「うさぎを撫でていたら突然歯ぎしりが・・もしかして嫌だったかな・・?」と不安になったことはありませんか?実はうさぎにはいい歯ぎしりと悪い歯ぎしりがあります。これらはうさぎが歯を鳴らす音やその時のうさぎの様子から見分けることができ、言葉で意思疎通ができないからこそ見分け方を知っておく必要があるのです。この記事はうさぎの歯ぎしりについて詳しく解説していきます。
この記事の目次
目次を閉じるうさぎが歯ぎしりをする理由を解説!歯を鳴らす音も合わせて紹介!
うさぎは一見すると無表情で感情が読み取りにくいように思えますが、その分様々な行動・仕草で自分の感情を伝えてくれます。
歯ぎしりというのもその一つです。
うさぎが歯ぎしりをしている時の、餌を食べている時とはまた違う「聞きなれない独特な音」を聞いて「大丈夫なのかな?」と心配される飼い主さんも多いです。でも「歯ぎしりの感情表現」には快・不快二つの意味があって、一括りに「大丈夫」とも「大丈夫じゃない」とも言えないんですよね・・・。
具体的には
- 興奮している(嬉しい・楽しい)
- リラックスしている
- ストレスを感じている
- 痛みや病気を抱えている
- 歯が伸びすぎている
等が理由として考えられますので、歯ぎしり時の様子や歯を鳴らす音等から、上記のどれにあたるか見極め、臨機応変に対応する事が大切なんです。
下記で理由別に「うさぎの歯ぎしり時の様子や鳴らす音」について詳しく解説していますので、参考にしてみてくださいね!
歯ぎしりをする理由①興奮している(嬉しい・楽しい)
うさぎは嬉しい!楽しい!といった「興奮した(高まった)気持ち」の発露として、歯ぎしりする事もあります。例えば大好きなおもちゃで遊んでいる時、好物のおやつを目の前にした時などですね。
興奮時の歯ぎしりは、前歯を強く擦り合わせ「ゴリゴリ」激しい音を鳴らすのが特徴です。かなり力の入った音なので、初めて聴いた時は
「怒っているのかな?」「苦しいのかな?」
と心配にもなりますよね。でもこれは満足の歯ぎしりであり、「気分の良さ」を表す最上級の感情表現なのでご安心を!
引き続きうさぎと一杯スキンシップをとってあげましょう。
注意点としては、うさぎはストレスを感じている時も「ゴリゴリ」と強い歯ぎしりをするので、興奮時の歯ぎしりと誤認しないようにしてくださいね。
明らかに落ち着かない様子だったり、通常より早い間隔で鼻をひくつかせているなら、それはストレスである可能性が高いです。
歯ぎしりをする理由②リラックスしている
うさぎはリラックスしている時にも、歯ぎしりを行います。具体的には
- 撫でられている時
- マッサージ・ブラッシング時
- 眠い時
- 寝てる時
などに「コリコリ」「カチカチ」「ショリショリ」といった、軽い音を細かく鳴らす歯ぎしりをよくやります。
この歯ぎしりをしている時は、目をトロンとさせて、鼻ピクも緩やかで、いかにも心地良さげな感じです。極度に眠い時、寝てる時等は「無意識に」歯を擦り合わせ歯を鳴らしている様ですね。
リラックス時の歯ぎしりは「猫のゴロゴロ」と似た様なもので、飼い主さんに相当心を許している証拠!こういう時の歯ぎしりの音や様子を覚えていたら、撫でてない時やストレスを感じている時、体調が悪い時の歯ぎしりの違和感にも気が付けますよ。
歯ぎしりをする理由③ストレスを感じている
うさぎは繊細でストレスを感じ易い生き物です。
なのでストレス発散や不満の表明として・・・例えば「抱っこが嫌いな子」なら抱っこしている時、「ブラッシングが苦手な子」ならブラッシングしている時「もうやめて!」という意味合いで歯ぎしりをする事がよくあるのです。
- 不衛生
- 高温多湿
- 騒音
- エアコンの風
- 知らない動物の臭いや鳴き声
- 環境変化(引っ越し、ケージ買い替え等)
- 運動不足
この様にうさぎのストレス要因は様々ですが、ストレスを感じている時の「歯ぎしりの音」は「ゴリゴリ」「ギー」「カチカチ」といった強い音が特徴です。私たち人間の歯ぎしりと似ています・・・。
楽しくて興奮している時にも「ゴリゴリ」と強い歯ぎしりを行いますが、もし同時に、目を大きく見開いていたり、耳がピンと立ってたり、鼻を早い間隔でひくつかせていれば、ストレスの方が理由かもしれません。
歯ぎしりをする理由④痛みや病気を抱えている
うさぎは痛みや病気を抱えている時に、苦しみを紛らわす為の「我慢の歯ぎしり」をする事があります。人間が痛みを耐える時に「奥歯を嚙み締める」のと同じです。
痛みや病気の時の歯ぎしりは、奥歯を強く擦り合わせる事による「ギリギリ」「ギシギリ」「ギュッギュ」という強く鈍い音が特徴です。被捕食者のうさぎは本能で「つらい」「苦しい」という感情を隠しますが、こういった歯ぎしりは「気分の悪さ」を表す最上級の感情表現と思ってください・・・!
手入れしたり撫でてない(特別リラックスしている訳でもない)、遊んでない(楽しい・嬉しくて興奮している訳でもない)、その他何か環境にストレス要因がある訳でもないのに、やたら歯ぎしりをしており、なおかつ
- ジッと動かず小さく丸まっている
- ごはんを食べない
- 痙攣している
という様子が見られるならば、それは「痛みや病気を抱えている線濃厚」なので要注意です。
歯ぎしりをする理由⑤歯が伸びすぎている
うさぎは不正咬合、つまり歯が伸びすぎて嚙み合わせが悪くなっている時には「ゴリゴリ」強い歯ぎしりをする事が多いです。これは伸び過ぎた歯を擦り合わせて、自分で歯を研いでいるのですが、酷いと伸び過ぎた歯が口内に突き刺さり、その痛みから歯ぎしりをしている可能性もあります。
なぜ歯が伸びすぎるのか
うさぎの常成歯(生涯伸び続ける歯の事)は、日常的に硬いペレットや繊維質に富む牧草を食べ続ける事で「上下の歯の擦り合わせで、自然と適切な長さ・形状に保たれる」様になっています。
それにも関わらず歯が伸び続けるというのは
- 餌が柔らかすぎる
- 牧草が足りない
- 先天的遺伝
など何らかの原因で、歯が正常に削れていない可能性があります・・・。
「ゴリゴリ」という歯ぎしりに加え、よだれがよく出る様になったり、餌を残す様になったら、不正咬合の可能性を疑いましょう。具体的な対策については後述しますね!
うさぎの「いい歯ぎしり」と「悪い歯ぎしり」はどう見分ける?
ここまで、うさぎの歯を鳴らす音と合わせて、うさぎが歯ぎしりをする理由について解説してきました。
嬉しい気持ちや、リラックスしている状態の表れである「いい歯ぎしり」と、ストレスや体調不良など、不調を訴えている「悪い歯ぎしり」の見分け方は「歯を鳴らす音」と「うさぎの様子」がポイントです。
いい歯ぎしり | 悪い歯ぎしり | |
---|---|---|
歯を鳴らす音 | 「コリコリ」 「カチカチ」 「ショリショリ」 などの軽くてリズミカルな音 | 「ゴリゴリ」「ギー」 「カチカチ」「ギリギリ」 「ギシギリ」「ギュッギュ」 などの強くて鈍い音 |
うさぎの様子 | リラックスしている 目がトロンとしている 鼻ピクが緩やか | 耳がピンと立っている 鼻が早い間隔でピクピクしている じっとしている ご飯を食べない |
歯を鳴らす音のみならず、必ず一緒にうさぎの様子も見てあげるようにしてください。
うさぎは本能的に体調不良を隠す動物のため、体調不良を訴えている歯ぎしりをしていたら限界に近い可能性が高く、もし見逃してしまったら・・・。取り返しのつかない状況にまで進行してしまう可能性もありますね。
つまり、悪い歯ぎしりの見逃しをしないためにも、「うさぎの様子を一緒に確認する」ということは非常に重要なポイントになるのです!
うさぎの歯ぎしりはやめさせるべき?歯に悪影響はないの?
うさぎが歯ぎしりしているのを見て、心配で「やめさせるべき?」と悩まれる飼い主さんは少なくありません。
しかしうさぎの歯ぎしりの原因は
- ポジティブなもの(リラックス・嬉しい時)
- ネガティブなもの(ストレス・体調不良の時)
の2つに分かれ、ポジティブな原因の場合、やめさせる必要はありませんし、ネガティブな原因の場合、飼い主さんには「歯ぎしりをやめさせる」というより、その歯ぎしりの原因に対して対策を講じることが求められます。
ネガティブな原因の「ギリギリ」という強い歯ぎしりについては、執拗に続けていると不正咬合の原因にもなるので、すぐにストレスや体調不良の原因を突き止めて「歯ぎしりしなくても良い」状況に持っていくようにしましょう。
リラックス・嬉しい時の歯ぎしりはそのままでOK!
うさぎはリラックスしている時に「コリコリ」、嬉しい時・楽しい時に「ゴリゴリ」という歯ぎしりをする事があります。これはむしろ「健全な行為」ですので、そのままでOK!やめさせる必要はありません。
飼い主さんに心を許している証拠ですので、自分の飼育方針に自信を持ちましょう。今まで通り、適度なスキンシップをとりながら、健康面に気を遣い大切に育ててあげてください。
ただストレスや病気を抱えている時の歯ぎしりを、リラックス・嬉しい時の歯ぎしりと誤認しないようにだけは注意してくださいね・・・!
「ギリギリ」「ギュッギュ」強い音を鳴らしつつ、目をカッと見開いていたり、耳をピンと立てていたり、鼻を頻繁にひくつかせていたりと、明らかに落ち着かない様子が見られれば、ストレスや病気の可能性を疑いましょう。
歯ぎしりが止まらない・激しい場合には病院に受診しよう
リラックスしている、興奮している、ストレスを感じている訳でもないのに、歯ぎしりが止まらない、激しいという場合・・・そのうさぎは怪我や病気を抱えている可能性があります。すぐに動物病院を受診する様にしましょう。
一見問題なくても、うっ滞・ソアホック・腸炎・骨折・脱臼など、外からでは原因がわからない病気も多いです。歯ぎしりと共に
- 丸くうずくまっている
- 痙攣している
- 餌を食べない
などの症状がみられれば、病気や怪我の可能性を疑いましょう。
特に高齢のうさぎが罹り易いうっ滞が原因の歯ぎしりは緊急を要します。体調不良を隠すうさぎは「目に見えて体調が悪化した頃には既に手遅れ」という場合も多いので「様子見」だけはしない様お願いします・・・!
受診費用の心配をされる方もいますが、結果的に治療が必要なかったら、大した額になりません。健康診断も兼ねて「安心を買う」という意味でも、異常な歯ぎしりに気が付いたら、迷わず診てもらいましょうね。
歯が伸びすぎている事が原因の歯ぎしりには牧草やかじり木を与えよう
うさぎの歯が伸びすぎると、伸びすぎた歯が頬を傷つけ感染症を引き起こしたり、うまく食べ物を咀嚼できない、噛み切れない状態(不正咬合)になり、様々な合併症(膿瘍・鼻涙管障害・うっ滞など)の原因になります・・・!
もしも「歯の伸び過ぎ」で歯ぎしりしている場合は、牧草の量を増やしたり、かじり木を与えるなどして、歯が適切な長さに保たれる様努めてあげましょう。
かじり木については、あまりに硬すぎると「歯が不自然な形に削れてしまい逆効果」になる場合もあるので、ネットの評判などを参考にしながら、適度に柔らかいものを選ぶ事をお勧めします。
牧草を重視しよう
一方「うさぎの歯が削れていく」のは、かじり木よりも、牧草を食べる時に「上下の歯が摺り合わさる」事に依る部分が大きいので、牧草を特に重視しましょう。牧草というのは、基本的に無限に与えて大丈夫なので、いつでも食べられる様にしておくと良いですね。
中に牧草を入れられるタイプのかじり木も売られており、普通の容器の入れ物より牧草への食い付きが良くなったりするのでお勧めです。「噛む」ことは「ストレス解消」にもなりますので、ストレスによる歯ぎしりの防止にも繋がって一石二鳥なんですよ!
まとめ:うさぎの歯ぎしりを見分けて気持ちを汲み取ろう!
- うさぎの歯ぎしりにはいい歯ぎしり・悪い歯ぎしりがある
- 歯を鳴らす音や様子から見分けることが大切
- 悪い歯ぎしりをしているときは、歯ぎしりの原因を取り除いてあげることが大切
- 歯ぎしりが止まらない・激しいときには病院へ受診しよう