うさぎの象徴である「耳」はよく観察していると様々な動きをしていますよね。うさぎは耳からどのような感情を伝えているのでしょうか。聞くこと以外にも重要な役割を持つうさぎの耳に着目して、うさぎの耳が長い理由・耳の役割についてや、耳の動きからわかる感情などを解説していきます!
この記事の目次
目次を閉じるうさぎの耳が長い理由とは?うさぎの耳の役割について解説!
うさぎの最大の特徴といえば「長い耳」ですが、いったいなぜそんなにも長いのでしょうか?
品種によって長かったり短かったり、立っていたり垂れていたりしますが、愛らしく長い耳は、どれもかわいらしいですよね。
チャームポイントの一つでもある長い耳には、以下のような3つの役割があります。
- 敵を素早く察知する
- 体温を調整する
- 感情表現をする
それぞれ次節以降で詳しく解説します。
特に3番目の「感情表現をする」については、4つの耳の動きに分けて個別に詳しく見ていきましょう。
またうさぎの耳は大切な器官で非常にデリケートなので、最後には「耳に関するやってはいけないこと」もしっかりと説明していきます!
うさぎの耳の役割①敵を素早く察知する
うさぎは野生では捕食される側の動物です。常に敵がいないかを探り、敵が近づいてきたら素早く逃げなければいけません。
そのためには小さな物音も聞き逃がさない長くて大きい耳が必要なのです。
人間も小さな音を聞き取ろうとすると、耳のところに両手を添えて大きく広げますが、それと同じことで、耳は大きいとたくさんの音を聞き取ることができるのですね。
また耳を左右、別々に動かすことができて、ほぼ360度の音を収集することができるのです。
さらにうさぎは聴力も非常に優れています。
3キロ先の音まで聞き取ることができ、人間には聞き取れないような高い周波数も聞き取ることが可能で、音や声の種類も判別できると言われています。
まさに野生で生き残るために進化した結果が、「長い耳」になったわけです。
うさぎの耳の役割②体温を調整する
人は暑いときには汗をかいて体温を調整することができますが、うさぎは人間のように汗をかくことがほぼありません。
その代わり長い耳には、血管が編み目のように張り巡らされており、その血管に風を当てることにより中の血液を冷やして、体が熱くなりすぎるのを防いでいるのです。
そのように体温を調整する機能を持つ耳には、健康状態がすぐに現れます。
うさぎが暑さを感じていると耳が熱くなり、内側も赤くなります。このような場合は熱中症になっている可能性も。
また寒いと耳は冷たくなります。体調が悪いときにも耳は冷たくなるので、ふだんから触っていつもの温度を知っておくことが必要でしょう。
うさぎの耳の役割③感情表現をする
うさぎはあまり鳴かず声も出しませんが、感情表現が豊かな動物です。その小さい体の全身を使って喜怒哀楽を表現しますが、長い耳にもその感情が端的に表れます。
リラックスや興味、緊張、警戒、不安、恐怖などのさまざまな感情を、その耳の動きから読み取ることができます。
猫や犬などは尻尾で感情表現をしますが、尻尾の短いうさぎはその長い耳で思いを表現しているのですね。
観察していると、耳がめまぐるしくさまざまな動きをします。その動きの一つ一つの意味や感情を知ることにより、うさぎの気持ちをより汲み取ることができますね!
耳の動きからわかる感情表現については、次節以降で詳しく解説をしていきます。
うさぎの耳の動きからわかる感情を解説!
うさぎは長い耳を使って豊かに感情を表現しますが、ふだんは耳を斜め後ろに45度くらいに倒していることが多いです。
それに比べて耳が立ったり、倒れたりしているときは、何かしらの感情を表現していると言えます。
言葉でコミュニケーションを取ることができないからこそ、耳も見ることによって、喜怒哀楽の感情を理解してあげることは非常に大切なことなのです。
中でも多く見られるのが、以下のような4つの動きではないでしょうか?
- 耳をぺたんと後ろに倒す時
- 耳が立ってる時
- 耳を突然ピンッと立てる時
- 耳をピンと斜め後ろに倒す時
それぞれの耳のしぐさで表す感情について、解説していきます。
うさぎが耳をぺたんと後ろに倒す時の感情
背中に沿わせるように耳をぺたんと倒しているときは、とてもリラックスしている状態です。
- 安心しきっている
- 心地が良い
- うとうとしている
耳を後ろにぺたんと倒しながらリラックスしすぎると、そのままバタンと横になって熟睡することがあります。こちらを信じ切った無防備な姿は、とてもいとしくかわいらしいので思わず頬が緩みますよね。
また、うさぎは特におでこをなでられることが大好きです。なでられて気持ちがよくなると、とろけるような表情をしながら、耳はぴったりと体についてる姿を見ることができます。
うさぎの耳が立ってる時の感情
この場合は、以下のような4つの気持ちに分類されます。
- 警戒や不安
- 恐怖
- 怒り
- 興味津々
新しくお迎えをした時や、知らない環境に連れて行かれた時は「警戒や不安」の気持ちを、うさぎにとって嫌なものや人が近づいてきたときには「恐怖」の気持ちを表します。
同時に足ダンをしたり、逃げ出す場合には強い恐怖を感じているため、対象を早めに排除してあげてくださいね。
嫌いな爪切りやブラッシングをしたときに耳が立っている場合には「怒り」の気持ちを表します。そのまま攻撃をしてくることも。嫌がることは長時間やらず、少しずつ慣れさせてあげることをおすすめします!
また上記3つの感情とは別に、興味があったり何かに夢中になっているときには、「興味津々」の気持ちです。新しいおもちゃで遊んでいるときや、ホリホリしているときに耳が立っていたら興味津々で楽しんでいる証拠です。
耳が立つときの感情にはいくつもの種類があるので、周りの状況や表情を一緒に見ることで、うさぎの気持ちを理解することにつながります。
うさぎが耳を突然ピンッと立てる時の感情
突然耳が「ピンッ!」と立つと、飼い主さんも何事かとかまえてしまいますよね。これは、気になる音がした場合が多いです。警戒に近い気持ちです。
耳には前述したように「敵を素早く察知する」という役割があります。
急に大きな物音がしたり、聞いたことのない人の声がしたりしたときなどは、耳を突然「ピンッ」と立て、同時に後ろ足で立ち上がり、周りを警戒するように見渡すことがよくあります。
自分の身の回りに危険がないかを確認しているのです。
また同じようなしぐさは、飼い主が帰ってきたときや、おやつがもらえるときなどのうれしい場合にもすることがあります。
こちらは警戒というよりは、そわそわして何か期待しているというしぐさです。 とてもかわいらしい姿ですので、癒やされること間違いありません。
うさぎが耳をピンと斜め後ろに倒す時の感情
このようなときは、威嚇している状態かもしれません。
特に普段よりも前のめりで低い姿勢になっている状態のときは、威嚇している可能性が高いでしょう。
このようなしぐさを見せるときは、飼い主の手がケージに侵入した際のことが多いようです。
ケージはうさぎにとって大切な縄張りなので、飼い主であっても急に手を突っ込まれると激怒し飛び掛かってくることがあります。
威嚇している際に、手を出したり構ったりすると、かんできたり、うさパンチをされたりするので、怒らずに威嚇の原因となっているものを取り除いてあげましょう。
うさぎは神経質でストレスに弱い動物です、威嚇状態を長引かせないように飼い主が配慮してあげることが大切なのです。
うさぎの耳は触ると喜ぶ?
さまざまな役割があり、感情表現するための大切な器官である耳ですが、触られるのはどう思っているのでしょうか?
結論を言うと基本的にはいやがりますが、触り方によっては喜ぶこともあります。
うさぎは耳の他にも、おなか、足などを触られることをいやがります。敵を察知する耳、敵から逃げる足、消化のために大切なおなか、のため、あまり触られることを好みません。
ロップイヤーなどの垂れ耳の場合は、ときどき耳の状態を確認しないといけないのですが、不用意に触ると怒らせてしまいます。
ただ、おでこをなでながら耳をなでる場合は、気持ちよくて喜ぶ子もいるため、なでなででコミュニケーションを取るついでに状態を確認することをおすすめします。
うさぎの耳に関するやってはいけないこと
今まで説明してきたように、うさぎにとって耳は重要な器官です。
厳しい自然界で生き残るために進化した耳は、さまざまの機能があり、コミュニケーションのためにも大切なものなのです。
おまけに温度調整のために細かい血管も走っており繊細でデリケートなので、取り扱いには細心の注意が必要となるでしょう。
乱暴に扱うことは厳禁ですが、逆にケアしすぎるのも問題になります。
うさぎの耳に関して、やってはいけないことがいくつかあるのですが、特に以下のような3つのことは極力避けたほうがいいと言われています。
- うさぎの近くで大きな音を出さない
- 耳を掴む・引っ張ることはしない
- うさぎの耳掃除は基本的にはしない
それぞれ詳しく解説していきましょう。
うさぎの近くで大きな音を出さない
前述したようにうさぎの聴力は非常に優れており、小さな物音も敏感に聞き取ります。つまり人間では気にならないような音がうさぎにとってはストレスになっているのです。
テレビの音や掃除機、ドライヤー、洗濯機などの生活音には徐々に慣れていきますが、お迎えしたてはなるべく静かな環境を用意してあげて、生活音には徐々に慣れさせてあげるようにしてください。
生活音に慣れてからも、思いっきりドアが閉まる音や、物を落としたとき、自転車のブレーキ音など、突発的な大きな音にはうさぎはとても驚いてしまいますので、ドアが突然閉まっても音が鳴らない工夫など、生活の中でできる音の予防をしてあげてくださいね。
耳を掴む・引っ張ることはしない
うさぎの耳は、神経や血管などがたくさん通っている重要な器官で、非常に繊細です。
耳を乱雑に掴まれる・引っ張ることは痛みが伴いますし、重要な器官としての機能を失う可能性もあります。さらにうさぎにとっても大きなストレスですよね。
特に小さなお子様は、知らないとはいえ掴んだり引っ張ったりしてしまう可能性がありまので保護者が注意して見てあげましょう。
万が一、掴んだり引っ張ったりしてしまい傷ついたり赤くなったりした場合は、早急に動物病院を受診して手当てを受ける必要があります。
うさぎの耳掃除は基本的にはしない
うさぎは耳を自分自身で上手に掃除をすることができます。大切な器官なので自分で手入れする方法を知っているのです。
飼い主による耳のケアは、中に汚れがないかどうか確認したり、腫れたり出血したりしていないかどうかを確認することにとどめておきましょう。
手前側に汚れがあれば、優しく拭き取ってあげてもいいですが、奥にあった場合は動物病院で処置してもらうことをおすすめします。
下手に飼い主が触ると、炎症が生じたり、平衡感覚を失ってしまったりする危険性があるからです。
またロップイヤーなどの垂れ耳の品種は、耳に汚れがたまりやすいので、定期的な健康診断と一緒に動物病院を受診して耳のケアもしてもらってくださいね!
まとめ:うさぎの耳が長い理由は3つ!耳の動きから感情も読み取れる
ここまでうさぎの耳について着目して解説してきました。
この記事のポイントは
- うさぎの耳が長い理由は3つ。敵を素早く察知するため・体温を調整するため・感情表現をするため
- うさぎの耳の動きから感情のヒントがわかる!うさぎの様子も確認することがポイント
- うさぎの耳は単体ではあまり触らない方が吉
- うさぎの耳は重要な器官なので、乱雑な扱いはNG