うさぎを観察していると、鼻がいつもひくひく動いている事に気が付くと思います。実はこのひくひくは生きる上で大切な役割を果たしているんです。この記事では、うさぎの鼻がひくひく動く理由と動きが早い・動いてないときの意味、鼻が開く時の注意点等について解説していきます。
この記事の目次
目次を閉じるうさぎが鼻をひくひく・ピクピクとさせる理由を解説!
うさぎが鼻をひくひく・ピクピクさせる様(通称:鼻ウィンク)は、うさぎを飼育していれば誰もが日常的に見る光景だと思います。うさぎのチャームポイントの一つとも言えるのではないでしょうか?
鼻をゆっくり動かしている時もあれば、早い頻度で動かしている時もあれば、全く動いてないときも・・・うさぎはポーカーフェイスですが、鼻に関しては本当に表情豊かですよね!
うさぎは口周りの発達した筋肉により、鼻孔を素早く開閉出来るのですが、そもそも「なぜそんな事をしているのか」というと
- 鼻呼吸をしているため
- においで情報収集をしているため
というのが主な理由です。
下記で理由別に詳しく解説していきますので、日頃の観察の中で「何の意味があるのかな?」と素朴に疑問に思っていた方は、是非参考にしてみてくださいね!また、うさぎのペット保険についても詳しく解説していますので、ぜひご覧くださいね。
うさぎの鼻が動く理由①鼻呼吸をしているため
まず言うまでもなく鼻には「呼吸」という役割が備わっており、鼻が動いている時でも、動いていない時でも、常に鼻孔を通し酸素を取り込んでいます。
そして同時に知っておいて欲しいのは、うさぎの心身の状態は「呼吸の早さ=鼻ピクの頻度」に影響を及ぼすという事です。
- 健康でかつ落ち着いており、呼吸が正常に行われている時→鼻ピクは緩やか
- 体調不良で苦しんでいたり、極度な緊張やストレス下に置かれている時→鼻ピクが早い
つまり「鼻ピクの早さ」は、うさぎの健康状態を確認する上で重要な指標の一つになります。
口呼吸は危険信号!
うさぎは寝てる時やリラックスしている時は、鼻が全く動いていない事も多いですが、鼻ピクが全く行われていなくて、かつ口でゼェゼェ呼吸している時は要注意!
うさぎは人間と違って「口呼吸をほとんど行わない」動物ですので、口呼吸をせざるを得ない時というのは、相当危険な状態にあるという事。
呼吸器にまつわるうさぎの病気としてはスナッフルが代表的ですので、口呼吸以外でも鼻水やくしゃみ等、典型的な症状がないか確認してみましょう。
うさぎの鼻が動く理由②においで情報収集をしているため
鼻が動く理由の2つ目は「においで情報収集している為」です。
うさぎの嗅受容細胞は5億個と、なんと人間の約10倍もあり、鼻を動かし「におい分子」感知する事で、あらゆる情報を得る事が出来ています。「鼻が利く生き物」といえば犬をイメージする人が多いかもしれませんが、実はうさぎの鼻も犬に次ぐ程高機能なのです。
そしてうさぎは視力が弱い分、この優れた鼻を駆使して
- 餌の場所を突き止める
- 食べてはいけない食べ物を判別する
- 異性のフェロモンを嗅ぎ分ける
- 天敵の接近を察知する
- においを経験と紐づけし学習する
など実に様々な事に役立てています。これはペットのうさぎであっても同じであり、何か嗅ぎ慣れないにおいがすれば、鼻を動かし「においの正体」を調べるのです。
この様に、においで情報収集している時、うさぎの鼻は非常に早く動くのが特徴で、逆に情報収集をする必要がない「リラックスしている時」や「眠っている時」は、必然的に鼻の動きは穏やかになるのです。
うさぎの鼻の動きが早いのはなぜ?どんなときに早くなるの?
うさぎの鼻は「感情や健康状態を知る指標」であるとお話しました。
リラックスしている時や眠い時、眠っている時は鼻の動きは穏やかになりますので「うさぎの鼻の動きが早い」というのは、少なくともそういう状態にはないという事です。
ただし、だからといって「警戒されているのかな?」「ストレスを溜めているのかな?」と決めつけるのも早いです。
鼻の動きが早くなるのは
- 嗅ぎ慣れないにおいがある
- 暑い
- ストレス・恐怖・痛みを感じている
等の理由が考えられるので、鼻の動き以外でも、飼育環境やうさぎの様子を観察し、冷静に原因を分析する必要があります。
下記で理由別に詳しく解説していきますので「鼻の動きが早いのはなぜだろう?」と気になっている方は参考にしてみてくださいね!
うさぎの鼻の動きが早い理由①嗅ぎ慣れないにおいがある
うさぎは嗅ぎ慣れないにおいを察知した時も、鼻の動きが早くなります。自然界ではにおいの変化に敏感に反応し、天敵の接近を素早く察知したり、安全な草を嗅ぎ分けたりしています。
例えば新しいペレットやおやつを与えた時の様子を観察してみてください。おそらく鼻を早く動かしにおいを確かめていると思いますが、これは目新しい食べ物を警戒しているのです。繊細なうさぎは、例え少量でも体に毒なものを食べると命に関わるので、嗅ぎ慣れない食べ物には非常に神経質になるのですね・・・。
他にも芳香剤や香水のにおいを察知した時も「なんだこれ?」と警戒して、鼻をピクピク早く動かす事もありますね。うさぎはにおいで飼い主と他人を判断しているので、うさぎの嗅ぎ慣れないにおいを纏っていると「余所者」と判断されて攻撃される事も・・・。
うさぎの敏感な鼻に、刺激の強い香水は悪影響ですので、普段香水を付ける方は十分注意してくださいね。
うさぎの鼻の動きが早い理由②暑い
うさぎは暑い時にも鼻の動きが早くなります。これはうさぎの鼻には「呼吸」や「においによる情報収集」以外に「体温調節」という役割が備わっている事に起因しています。
暑くなると鼻を頻繁に動かしますが、これは「呼気と共に体内に溜まった熱を外に逃がし体温が上がらない様にしている」のです。
全身毛皮に覆われ、汗腺の発達していないうさぎにとって暑さは大敵。熱中症で亡くなってしまう子もいます。暑さから鼻の動きが早まっている様子なら、エアコンやクールマットで暑さ対策をしてあげましょう。
ちなみにうさぎは耳でも体温調節を行う生き物です。暑い時は、血管が細かく張り巡った耳に風を当てる事で放熱します。なので「鼻の動きが早い」以外でも、耳の温度が平時より熱かったり、赤くなったりしていたら「今この子は暑さを感じているな」と察してあげてください。
うさぎの鼻の動きが早い理由③ストレス・恐怖・痛みを感じている
うさぎの鼻の動きは、うさぎの精神状態を反映しています。
リラックスしている時、眠い時は鼻の動きは穏やかになる、もしくは全く動かなくなりますが、逆にストレス・恐怖・痛みを感じている時は、鼻の動きが非常に早くなるのです。
繊細なうさぎはストレスを感じ易く、ストレスを溜め込むと体調を崩す事も多いので注意してください。
ストレス・恐怖・痛みを感じる時は
- 引っ越し等で飼育環境が激変した時
- 病院や移動中の車内にいる時
- 犬・猫など他の動物の臭いや鳴き声を察知した時
- 病気もしくは手術後の痛みを感じている時
- 急に近くで大きな音がした時
等々様々ですので、飼い主さんが今うさぎの置かれている状況を正確に把握し、原因を取り除いてあげなければいけません。
「鼻が早くなる」以外でも、耳がピンと立ったり、歯ぎしりしたり、目をカッと開いたりなどしていれば、ストレス・恐怖・痛みが原因の線を疑ってみましょう。
うさぎの鼻がひくひくしない!鼻が動いてないとき・遅いときはどんな状態?
うさぎの鼻を観察していると、ひくひくしない、もしくは遅い時もありますよね。でも例え鼻が動いてなくても、呼吸していない訳ではないので、まずは安心してください。
繰り返しになりますが、うさぎの鼻の動きは「精神状態の指標」です。落ち着かない時、ストレスを感じている時、警戒している時は早くなる反面、寝ている時、リラックスしている時は遅くなるか、もしくは全く動いていません。
つまり「鼻がひくひくしない・遅い時」というのは、飼い主さんを信頼し、警戒するものが一切なく、安心しきっている時の状態なので、そういう時に飼い主さんに求められるのは、ただ「そっとしておく事」だけだったりします。
下記でもう少し
- 寝ている時
- リラックスしている時
のうさぎの様子について詳しく解説していきますので、うさぎがリラックスしているか否か、寝ているか否かの判断にお役立て頂ければ幸いです。
うさぎの鼻の動きが遅い・動いてない理由①寝ている
うさぎが寝ている時は、鼻の動きが遅いか、ほとんど動いていません
うさぎの生活リズムは薄明薄暮性といい、朝と夕方以外の時間帯は寝ています。なのでお昼頃のうさぎを観察してみると、鼻が動いていない事が多いのではないでしょうか?
うさぎは熟睡せずに「目を開けながら寝る」場合が多いので、わかりにくいのですが、鼻のうごきが遅い・動いていない以外でも
- 目を細めている
- 耳が後ろに倒れている
- お腹の動きが緩やか
などの様子が見られれば、寝ている可能性が高いです!
こういう時は眠りを妨げない様触ったりせずそっとしておいてあげましょうね。
ちなみにうさぎが「目を開けながら寝る」という器用な芸当が出来るのは、野生時代の習性の名残です。自然界においてうさぎは、常に捕食者に狙われる立場なので、緊急時にいつでも逃げられる様、視覚情報は完全に遮断せず、脳だけ寝かせているのですね。
うさぎの鼻の動きが遅い・動いてない理由②リラックスをしている
うさぎは不安を感じている時や緊張している時は、鼻の動きが早くなりますが、逆にリラックスしている時のうさぎの鼻は、遅いもしくは全く動いていません。
例えばうさぎが撫でられて気持ち良さそうにしている時、鼻を見てみると、ゆっくりとした一定のリズムを刻み呼吸をしているのがわかると思います。
一部「寝ている時」と被っていますが「鼻が動いていない」以外でも
- 目を細めている
- お腹がゆっくり動いている
- 耳を寝かせている
- プゥプゥ鼻を鳴らしている
- 歯をショリショリ小刻みに鳴らしている
- 足を延ばしてくつろいでいる
これらの様子が見られれば、リラックスしているという事です。
うさぎは警戒心の強い動物ですが、飼い主さんが傍にいるにも関わらず、この様なリラックスした様子を見せてくれているのだとしたら、それは「飼い主さんを信頼し、心を許している証拠」といえますね!
逆に日頃から、この様なリラックスした様子を全く見せてくれない場合、今一度接し方や飼育環境を見直してみる事をお勧めします。
うさぎの鼻が開く時には要注意。すぐに病院に連れて行こう
うさぎの鼻はうさぎの健康状態を測る指標です。もしもうさぎの鼻の動きや状態に異常が見られれば、体調不良を疑ってみてください。特にうさぎの鼻が開く時は要注意です。
肺炎や胸膜炎、スナッフルなど、何らかの理由で呼吸困難に陥っている為、鼻を大きく広げて、出来るだけたくさんの空気を取り入れようとしているのかもしれません。
うさぎは口ではほとんど呼吸出来ないので、鼻呼吸が難しい状態というのは、一刻を争う事態であると思いましょう。
鼻が開く以外でも
- 食欲がない
- 元気がない
- ジッとしている
- 口が開いている
- 上を向いて息をしている
などの異常が見られればすぐに病院に連れて行く事をお勧めします。
呼吸困難を引き起こす病気には重篤なケースが多いですが、うさぎは本能でギリギリの状態になるまで、あらかさまには弱っている所を見せません。様子見している間に手遅れになってしまう事もありますので、ご注意ください!
うさぎの鼻がひくひくすることのまとめ
ここまで、うさぎの鼻がひくひく・ピクピクすることについて詳しく解説してきました!
この記事のポイントは、
- うさぎの鼻がひくひくしている理由は、鼻呼吸をしている・においで情報収集をしているための2つ!
- うさぎの鼻の動きが早い理由は、嗅ぎ慣れないにおいがある・暑い・ストレス、恐怖、痛みを感じている可能性がある
- うさぎの鼻がひくひくしていない時は、寝ている・リラックスしている時なので心配しなくてOK
- ただしうさぎの鼻が開く場合は呼吸がしにくい状況に陥っている可能性があるためすぐに病院に連れていこう