「うさぎのペレットはどれくらいの量与えていいんだろう?」この記事ではそんな悩みを抱える飼い主さんへ向けて、うさぎに与えて良いペレット量と計算式、そしてペレットをあげすぎる・もしくはあげる量が足りないと起こる問題について、わかりやすく解説しています!
この記事の目次
目次を閉じるうさぎに与えていいペレット量と計算式を紹介!子うさぎ(成長期)・大人・シニアに分けて解説
うさぎのペレットは、牧草や穀物を粉砕したものに、ビタミン・カルシウム・ミネラル等様々な栄養素を添加した固形の配合飼料です。
うさぎの成長を助け、健康を維持する為には必要な一方で、あくまで牧草で摂取できない栄養素を補う「補助的な主食」と認識しておく必要があります。
ペレットは栄養価が高い分、カロリーも高いので、食べ放題で与えて良い訳ではないのです。詳しくは後述しますが「ペレットのあげすぎ」は健康を害する原因となるので、時間を決めて適量を与え、成長や加齢に合わせて量を調整する必要もあります。
そこで以下では「うさぎに与えて良いペレット量とその計算式」を
- 子うさぎ(成長期)
- 大人うさぎ
- シニア
とライフステージに分け解説していきますので、適切なペレット量で悩まれている方は是非参考にしてみてくださいね!
ペレット量と計算式①子うさぎ(成長期)
子うさぎとは「離乳してから、生後6ヶ月位までの成長期のうさぎ」のことです。この時期は体の成長を助ける為に豊富な栄養が必要ですので、アルファルファ主体のペレットを存分に与える様にしてください。
「成長期に与えるペレット量は食べ放題でも良い。成長期は体を作る事にどんどんカロリーが使われるので太らない。」
とも言われますが、反対の意見もあります。どの道ペレットを長時間外気に晒していると、それだけ鮮度が落ちますので、1日の量は「体重の3~5%」を目安に、朝夕に丁度空っぽになる位を与えるようにしてください。
ペットとして最もベターなネザーランドドワーフを想定した場合、適正なペレット量を導き出す計算式は以下の通りです。
子うさぎの適正ペレット量(g)=適正体重(g)×0.03~0.05
適正体重は個体によって異なりますが、ここではひとまず「成長段階ごとの平均体重」を適正体重と仮定すると
- 生後1ヶ月の適正体重:約310g
- 生後2ヶ月の適正体重:約490g
- 生後3ヶ月の適正体重:約650g
- 生後4ヶ月の適正体重:約805g
- 生後6ヶ月の適正体重:約950g
このようになります。つまりこの適正体重(平均体重)を、上記の計算式に当てはめると、1日に与える適切なペレット量は以下の通りになります。
- 生後1ヶ月のペレット量:約9.3g~15.5g
- 生後2ヶ月のペレット量:約14.7g~24.5g
- 生後3ヶ月のペレット量:約19.5g~32.5g
- 生後4ヶ月のペレット量:約24.15g~40.25g
- 生後6ヶ月のペレット量:約28.5g~47.5g
あくまで目安ですので、もしこれで足りないようなら、成長スピードに必要カロリーが追い付かず痩せて行くと思うので、量を増やしましょう。うさぎの肋骨や背骨が浮き出ていたら、ペレット量が足りないという事です。
ペレット量と計算式②大人うさぎ
うさぎは生後6か月もすると成長もひと段落し、1歳にもなると立派な大人です。
大人うさぎの場合は、摂り入れた栄養は「体の成長」にではなく「体の健康維持」に使われるようになりますが、その為の消費カロリーは、成長期ほどは高くないので、成長期と同量のペレットを食べ続ければ高確率で太ります・・・。
肥満は様々な病気の原因になるのでお気を付けください!(詳しくは後述)
大人うさぎに与える、太りも痩せもしない「ペレットの1日の量」は「生後6か月時点の適正体重の1.5%」が理想といわれています。なぜ「生後6か月」なのかというと、この時点が成長期のピークであり、そのうさぎにとっての理想体重である場合が多いからですね。
そしてペットとして最もベターなネザーランドドワーフを想定した場合、ペレット適正量を導き出す計算式は以下の通りです。
大人うさぎの適正ペレット量=生後6か月時点の適正体重(約950g)×0.015=14.25g
後は個体によって骨格や筋肉量が違いますので、1日14.25gで太り過ぎるようなら減らし、痩せるようなら増やすなどして、そのうさぎにとっての適正量を見極めるようにしましょう。
また大人うさぎになったら、牧草を食べ放題にして大丈夫なので、牧草をちゃんと食べる子なら「ペレットが足りなくて、健康上問題が発生する」という事は少ないと思います。
ペレット量と計算式③高齢うさぎ
医療の進歩や飼育環境の改善で、近年うさぎの寿命は大幅に伸びましたが、長寿ならではの問題も多く聞く様になりました。一見若々しく見えても、骨や内臓、関節など、外から見えない部分が弱くなっているので、色々と配慮が必要になってくるんです。
「ペレットの質と量」というのもその配慮の一つ。うさぎは7歳にもなると、人間でいう還暦に相当する立派な「高齢うさぎ」ですので、再度ペレットの与え方を見直す必要が出てきます。
具体的にはまず、チモシーを主な原料とする、シニア用のペレットに切り替えましょう。アルファルファ主原料のペレットは、含まれているたんぱく質が多く、嗜好性が高いです。つまり凄く太り易い・・・!
高齢うさぎの肥満は若い時よりもさらにリスクが高いので注意しないといけません。
そして、高齢うさぎに食べさせて問題ない「ペレットの1日の量」は「体重の1.5~2%」が目安と言われています。ここでもベターなネザーランドドワーフを想定した場合、適正量を導く計算式は以下のようになります。
高齢うさぎの適正ペレット量=生後6か月時点の適正体重(約950g)×0.015~0.02=約14.25g~19g
ひとまずこの量を習慣化し、これで痩せる様なら増やし、太る様なら減らしてくださいね。
うさぎにペレットをあげすぎる・足りないと起こる問題とは?適正量を守ろう
ペレットは「総合栄養食」であり、うさぎが牧草だけでは摂取できない栄養を豊富に含んでいます。成長期には体の基礎を作る為、維持期には健康体を保つ為に、ペレットは必要不可欠なものといえるでしょう。
一方でうさぎにとって「主食」は牧草でペレットは「補助食」という位置付け。
一般に補助食を「あげすぎる」というのも、逆にあげる量が「足りない」というのも問題であり、特に1歳を過ぎて大人になったら「牧草主体の食生活」にしつつ、与えるペレットの量に気を配って行きましょう!
具体的にペレットの適正量を守らないと起こる問題としては
- 肥満になる(あげすぎの場合)
- チモシーを食べなくなる(あげすぎの場合)
- 栄養が偏る(足りない場合)
などが挙げられますので、下記で各問題について正しく理解した上で、うさぎに適正量のペレットを与えていく様にしましょう。
うさぎにペレットをあげすぎると、肥満になる
うさぎの肥満の多くは「ペレットのあげすぎ」に起因しています。
うさぎに必要な栄養素を余すことなく含んでいるペレットは、その分カロリーも高いです。牧草と比べたら嗜好性も高いので、適当に目分量で与えていたり、食べ放題にしていると【摂取カロリー>消費カロリー】となり肥満になってしまう訳ですね・・・。
フワフワの被毛に覆われている「うさぎの肥満」は一見わかりにくいのですが、例えば
- 妊娠してないのにお腹が膨張している
- 地面とお腹がぴったりついて隙間がない
- 顔に対して体が大きい
- 毛づくろいが上手に出来てない
- 触っても骨の感触がない
などの変化がみられたら肥満の兆候です。
うさぎは肥満になることで、例えば
- 足裏への負担が大きくなる→関節炎やソアホックの原因に
- 毛づくろいがうまく出来なくなる→不衛生から皮膚炎の原因に
といった様に病気のリスクが高まります。この他にも胃うっ滞・動脈硬化・腎不全・肝不全など、肥満は様々な病気の原因に成り得ますので、必ず飼ってるうさぎのペレット適正量を把握し、肥満にならないよう注意してください。
うさぎにペレットをあげすぎると、チモシーを食べなくなる
うさぎにペレットをあげすぎると牧草(定番はイネ科のチモシー)を食べなくなる可能性があります。
ペレットは確かに栄養価に優れているのですが、嗜好性も高いです。目の前にペレットと牧草があれば、多くのうさぎはペレットを優先的に食べるでしょうし、それで満腹になってしまうと、チモシーを食べなくなってしまうのです。
チモシーを始めとする牧草というのは、たんぱく質・ビタミン・ミネラルのみならず、ペレットには少ない繊維質が豊富で「腸の働きを促進する」効果があります。また牧草をよく噛まないと食べられないので、歯の適切な摩耗を助けてくれます。
逆にいえば牧草を食べないと
- 繊維質不足で胃腸うっ滞になりやすくなる。
- 歯の擦り合わせ不足で不正咬合になりやすくなる。
といった病気のリスクが高まってしまう訳なので「ペレットのあげすぎ」にはくれぐれも注意しないといけないのです。
うさぎにペレットが足りないと、栄養が偏る可能性がある
うさぎにペレットをあげすぎる事は問題ですが、逆にあげる量が足りないと栄養が偏る可能性があります。
うさぎは極端な話「ペレットなし」でも牧草さえ食べていれば生きてはいけるのですが、年齢や健康状態によって、必要な栄養素は変わってきます。その点、牧草というのは種類や時期によって、含まれる栄養に変動があるので「栄養バランスを管理するのが難しい」という問題があるのです。
さらに近年は医療の進歩でうさぎの寿命も延びました。自然界ではとっくに亡くなっていてもおかしくない高齢のうさぎの場合、チモシーだけではどうしても骨や関節を維持するための栄養が不足しがちになってしまうのです。
なのでうさぎの長寿と健康を第一に考えるなら、うさぎに必要な栄養素をバランス良く含んだ総合栄養食・・・つまりペレットは「常に適正量与える必要がある」という事になるのです。
まとめ:うさぎのペレットの量の適正を守ることは健康の維持につながる
ここまでうさぎのペレットの量について解説してきました。
この記事のポイントは
- うさぎに与えるペレットの量は、子うさぎ(成長期)・大人・シニアで異なる
- うさぎのペレットの適正量を守る必要がある理由は下記の3つ
- うさぎのペレットの量は多すぎると、肥満になる・主食の牧草を食べなくなる可能性があるため
- うさぎのペレットの量が少なすぎると、栄養が偏る可能性があるため