【獣医師監修】アヒルの平均寿命・性格は?購入方法や飼い方についても徹底解説のサムネイル画像

内容をまとめると

  1. アヒルの平均寿命は約10~20年
  2. アヒルは人懐っこく、寂しがりやな性格
  3. アヒルがなりやすい病気を知ることで大病のリスクを防ぐ可能性が上がる 
  4. アヒルの医療費は保険適用されないので、もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと安心

ふっくらフォルムが可愛らしいアヒルは近年ペットとしての人気が高まっています。しかしペットとしての歴史が浅いためアヒルに関する情報が不足しています。そこで当記事では、アヒルの平均寿命や性格はもちろん飼育方法やお迎え方法についても解説します。

この記事の目次

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アヒルの特徴

アヒルは、野生のマガモを家畜として改良していったことから始まり、現在では家畜だけでなくペットとしての品種改良も進んでいます。 


野生下では池や沼で暮らしており、ペットとして陸上でばかり生活していると足に負担がかかり怪我をしてしまうので注意が必要です。 


アヒルの特徴は

  • 体長:50~80㎝
  • 体重:3~5㎏
  • 「シロアヒル」「アオクビアヒル」「コールダック」がペットとして人気
  • 水場で暮らす水鳥 
  • メスのほうが鳴き声が大きい 
コールダックはシロアヒルの4分の1ほどで、その可愛らしい小さな姿からペットとして人気があります。 

可愛らしい見た目とは裏腹に、鳴き声は想像以上に大きいので飼う際にはしっかりと防音対策等の準備をしましょう。 

アヒルの平均寿命は約10~20年


アヒルの平均寿命は10〜20年です。

ギネス記録は最長寿命47年で、大切な家族として長く一緒に暮らせる動物です。


アヒルはカモ科マガモ属です。野生のマガモを家畜として飼育していくうちに現在のアヒルの姿になりました。


野生のアヒルに比べ、ペットとして飼う方がストレスが多く寿命が短くなってしまう傾向にあります。


家畜としては古くから人と暮らしてきたアヒルですが、ペットとしての歴史は浅いため、長生きのための研究がまだ不十分です。

とはいえ、アヒルの寿命を伸ばすにはバランスの良い食事とストレスを貯めない環境づくりが大切です。


いつでも水浴びができる場所や毎日の日光浴など、アヒルが心地よく暮らせる環境を整えてあげましょう。

アヒルの寿命は種類によって変わる?

アヒルの寿命は種類によって変わりません。 アヒルの寿命には、飼育環境が大きく影響します。 


大切な家族の一員であるアヒルが寿命を全うするためには、ストレスを溜めない環境作りや栄養バランスの整った食事だけでなく、病気のサインに素早く気付く必要があります。 


アヒルの病気のサインは

  • 隅でうずくまって目を閉じている 
  • 口を開けて呼吸している 
  • 食欲不振 
  • 体重減少 
  • 下痢など糞の異常  

アヒルは病気の進行が早く、早期に異常を発見できないことがアヒルにとって命取りになります。


大切なアヒルの異変に気付くことができるのは、飼い主さんだけです。 毎日のお世話に加えて、日々の健康チェックも欠かさず行いましょう。 

アヒルの性格は人懐こっく甘えん坊


アヒルは人懐っこい性格です。


アヒルには、ふ化して最初に見た動くものを親として認識する「刷り込み」という習性があります。

そのため、卵から育てる場合は特に飼い主になつく性格になり、後ろをよちよちついて歩く可愛らしい姿を見ることができます。


アヒルはお世話をしてくれる人や家族をきちんと認識し、知らない人が近づくと声を上げることから番犬代わりになると言われるほどです。


アヒルは人懐っこい性格な一方で、寂しがりやな性格でもあります。


アヒルはマガモを品種改良しているために群れを作るという習性があります。

そのため、ペットとして1匹で飼っていると寂しがってしまい、長時間家を空けると寂しさからずっと鳴き続けることもあるようです。


スキンシップをしっかりとり、愛情をかけてお世話をしてあげましょう。

アヒルの特徴や種類は?


ペットとしてよく飼育されているアヒルは3種類です。  

公園などで見かける「シロアヒル」、マガモのような見た目の「アオクビアヒル」、手のひらサイズの可愛らしいフォルムが人気の「コールダック」です。


シロアヒル


全長は約60㎝、体重は3〜5キロほどです。身体が白く、くちばしと足は黄色をしています。絵本や物語に登場するアヒルのモデルになっているのもシロアヒルです。


アオクビアヒル


見た目がマガモによく似ていますが、マガモの倍ほどの大きさがあります。オスは頭が緑で首に白線、メスは褐色で黒い斑点があるのが特徴です。


コールダック


【引用:ZOO CAN DREAM PROJECT

一番人気の種類です。シロアヒルの4分の1ほどの大きさで体重は600~1000gとかなり小ぶりです。可愛らしさと飼いやすさから人気が高く、他の種類のアヒルと比べ高価なのが特徴の一つです。

アヒルの購入方法は?


アヒルの購入方法は

  • 牧場
  • ペットショップ
  • アヒルの里親

が挙げられます。


ペットとして飼うことができるのは「シロアヒル」「アオクビアヒル」「コールダック」の3種類です。


シロアヒルとアオクビアヒルは牧場で比較的簡単に購入できます。不定期での扱いになるため注意が必要ですが、春先に出回ることが多いようです。


ペットショップで購入する場合は、取り扱っていない店舗も多いため事前に確認が必要です。また、コールダックの取り扱いがほとんどのため、高価になる場合が多いです。


ネットでも販売していますが、高額で販売する悪徳業者もいるので注意が必要です。

ネット販売の場合、有精卵を購入し、自宅でふ化させる方法もあります。


またネットではアヒルの里親を募集していることもあります。

いずれの購入方法も、良心的な業者を見極めることが重要です。

アヒルの種類ごとの価格は?ペットとして人気のコールダックは高額

ペットとして飼うことができる3種類のアヒルは、どの種類も平均寿命は10~20年、人懐っこい性格ですが、価格には違いがあります。


シロアヒルとアオクビアヒルは牧場などで1000〜3500円ほどで手に入ります。

地域によってはもっと安価に手に入る場合もあるため、近くの牧場に確認してみましょう。


コールダックは小さく可愛らしいフォルムや、飼いやすさから人気の高い種類です。

需要は高いですが出回る数が少なく、シロアヒルやアオクビアヒルに比べかなり値段が上がります。

ペットショップでは25000円から30000円ほどの価格で手に入ります。


コールダックには、白以外にも黒斑や茶色などのカラーバリエーションがあり、珍しいカラーのコールダックだとさらに価格が上がることもあります。

アヒルの飼い方や注意点

アヒルの飼い方のポイント

  • エサはペット向け水鳥用ペレット
  • いつでも水浴びができる水浴び場
  • 日光浴ができる環境

アヒルのエサはペット向けの水鳥用ペレットで、ビタミンやミネラルを補うために緑黄色野菜を加えましょう。人間用の食事は厳禁です。

*アヒルの餌や与え方については後ほど詳しく解説しているので、そちらをぜひ参考にしてください。


アヒルには水浴び場と日光浴が必要です。

室内で飼いたい場合も新鮮な水を張った水浴び場を用意し、雛のうちは身体を丈夫にするためにも日光浴は欠かさないようにしましょう。


性格や寿命的に飼いやすい一方、難しい面もあります。


アヒルを飼う際の注意点

  • トイレのしつけはできない
  • 鳴き声が大きい 
  • 飼育許可が必要

基本的にトイレのしつけはできず、間隔も近く匂いも強いため、室内で飼いたい場合は準備と対策が必要です。


また、メスのアヒルはグワッグワッと大きな声で鳴きます。

マンションなどの集合住宅で飼いたい場合は注意が必要です。


家畜伝染病予防法により「飼養衛生管理者」の選任が義務付けられています。ペットとして飼うアヒルもその対象となり、飼育許可を得る必要があります。

詳しくは各都道府県のHPか、最寄りの家畜保健衛生所に問い合わせましょう。

【監修者コメント】

家畜伝染病予防法は、家畜の伝染病の発生と蔓延を予防するとてもとても重要な法律です。ペットの鶏やアヒルには関係のない法律のように思われていますがそんなことはありません。養鶏場などで家禽は感染症が入り込まないよう家畜保健所の指導の下、厳密に感染症の予防が行われてきましたが、庭先で飼育されている鶏やアヒルはこれまで野放しなままでした。当然、庭先の家禽たちから感染症が蔓延してしまうこともあり、令和2年7月1日よりアヒルや鶏をペットとして飼育しているすべての方にも「飼養衛生管理者」の選任が義務付けられました。


家畜伝染病予防法は1羽でも対象となります。また、毎年2月1日時点の飼育数の報告も義務(2月1日時点の飼育数を6月15日までに報告)づけられています。感染症が蔓延すると何万頭もの動物たちを殺処分しなければなりません。飼養衛生管理者の取得にはテストや資格は必要なく、連絡先を登録するだけの簡単なものなので必ず届け出るようお願いいたします。

アヒルを飼うために必要なもの

アヒルの寿命を少しでも伸ばすため、アヒルにとって心地の良い環境を準備しましょう。


アヒルを飼うために必要なのは

  • 水浴び場
  • 日光浴できる環境
  • 1m以上の柵や囲い
  • ネコ除けなどの防獣対策
  • 柔らかい床

です。


アヒルは飛べない鳥ですが、ある程度の高さまでは羽ばたいて飛び上がることができます。特にコールダックは体が軽いため思ったよりも飛んでしまうことがあります。


ペットとして改良されたアヒルは自然界で生きることができません

脱走してしまわないように、1m以上の柵や囲いを準備しましょう。


また屋外ではハクビシンや野良猫、カラスなどに襲われる危険性があります。

アヒルが安全に過ごすことができる環境づくりが大切です。


室内やゲージで飼いたい場合には、怪我の予防のため柔らかい床が必要です。

人工芝やマットを敷いてあげましょう。

【監修者コメント】

アヒルと言えば庭先で飼育するイメージがありますが、現在は屋外での飼育は全くおすすめできない状況です。屋外飼育での外傷事故は非常に多く、都内でもハクビシンに襲われる事故が増えています。また、野鳥が運んできた感染症を防ぐことが難しいことが理由に挙げられます。アヒルは鳥インフルエンザに感染しやすく、感染野鳥の糞が混入した水から容易に感染します。そして症状が出にくく長期間ウイルスを無症状のまま沢山排泄することが知られています。このため人や鶏へ感染を拡げる要注意の鳥種とみなされています。近隣で鳥インフルエンザが発生した場合には屋外飼育の個体には殺処分が指示される可能性すらあります。どんなに気を付けていても野鳥やネズミなどの侵入や糞との接触を完全に防ぐことは困難です。


しかし、屋内飼育であれば感染のその可能性を限りなくゼロに近づけることができます。ベランダで遊ばせる場合は、ベランダに普段から野鳥が侵入しないようネットを張っておき、水遊びさせる直前にも掃除して、プールには新鮮な水を張って、十分衛生面に気を付けて遊ばせましょう。どうしても屋外で飼育する場合は、野鳥やネズミから感染しないよう十分対策をとりましょう。 

アヒルの餌や与え方

アヒルの餌には、ペット用の水鳥ペレットを主食に野菜を刻んで加えたものが最適です。 


アヒルは雑食性なので基本的にはなんでも食べてしまいます。雑食だからと、人間の食事などを与えてしまうと栄養が偏り病気や肥満の原因になります。 


ペレットに加える野菜は、小松菜やチンゲン菜などの栄養豊富な緑黄色野菜がおすすめです。 


アヒルの餌の与え方は

  • 1日2回が基本 
  • 外に出た際に自由に昆虫や草を食べさせてあげる 
  • 水に浸して食べられるようにする 

アヒルは、くちばしに水を含ませながら食べる習性があります。餌の横に水を置いてあげたり、水の中に主食を入れてあげたりして食べやすい環境を整えてあげましょう。

アヒルがかかりやすい病気

アヒルは寿命も長く、基本的に元気であまり病気をしませんが、飼育環境がアヒルの生態に合っていないと怪我や病気に繋がってしまうことがあります。


関節炎

関節炎は肥満などで足に負担が掛かってしまうことが原因で起こり、歩行できなくなるケースもあります。


趾瘤症(しりゅうしょう)

足の裏にできた傷から雑菌が侵入することで炎症が起こります。硬い床で足に負担が掛かりタコができたようになってしまいます。


カビによる中毒

水鳥のエサは夏場に傷みやすいため、カビの毒素による中毒に注意が必要です。


呼吸器感染症

細菌性・外傷性・栄養性など原因は様々で、咳やくしゃみ、呼吸困難などを引き起こします。


いざという時、アヒルが診察できる病院は数が多くありません。

日頃の予防を心掛け、万が一の時に頼れるかかりつけの病院を探しておきましょう。

【監修者コメント】

アヒルの病気でやっかいなのがバンブルフットです。趾瘤症(しりゅうしょう)とも呼ばれ、足の裏が腫れてしまうのが特徴です。バンブルフットは人の“床ずれ”に似た原理で生じます。足裏の一点にずっと体重がかかっていると、血行が悪くなって皮膚が壊死していきます。他の場所の皮膚なら自然治癒力で何とかなるかもしれませんが、足裏はいつも体重がかかって圧迫されているので中々治りません。そこにバイキンが入ると化膿して膨らみます。


こうなると自然に治ることはありません。抗生剤を使うのはもちろんですが、手術で膿や盛り上がった肉(肉芽)を削り取り、足裏に負担がかからないための靴のようなものを履かせる必要が出てきます。予防のためには足裏の血行を悪くしないような床材選びが大事です。


足裏の傷が原因と思われがちですが、最も大事なのは一点に体重を集中させないことです。なので、人工芝を床にひいてあげるのが予防として効果的です。特に芝が固めで弾力のあるものがおすすめです。目が粗いものであれば付着した糞便も容易に洗い流せます。ただし、床に気を付けていてもバンブルフットになってしまう子もいます。アヒルは食用に太りやすく改良された品種です。このため体重に比較して足が小さすぎるのです。足にかかる負担はとても大きく、特に産卵しているメスや肥満している子はバンブルフットにすぐなってしまいます。産卵や肥満は食事制限で防ぐことができますので、常に体重を計り、太らせないようエサの与えすぎに注意しましょう。 

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アヒルの平均寿命と性格についてのまとめ

ここまでアヒルについて詳しく解説してきました。


この記事のポイントは

  • アヒルの平均寿命は10~20年
  • アヒルに性格は人懐っこく愛らしい性格
  • 飼いやすいが水浴び場など生態に合った環境が必要
  • 病気や怪我をしないよう備えが大切

です。


人懐っこく愛らしい性格のアヒル。健康に寿命を延ばして長く一緒に暮らすためには、エサや飼育環境に工夫が必要です。


家族の一員として迎える際には、アヒルがのびのび暮らせる環境を準備することはもちろん、いざという時の備えをきちんとしておきましょう。


MOFFMEでは他にもアヒルやペット保険に関する記事を多数公開していますので、ぜひご確認くださいね!


記事モデル:Chara&Pomme

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