他の様子も判断材料にしてください。
あくびの他にも
- 食欲がない
- 元気がない
- ジッとしている事が増えた
- 呼吸が早い
- 糞の状態がおかしい
等の変化が見られれば、その時初めて危険信号と判断し、早めに病院で診てもらう事をお勧めします。
あくびが多いと心配な病気として
- 不正咬合
- 心臓の病気
- 脳の病気
などが挙げられますので、以下で病気別に「あくび」がどう関係しているのか解説していきますね。「最近あくびの多さが心配・・・」という方は参考にしてみてください!
あくびが多いと心配な病気①不正咬合
不正咬合というのは、何らかの原因で歯の噛み合わせが悪くなり、餌がうまく食べられなくなる病気の事です。
うさぎは不正咬合になると
- 伸びた歯で上手く口が閉じられなかったり、気管が圧迫される事で、脳に酸素が正常に送られなくなる。
- 伸びた奥歯が口内に当たってしまい痛み、不快感を感じる様になる。
等の理由で、あくびを繰り返す場合があるのです。
不正咬合は放置すると、伸びた奥歯が口内の皮膚を突き破ったり、餌が食べられず弱ってしまったりするので、疑いがあれば、速やかに病院で診てもらいましょうね。
あくびの他にも
- よだれを常時垂れ流す様になる
- ペレットをポロポロこぼす様になる
- やたら歯ぎしりが増える
等の変化が見られれば、不正咬合の可能性が高いです。
あくびが多いと心配な病気②心臓の病気
うさぎのあくびが多いと心配な病気の一つに、心不全・心筋症等の「心臓の病気」があります。
「ストレス(緊張状態)を緩和する為にあくびをする事がある」と解説しましたが、同時に知っておいて頂きたいのは「ストレスが多いと、脈拍が上がり、心臓への負担が増大する為、心臓の病気になりやすくなる」という事です。うさぎは心拍が早いので、ストレスによる心臓への負担増から、心臓病を発症する事は珍しくありません・・・。
つまり「心臓の病気になると、脳に血液が正常に送られなくなる→→酸欠状態の脳に強制的に酸素を送ろうとする」・・という理屈で、あくびを繰り返す様になる訳ですね。
あくびの他に
- 動きが鈍い
- 食欲不振
- お腹が張っている
- 少し走っただけで息切れする
- 口を開けて呼吸が早い
等の異変が見られれば、心臓の病気も疑ってみてください。念のために病院で心音を聞いて貰ったり、心電図を撮って貰って、異常がないか検査してみる事をお勧めします。
あくびが多いと心配な病気③脳の病気
あまり考えたくありませんが、うさぎがあくびをしきりに繰り返すのは「脳の病気」の可能性もあります。
うさぎは体の大きさに対して心臓が小さいので、心臓を目一杯動かして、血圧を高め、脳に血液を送り込んでいます。よって人間より体の中の「血の塊」が脳に流れ込み易く、脳梗塞等脳の病気に罹り易い性質なんです・・・。
「酸欠状態の脳に酸素を送り、活動や目覚めを促す」のがあくびの理由として有力であると解説しました。つまり脳の病気に罹ると「血の塊や腫瘍が脳を圧迫する」等で、正常に酸素が送られなるので、酸素を強制的に送り、体を動かす為に「あくび」を繰り返す様になるのです。
脳の病気の場合、あくびの他にも
- 歩き方がフラフラする
- 頭を傾けている
- 痙攣している
などの異常がみられますので、うさぎが走っていて頭をどこかに衝突させてしまった後などに、あくびを繰り返しているのなら要注意ですよ!
うさぎのあくびに関するまとめ
ここまでうさぎのあくびに着目して解説してきました。
この記事のポイントは
- あくびの役割は脳に酸素を送る為・自律神経のバランスを整える為の2説ある!
- うさぎがあくびをする理由は、ねむたい・リラックスしている・緊張していることが多い!
- うさぎのあくびには病気のサインである可能性も
- あくびだけでなく、日頃の様子をよく観察して総合的に判断しよう