うさぎが「なんだかいつもより水を飲まないな・減りが早いな」と感じたことはありませんか?水を飲む量に変化があるのは放置してもいいのでしょうか?この記事では、うさぎにとって水の必要性や、飲まない・飲みすぎると起きる問題、原因と対策について詳しく解説していきます!
この記事の目次
目次を閉じるうさぎが水を飲まない・飲みすぎるとどんな問題が起こる?
一昔前にはうさぎに水を飲ませると死んでしまうと言われていましたが、それは勘違いから来る完全な迷信でした。
うさぎにとって水分補給は重要なことであり、生きていくためにも必須のことなのです。病気の予防のためにも水分をしっかりととってもらいましょう。
水は栄養や酸素などを体中に運んだり、老廃物を外に排出したりと生命維持に欠かせない大切なものなのです。
特にうさぎは、後から説明するように体質的に水分摂取が非常に重要な生き物なのです。
この記事では、水を飲まなかったり飲み過ぎたりしたときに起こる問題と、それぞれの原因と対策方法、また1日に飲む水の量の平均や、飲んだ水の量のチェック方法などについて詳しく解説していきます。また、うさぎのペット保険についても詳しく解説していますので、ぜひ確認してみてくださいね!
うさぎが水を飲まないと起こる問題
水を飲まないと、さまざまな体調不良を起こしてしまいます。
水分が不足すると
- 脱水症状になる
- 血液の濃度が濃くなる
- 老廃物が排出できなくなる
- 胃腸の動きが悪くなる
熱中症を始め、うっ滞、ガスなどがたまるおなかの不調、体内の老廃物が体内にたまる腎不全、尿路に結石ができる尿石症、細菌感染による膀胱炎、高カルシウム血症などの病気にかかってしまう可能性が高くなります。
うさぎは人間とは大きく異なる独特なカルシウム代謝をしており、多くの哺乳類がカルシウムの尿中排泄率が2%以下であるのに対して、45〜60%と高濃度なのです。
しっかりと水分摂取して、排出を促さないと上記のような病気にかかってしまうのです。
うさぎが水を飲みすぎると起こる問題
水を飲まないのも問題ですが、実は飲み過ぎるのも問題なのです。
普段から同じくらいの量を飲んでいるのならまだしも、急に大量の水を飲み始めた場合には注意が必要です。
後ほど説明しますが、ストレスやさまざまな病気の可能性があるのです。
環境の変化や、排泄物の量や色、形などのチェック、食べ物を変えたりしていないかなどをまずは確認してみましょう。
次の節で説明する平均的な摂取量を大幅に超えているときには、一度動物病院を受診して獣医師に相談してその原因を特定して解決する必要あります。
たくさん飲む分は問題ないだろうと考える方もいるかもしれませんが、人が水分を大量に取り過ぎると水中毒になるのと同じで、問題になることが多いのです。
うさぎが1日に飲む水の量の平均とは?「飲み過ぎ」の量はどれくらい?
健康なうさぎが1日に飲む水の量は、体重1kgあたり60〜150ccです。体重2㎏のうさぎであれば1日に120~300㏄飲むということになりますが、これは動物の中でも比較的多いほうです。
人間に置きかえると、うさぎがよく水を飲む動物であることがわかるのですが、体重50㎏の人の場合なんと1日3~7.5リットルもの水を飲むという事になるんです!かなりの水分を必要とする動物であることがお分かりいただけるかと思います。
体の大きさに比べて1日に多くの水を必要としている動物です。
1日に多くの水を必要としているうさぎですが、「体重1kgあたり250cc以上の水を飲む」場合は「飲み過ぎ」に該当してきます。(引用:沖田将人「本気でうさぎを買いたい人のうさぎの飼い方育て方」)
そして、うさぎが水を飲まない・飲み過ぎることはそれぞれに問題があるため、飲み水の量を把握することはとても大切なことです。
毎日決まった量を入れて、取り換えるときにどれだけ飲んだか記録しておきましょう。飲む量は個体によって当然違います。平均より多い子もいれば少ない子もいるので、大切なのはいつもどれくらい飲んでいるかを把握することなのです。
24時間いつでも飲めるように、給水ボトルやお皿に水を入れてケージに設置してあげてくださいね。
うさぎが水を飲まない原因とは?対策方法も解説!
いつもと違って急に水を飲まなくなると、とても心配な気持ちになりますよね。
うさぎが水を飲まなくなることには様々な原因が考えられるため、普段から様子を観察して「何がいつもと違うのか?」ということを推測しやすくしておくことが、原因の解明をしやすくしてくれます。
中でもうさぎが水を飲まない代表的な原因を下記の4つに分けて解説していきます。
- 寒い
- 野菜から水分を確保している
- 給水ボトルの使い方がわからない
- 体調が悪い
それぞれの原因の説明と対策方法を見ていきましょう。
また上記以外にも、「環境の変化」や「ストレス」「単純に飲みたくない」などが原因の場合もあります。
どのような理由でも脱水症状を起こしてしまう可能性が高いので、獣医師へなるべく早めに相談することをお勧めします。
うさぎが水を飲まない原因①寒い
人間と同じように、うさぎも寒いと水を飲む量が減ります。
この場合、おしっこの量が普段とあまり変わらないのなら、そこまで心配することではありません。
ただ室温や湿度などが適切に調整されておらず寒い場合は、エアコンやヒーター、加湿器などを使って過ごしやすい温度と湿度にすることが大切です。
温度は18〜24度、湿度は40〜60%ほどが適切です。うさぎが過ごしている空間(ケージやサークル内)が適切に保てているか?がポイントのため、温度計や湿度計はケージ内部にも置いてくださいね!
うさぎが水を飲まない原因②野菜から水分を確保している
普段から生野菜や果物をたくさん食べている場合は、野菜類から水分を摂取しているために水を飲む量が減ってしまいます。
この場合もおしっこの量が普段と変わらなければ、水分不足の心配はありません。
しかし野菜は飲み水の代わりにはなりません。野菜は食事の一部として栄養バランスを考えながら与えるようにしてくださいね。
24時間いつでも好きなときに水は飲めるようにしておきましょう。
野菜から水分が確保できていても、暑いときには水を飲んで体温調整をしたり、野菜から十分な水分量を取れていなかったりもするので、飲み水で水分を確保するのはやはり大切なことなのです。
うさぎが水を飲まない原因③給水ボトルの使い方がわからない
お皿などで水を飲んできた子は、新しくボトルに変更した時に使い方が分からず「水を飲みたいのに飲めない」可能性があります。
その場合は、うさぎの前で飲み口をつついたりして飲み方を教えてあげてください。
また、ボトルの飲み口が体格に合っていない場合や、特に高齢になるとボトルが使いづらくなり、うまく水を飲めなくなることもあるのです。
新しく給水ボトルに変更した場合は飲み方を教えてあげることや、問題なく使用できているかよく確認してあげてください!
うさぎが水を飲まない原因④体調が悪い
うさぎがよくかかる病気の一つである、うっ滞や毛球症などの場合、水を飲む量が減ることがあります。さらに、食事の量も減ることが多いので、おかしいなと思ったらすぐに動物病院を受診しましょう。
体調が悪いときだけではなく、ストレスを感じているときにも水分摂取量が減ることがあります。ストレスはうさぎにとって大きな負担であり、病気の原因にもなってしまいますので、ストレスの原因を特定して早急に排除してあげましょう。
また手術やけがをした後も高確率で水を飲まなくなります。痛みやストレスで飲めなくなるのです。獣医師と相談して、状況によってはシリンジでの強制水分補給をさせる必要があります。体が回復するまではしっかりとサポートしてあげましょう。
うさぎが水を飲みすぎる原因を解説!病気の可能性もある
水を飲まないのはもちろん大問題ですが、逆に普段より水をよく飲むようになった場合も、心配ですよね。
極端に水をよく飲む状況が続いたり、量が異常に多かったりする場合は、動物病院を受診して獣医師に相談する必要もあります。
飲み過ぎる原因は大きく分けると、下記のような3つの要因があります。
- 暑い
- ストレスを抱えている
- 病気
それぞれの原因と対策方法を詳しく見ていきましょう。
うさぎが水を飲みすぎる原因①暑い
寒いと水分補給量が減るのとは反対に、暑いと水分補給量が多くなるのです。
これは人間と同じことですね。暑さを感じることにより、のどが渇き熱中症や脱水症状予防のために、たくさんと自然に飲むようになるのです。
季節の変化によるものなので、基本的にはあまり心配することではありません。
ただ寒さの場合と同じように、室温や湿度管理が適切でない場合は、それによってストレスを感じたり病気になったりしますので、エアコンや扇風機などを使い、前述した適切な温度や湿度を保つことが大切です。
部屋が乾燥しているときも水分補給量が増える傾向があるので、季節の変わり目などには注意を払い、加湿器などを適切に使用することも必要でしょう。
うさぎが水を飲みすぎる原因②ストレスを抱えている
ストレスを感じると水分摂取量が減る場合もありますが、逆に増える場合もあるのです。
引っ越しや騒音などの急激な環境の変化や、食事内容が急に変わった、飼い主などの過剰なスキンシップなどでストレスを感じると、水をたくさん飲むことがあります。
この場合は、ストレスの原因を特定して早急に排除することが必要です。
極端に強いストレスが続く状態を避け、なるべく安心できる環境をつくってあげましょう。
引っ越しなどの避けることができない原因の場合は、前の家の匂いが付いたタオルなどでケージを覆ってあげるなどの工夫が必要ですね。
ストレスが続くと病気にかかってしまう可能性が高まりますので、すばやい対応をすることが大切です。
うさぎが水を飲みすぎる原因③病気
急に水を多く飲む場合で疑われる病気については、慢性腎不全、糖尿病、肝不全などのほか、うっ滞や毛球症、粘液性腸疾患、腸性毒血症などが考えられます。
水を飲みすぎているだけでなく、
- いつもよりじっとしている
- なんだかそわそわしている
- 険しい表情をしている
- 排泄物の状態がいつもと違う
もし受診して何事もなければ安心できますし、もし何かが見つかればすぐに対応することができますよね。「もう少し様子見をしよう」と先延ばしにするのではなく、
このような些細な変化に気づくためには、日頃のうさぎの様子、水の摂取量や排泄物の量や色などの状態を把握しておくことが必要になります。
うさぎが水を飲まない・飲み過ぎることについてのまとめ
ここまでうさぎが水を飲まない・飲みすぎることについて解説してきました。
この記事のポイントは
- うさぎにとって水は大切なため、水を飲まないことも問題だが、飲み過ぎも問題である
- うさぎは体重1キログラムあたり50~100ミリリットル近くの水を飲む。
- 飼育しているうさぎが1日にどれくらいの水を飲んでいるのか把握しよう
- 水を飲まない時には寒さや給水ボトルの使い方がわからないなどの理由がある
- 水を飲みすぎる原因にはストレスや病気の可能性がある