内容をまとめると
- インコの飼育を開始する前に入念に必要なものを準備する
- インコは飼育方法によって手乗りやおしゃべりが可能
- インコは体調不良を隠す習性があるので定期的に健康診断に行くことが大切
- 鳥は医療費が自己負担になるので万が一の時に備えてペット保険の加入を検討することがおすすめ
「これからインコの飼育をはじめたいけど飼い方がわからない」、「初心者でもインコの飼育ができる?」このようなお悩みをお持ちの方に向けて当記事を作成しました。インコのしつけのポイントや飼育費用、注意が必要な病気に関しても解説しているのでぜひ参考にしてください。
この記事の目次
目次を閉じるインコの特徴は?
インコは、美しい羽とかわいらしい見た目で誰もが知る人気のペットです。300種類以上の生息が確認されているインコには、どんな特徴があるかご存じでしょうか?
インコはもともと、南アメリカ、アフリカ、オーストラリア、東南アジアなど温暖な地域に多く生息する鳥です。群れで生活をし、木の芽や実を食料にして生活しています。
大きさは小型〜大型まで3つに区分され、大型になるほど寿命が長くなる傾向があります。ペットとして飼育する場合は飼いやすい小型のインコが人気で、初心者にもおすすめです。
基本的には人に友好的な種類が多く人慣れしやすいことが、インコの人気の理由でもあります。ただし、性格は種類によって実にさまざまですので一概には言い切れません。
非常にたくさんの種類に出会うことができますので、まずは飼い主さんに合ったインコの種類を探すことからはじめてみましょう。
インコの飼育に必要なもの
自宅でインコを飼育する場合、どんな飼い方が適切なのでしょうか?はじめてインコを飼うときは、飼い方や準備品をしっかり下調べしてから迎え入れましょう。
また、グッズが揃っていると初心者の方でも格段に飼いやすくなすくなります。実際にインコを飼うときに必要なものについて、以下を参考にしてください。
インコの飼育に必要なもの
- 鳥類用ケージ
- 止まり木
- 水入れ
- 餌入れ
- 床材
- おもちゃ
- 体重計
- ヒーター
- 温度計
- キャリーバック(移動用)
インコの餌や与え方
インコの食事の基本は、主食と副食をバランス食べることです。
主食はシードやペレットといったカロリーを摂取する食べ物です。対して副食は、青菜や果物などの栄養素を補う食べ物となります。また、単独で栄養素を補給したい場合はインコ用のサプリメントも活用できます。特に主食に関しては、体をつくる大切なものですのでしっかり吟味しましょう。
シードとペレット、どちらにもメリットとデメリットがありますのでご紹介します。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
シード | 食いつきがよい 殻むきがストレス解消になる | 高カロリー 副食との併用が必要 餌の減りがわかりづらい |
ペレット | 栄養バランスに優れている 量の管理がしやすい | 食いつきが悪い 餌の切り替えが難しい |
インコが食べる餌は成鳥が体重の10%程度、雛は1回15%程度で4回が適量です。両方のメリット・デメリットを理解したうえで、インコの好みも考慮しながら与えましょう。
インコの飼育方法は?
インコは、初心者でも飼育しやすくペットとして飼いやすい動物です。人気があるため、飼育方法についてもさまざまな飼育本で紹介されています。
しかし、情報がありすぎるとどこを重視すればよいのかわからなくなりませんか?
実は、インコの飼育にはいくつかのポイントがあります。
- コミュニケーション
- 温度管理
- 日光浴
- 清潔な飼育環境
- 発情のコントロール
- 噛み癖に注意
- 鳴き癖の原因やしつけ方法を理解
以上が、インコの飼育でおさえておきたい5つのポイントを1つずつ解説していきます。愛鳥にあった育て方を見つけて気持ち幸せに暮らしてもらう手助けをしてあげましょう。
インコの飼育方法①インコと積極的にコミュニケーションをとる
インコの代表的な性格の1つとしてあげられるのが、寂しがり屋という一面です。インコの飼育では、この寂しがり屋な一面をコミュニケーションによって上手にカバーしなければなりません。
コミュニケーション不足は、体調不良や問題行動が出る原因でもあります。中でも、寂しさから大きな鳴き声を出す「呼び鳴き」は賃貸や集合住宅では大変な問題に発展してしまいます。
1人暮らしでインコの留守番が多くなる人は、特に注意しましょう。コミュニケーションの方法は、触れ合ったりおもちゃで遊んだりと些細なことでかまいません。また、ケージの中にいるときにこまめに話しかけるだけでも効果はあります。呼び鳴きは一度はじまると癖になる可能性もあるため、日頃からインコに寂しい思いをさせないことが大切です。
インコの飼育方法②温度管理に注意する
インコは、温度変化にあまり耐性がありません。そのため、飼育環境の温度管理は徹底して行う必要があります。
適温は20〜25℃です夏や冬は、エアコンをうまく取り入れて適温を保てるように心がけてください。幼鳥や老鳥は30度前後が適温ですので保温対策をして過ごします。
成鳥でも、インコは基本的に寒さが苦手なためヒーターは常にケージの横に設置しておくのが一般的です。
ヒーターは体調を崩して急激に体温が低下した際にも使用しますので、事前に準備しておきましょう。ケージの置き場所は、直射日光やエアコンの風が当たりすぎないような場所を選んで配置してください。
インコの飼育方法③日光浴をさせる
インコの飼育方法 ④生活環境を清潔に保つ
インコのケージは、1日で想像以上に汚れます。不衛生な状態はインコのストレスになりますので、生活環境はいつも清潔に保つように心がけましょう。
基本的な手入れは、毎日行う床材の交換と餌の交換です。掃除の際に糞の状態チェックや餌の食べ具合もチェックして健康チェックを習慣にするのがおすすめです。
1カ月に一回はケージを丸洗いし陰干しをしてください。おもちゃなどを設置している場合は、そちらの衛生状態も確認しましょう。
インコの代表的な病気であるクラミジアや疥癬、そのう炎などの病気は生活環境の悪化が発症の原因です。生活環境を清潔に保つことは、直接的にインコの健康を守ることに繋がります。
インコの飼育方法⑤発情をコントロールする
インコは、年に2回ほど発情期を迎え特有の行動をみせるようになります。発情は繁殖するためのごく自然な行為で、現象自体には問題はありません。
しかし、繁殖期のインコには気性が荒くなる、大きな鳴き声を出すなどといった行動が多くあらわれます。そのため、飼育下のインコで繁殖を目的としない場合には発情期をコントロールすることをおすすめします
発情期をコントロールするためには、以下のような方法が有効です。
- 巣穴などの籠れる場所をなくす
- 栄養過多に注意
- 部屋を熱くしない
- 昼夜をはっきりさせる
- おもちゃや飼い主さんとの接触を少なめにする
インコは、暖かい場所や安心できる環境があると本能で繁殖できる環境だと判断します。そのため、発情期にはできるだけメリハリのある生活を心がけましょう。
飼い主さんやおもちゃに発情するリスクを避けるために接触を少なめにします。インコ自身の栄養が飽和した状態にあることも発情を誘発しますので、食事管理にも注意しましょう。
インコの飼育方法⑥噛み癖を矯正する
インコがくちばしで頻繁に飼い主さんの手を噛むようなことがあれば、それは噛み癖がついています。噛み癖は、一度ついてしまうと放置してなおるものではありません。
噛み癖がついてしまった後は、以下のような対応がしつけに有効です。
- 大声を出さない
- おもちゃで注意をそらす
- ケージに戻して暗くする
インコの飼育方法⑦鳴き癖の原因やしつけ方法を理解する
インコの鳴き癖の原因は、インコの寂しさが苦手な性格からくるストレスや飼い主さんへの呼びかけです。大きな声で鳴き続けてしまい、近所迷惑になったりインコの寝不足につながるので気付いたらすぐに対策をしましょう。
しつけ方法としては、以下のような対応ができます。
- 鳴き癖の声に反応しない
- 鳴き止んだら話しかける
- 部屋を暗くし安心させる
インコにおしゃべりを教える方法ある?【参考】
インコといえば、人間のマネをしておしゃべりするイメージがありますよね。せっかくインコを飼うのであれば、おしゃべりを教えたいという方も多いのではないでしょうか?
インコがおしゃべりになるにはどんなふうに教えればよいのでしょうか?いくつかのポイントをみてみましょう。
- 短い言葉で話す
- 声が出たらほめる
- 気長に待つ
以上が、おしゃべりが上手になるポイントです。最初のうちは短い言葉で、マネをする仕草をみせただけでもほめてあげましょう。
もちろん、おしゃべりができないといって怒ることは厳禁です。インコは飼い主さんが大好きですので、教えるというよりは楽しく遊んでいるうちに自然と覚えていくことも多いですよ。
インコの飼育の注意点
インコの飼育の注意点やデメリットを知らないまま飼いはじめてしまう例も少なくありません。見た目のかわいさやイメージ先行で飼育した結果、途中で飼育を放棄されてしまうというトラブルも起こっています。
ここから、以下の注意点について1つずつ解説していきます。
- インコが口にしてはいけないものに注意
- 長期間の外出はできない
- インコはトイレを覚えれない
- 動物病院で高額の医療費がかかる可能性がある
これらの注意点は、インコの飼育から切り離せないポイントです。インコの健康を守るためにも、しっかり覚えておきましょう。
インコの飼育の注意点①インコに与えてはいけないモノや食べ物に気を配る
食べ物に気を配るインコの飼育中に起きる事故でとても多いのが、誤飲です。誤飲とは、インコに与えてはいけないものや危険なものを口に入れてしまうことです。
特に注意が必要なのは、毎日行う放鳥時です。放鳥は、インコにとって広い空間に出られたり飼い主さんと遊んだりできる大切な時間です。
一方で、インコが部屋にあるものを誤飲してしまう可能性が高いタイミングでもあります。例えば錠剤・ビニール・ヘアゴムなど日常的に使うものも見つければ飲み込んでしまいます。
アロマ用品や観葉植物も有害ですので置かないようにしましょう。食べ物であってもネギ類・チョコレート・アボカドなどは体内に入ると中毒症状を起こす危険があります。
インコに注意をしても誤飲をやめさせることはできませんので、飼い主さんは室内に置くものにいつも気を配らなければなりません。
インコの飼育の注意点②長期間の外出や旅行を控える
インコはとても寂しがり屋な性格です。そのため、インコを飼いはじめたら長時間の外出や旅行は基本的に難しいと考えましょう。
インコを長期間留守番させることには、呼び鳴き、不衛生な飼育環境、ストレスなどさまざまなリスクがあります。病気の原因にもなりますので、インコの飼育は留守が少ない人のほうが向いています。
インコを預かるペットホテルや病院もありますが、インコの精神面を考慮すると余り得策ではありません。やむを得ず留守番が必要になった場合には、自宅に通うことができる知り合いや家族にお世話を頼むようにしてください。その際には、温度管理や食事交換に加えケージの掃除の仕方など細かくポイントを伝えましょう。
インコの飼育の注意点③インコはトイレを覚えない
インコは、犬や猫のようにトイレトレーニングをすることができません。比較的短時間で排泄する体内構造ですので一日の間で何度もフンをします。
したがって、こまめな掃除が必要になり手間がかかります。また、放鳥中に部屋で排泄してしまうこともあります。
当然匂いもするため、この習性に対応できる環境でなくてはなりません。部屋での粗相を減らすコツは、飼い主さんがインコの排泄時間を把握することです。
食事後何分程度で排泄するか、何分間隔で排泄するかなど細かく観察してみましょう。インコがよく留まる場所の下に新聞紙を敷いておくことも効果的です。
インコの飼育の注意点④インコの治療費は保険適用されないので高額になりやすい
インコを飼っていると、病気やケガに直面することがあります。インコはもとも体の不調を悟られないようにする習性があるため、思いがけないタイミングで病気が発覚するケースも多々あります。
病気が発覚した段階で重症化していると検査や手術で突然高額の医療費がかかる可能性があります。動物病院での治療費は、人間のように保険適用されないため高額になりやすいです。
インコは、購入時に比較的手軽に手に入る値段の種類もいます。しかし、万が一のときには高額な費用がかかるということもしっかり念頭に入れておきましょう。病気を防ぐためには、毎日の健康観察がとても重要です。日頃の掃除やふれあいの時間をうまく活用して、愛鳥の小さな変化を見逃さないようにしましょう。
インコの値段や飼育費用は?
名目 | 値段 |
---|---|
雛 | 3000~5000円 |
成鳥 | 5000~15000 |
名目 | 値段 |
---|---|
ケージ (水入れ・餌入れ含む) | 4,000~1.5万円 |
ヒーター | 2,000~3,000円 |
床材 | 500~1,000円 |
おもちゃ | 500~1,000円 |
菜挿し | 100~300円 |
移動用キャリー | 3,000~5,000円 |
ケージカバー | 2,000~3,000円 |
餌代 | 300~1000円(月) |
- 餌
- 床材
- エアコン
- 医療費
インコは雛から育てた方がいい?
インコを飼うとき、雛がよいのか成鳥がよいのか迷いますよね?実は、雛と成鳥のどちらにもそれぞれのメリットがあります。
手乗りやお喋りするインコに育てたい方はヒナから育てるのがおすすめです。雛から育てたインコはとても懐きやすく、比較的容易に手乗りやおしゃべりを覚えることができますよ。
成鳥でも購入時に人慣れさせてある個体も多くいます。おしゃべりには個体差がありますが、懐いていればおしゃべりを覚える可能性も高くなります。
ただし、雛は成鳥に比べて世話が大変です。一日に4・5回の給餌に加え温度管理も繊細なため、1人暮らしの方には向きません。
インコがなりやすい病気
インコとともに暮らすようになったら、体調不良や病気も心配ですよね。インコは、基本的に体調不良を表に出さないという特徴があります。
そのため、飼い主さんが素早く体調の変化に気づくことがインコの飼い方の重要なポイントとです。インコがなりやすい病気と、症状などをご紹介しますので覚えておきましょう。
▼インコがなりやすい病気
病気 | 症状 | 原因 |
---|---|---|
そのう炎 | 口臭 頻回のあくび 嘔吐 | 細菌や真菌の感染 |
疥癬症 | かゆみ 顔や脚にかさぶた クチバシや爪の変形 | ダニの感染 |
メガバクテリア症 | 嘔吐 下痢 黒い便 | マクロラブダス(カビに感染すること)の感染 |
毛引き症 | 毛を抜く 皮膚を傷つける | ストレス ダニの感染 |
卵塞 | 腹部の張り いきみ うずくまる | 日光浴不足 ビタミン不足 カルシウム不足 |
PBFD | 体温低下 震え 呼吸困難 | サーコウイルの感染 |
オウム病 | 食欲不振 体温低下 鼻炎 | クラミジア・シッタシの感染 |
ペットのインコがウイルスに感染しても初期段階では症状に現れないことが多いです。初期段階で症状に現れるまでの期間を「潜伏期間」と呼びます。潜伏期間中であっても普段通りの行動や食欲を維持する子がほとんどなので飼い主が病気の感染に気づかないことが多いです。
手遅れになる前にインコに定期的な健康診断を行ってあげることが重要です。また、少しでも様子がおかしいと感じたらすぐに病院に相談するようにしましょう。
治療が遅れないように、インコを迎え入れたらかかりつけの動物病院を決めておくとと安心ですよ。
インコの飼い方に関するまとめ
- 飼う前に知っておきたいインコの種類や特徴を解説!
- インコがかかる代表的な病気とは?
- インコはしつけができる?問題行動のしつけ方法
- インコの販売価格や飼育費用はどのくらい?