うさぎのマウンティングのしすぎはよくない?やめさせる方法は?のサムネイル画像

うさぎのマウンティングは本能的なものではありますが、あまりにも飼い主やボールなどに対してしつこくしすぎている場合は、やめさせる必要はあるのでしょうか。また、突然うさぎがマウンティングをし始めたと思ったら、液体が出る・ひっくり返る・噛む・臭いなどの行動に疑問を持っている飼い主さんも多いと思います。そこでこの記事では、うさぎのマウンティンに着目して、詳しく解説していきます!

記事監修者「西森 史奈」

監修者西森 史奈
MOFFME編集部うさぎ担当。愛玩動物飼養管理士、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。

すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という想いに共感しMOFFMEに参画。特に近年飼育頭数が増えているうさぎに着目し、飼い主とうさぎが長く一緒に幸せに暮らしていけるようにうさぎに関する正しい情報を発信すべく日々勉強中。

この記事の目次

目次を閉じる

うさぎがマウンティングをする理由を解説!メスもするの?

うさぎを飼っていると突然、飼い主やおもちゃなどに乗りかかるような姿勢で、腰を一生懸命にカクカクさせることがあります。これは、マウンティングと呼ばれる本能的な行動です。


いきなり始まるのでどのように対応していいか分からず戸惑ってしまいますよね。


交尾をしている行為に似ていますが、実際には交尾ではなく別の目的があり行っているものです。それではなぜこのような行為をするのでしょうか?


その理由やよくある行動、やめさせる方法などをこれから解説していきます。


まずマウンティングをする理由について以下のような2つの場合があります。

  • 発情期の訪れ
  • 優位性を示している

それぞれを詳しく見ていきましょう。 

うさぎがマウンティングをする理由①発情期の訪れ

マウンティングをする理由の1つ目は、発情期の訪れです。うさぎは生後数か月が過ぎた頃から発情期に入り、マウンティングをするようになります。


個体差もありますが、自我が芽生えて縄張り意識が強くなる生後6か月前後から始まる個体が多く、中にはまったくしない個体もいます。


野生のうさぎの発情期は、食料の豊富な春が中心ですが、飼いうさぎは春が多めの傾向がありますが、ほぼ年中、発情期状態です。


発情期に入ると、以下のような行動が多くなります。

  • 落ち着きがなくそわそわする
  • スプレー行為などのマーキング行為が増える
  • 性格が変化して、甘えん坊になったり逆に警戒心が強くなったりする
  • 鼻を、ぶうぶうと鳴らす
  • 食欲が低下する
  • 覚えていたトイレを失敗するようになる

このような行為が増えた際にする場合は、発情期が到来していることが考えられます。

発情期のサムネイル画像

うさぎの発情期について解説!いつ終わる?オスメスの行動や食欲の変化とは?

うさぎがマウンティングをする理由②優位性を示している

2つめの理由は、属する群れの中で序列をつけるための、優位性を示すためのマウンティングです。


飼いうさぎの先祖である穴うさぎは、群れで暮らす社会性の高い動物です。大人のオスやメスが数頭集まって集団を作り、地下に作った巣穴で一緒に暮らしています。


群れの中ではオスはオス同士、メスはメス同士で序列をつけるためにマウンティングを行うのです。無駄な争いや内輪揉めを避けて快適に暮らすための知恵といえるでしょう。


飼いうさぎになってもその習性は残っています。複数のうさぎを飼う場合には、その中で序列付けをするためにマウンティングを行うことがあります


またうさぎにだけではなく時には飼い主や、ぬいぐるみなどにも優位性を示すためのマウンティングを行う場合があります。


人間に対しての行為は、手や足などに乗りかかって行うのが一般的ですが、特定の人にのみする場合が多いようです。 

メスうさぎもマウンティングをする?

マウンティングはオス特有の行為のように思われてますが、実はメスも行うのです。


前述したように行為には優位性を示す場合があるので、序列を確認するためにメスもマウンティングをするのです。


また序列の確認の場合のみでなく、自分の縄張りに侵入者が入ってきたり、縄張りが荒らされていると感じたりした際にもマウンティングを行うことがあります。


メスは子供を安全に育てるための縄張り意識が強いので、発情期などには突然始める場合もあります。 

うさぎのマウンティングのしすぎはよくない?やめさせる方法とは?


うさぎのマウンティングは本能的なものではありますが、あまりにもしすぎていると「やめさせる方がいいのかな」と不安に思うかもしれません。


結論からお伝えすると、うさぎのマウンティングは対象物によってはやめさせる方が良いです


うさぎがマウンティングをしている対象物を下記の3つに分けて、それぞれのケースについて詳しく解説していきます。

  • 人や飼い主に対してマウンティングをする場合
  • 一緒に暮らしているうさぎやペットに対してマウンティングをする場合
  • ボールやおもちゃなど物に対してマウンティングをする場合

人や飼い主に対してマウンティングをする場合

人や飼い主に対してする場合には、特定の人にだけに行う傾向があるようです。その際には、その人物を自分より序列が下だと認識している可能性が高いです。


もしマウンティングの対象が飼い主の場合、関係性に影響が出てくる場合がありますので、すぐにやめさせましょう。


マウンティングをしてきたら、速やかにうさぎから離れることです。相手にしないで無視をするということが重要なのです。


飼い主が反応してしまうと、相手にしてもらっていると思い、さらにマウンティングをしてくるようになってしまいます。


おもちゃなどを与えて気を紛らわさせ、適度に遊ばせて切り上げさせるか、ほかの遊びなどで気分転換をさせてみてください。


また、ケージに戻して落ち着かせることも効果的です。マウンティングのたびにケージに戻していると、よくない行為だと認識してくれることがあるかもしれません。


ただ寂しく思うかもしれませんので、おやつをあげるなどケアする必要があるでしょう。

一緒に暮らしているうさぎやペットに対してマウンティングをする場合

複数頭飼っている場合、うさぎ同士でマウンティングをする場合があります。


オス同士の場合に、自分の優位性を示すために行うことが多いのですが、あまりにも何度も繰り返す場合は、大きな争いに発展してお互いにケガをしてしまうことがあります。


また、お互いに強いストレスを感じたり、食事をとらなくなったりする場合もあるので、そのうさぎ同士は対面させないほうがいいでしょう。


飼い主としては仲良く過ごしてほしいと思いますが、どうしても相性というものがうさぎにもあります。


マウンティングをしすぎていたら、一緒に過ごさせることを諦めたほうがいいでしょう。


またうさぎ以外にも、一緒に飼っている犬などのほかのペットにもする場合があります。


この場合は、自分の優位性を示したい場合と、縄張りに入ってきたので攻撃している場合があります。


ほかのペットを、うさぎのケージやテリトリーに入れないように気をつけましょう。マウンティングをしそうだったら、すぐに引き離しましょう。 

ボールやおもちゃなど物に対してマウンティングをする場合

物に対してする場合は、無理にやめさせることはないという意見もありますが、できるのであればマウンティングはやめさせるほうがいいです


人に対して行うよりは実害が少ないので、放置するという手もあるのですが、だんだんとエスカレートすると思わぬ事故が起きたり、ケガをしたりしてしまうかもしれません。


また遊んでいるのではなく、もしかしたらおもちゃを自分の縄張りを侵している敵と認識して、そのおもちゃを自分の縄張りから追い出そうとしているのかもしれません。


見た目では区別がつきづらいので、あまりにもマウンティングをしすぎている様子が見られたら、そのおもちゃを取り上げて、近くに置かないほうがいいでしょう。


物に対してする場合も、ほかの遊びを試してみるなど気分転換させることは効果的でしょう。

液体が出る?ひっくり返る?うさぎのマウンティングでよくある行動の疑問を解消


発情期の時期や優位性を示すために、マウンティングをしますが、その最中に普段とは違う行動をして飼い主を驚かせることがあります。


カクカクをしていたと思ったら、突然転がるようにひっくり返る様子を見てびっくりしたことがないでしょうか?


さまざまな行動をしますが、大きく分けると以下のような4つの行動をすることがあります。

  • 液体を出す
  • ひっくり返る
  • 噛む
  • 臭いにおいがする

それぞれ何が原因でどのような理由があるのかを詳しく見ていきましょう。 

うさぎがマウンティングをすると液体やゼリーのようなものが出る

マウンティングすると、ときどき液体やゼリーのような物が対象物につくことがあります。


その液体の正体は以下の3つが考えられます。

  • 精子(透明なゼリー状の粘液)
  • おしっこ(興奮することによりお漏らしをする場合があります)
  • 臭腺からの分泌物

最後の臭腺というのは、その動物特有の臭いを持った液を分泌する腺のことですあり、うさぎには3箇所の臭腺があります。


あごの下にある下顎腺と、肛門の近くにある肛門腺、外陰部の両脇に一つずつある鼠経腺です。


本来はマーキングの際に使われるものですが、マウンティングの最中に肛門腺と鼠経腺から分泌物が出てくる場合があるのです。


メスの場合は射精はしませんが、おしっこや膣、臭腺からの分泌物が出る場合があります。

うさぎがマウンティングをするとひっくり返る

オスは交尾が終わると、「キィー」と叫ぶように鳴いてひっくり返ることがあります。これは交尾後によくある一般的な行為で正常な行動です。


ただオスとメスの交尾の場合でなくても、オス同士やメス同士、飼い主に対してのマウンティングの際に同じように鳴いてからひっくり返ることもあります。


初めて見たときには、とても驚くと思いますが、交尾後と同じような行動をしているだけです。異常ではなく正常な行動ですので安心してください。 

うさぎがマウンティングをすると噛む

噛む行為は、相手を逃がさないという本能的な行動です。両腕で対象をがっちりとつかみ、噛む行為をすることがあります。


またマウンティング中のうさぎは興奮しています。手を出しただけで噛むケースもあるでしょう。


興奮していると低い声で「ブッブッブッ」と短く鳴くので、そのような場合には手を出す前に声をかけるなどして落ち着かせましょう。


もし噛まれた場合は、パスツレラ菌に感染するおそれがあるので、しっかりと消毒する必要があります。 

うさぎがマウンティングをすると臭いにおいがする

前述したようにマウンティングの最中に液体を出すことがあります。


おしっこは当然においますし、臭腺からの分泌物も独特のにおいがします。


臭腺から出るにおいによって、うさぎはマーキングをして自分の縄張りや仲間を確認します。


あごの下にある下顎腺から出る分泌物の臭いは、人間には分からないため気になりませんが、肛門腺と鼠経腺から分泌される液体は、人間にも分かるようなうさぎ独特の臭いにおいがします。


その液体が行為の対象物につくことによって臭いにおいが広がるのです。 

まとめ:うさぎのマウンティングのしすぎはよくないのでやめさせよう!

ここまでうさぎのマウンティングについて詳しく解説してきました。

この記事のポイントは
  • うさぎがマウンティングをする理由は、①発情期が訪れている②優位性を示しているの2つがある
  • うさぎのマウンティングはオスうさぎだけではなく、メスうさぎもする
  • うさぎがマウンティング後に液体を出す・ひっくり返る・噛む・臭いにおいがするには訳がある
  • うさぎのマウンティングのしすぎはケガにも繋がる可能性があるため、やめさせる方がいい

でした!


本能的な行動ではあるものの、興奮状態が続くことはケガの恐れがあるため、マウンティングはなるべくやめさせるように飼い主さんも対応してあげてくださいね。


MOFFMEではほかにもうさぎや、うさぎのペット保険に関する記事を多数公開していますので、ぜひ確認してみてください!


記事モデル:ふくるみたらしらたまめれんげんまい