うさぎのひげの役割を徹底解説!ひげがチリチリ・白い・枝毛は大丈夫?のサムネイル画像

「うさぎのひげって何の為にあるの?」この記事ではそんな疑問を持つ方へ、うさぎのひげが果たす役割を解説した上で、してはいけないひげの扱い方やひげに縮れ・枝毛等へ対処法、ひげが「お守り」とされる理由等についても紹介しています。

この記事の目次

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うさぎのひげにはどんな役割があるの?何本生えていて長さはどれくらい?

うさぎには目の下や鼻・頬付近に長いひげがありますよね。


「あったっけ?」という人は、うさぎの顔を陽の光で透かして見てください!被毛とは明らかに毛質が異なる毛が「四方八方に」伸びているのが観察できると思います。


うさぎが鼻や口を動かす度、そんなひげがヒクヒク動く様はとっても可愛らしいですが・・・当然ひげは「うさぎのチャームポイント」のために生えている訳ではありません。


うさぎが「自然界に上手く適応するため」に極めて重要な役割を持ってるのが「ひげ」であり、その重要性は例え飼育下のうさぎであっても変わらないんですよね。


以下で

  • うさぎのひげの役割
  • うさぎのひげの本数・長さ
  • うさぎのひげは抜けたら生え変わる?換毛期に抜けやすい?

について解説していますので、うさぎの世話をしていく中で「間違った扱い」をしないためにも是非参考にしてみてくださいね!

うさぎのひげの役割

「うさぎのひげ」は「触毛(しょくもう)」とも呼ばれ、耳や鼻に並ぶ「うさぎの三大感覚器官の一つ」といっても過言ではありません。


あの細いひげの根元には非常に繊細な神経が通っており、ひげから伝わるわずかな刺激も感知出来るようになっています。うさぎは四方八方に伸びたひげの刺激から道幅・風向き・気圧・湿度など実に様々な情報を得ているんです!


うさぎはこの「ひげセンサー」によって

  • 周囲との距離感や、物体の位置を正確に把握する
  • 通れる場所、通れない場所を判別する
  • 暗がりを自由に移動する
  • 風向きを感知し、天敵の風下に移動する

といった様に、活動の幅を大幅に広げる事が出来ているのですよ。


逆に言えば、ひげがなければ、視力の低いうさぎが出来る事は相当に限られます。非常に重要かつ繊細な器官なので、詳しくは後述しますが、切ったり引っ張ったりは絶対してはいけない・・・という事をまず知っておきましょう!

うさぎのひげの本数・長さ

「視力の脆弱性を補う」という重要な役割を持つひげですから、飼い主さんは日頃のケアの中で「ひげの本数が少なすぎないか?」「短すぎないか?」など異常がないかチェックしておく必要があります。品種や個体差にもよりますが、以下は平均的な本数や長さになっていますので、参考にしてみてください。


ひげの本数

目の上・頬・口元など部位別の「ひげの本数」の目安は以下の通りです。

  • 目の上のひげ:左右各4~5本ほど
  • 頬のひげ:左右各1本
  • 口元のひげ:左右各20~30本ほど

こうやって数値で示す以前に、うさぎを見れば一目瞭然ではありますが、口の周りの毛が一番多いですよね。うさぎは視野は広いのですが、口元は「死角」でほとんど見えていないので、その弱点を補う為にひげが集中しているのです。


ひげの長さ

ひげの長さ」は生えてる部分によって微妙な違いはありますが、大体「体の幅と同じくらい」の長さといわれています。うさぎはこの長いひげを利用する事で、対象との距離感を測定したり、自分が通れる場所、通れない場所を判断したりしている訳ですね。

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してはいけないうさぎのひげの扱い方を解説!


うさぎのひげは、根本に神経が通う大変繊細な部位である事、生活する上で欠かせない役割を担っている事、という事もあり、その扱いには注意を払わなければなりません。


具体的にはひげを扱う上で「やるべきでない行為」としては

  • うさぎのひげを切ること(禁止行為)
  • うさぎのひげを引っ張ること(禁止行為)
  • うさぎのひげを触ること(好ましくない行為)

などが挙げられます。


大人の場合「こんなの言われるまでもないよ!」と思われるかもしれませんが、もしお子さんなどがいらっしゃるなら「悪気なく遊び半分で」こういった行為をしてしまう事もあります・・・。


なのでもしもお子さんがいらっしゃるなら、お子さんには今まで解説したような「ひげの役割や重要性」について理解して貰った上で、下記禁止行為を「絶対にやらないよう」念押ししてあげましょうね!

禁止行為:うさぎのひげを切ること

長くてたくさん生えているひげを見て、トリミング感覚で「切ってあげた方がいいのかな?」と思う人もいるかもしれません。ですが手術等でやむを得ず切らなければいけない場合を除き、うさぎのひげは切ってはいけません。


既にお伝えした通り、うさぎのひげの主な役割は「視力の脆弱性を補う」という所にあります。

  • この道は通れるかな?通れないかな?
  • この食べ物との距離はどれくらいかな?

と人間が目で当たり前にやっている判断を、うさぎはひげでやっている訳ですので「うさぎのひげを切る」行為は、私たち人間の視力を「裸眼では生活困難な程に落とす」様なものなんです・・・!


なお万が一ひげを切ってしまっても「ひげは生え換わるもの」なので、1~2週間もすればまた伸びてきます。なのでひとまずは安心して貰って、次は同じ間違いをしないよう気をつけましょうね。

例外として、ひげが一部分折れたり縮れたりしている場合などは「損傷部位だけ」を切ってあげましょう。少ししたら綺麗なひげが生えてきます。それでも他の綺麗な毛を切らないように細心の注意を払ってくださいね・・・!

禁止行為:うさぎのひげを引っ張ること

うさぎのひげを切る行為に並んで「うさぎのひげを引っ張る」行為も禁止行為の一つです。「切る行為よりはマシ」ともいえるかもしれませんが、うさぎとしては「ひげを切られる」よりも「引っ張られる」方が苦痛は大きいと思います。


何故かというと、ひげ自体には神経が通っていないので、ひげを切ってもうさぎはあまり痛みを感じませんが、ひげの根元には神経細胞が集中していますので、引っ張った刺激により、うさぎはかなり痛みを感じるからです・・・!


刺激に敏感だからこそ、うさぎはひげから様々な情報を得る事が出来る事を忘れてはいけません。特に口の上のひげは敏感なので乱暴に触らない様普段から気をつけてくださいね。


わざと毛を引っ張る飼い主さんはあまりいないと思いますが、子供が悪ふざけでひげを引っ張ったり、マッサージやブラッシングの時等に誤って引っ張ってしまう事はありますからね・・・。

あまり好ましくない行為:うさぎのひげを触ること

うさぎのひげはとても繊細な部位なので、特に意味なく触るのは好ましい行為とはいえません。ブラッシングやマッサージ等の際も、極力ひげには触れないのが基本です。


大抵のうさぎは敏感なひげを触られるのを嫌がるものの、ちゃんと「嫌!」と意思表示してくれる子なら良いのですが、されるがままに固まってしまう子もいます。フサフサして触りたくなる気持ちはわかるのですが、うさぎが無抵抗だからといって、ひげを不必要に触るのはやめておきましょうね。


うさぎは神経質な生き物なので、事あるごとに敏感なひげを触られ続けるのは、大きなストレスになるはずです。ストレスが原因で、胃腸炎や皮膚炎など様々な病気を発症することもあるので、ひげについては、本当に優しく繊細に扱ってあげてくださいね。

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うさぎのひげが白い・チリチリと縮れている・枝毛になっているけど大丈夫?


ここまでで、うさぎのひげの役割とその重要性について解説してきました。うさぎのひげが「生活する上で欠かせないもの」とわかったら、飼い主さんはこれまで以上に「ひげ」という存在に向き合い、注視する事になると思います


それはとても素晴らしい事なのですが、そうなると日々の観察の中で

  • ひげが白い
  • ひげがチリチリと縮れている
  • ひげが枝毛になっている

などの異常に気が付くと共に「大丈夫なのかな・・・?」と不安を感じる機会も増えるのではないでしょうか?


しかしこれらの変化が「何を意味するのか」知っていれば、飼い主さんもそこまで神経質になる事もなく、冷静な対応がとれるかと思います。以下で各変化の理由について、解説していきますので「最近うちの子のひげ、変!」で悩まれている方は是非参考にしてみてください。

うさぎのひげが白い

「うさぎのひげ」に関する悩み相談では「ひげが白くなった」という声が非常に多いように思います。


でもうさぎの毛色というのは気まぐれなもので、

  • 日のあたり加減
  • 自立神経の変化
  • ホルモン作用
  • 餌の内容

など様々な要因で濃くなったり薄くなったりします。とくにひげは体外・体内環境の変化が色素として反映されやすいので色が変わる事は珍しくありません。


でも白くなっていると、人間の白髪の様に「年を取ったからかな?」とも思っちゃいますよね。もちろん加齢により毛色が変わるのは十分あり得る事です。でも高齢になっても「ひげの色」になんの変化もない子も多いですので、ひげが白くなるのは必ずしも高齢が原因とも限らないんですよね。


例え若くてひげが白くなっていても「被毛にはげが出来る」とか「ひげが次々抜ける」などの異常がみられなければ、そこまで心配することもないと思います。一方でもし病気やストレスが原因ならば餌を食べない」「やたら歯ぎしりをする」「うんちをしなくなる等また他の異常が出てくると思うので、注意してください。

うさぎのひげがチリチリと縮れている

うさぎのひげがチリチリに縮れている」というのも、ひげに関するお悩み相談では多いですね。確かにうさぎのひげが、まるで焦げたみたいにクシャクシャになってしまう事は、しばしばあります。


原因としては

  • 乾燥によるもの
  • 遺伝によるもの
  • 換毛によるもの

これらのいずれかだと考えられますので、原因別に以下のような対応をしてみてください。


乾燥の場合

冬場などは、ストーブなど暖房器具の近くに長くいすぎる事で「乾燥」でひげが縮れる場合があります。しかし人間の為の暖房器具はうさぎにとって危険ですので、必ずケージなどで仕切っておくようにしましょう。外に出た時、うさぎが寒がって人間の暖房器具に近づくのなら、うさぎ用のヒーターを設置してあげて、そちらで温まってもらいましょう。


遺伝の場合

人間のくせ毛のようなもので、生まれつきひげが縮れやすい子もいます。乾燥でも換毛でもないのなら、単に遺伝というだけですので、心配しなくて大丈夫ですよ。特に問題がないケースですので、直らなくて気になっても切ったりしないようにしてください。


換毛の場合

うさぎのひげは換毛期にも縮れる事があります。もしも今見られるひげの縮れが換毛期と重なっているのなら、自然に抜けて、新しい綺麗なひげが生えてくるのを待ちましょう。

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うさぎのひげが枝毛になっている

最後に「うさぎのひげが枝毛になっている」というお悩みについてですが・・・これについては少し注意が必要。ほんの1~2本枝毛になっているのならまだしも「何本何本も枝毛になって目立っている」のなら、それは私たち人間の枝毛と同じように、ストレスや病気、栄養不足に起因する可能性があります。


ストレスや病気の場合

ひげの枝毛の他にも

  • ストレスになるような環境(騒音、高温多湿など)に置いてしまっていない
  • 糞や尿の状態等を見て健康状態に異常がないか

等をチェックしてみてください。ストレスならストレス要因を排除し、うさぎが落ち着いて過ごせる環境を整え、病気らしき症状があれば速やかに病院を受診し治療に専念しましょう。


栄養不足の場合

とくにストレス要因もなく、病気の兆候も見られないならば、栄養不足の可能性があるので、栄養価の高いペレットや牧草を与えて様子をみてみましょう。特にエネルギー消費が激しい換毛期には栄養不足に陥りがちなので、いっそう食事内容には気を遣ってあげてくださいね・・・。


なお急に餌を変えるのはうさぎにとってストレスなので、従来のペレットを与えつつ、少しずつ新しい餌の割合を増やしていくやり方がお勧めです!

うさぎの抜けたひげは『お守り』になる!


うさぎ愛好家の間では、抜け落ちたひげをご利益のある『お守り』として持ち歩く文化があるって知ってましたか?


確かにひげって被毛とは明らかに毛質が違うので、落ちてたら目立つし、掃除の時なんかにたまたま見つけると少し得した気持ちにもなります。それでも「お守り」扱いまでいくと何か具体的な背景があるのか気になりますよね。


「猫のひげ」については、持ち歩くと「厄除け」や「金運」に繋がるという伝承がある様ですが、「うさぎのひげ」については特に確立された話はないようです。ただし

  • うさぎは「子孫繁栄の象徴」で「縁起の良い動物」とされていること
  • うさぎのひげは「換毛期で頻繁に生え代わる被毛」と違い、滅多に抜ける事はないこと

こういった背景もあって「レア」なうさぎのひげを「お守り」にする文化が定着したのでしょう。今では抜けたひげを保管しておくうさぎのひげ専用のケースやペンダントなんかも売られているんですよ。

そして言われるまでもないかもしれませんが、「お守りにしたいからうさぎのひげを切る」事は絶対やめてくださいね・・・!今まで解説した通り、うさぎのひげは生活する上で本当に大事な器官なので、そんなことしたら「ご利益がある」どころか「災厄が降りかかる」かも・・・。

まとめ:うさぎのひげや役割について徹底解説しました!

ここまでうさぎのひげに着目して解説してきました。


この記事のポイントは

  • うさぎのひげは道幅・風向き・気圧・湿度などを察知するセンサーの役割がある
  • うさぎのひげの長さは体の幅と同じくらい
  • うさぎのひげを切る・引っ張るは禁止行為!触ることもなるべく避けよう
  • うさぎのひげが何本も枝毛になっている場合には体調に要注意!
でした。

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記事モデル:まぴんこ

記事監修者「西森 史奈」

西森 史奈
MOFFME編集部うさぎ担当。愛玩動物飼養管理士、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。

すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という想いに共感しMOFFMEに参画。特に近年飼育頭数が増えているうさぎに着目し、飼い主とうさぎが長く一緒に幸せに暮らしていけるようにうさぎに関する正しい情報を発信すべく日々勉強中。