ヨウムの飼い方や飼育方法は?飼育に必要なものや病気についても解説【初心者必見】のサムネイル画像

ヨウムは人間の5歳児程度の知能を持つとも言われる賢い鳥です。当記事ではヨウムの平均寿命、性格の他にも飼い方や値段、長生きゆえの注意点などについて徹底解説していきます。ヨウムの飼育を検討している方はぜひ参考にしてください。

この記事の目次

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ヨウムは賢い?特徴について解説



ヨウムは、人間の言葉をまねるオウムやインコの仲間の中でも、特に人間に匹敵する知能を持つ賢いとして有名ですね。

「飼ってみたい」と思われる方も多いのではないでしょうか。


ヨウムは非常に高い学習能力を持ち、最大1000語以上の言葉を覚え、適切な状況で使うことができます。


人間の5歳児程度の知能を持つとも言われています。シンプルな数学の問題を解いたり形や色を識別する能力もあると言われています。


そんなヨウムとうまくコミュニケーションが取れるようになれば、素晴らしいパートナーになってくれるでしょう。


しかし、知性の高いヨウムは退屈するとストレスを感じ、フェザープラッキング(自分の羽根をむしり取る行動)などの問題行動を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

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【獣医師監修】ヨウムの平均寿命や性格は?長生きさせるコツや飼育方法も紹介!

ヨウムの飼育に必要なもの4選

ヨウムをわが家にお迎えするには、どんな準備が必要なのでしょうか?


ヨウムの飼育には、

  • 大きなケージ
  • 止まり木や餌入れなどの基本グッズ
  • おもちゃ

が必要です。


ケージはヨウムが自由に動き回れるスペースが確保でき、止まり木やおもちゃを配置できるぐらい大きなものが適しています。


止まり木や餌入れなどの基本グッズの他に、羽根や肌を健康に保つために水浴び用品も必要です。


ヨウムは賢い鳥なので、おもちゃはパズルや鏡、鈴付きのものなど、刺激的で安全なものを選びましょう。


餌はバランスが重要で、鳥用のペレット、新鮮な果物・野菜、カルシウムやミネラル補給のためのボレー粉や塩土が必要です。また、常に新鮮な水を与えることを忘れないでくださいね。

①ヨウム用の大きなケージ

ヨウムは体長が約30㎝と比較的大きな鳥です。そのため、その体格に見合った大きなケージが必要となります。


ヨウムがずっと健康的でいるためには、適度な運動が大切です。なのでヨウムが自由に動き回ることができるスペースがあるといいでしょう。


また、ヨウムは知能が高いため、常に新しい刺激が必要です。ケージが大きいと、さまざまなおもちゃなどを入れるのにも便利です。

②ヨウムの飼育に必要な基本グッズ

ヨウムを家に迎える時に最低限必要なグッズについてご紹介いたします。


止まり木

さまざまな大きさや形状、素材の止まり木を入れておきましょう。

ヨウムの足の筋力を維持し、関節を柔軟に保つことができます。


水浴び用品

ヨウムは皮膚や羽根を健康に保つために水浴びが大好きです。

たらいやバードバスなど水浴び用の器を用意してあげましょう。


餌入れ・水入れ

餌入れや水入れは清潔さを保つため、洗いやすい材質のものがよいでしょう。

ヨウムが入れ物を倒さないように固定できるものが最適です。


保温用品(ヒーター)

ヨウムが生きるための適温は20-30度です。

ペット用ヒーターなどを利用して適温を保ってあげましょう。

③おもちゃ

ヨウムは非常に知能が高いので、刺激的なおもちゃを与えてその好奇心を満たしてあげることが大切です。


ヨウムに適したおもちゃには、パズルおもちゃ、鳥用の鏡、鈴付きのおもちゃ、ビーズや木製のブロックをつなげたものなどがあります。


ただし、ヨウムがおもちゃを安全に遊ぶことができるよう、小さなパーツが取れて誤飲する危険がないか、また、使用されている素材が無毒であるかなど、おもちゃを選ぶ際には注意が必要です。

④ヨウムが食べる餌

ヨウムの餌はバランスが取れていることが重要です。鳥用に調合されたペレットが販売されているので利用しましょう。


新鮮な果物や野菜も重要な役割を果たします。

ブロッコリーやニンジン、リンゴ、バナナなどの新鮮な食材からは、ビタミンミネラルを補給できます。


カルシウムやミネラル摂取のためにボレー粉や塩土も与えるとよいでしょう。


ヨウムの健康のために、バランスのよい食事を与え、新鮮な水を常に利用できるようにすることが大切です。

ヨウムの飼育に関する注意点5選

家族の一員となったヨウムには、健康で幸せでいてほしいですよね。

そのためにはどんなことに注意すればいいでしょうか。


飼育に関する5つの注意点をまとめました。

注意点理由
性格が繊細ヨウムは知性が高く感情が豊かなのでストレスをためやすい
日光浴日光はビタミンDの生成を助けるので骨や羽根の健康維持に必要
反抗期1~2歳頃に性格が荒れることも。成長の過程として理解を
放鳥活発で好奇心旺盛なので毎日1~2時間はケージの外に出す
長寿平均寿命は約50年なので長期的な飼育になることを検討しておく

これからひとつひとつを詳しく説明していきますね。

①ヨウムは性格が繊細な個体が多い

ヨウムは知能が高く感情豊かで、愛情深く社交的な鳥です。


しかし、同時にストレスに弱く、環境やケアの変化に対して敏感に反応します。飼い主の生活リズムの変化やケージの位置の変更など、些細なことでもストレスに感じやすいです。 また、退屈にも敏感で、適切な刺激がないとストレスを溜め込んでしまいます。


ストレスを感じると、ヨウムはフェザープラッキング(自分の羽根をむしる行動)や過度の鳴き声、攻撃的な行動などの問題行動を示すことがあるので注意が必要です。


ヨウムの性格の繊細さを理解し、安定した環境を与え適切なお世話をしてあげましょう。

②ヨウムに日光浴を毎日させる

ヨウムには日光浴が必要です。日光がビタミンDの生成を助け、カルシウムの吸収を促進するからです。カルシウムはヨウムの健康な骨と羽根の成長に大切な栄養素となっています。


日光浴はストレスの軽減、生活リズムを維持することに役立ちます。ただし、直射日光が強すぎる場合は、ケージを部分的に日陰に置いて、ヨウムが必要に応じて日陰に移動できるようにしましょう。

③ヨウムには反抗期がある

ヨウムは知性が高く感情豊かな鳥であり、成長の過程で「反抗期」を経験することがあります。この時期には、ヨウムが普段と異なる行動を示すことがあるので、よく観察してあげましょう。


ヨウムの反抗期の具体的行動に

  • 攻撃的になり飼い主に噛み付く
  • ステップアップ(手に乗せる)の拒否

が挙げられます。


反抗期は通常、ヨウムが1歳から2歳で始まりますが、ヨウムによっては7歳から9歳の時になることもあります。


反抗期のヨウムに対しては辛抱強く、優しく接してあげましょう。

④ヨウムは毎日、放鳥が必要

ヨウムは知能が高く活発なので、毎日1~2時間程度、ケージの外で過ごす「放鳥」が必要です。


放鳥はヨウムの身体的、精神的健康にとって重要です。放鳥によって筋肉を維持し、適切な体重を維持することができます。


また、新しい環境を探索することで、ヨウムの好奇心を満たし、精神的にも刺激を与えることができます。


放鳥はヨウムと飼い主との絆を深める機会でもあります。ヨウムと一緒に楽しく遊んだり、新しいトリックや言葉を教えたりして、お互いの信頼関係や絆を深めていきましょう。

⑤ヨウムの平均寿命は約50年と長い

ヨウムの平均寿命は約50年と長生きします。そのため、ヨウムを飼うには長期的な覚悟が必要です。


ヨウムが人間の一生の大部分を共有する可能性があるため、飼う前にはさまざまな条件を十分に検討しておきましょう。


飼い主がヨウムより先に亡くなったり、お世話ができなくなったりした場合の事前準備も重要です。

ヨウムをペットして飼育するには個体登録が必要

日本国内でヨウムを飼育するには、環境省への国際希少種登録が必須となっています。

2016年のワシントン条約の第17会締約会議で、ヨウムの種の保護と持続可能な管理を目指して設けられました。規制が生まれた背景に野生個体の商業取引が全面的に禁止されたことが挙げられます。

規制の結果、海外からのペットとしてのヨウムの輸入は許可されず、動物園での飼育や学術研究のための輸入のみが認可されています。

そのため、ペットとしてヨウムを飼育するためには、国内で繁殖された個体、または国の登録証を持つ個体を選ぶ必要があります。

新たにヨウムを飼い始める人だけでなく、以前からヨウムを飼っていた人にも適用されます。

ヨウムを飼えなくなったら国に申請が必要

ヨウムが飼えなくなった場合、ヨウムの所有権移動は日本国による厳格な規制の対象となります。


所有権の移動を行うには、まず、購入時のレシートと繁殖証明書が必要です。


具体的には、ペットショップで購入した場合、レシートまたは領収書とともに、同店に繁殖証明書の取得申請を行います。証明書が届いたら、その証明書をもとに国に登録申請を行ってください。


国から発行される登録証がなければ、所有権の移動は特例期間か動物園、または環境大臣の認可がある場合に限られます。現状、業者間や個人間での移動は認められていません。

ヨウムがなりやすい病気

ヨウムを家にお迎えしたら、少しでも長く共に過ごしたいですよね。

そのためには、ヨウムがなりやすい5つの病気について注意していきましょう。
病名症状発症原因
フェザープラッキング自分の羽根をむしる行動ストレスや皮膚の乾燥、栄養不良など
ビタミンD・Ca欠乏症ふるえや脚弱ビタミンDやカルシウムの不足や吸収不良
ウイルス性羽毛疾患羽根の変形や脱毛PBFDウイルスなどへの感染
クラミジア感染症(オウム病)食欲不振、下痢、鼻炎オウム病クラミジアへの感染
胃腸炎食欲不振や下痢微生物感染やストレス
これらの病気には、栄養管理に気を配ったり、清潔を保持することで予防できるのものあります。

普段と変わった様子がないか、細やかに観察することが大切です。

ヨウムの値段や飼育費用は?

気になるヨウムの値段は、種類や年齢、性別、そしてブリーダーやペットショップによりますが、おおよそ20万円から30万円程度が一般的です。
種類平均価格
ノーマルヨウム
コンゴヨウム
約23万~30万円
コイネズミヨウム約28~33万円
飼育費用には、ケージやおもちゃ、止まり木などの設備費用、そして定期的な餌やおやつの費用が含まれます。
餌やおやつの費用は月に数千円程度を見積もるとよいでしょう。

さらに、ヨウムの定期的な健康診断、予防接種、そして病気の治療費用なども必要です。

ヨウムは長生きなので、生涯に必要な飼育費用も大きくなります。

ヨウムの飼い方のポイントや注意点に関するまとめ

ヨウムの飼い方のポイントや注意点を解説してきましたが、いかがだったでしょうか? 


今回の記事のポイントは

  • ヨウムを飼うときはストレスをためないようにすること
  • ヨウムの平均寿命は約50年
  • ヨウムを飼う時には国への個体登録が必要

となります。


ヨウムはとても賢く、反抗期さえうまく乗り越えれば、飼い主さんと深くコミュニケーションを取って人生の相棒となってくれるでしょう。


MOFFMEでは他にもヨウムのペット保険に関する記事を多数公開していますので、ぜひご確認くださいね!