放置すると臭いの原因に!うさぎの臭腺ってなに?お手入れ方法を解説!のサムネイル画像

「うさ吸い」という言葉があるほどうさぎのにおいを「いいにおい」と感じる人が多いですが、もし「なんかうさぎが臭いな」と思ったら、もしかしたらうさぎの臭腺が汚れているのかもしれません。臭腺とは一体どのような機能を果たしているもので、なんのためにあるのでしょうか?また、臭腺が汚れていた時のお手入れについても気になりますよね。この記事では、うさぎの臭腺についての解説と、お手入れ方法について詳しく解説していきます。

記事監修者「西森 史奈」

監修者西森 史奈
MOFFME編集部うさぎ担当。愛玩動物飼養管理士、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。

すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という想いに共感しMOFFMEに参画。特に近年飼育頭数が増えているうさぎに着目し、飼い主とうさぎが長く一緒に幸せに暮らしていけるようにうさぎに関する正しい情報を発信すべく日々勉強中。

この記事の目次

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うさぎの臭腺について解説!なんのためにあってどこにあるの?どんな臭いがするの?

うさぎには臭腺と呼ばれる「臭い強い分泌液」を出す腺があります。


そして、この臭腺が「なんのためにあるのか」結論を先に言ってしまうと「マーキング」の為なんです。


うさぎを「へやんぽ」させている時、あごを家の中のあらゆるもの、例えば、ぬいぐるみ・座布団・ソファー・家具・玩具、果ては飼い主さんにまで「擦り付けている」のを見たことがありませんか?


これって実は、「下あごの臭腺」から出る「分泌液」で「臭い付け(マーキング)」し、自分の「縄張り」や「優位性」を主張しているんですね。


うさぎって物凄~く嗅覚が発達してて、自然界ではその嗅覚を、安全な食べ物の判別・個体識別・索敵など生存戦略に最大限利用しています。


つまりマーキングは仲間の「鼻の良さ」を利用した、野生時代から残る「習性」なんです!


そこで最初に、そんなマーキングに不可欠な臭腺について

  • どこにあるのか?
  • どんな臭いがするのか?

という2点に焦点を当てて解説していきます!

うさぎの臭腺はどこにあるの?

うさぎの臭腺には下顎腺・肛門腺・鼠径腺という3種類があり、それぞれの場所と特徴は以下の通りです。


下顎腺(かがくせん)

下あごにある臭腺であり「あごを対象に擦り付ける」タイプのマーキングに使われます。うさぎのあごの下が【こんな具合に】ベタベタしてるの気になった事ありませんか?


実はこれ下顎腺から出る分泌液のせいなんです。


新しいケージや玩具にうさぎがあごをスリスリしてるのは、分泌液を付けた対象を「自分の場所」「自分の物」に変える為の儀式みたいなものなんですね。


肛門腺(こうもんせん)

肛門にある臭腺です。排泄物にこの臭腺から出る分泌液を付けることで、排泄場所を「自分の縄張り」と主張しています。


鼠経腺(そけいせん)

肛門の脇にある臭腺です。肛門腺同様「排泄物によるマーキング」に利用されますが、鼠径腺は分泌液が溜まり易く、特に臭いの元になりやすいです。

うさぎの臭腺から出る分泌液はどんな臭いがするの?

うさぎはあまり「臭わない」動物ですが、思春期発情期には特に、臭腺から出る分泌液の影響で、強烈な臭いを発する事があります。


下顎腺の臭い

下顎腺の臭いはあまり強くありません。というか人間にはほとんど感じられません。


しかし嗅覚の発達しているうさぎには、強く感じ取れる臭いなので、マーキングとして十分に機能しているのですね。


肛門腺や鼠径腺の臭い

下痢の時の「ドロドロした糞」は臭いますが、普段うさぎが排泄する「コロコロした糞」はほとんど臭いません。


しかしその臭いがきついという事は臭腺(肛門腺・鼠径腺)の分泌液の影響と考えた方が良いでしょう。


ケージの外に出している時「臭いを嗅ぎながら糞をポロポロ落としていく」ような行動を繰り返しているなら、それは臭腺の分泌液を利用した「マーキング行動」である可能性が高いです。


つまり「排泄する糞の臭いに影響を及ぼす」ほどに、肛門腺や鼠径腺の臭いは非常に強いということです。


近くで嗅ぐと「ムワッ」と鼻を衝く、例えるなら家畜小屋のような臭いですね。特に夏のジメジメした時期は「ウッ」と顔をしかめる程で、離れていても臭いが届きます。

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臭腺の分泌は「男性ホルモンの作用」によるものなので、臭いは雄の方が強い傾向にあります。なので臭いを利用したマーキング行為は、圧倒的に雌より雄の方に多く見られ、かつ「縄張り意識が強い個体」ほど「分泌液の臭いも強烈」になります。

うさぎの臭腺のお手入れ方法を紹介!塊やカスの放置は臭いの原因に


うさぎには臭腺という「強い臭いの分泌物」を出すことでマーキング(縄張りの主張)に利用される器官が3つ存在します。


中でも肛門の脇にある鼠径腺(そけいせん)は分泌物が最も溜まり易い場所であり、ここに分泌物が溜まると「黒っぽい塊やカス」が目立つようになります。


この塊やカスは人間でいう「へそのごま」みたいなものであり、お手入れしなかったからといって「健康を害する」訳ではないのですが、放置していると「臭いの原因」にはなってしまいます!


なので、それが気になるという人は、定期的にお手入れして、塊やカスを掃除してあげるようにしましょう。


そして、取り方としては主に

  • 飼い主さんが優しく拭いてあげる
  • 動物病院でケアしてもらう

2通り挙げられますので、以下で具体的にどうすればいいのかを解説していきます!

うさぎの臭腺のお手入れ方法①優しく拭いてあげる

臭腺のお手入れは「デリケートな肛門」を傷つけない様にする事が大切!その為には臭いの元になっている「塊」や「カス」を

  • 湿らせた綿棒
  • 濡れタオル
  • ペット用のウェットティッシュ
  • コットン

などで優しく拭いてあげてください。


拭く前にグルーミングスプレーを吹きかけ、塊やカスを柔らかくしてあげれば、なお掃除しやすくなりますよ!


嫌がるようなら無理して一度で取りきろうとしなくていいので、数回に分けて拭く様にしてください。


むしろ野生の名残である「臭腺の臭い」を「完全に除去」するのは不可能であり、洗い過ぎてもストレスを与えるだけなので「程々で止める」事が大切ですね。


また、塊やカスがついているからといって安易にお風呂に入れることは厳禁です。最悪の場合命を落としてしまいます。


下顎腺の手入れ

うさぎの下あごにある臭腺「下顎腺」の臭いは人間にはわからないので、特別なお手入れは不要です。


ただし、うさぎによっては下顎腺からの分泌があまりに多く、濡れたあごが乾いた時にカピカピになってしまう場合もありますので、濡れに気が付いたら、こちらも優しく拭いてあげるようにしましょう。

いくら汚れが気になっても「お湯を張った洗面器等にお尻をつけて洗う」事は避けてください!体温調整が苦手なうさぎは「濡れた体が乾く時の急激な体温変化」だけで相当なダメージを受けてしまうのです。

うさぎの臭腺のお手入れ方法②動物病院でケアをしてもらう

「肛門周りの臭腺」のお手入れは「抱っこしながら」でないと難しいのですが、抱っこを嫌がって暴れてしまう子もいますよね・・・。


また長毛種の場合、鼠径腺の位置を確認するのすら難しいかもしれません。


諸々の理由で、臭腺お手入れの難易度が高く感じられる場合、無理せず動物病院でケアしてもらうのも一つの選択肢ですよ。


とはいえ、高頻度で動物病院に連れて行くのは、うさぎにとってストレスなので、ケアのやり方をよく観察しつつ「臭腺の場所」や「正しい汚れの取り方」について獣医さんに教わり、最終的には「飼い主さんが自力でお手入れ出来る様になる」のが理想だと言えます。

もしもお手入れ中に肛門腺の「腫れ」が気になったら、その腫れの原因は腺癌感染による化膿の可能性もあるので、すぐに動物病院で診てもらう事をお勧めします。

まとめ:うさぎの臭腺やお手入れ方法について解説!

ここまでうさぎの臭腺について解説してきました!

この記事のポイントは
  • うさぎの臭腺とはマーキングのために分泌液が出る腺のこと
  • うさぎには下顎腺・肛門腺・鼠径腺の3つの臭腺がある
  • 下顎腺の分泌液は臭わないが、肛門腺・鼠径腺から出る分泌液は臭いが強い
  • 臭腺のケアを怠ると臭いの原因になる
  • 臭腺をお手入れするときは、優しく拭き取るか、動物病院でケアをしてもらうこと!お風呂に入れることはNG
でした。

「なんだかうさぎから嫌な臭いがするな」と思ったら、一度臭腺を確認してみてください。もし汚れが溜まっていたら、上記の方法で優しくケアしてあげてくださいね。

MOFFMEではほかにもうさぎについてや、うさぎのペット保険に関する記事を多数公開していますので、ぜひご確認くださいね!

記事モデル:やまもん