うさぎのブラッシングはやりすぎ注意!やり方や頻度、嫌がる場合の対処法について徹底解説!のサムネイル画像

ふわふわの毛をまとっているうさぎのブラッシングは、いつから・どれくらいの頻度でやるべきなのか悩みますよね。特に換毛期は毛があまりにも抜けるためついついやりすぎてしまいますが、やりすぎは厳禁です。また、ブラッシングをしないとうさぎの命に関わるような問題を起こしかねないため、嫌がる・逃げることがあっても様々な対処法でブラッシングをしてあげる必要があります。そこでこの記事では、うさぎのブラッシングの頻度ややり方、嫌がる時の対処法について解説していきます。

この記事の目次

目次を閉じる

うさぎのブラッシングはやりすぎ注意!いつからどれくらいの頻度でするの?

毎日うさぎには色々なお手入れが必要ですが、その中でも「うさぎの健康に不可欠」なのがブラッシングです。


ブラッシングは、肌や毛がある程度強くなる生後3~4か月頃になったら初めてあげてください。


また頻度は、

  • 短毛のうさぎの場合週1回
  • 長毛のうさぎの場合週3回(2日に1回)

程度を目安にブラッシングを行うようにしましょう。


ただし換毛期の場合は、短毛種・長毛種に関わらず毎日ブラッシングする事が理想です。


こう聞くと「換毛期っていつからなの?」という疑問は当然湧くと思います。


野生のうさぎなら、春に冬毛が抜けて、秋には夏毛から冬毛に生え変わるというサイクルがありますが、エアコンの効いた部屋で飼われているうさぎの場合、換毛期は春秋だけに限らないんですよね。


なので春や秋に限らず「摘まんで毛がごっそり抜ければ換毛期に入ったサイン」と判断し、しばらくまめにブラッシングする様に心がけましょう。


1日の中の頻度は、毛の抜ける量、うさぎの様子を見て調整するようにしてください。


ただしブラッシングのやりすぎは禁物です。


換毛期には「湧き出るように毛が抜ける」ので、確かに止め時は難しいのですが、あまりに過度にブラッシングしていると、禿げ肌が傷つく恐れがある上、うさぎにとって大変なストレスになります。


うさぎが嫌がり始めたら止めておきましょうね。

関連記事のサムネイル画像

うさぎの換毛期を徹底解説!換毛期中のうさぎの変化や健康に乗り越える秘訣とは?

なぜうさぎにはブラッシングが必要なの?しないと起こる問題とは?


ブラッシングにはうさぎの毛艶を綺麗にしたり、飼い主とうさぎの絆を深めるコミュニケーションの機会にもなります。ただ、これらがブラッシングの目的ではありません。


ブラッシングの一番の目的はうさぎの健康の為です。


短毛種でも換毛期には相当な抜け毛が出ます。野生であれば、走り回ったり、飛び跳ねたり、穴を掘っている内に自然と拡散される毛が、家で悠々過ごすうさぎの場合、被毛に着々と溜まっていってしまいます。


そしてブラッシングをしないで、「被毛に抜け毛が溜まると何が起こるか」というと

  1. 胃腸うっ滞になるリスクが上がる
  2. 皮膚炎になるリスクが上がる

という問題が起こる様になるのです。


だから換毛期には毎日念入りにブラッシングが必要なんですね。以下でこれら2つのリスクについて、もう少し詳しく解説していきます。

ブラッシングをしないと起こる問題①胃腸うっ滞になるリスクが上がる

うさぎはお風呂に入らない代わりに、常に自分で毛を舐めて皮膚や毛の汚れを落としています。


この時「抜け毛も一緒に飲み込んでしまう」事は珍しくありませんが、これは通常、消化管を通り糞として排出されます。


ただこれが換毛期だと「飲み込んだ大量の毛が毛玉として消化管に溜まり、胃腸の活動が低下」する胃腸うっ滞になるリスクが生まれてしまうのです。


小まめなブラッシングが必要なのは「飲み込む毛の量を出来る限り減らす為」なんですね。


胃腸うっ滞になると、食欲不振・排便の低下を経て、徐々に元気がなくなっていきます。


しかし自然界で弱い立場に位置しているうさぎは「ギリギリまで体調の悪化を隠す動物」である事はお忘れなく・・・!


うっ滞は特に急変して亡くなることが多い病気ですので、1日でも糞が出ない日があれば、発病を疑って病院に連れて行くようにしてくださいね。

胃腸うっ滞の治療法としては、胃腸運動促進薬、皮下補液などを利用した内科的治療が基本です。あまりに酷い状況だと外科手術が必要になる場合も。 

ブラッシングをしないと起こる問題②皮膚炎になるリスクが上がる

ブラッシングをしないと「毛の通気性が悪くなり、肌が蒸れる事による不衛生・細菌感染」から湿性皮膚炎になるリスクも上がります。


湿性皮膚炎になると皮膚の赤みただれといった症状がみられ、痒みからかきむしり出血してしまうことも・・・。(皮膚炎の症状


また皮膚炎になるということは「湿気で被毛が絡まりやすい状態」ということなので、上述のうっ滞になるリスクも同時に高まっている事を意味します。


だから、部屋の湿度・温度を適切に保ったり、ケージ内を衛生的に保つのは大前提として「定期的なブラッシングで、肌が蒸れないようにしてあげる」必要があるのですね。


特に長毛種は毛が汚れやすいので、一層念入りにブラッシングする事が求められます。

関連記事のサムネイル画像

うさぎが快適に暮らせる室温は何度?熱中症・暑さ対策についても解説【うさぎ先生監修】

皮膚炎の治療法としては、薬用シャンプーや消毒剤を使った薬物治療が基本です。また「ブラッシングのやりすぎ」で被毛をハゲさせてしまった場合にも、うさぎがその部分を気にして掻いたり噛んだりする事で、皮膚炎は起こり得ますので注意してください。

うさぎのブラッシングのやり方を解説!必要なものは?


うさぎのブラッシングは、「うっ滞や皮膚炎の予防」になる他、ブラッシング中全身に触れることで「病気の早期発見」や「マッサージ効果による血行促進」に繋がる等、うさぎの健康にとって良い事づくめ!


ただしそのやり方が重要で、例えばうさぎの肌は敏感なので「肌に優しいアイテム」を使う等といった配慮が求められます。その視点に立った上で

  • ブラッシングに必要なもの
  • ブラッシングのやり方

について以下で詳しく解説していきますね!

うさぎのブラッシングに必要なもの

うさぎのブラッシングに必要なものは様々挙げられますが、特に以下の道具があると便利です。


ブラシ・コーム

うさぎのブラッシングでは、毛玉用のスリッカーブラシ、抜け毛用のラバーブラシ、仕上げ用の豚毛ブラシ(豚毛で作られたブラシ)を使い分けるのが基本です。


さらに長毛種の場合は、これに「毛のもつれ」をほぐす用の両目ぐし(コーム)を利用するのが望ましいでしょう。


グルーミングスプレー

ブラシだけでなくグルーミングスプレーも併用することで、静電気の発生を防ぎ、抜け毛も取り易くなります。


グルーミングスプレーは、副次効果として「毛艶が良くなる」だけでなく「消臭効果」もあるので二重で有難い存在ですよ。


おやつ

ブラッシングを嫌がる子には、終わった後におやつをあげるのも良いでしょう。


「我慢すればご褒美がもらえる」と学習させれば、大抵の子が大人しくブラッシングを受け入れてくれるようになります!

ブラシを買い替える場合、繊細なうさぎは、新しいブラシに恐怖心を抱いてしまうかもしれません・・・。なのでブラッシングを始める前に、暫く目の付きやすい場所に新品ブラシを置いておき、存在に慣れさせておく事をお勧めします!

うさぎのブラッシングのやり方

うさぎのブラッシングは、うさぎに無用なストレスを与えない為にも、飼い主さんが「正しいやり方」を知っておく必要があります。


でも慣れればそこまで難しくないので大丈夫!以下の基本的なブラッシングの仕方を把握しておきましょう。


1.うさぎを膝の上に乗せる

ブラッシング前の準備として、膝の上でうさぎを軽く固定して、ブラッシングし易い状態を作りましょう。椅子に座りながらだと、落ちて怪我をする可能性があるので、床に座って行う様にしてください。


2.グルーミングスプレーをかける

ブラシを使う前に「静電気防止」の為、毛全体にグルーミングスプレーをかけた後、手で揉み込んで全体に馴染ませましょう。


この際に「逆毛を立てるように」揉み込むと、この工程だけでもかなり毛が取れますよ!


※スプレーが顔にかからないよう注意してくださいね!


3.ラバーブラシで抜け毛を取る

準備が完了したら、抜け毛用のラバーブラシを使って丁寧にブラッシングしていきましょう。


最初は毛の流れに沿い「背中からおしりへ」向かって、その後「おしりから背中へ」とブラシをかけて、丁寧に抜け毛を取り除いてあげてください。


4.スリッカーブラシで浮いた毛を取る

ラバーブラシでのブラッシングが済んだら、浮いた毛をスリッカーブラシで取ってあげましょう。軽く毛の流れに沿うようにやるのがポイント!


ただスリッカーブラシを使う時は、ブラシの先が皮膚に触れないようにしてくださいね。


5.両目ぐしでもつれた毛をとる

特に長毛種に顕著ですが、お尻周辺の毛は汚れで、もつれやすいです。なので、今までの工程で「おしり毛のもつれ」を感じたら、両目ぐし(コーム)でほぐしてあげましょう。


あまり強い力で引っ張らずに「毛先から少しずつほぐしてあげる」のがポイントですね!


6.豚毛ブラシで仕上げ

これまでの工程で不要な毛を大方取り除いたら、豚毛ブラシを使って仕上げとなります。


毛の流れに沿って丁寧にブラッシングし、毛並みを綺麗にしてあげましょう。豚毛ブラシは「水はけ効果」があるので「余計な水分を取り除く」という意味合いもあります。

ブラッシング中は抜け毛が飛び散るので、部屋でやると後の処理が大変!なので風呂場など「毛が飛び散っても大丈夫な場所」で行うことをお勧めします!

うさぎがブラッシングを嫌がる・逃げる・怒る時の対処方法とは?


ブラッシングはうさぎの健康、病気予防のために不可欠なお手入れの一つです。そしてうさぎにはブラッシングの際に「ジ~ッ」としていて貰う必要があるのですが・・・


ブラッシングの為に

を嫌がる子もいますよね・・・。


ブラッシング中に怒って噛んできたり、暴れて抵抗をしたり、ブラシを見るだけで逃げるなど、なかなかブラッシングさせてもらえなくて、悩まれている飼い主さんは少なくありません。


でも抜け毛の放置は「命に関わる病気(胃腸うっ滞等)」の原因にもなるので、例えうさぎが嫌がろうとも、ブラッシングは実行しなければなりません・・・!


なのでどうしてもブラッシングを嫌がる場合

  • ブラシではなくハンドグルーミングをする
  • ペレットやおやつを与えているうちに済ませてしまう
  • ペットサロンや専門店でお願いする

などの対処方法をとるようにしてください。以下で詳しく解説していきますね。

ブラッシングを嫌がる時の対策方法①ブラシではなくハンドグルーミングをする

「飼い主に触られる事」は平気でも「ブラシを体に当てられる事」に難色を示す子もいます。


そういう場合はハンドグルーミングによるブラッシングがおすすめです。


ハンドグルーミングの仕方は簡単で「手にグルーミングスプレーをかけ、うさぎの体全体を優しくマッサージする様に揉みこむ」だけ!


ブラシよりも取れる毛量は少ないのですが、それでも換毛期には大量の毛を取り除くことが出来るので、やらないよりはずっと良いのです。


また基本ブラッシングは平気な子でも、仰向けにする必要がある「お腹のブラッシングだけは嫌がる」という子もいます。


その点ハンドグルーミングは、うさぎを仰向けにしなくても「手をお腹に差し込む」ことで毛が取りやすいという利点もあるのです。

一方で、ブラシを受け入れて貰うのが理想なのは変わらないので、併行して徐々にブラシによるブラッシングを増やし、慣らしていくようにしましょう。

ブラッシングを嫌がる時の対策方法②ペレットやおやつを与えているうちに済ませてしまう

うさぎにペレットやおやつ等の好物を与え「夢中で食べている間にブラッシングを済ませてしまう」というのも手です。

ただ普段のおやつが果物の場合、果物は糖分が多くカロリーが高いので、あげすぎない為にも、本当に手早く終わらせる必要があります。

特に細かく丁寧なブラッシングが必要な長毛種の場合「おやつを与えている時間」だけでお手入れを完結させるのは厳しいものがあります。

なので「おやつでブラッシングに慣れさせつつ、最終的にはおやつなしでもブラッシングを受け入れて貰える様にする」ことが最善といえるでしょう。

後は、おやつは「ブラッシングが終わった後のご褒美」にしておき「ブラッシングを受け入れた後はおやつが食べられる」と学習させると、極度にブラッシングを嫌がる事はなくなります!
おやつのサムネイル画像

うさぎのおやつはいつから?頻度や量・あげすぎると起こる問題についても解説

ブラッシングを嫌がる時の対策方法③ペットサロンや専門店でお願いする

ブラッシングを嫌がる時の対策方法として「ペットサロンや専門店でお願いする」という方法もあります。


「お金がかかる」というデメリットはありますが、お店でお願いすると

  • ブラッシング時に体調面等もチェックして貰える。
  • 間近でプロのブラッシングが見られて勉強になる。
  • 日頃疑問に思っていること(ブラッシングのコツやブラシ選びなど)を質問出来る。

など出費以上の恩恵が得られると思います。何よりプロと素人では毛が取れる量、終わった後の毛艶も全然違います。


料金相場としては通常時は500~1000円程度、換毛期真っただ中なら1000~3000円程度が多い印象です。人間のカット代とそんなに変わりませんね!


なおブラッシングをお願いするなら「予約が必要」な場合や「時間帯の指定」がある場合も多いので、事前にサロン・専門店のホームページを見たり、問い合わせたりして、確認するようにしましょう。

ペットサロンによっては、ブラッシングだけでなくトリミングもやってくれるところもあります。毛が何層にも生えているような長毛種の場合、夏場などは長い毛をカットしてもらい「蒸れを防ぐ」とともに「ブラッシングしやすい」状態にしてもらうのも良いと思います。

まとめ:うさぎのブラッシングのやり方や嫌がる時の対処法を知って定期的にケアしてあげよう

ここまでうさぎのブラッシングに関して解説してきました!

この記事のポイントは
  • うさぎのブラッシングはやりすぎるとハゲになる可能性があるためやりすぎ注意
  • 換毛期に入ったら毎日ブラッシングをしてあげよう
  • ブラッシングをしないと、胃腸うっ滞や皮膚炎になる可能性がある
  • ブラッシングのやり方を正しく知って、うさぎにストレスをかけずに済ませてあげよう
  • どうしてもブラッシングを嫌がる時はハンドグルーミングにしたり、サロンでお願いしよう
でした。

うさぎのブラッシングは、うさぎの命にもかかるようなとても重要なお手入れの一つです。

換毛期に入ると毎日のブラッシングを億劫に感じてしまうかもしれませんが、飼い主として責任を持ってお手入れしてあげてくださいね。

MOFFMEではほかにもうさぎについてや、うさぎのペット保険に関する記事を多数公開していますのでぜひ確認してみてくださいね!

記事モデル:しゅしゅまる
記事監修者「西森 史奈」

西森 史奈
MOFFME編集部うさぎ担当。愛玩動物飼養管理士、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。

すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という想いに共感しMOFFMEに参画。特に近年飼育頭数が増えているうさぎに着目し、飼い主とうさぎが長く一緒に幸せに暮らしていけるようにうさぎに関する正しい情報を発信すべく日々勉強中。