うさぎの耳が冷たいのは病気?耳の役割とうさぎの様子別の対処法を解説!のサムネイル画像

「最近うさぎの耳がやけに冷たいけど大丈夫かな・・・?」この記事ではそんな不安を抱えている方へ「うさぎの耳の役割」と「耳の温度」との関係性を解説した上で、耳が冷たい原因を分析し、うさぎの様子別の対処法もご紹介しています。

この記事の目次

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うさぎの耳が冷たいけど大丈夫?まずはうさぎの耳の役割を知ろう

「うさぎ」と聞けば、誰もが思い浮かべる長く大きな耳。この耳には主に2つの役割があります。

一つは言うまでもなく「聞くこと」

うさぎの聴覚は人間のおよそ10~20倍とも言われ、あの長く大きな耳をアンテナの様にピンと立てる事で、360度あらゆる方向の音源も察知出来ます。食料が多い分、敵にも見つかり易い「草原」という生活圏に適応した能力といえますね。

そしてもう一つ、うさぎの耳には重要な役割があります。それは私達人間も含め恒温動物には必ず備わっている「体温調節」という機能。

本題に入るのが遅れましたが、実は今飼い主さんが感じている「うさぎの耳が冷たい」という変化は、この体温調節機能に関連しているのです!以下で「うさぎの耳が冷たくなる原因」について、詳しく解説していきますので「大丈夫かな?」と心配されている方は参考にしてみてくださいね!

うさぎの耳には体温調節の機能がある

恒温動物には、体温を調節する機能が何らかの形で備わっています。例えば人間ならば露出した肌で汗をかく事で、犬ならば肉球で汗をかいたり「ハッハッ」という呼吸(パンティング)する事で、余計な熱を排出し体温を調節しています。


しかしうさぎには肉球がないですし、汗腺がほとんど発達しておらず、汗をかいて放熱するという事ができません。「じゃあどうやって体温調節しているの?」というと、冒頭でもお伝えした通り、あの大きな耳がその働きを果たしているんです。


体温調節のメカニズム

うさぎの耳が透けて見える環境で観察してみてください。中央の太い血管(動脈)から細かい血管(静脈)が無数に張り巡らされていますよね。


うさぎは暑い時は、この血管に風を当て、冷ました血液を体内に送り込む事で、体温が上がりすぎない様調節します。


そして逆に寒い時は、血管を縮ませて、温かい血液を体内に留める事で、体温が下がり過ぎない様にしているんです。

うさぎが天敵に追われている動画を思い出してみてください。耳を寝かさず立てていますでしょう?あれって実は、血液を集中させた耳に風を当てて、激しい運動で過度に体温が上がるのを防いでいるんですよ。よく出来た仕組みですよね!

うさぎの耳が冷たくなる原因

うさぎの耳には「音を拾う」以外に「体温調節機能」が備わっているという事は、お分かりいただけたかと思います。そして基本的には「耳の温度はうさぎがいる環境の温度をそのまま表している」と思ってください。

  • 夏で温度が高い時:体を冷ます為に耳にどんどん血液を送る→耳は温かくなる
  • 冬で温度が低い時:体を温める為に耳の血管を縮ませ血液を体内に留める→耳は冷たくなる

なのでうさぎの耳が冷たくなっているのなら、それは「うさぎが寒さを感じている」事が原因という事になります。


うさぎにとっての適温は18~24℃といわれていますので、それを下回っている様なら、暖房で調整してあげましょう!


もし「夏の暑い季節」で「温度は適温に保たれている」のに「耳が冷たい(うさぎが寒さを感じている)」という事なら、それはなんらかの病気を抱えている可能性もあります。病気の場合の様子や対処法については次で詳しく解説していきますね。


避妊手術後に耳が冷たくなる

避妊手術後に耳が冷たくなる」という声も割と多いですが、麻酔による消耗、術後の痛みやストレスから、低体温気味になっている事が原因と思われます。この場合、体力が回復し痛みが治まるまで、いつもよりも室温を高めに設定する、ヒーターを敷いてあげる等して、うさぎの保温を助けてあげましょう。

うさぎの耳が冷たいことは病気が原因の可能性もある。


うさぎの耳には「体温調節機能」が備わっている事。そして寒い時には「耳の血管を閉じて、体温が下がるのを防いでいる」事についてお話ししてきました。


冬の寒い日に「耳が冷たい」状態にあるのは、生理現象であり、暖房で温度を適温の18~24℃に保ってあげれば何も問題ありません。


ただ室温が適温にも関わらず、平時より耳が冷たい場合、何らかの病気の可能性もあるので注意が必要です。病にかかり低体温症になると、体温を維持する為血液を体内に留めようとするので、周りの温度に関わらず耳が冷たくなるのです・・・。


例えばうさぎが換毛期にかかりやすい胃腸うっ滞は、低体温症になる事が多い病気です。うっ滞は外からではわかりにくく、うさぎも本能でギリギリまで病状を隠してしまうので、わずかなサインも見逃さない様にしてください。


「耳が冷たい」に加えて

  • 元気ない
  • ぐったりしてる
  • 呼吸が荒い
  • 食欲不振
  • 糞が小さい・いびつ

などの様子が見られるなら、うっ滞等の病気の可能性大なので、速やかに病院で診てもらいましょう。

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うさぎの耳が冷たいのは

  • 単に気温が低くて体温を保つ為に冷たくなっている場合
  • 病気により低体温症から冷たくなっている場合

の2つがあると解説しました。


ただし知っておいて欲しいのは、耳の温度は個体により違うという事。常に耳が常に冷たい子もいれば、温かい子もいます。なので普段からマッサージやブラッシングなどの時に、手で優しく触れて、平時の温度を把握しておく事が大事だったりします。


耳はうさぎの体調を知る「バロメーター」でもあり、飼い主さんには、うさぎの耳の温度と共に、その時々の様子をよく観察して、正確な対応をしていく事が求められるんですね。


以下で

  • 耳が冷たくて、体温を温める必要がある時のうさぎの様子
  • 耳が冷たくて、病院に行く必要がある時のうさぎの様子

について解説していきますので「うさぎの耳が冷たいんだけど、どうすればいいの?」と悩まれている方は参考にしてみてくださいね!

耳が冷たくて、体温を温める必要がある時のうさぎの様子

耳が冷たいけど、健康面には特に異常が見られない・・・その上で「ガタガタ震えている」「縮こまって丸まっている」等の様子が見られるならば、単純に室温が低くて寒さを感じている場合なので、温める必要があります。


低体温があまりに続くと、低体温症になって結局病気になってしまうので、すぐに行動に移しましょう!


エアコンで部屋全体を温めるのは基本として、それでも寒がっているのなら

  • ケージを毛布や段ボールで覆う
  • カーペットで下からの冷気を防ぐ(床がフローリングの場合)
  • 小動物用のヒーターを敷く
  • 身体をマッサージして血行を促進する

などの対処が有効です。


マッサージは、耳を付け根から上にむかって優しく揉み込んでやると、耳を通して血流が全身に行きわたり温かくなります。また小動物用のヒーターについては、コードを齧らない様にだけは注意してくださいね。

もし床がフローリングなら、滑って骨折の原因になったり、足裏への負担からソアホックの原因になったりしますので、カーペットについては、出来れば「冬に限らず通年敷いておく事」をお勧めします。掃除は大変かもですが、うさぎの安心安全を買えると思えば安いものです。

耳が冷たくて、病院に行く必要がある時のうさぎの様子

うさぎの耳が冷たくてかつ

などの様子がみられれば、それは病気の可能性があるので、病院に行って診てもらう事をお勧めします。とくに耳が冷たい時の病気としては胃腸うっ滞のケースが多いので注意が必要です。


胃腸うっ滞とは

胃腸うっ滞は、何らかの原因で消化器の機能が低下している時、毛づくろい時に飲み込んだ毛がうまく排出されず、毛球として詰まる事で、消化管のぜんどう運動が停止してしまう病気です。


体調を崩しやすい「季節の変わり目」であり、毛が大量に抜ける換毛期になりやすい事で知られます。


胃腸うっ滞になると、食欲がなくなる事から始まり、糞が減ったり、小さくなったりします。徐々に衰弱し、低体温症に陥ると、体温を維持する為に「耳が冷たくなる(耳の血管を閉じる)」という訳なのです。


換毛期に、室温は適温に保たれているにも関わらず、平時より耳が冷たくて、餌を食べない、糞をしないなどの異常が見られれば、うっ滞の可能性を疑いましょう。

まとめ:うさぎの耳が冷たいときはうさぎの様子もよく確認しよう!

ここまでうさぎの耳が冷たいことについて解説してきました。


この記事のポイントは、

  • うさぎの耳の機能は「聞くこと」と「体温調整」の2つある
  • 暑い時は耳の血管を冷やす、寒いときは耳の血管を縮めて冷やさないようにする
  • うさぎの耳が冷たくなる原因は寒さのみならず病気の可能性もある
  • うさぎの耳が冷たいことに加えて、うさぎの様子をよく観察して病気の可能性があるのか見極めよう
でした!

うさぎは体調不良を隠してしまう習性があるため、小さな変化に気付いてすぐに対応してあげることが長く一緒に生活していくためにも必要不可欠なことです。

「寒いだけか」と軽視せず、うさぎ自身の様子もよく観察してあげてくださいね!

MOFFMEではほかにもうさぎや、うさぎのペット保険に関する記事を多数公開していますのでぜひご確認ください!

記事モデル:しゅしゅまる

記事監修者「西森 史奈」

西森 史奈
MOFFME編集部うさぎ担当。愛玩動物飼養管理士、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。

すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という想いに共感しMOFFMEに参画。特に近年飼育頭数が増えているうさぎに着目し、飼い主とうさぎが長く一緒に幸せに暮らしていけるようにうさぎに関する正しい情報を発信すべく日々勉強中。