うさぎがケージやフェンスをガジガジと噛むようになった時、うるさいのでやめさせたいと考えている飼い主さんは多いはず。やめさせるには、まずうさぎがケージを噛む理由を知る必要があります。言葉でコミュニケーションを取ることができないからこそ、うさぎの行動から気持ちを読み取ってケージを噛むことの対策をしてあげましょう!この記事では、うさぎがケージを噛むようになった理由と対策方法について解説していきます。
この記事の目次
目次を閉じるうさぎがケージやフェンスを噛むようになったのはなぜ?理由を解説!
うさぎはケージやフェンスを噛んだりかじったりすることがよくあります。
元々の習性として、うさぎは何でも噛む動物です。
しかし、うさぎがケージフェンスを噛むと、ガジガジとうるさいと感じたり、ケージが傷ついたり、うさぎ自身も不正咬合という噛み合わせの異常などを起こしてしまうことがあります。
そのため、うさぎがケージやフェンスを噛むことをやめてほしいと思いますよね。
ではなぜうさぎはケージを噛むのでしょうか。その理由には、大きく分けると以下のような3つの理由があります。
- 飼い主に何かを要求している
- ストレスを感じている
- 退屈だから
それぞれの原因と対策方法、しつけによって改善できるかどうかなどを詳しく説明していきます。
ケージを噛むようになった理由①飼い主に何かを要求している
1つ目の理由は、飼い主へのアピールです。
アピールする理由は以下のように様々あります。
- ケージの外に出たい
- 一緒に遊んでほしい
- ご飯の時間になったのでご飯を食べたい
- 飼い主に甘えたい
特に決まった時間にペレットやご飯をあげていたり、うさんぽのためにケージから出していたりすると、その決まった時間になってケージやフェンスを噛むことが多いです。
一般的には思春期を迎えた生後6か月前後くらいから、ケージをかじって自分の思いを飼い主にアピールし始めることが多くなるといわれています。
ケージを噛むようになった理由②ストレスを感じている
2つ目の理由は、ストレスを感じているからです。
うさぎは毎日気ままに過ごしているように見えますが、思った以上に繊細な動物です。
元気で遊ぶことが好きなうさぎは、遊ぶ時間や構ってもらえる時間が少ないとストレスを感じて、ケージやフェンスなどをかじる行動をしているのかもしれません。
人と交わることが好きな社交的なうさぎは、触れ合う時間が少なくなるとストレスを感じてしまい、噛むことによってストレスを発散している場合もあるでしょう。
それ以外にも、若いうさぎの場合は、ホルモンの影響によるストレスでケージを噛むこともあります。
「ストレス」と一言で言ってもその原因は様々です。年齢やうさぎの飼育環境、日頃の接し方などから、何がストレスの原因になっているのかを見つけてあげる必要がありますね。
ケージを噛むようになった理由③退屈だから
そして最後の3つ目の理由は、退屈だからです。
うさぎはケージ内では牧草を食べたり、お昼寝をしたりして過ごしています。
しかしよく懐いていて遊ぶのが好きな子や、うさんぽが大好きな子だと、ケージにいる時間が長くなると退屈に感じて、退屈しのぎにケージを噛む場合があるのです。
また、
- 牧草がなくなった
- 今までケージ内に何か遊ぶ物があったのになくなった
ケージ内の環境の変化を考えてみるのも必要です。
ガジガジうるさいケージ噛みの対策方法を解説!無視が1番有効?しつけることはできる?
ケージ噛みは、うさぎにとっても不正咬合のリスクがあるだけではなく、飼い主にとってもストレスがたまってしまう行為ですよね。
どうすれば、なくすことができるでしょうか?そこで以下のような4つの対策方法について解説していきます。
- 無視をする
- 日頃からうさぎの不満を溜めない
- 噛む対象をケージから移す
- 物理的にケージを噛むことができないようにする
- かじり防止スプレーを使用する
- そもそも放し飼いをする
- 目隠しをする
複合的に対策することにより、お互いが快適に生活できるようになるでしょう。
最後には、「ケージを噛むことはどれくらいで治る」かについても説明します。
対策方法①無視をする
1つ目の対策方法は、無視をすることです。
特に「飼い主に何かを要求している」場合でケージを噛む際には、要求を受け入れてしまうと、噛むことによって要求が通ると学習してしまいます。
さらにエスカレートする結果となってしまうでしょう。
このような場合は、噛んでもかまってあげない、反応しない、見ないことを徹底するなど無視をすることが重要です。噛んでも要求が満たされないことを、我慢強く学んでもらう必要があるのです。
噛むのをやめるまで放っておき、やめてからその要求を受け入れることも大切です。
ただ中にはどうしても噛むことをやめない子もいますので、その場合は後述する対策方法も同時に試してみるといいでしょう。
かわいそうに思うかもしれませんが、うさぎと飼い主のためなのです。徹底的に無視を貫きましょう。
対策方法②日頃からうさぎの不満を溜めない
2つ目の対策方法は、日頃からうさぎの不満を溜めないことです。
特に「ストレスを感じている」場合で噛む際には、まずはどのような不満を感じているかよく観察することが大切です。
お散歩や運動、飼い主との触れ合いの時間はうさぎが満足するくらい確保できていますか?うさぎが快適に過ごせるような空間作りはできていますか?
今一度うさぎとの触れ合いや飼育環境について見直してみてください。
不満の感じ方は個体差も大きいので、普段からうさぎの行動をよく見て性格やその思いを感じとってあげてくださいね。
対策方法③噛む対象をケージから移す
3つ目の対策方法は、噛む対象をケージから移すことです。
うさぎか何かを噛んだりかじったりするのは習性なので、「飼い主に何かを要求している」や「ストレスを感じている」以外にも、本能として噛む場合があります。
そのような場合は、木でできたかじり木などをケージに入れて、噛む対象をケージから移すことにより、ガジガジとうるさいケージ噛みを改善される可能性があります。
かじり木以外にもかじれるおもちゃは多数市販されていますので、うさぎの好むものを探してみてあげてくださいね。
ただその場合、かじっても大丈夫で安心安全なものを設置することが大切です。
また設置することによりケージ内が狭くなると、逆にストレスを感じてしまうことがあるので、大きさや置く場所、うさぎのケージ内で十分なスペースがあるかもしっかりと確認してあげましょう!
対策方法④ケージにアクリル板を取り付ける
4つ目の対策方法は、物理的にケージを噛ませないように、ケージにアクリル板を取り付ける方法です。
アクリル板をケージの内側に貼るとツルツルしているので噛む事ができません。透明なので付けていても中が見やすいのがメリットです。
取り付ける範囲が広すぎると通気性が悪くなってしまうので、通気できる部分を確保して取り付けましょう。
また、取り付けた端の部分が噛める状態になっていると、そこからアクリル板を噛んで壊す可能性もあります。壊れたアクリル板が口に入らないよう注意が必要です。
アクリル板以外にも木でできているフェンスなど噛んでもいい素材でできている物もありますが、中が見えづらくなるというデメリットがあります。
その子の性格や状況に応じて選びましょう。
対策方法⑤かじり防止スプレーを使用する
5つ目の対策方法は、市販されているかじり防止用のスプレーを使うことです。
これは舐めても安心な成分の苦みのあるスプレーで、噛んでほしくない場所にスプレーし、それをうさぎが舐めると「ここを噛むと嫌な味がする」と覚えて噛まなくなります。
しかしこの効き目には個体差があり、この味を嫌がる子には効き目がありますが、おいしいと感じてしまう子には効き目がありません。
舐めさせてみないとわからないので、試してみて効き目があったらラッキーです。効けばスプレーするだけなので簡単な方法ですね。
対策方法⑥そもそも放し飼いをする
6つ目の対策方法は、ケージに入れておかずに放し飼いにする方法です。
ケージに閉じ込めている時の要求・ストレス・退屈がなくなるのでケージを噛むことがなくなります。
ケージは安心できる場所としてトイレや寝床を入れて置いておき、自由に出入りできるようにしておきましょう。
放し飼いをすることは、
- 好きな時に走れ回れて運動が活発になる
- ストレス解消になる
うさぎはケージではなくても噛む習性のある動物なので、コンセントや家具など噛まれてはいけない物は撤去したり、噛まれないように対処しなくてはなりません。
床をきれいにしておくことはもちろん、何かの時に上から落下する物がないかも気を付けましょう。部屋全体での対策が必要な方法になります。
対策方法⑦目隠しをする
7つ目の対策方法は、ケージを布などで覆って目隠しをすることです。
構って欲しくてケージを噛んでいる場合、飼い主さんの姿を見ると噛んでアピールするので、見えないようにケージを覆ってしまうのです。
覆う布はタオル、毛布など何でも構いませんが、ケージの柵の隙間から掛けている布を中に引っ張っていたずらする事があります。ケージと布の間は少し隙間をあけるようにすれば安心ですね。
そして覆った時にケージ内が暑くならないか、ジメッとしないかなど、温度・湿度も気をつけましょう。
うさぎがケージを噛むことはどれくらいで治る?
個体差はありますが、ケージを噛むことが改善されるには時間はかかります。
特に「飼い主に何かを要求している」場合でケージをガジガジと噛んでいる時は、うさぎに要求される前に希望を満たしてあげるように配慮するとともに、無視を徹底して根気強くしつけていく必要があります。
「ストレスを感じている」場合にケージを噛んでいる時は、そのストレスを取り除くことにより、短期間で治る可能性もあります。
またうさぎが子供の場合は、大人になると落ち着いて自然に治るケースもあります。
うさぎと飼い主のために前述した対策方法を複合的に試して、お互いに快適な生活を目指しましょう。
うさぎがケージを噛むことを放置すると起きるトラブル
うさぎは何でも噛む習性があるとはいえ、自然界ではケージを噛むという行動はありません。
人間との生活の中で要求や不満、ストレス、退屈などの理由でケージを噛むのを説明しましたが、「うさぎは噛む動物だから」と、それを解決せずに放置していったらどのようになるのでしょう?
ここでは、うさぎがケージを噛むことを放置すると起きるトラブルについて
- 不正咬合になる
- ケージの破片で怪我をする
- うるさい音で周囲に迷惑がかかる
不正咬合になる
不正咬合とは、歯の嚙み合わせが悪くなった状態のことを言い、一生歯が伸び続けるうさぎにとって重大な疾患です。
不正咬合の原因は遺伝や不適切な食餌、食べ方の癖など様々ありますが、ケージを噛むことによっても切歯が歪み、不正咬合になる事があります。
うさぎは牧草やペレットなどの食餌をすり潰して食べ、そのすり潰しによって歯を削り適正な長さを保つのですが、不正咬合になるとうまくすり潰す事ができなくなり、歯が削られずに伸び続けてしまうのです。
その歯で口内を傷つけたり、うまく食べられなったりで食欲が落ちる場合もあります。
一度不正咬合になってしまうと完治することはほぼなく、定期的に病院に連れて行って歯を切る処置をしなければなりません。
一生この疾患と付き合っていかなければならなくなるのです。
ケージの破片で怪我をする
一般的に市販されているケージは丈夫に作られていますが、同じ場所ばかりを噛み続けていると、壊れてしまう可能性もあります。
その壊れた破片で怪我をしたり、飲み込んでしまったりするととても危険です。
うさぎは自分の身体に起きている異変を隠そうとする習性がある動物のため、飼い主が知らないうちに壊れたケージが原因で、知らないうちに怪我をしていた、なんて事が起きる場合があります。
怪我ももちろん大変ですが、飲み込んでしまうことも危険です。
うさぎは吐く事ができない動物であり、飲み込んでしまった異物を取り除くには
- うんちとして排出されることを待つ
- 摘出手術をする
飲み込んでしまった破片が身体の中を傷付けずにうんちとして出てくればいいものの、手術となれば小さな身体のうさぎにとってはとても大きな負担がかかることですよね。
その怪我などで万が一後遺症が残ったりすると、うさぎ自身も大変ですが、飼い主さんにとっても負担になってしまいます。
うるさい音で周囲に迷惑がかかる
うさぎがケージを噛む音は、かなりうるさいと感じます。
1、2回噛むのではなく、ずっと細かくガジガジと噛み続けたり、引っ張るように大きく噛んだりする事もあり、けっこうな音になります。
アパートやマンションなどの集合住宅でうさぎを飼っている場合は、もしかしたら隣や上下階の部屋にもこの音が聞こえていて、迷惑をかけているかもしれません。
特に夜寝ている時間帯は周りが静かなので、ケージを噛んでいる音でも鳴り響いて気になってしまいます。
音は近隣トラブルの代表的な原因のひとつです。
このトラブルから周囲の人との関係が悪くなると、飼い主さん自身がそこに住みづらくなる事があるので、ケージを噛むのは止めさせる事が賢明ですね。
まとめ:うさぎがケージを噛むようになったら気持ちを読み取って対策してあげよう
ここまでうさぎがケージを噛むようになった理由と対策方法について解説してきました。
この記事のポイントは
- うさぎがケージを噛むようになった理由には、飼い主に何かを訴えていたり、ストレスを抱えている可能性がある
- うさぎがケージを噛むことをやめさせるには無視をして、「ケージを噛んでも要求が通らない」ことをしつける必要がある
- うさぎがケージを噛んで飼い主に訴えかける前に、要求される前に対応する・ストレスを与えない環境作りも大切
- うさぎがケージを噛むことをやめるには根気強くしつけが必要になることもある