内容をまとめると
- うさぎは繁殖力が強く多産
- うさぎの育児はかなりあっさりとしている
- 他のうさぎと遊ぶ場合には十分に注意が必要
- 将来のリスクに備えてペット保険への加入もおすすめ
うさぎは子孫繁栄の象徴になっていることからも、繁殖力が強く多産です。うさぎは短い期間で妊娠と出産を繰り返すことができるため、予防をしなければあっという間に家族を増やしてしまいます。ここでは、そんなうさぎの妊娠や出産など繁殖に関することに解説していきます。
この記事の目次
目次を閉じるうさぎは多産で繁殖力の強い動物!繁殖力が強い理由を解説
- 生後間もないうちから繁殖をすることができる
- 交尾をしたら高確率で妊娠する
- 妊娠期間が短く、重複妊娠が可能
うさぎの繁殖力が強い理由①生後間もないうちから繁殖をすることができる
うさぎが繁殖をできるようになる時期は、一般的には、オスは生後6~10か月頃、メスは生後4~8か月頃から繁殖ができるようになると言われています。
しかし中には早い子だと生後3〜4か月頃に繁殖ができるようになる子もいるほど、早い時期から繁殖をすることができるのです!
「まだ小さいから大丈夫」と思っていても、他のうさぎと少しでも接触するようなことがあれば、望まない妊娠を招いてしまう可能性があるのですね。
うさぎの繁殖力が強い理由②交尾をしたら高確率で妊娠する
うさぎは交尾をしたらその刺激で排卵が起こる「交尾排卵動物」で、妊娠率はほぼ100%近くと高確率になります。また、捕食動物に見つからないように交尾の時間はわずか10~30秒です。
このような短時間の交尾で高確率で妊娠をしてしまう為、「ちょっと目を離した隙に交尾が終わってしまっていた」なんて事もあり得るのです・・・。避妊手術をしていない場合は他のうさぎとの接触には十分注意が必要になります。
うさぎの繁殖力が強い理由③妊娠期間が短く、重複妊娠が可能
うさぎの妊娠期間は28日〜36日で、約1ヶ月という短期間です。
また、1度の出産で6~10羽と多産な上、なんと、うさぎは子宮が2つあるため妊娠中でも交尾すると更に重ねて妊娠をすることができるのです(重複妊娠)。
この高確率の妊娠、妊娠期間の短さ、産子数と重複妊娠がうさぎの繁殖力の強さの理由です。 何も対策せずにただオスとメスを同じ所で飼っていると、あっという間にものすごい数に増えていってしまうことがお分かりいただけたかと思います。
うさぎの発情行動や交尾について
飼っているうさぎが急に気が荒くなったり、おしっこをあちこちにするようになったりなどいつもと違う行動をして、「どうしたんだろう・・・?」と思った事はありませんか?
このような行動は、繁殖可能になった動物が繁殖するために異性を求める行動をする時期である、「発情期」を迎えていることが原因の行動である可能性があります。
ここでは、
- うさぎの発情期と発情行動について
- うさぎの交尾について
うさぎの発情期はいつ?発情行動とは?
ペットで飼育されているうさぎと野生のうさぎの発情期には違いがあります。
一般的に、野生のうさぎは季節的な繁殖を行う傾向がありますが、ペットで飼育されているうさぎは季節や環境に関係なく繁殖を行うことができます。
野生のうさぎは、天候や食糧などの環境条件が適切な春から秋にかけて繁殖行動を行うとされている一方で、ペットで飼育されているうさぎは、人工的な環境下で飼育されていて、常に適切な環境条件が与えられるため、常に繁殖行動を行うことができるのです。
飼育されているうさぎと野生のうさぎの発情期には、環境や生活状況の違いが影響しているんですね。
発情期には、メスのうさぎは15日〜16日の許容期間後に1日〜2日の休止期間を経てまた許容期間を繰り返し、オスのうさぎはメスうさぎにアプローチすることが多くなります。
発情期中の行動にはオスとメス共に、攻撃的になったり、甘えてきたりという行動も見られますが、オス・メスそれぞれで代表的な行動をそれぞれ紹介します。
発情期中のオスの行動
- 「カクカク」と呼ばれるマウンティングを取る
- 縄張りを主張する「スプレー」をする
- 足を踏んで鳴らす「足ダン」をする
- 分泌液で「マーキング」をする
- お尻を高く突き上げる
- 縄張り意識が強くなる
- 偽妊娠をすることがある
うさぎの交尾に関する行動
メスうさぎの許容期間中にオスうさぎを一緒にいさせると交尾をします。交尾を始める時間はまちまちですが、すぐに開始する事が多いです。
交尾時間は10秒〜30秒とかなり短く、オスうさぎが「キー!」と鳴いて横に倒れると交尾が終わった合図になります。
知らない飼い主さんは声をあげて倒れるなんて何事かとびっくりするかもしれませんが、倒れたオスうさぎは少しすると自分で立ち上がり、普段の様子に戻るので心配いりません。
一方メスうさぎは交尾後もいつもと変わらない様子でいる事が多いです。
妊娠の兆候や妊娠中の行動・注意点を解説
うさぎが交尾を終えた後、本当に妊娠したかどうか気になるものですよね。
うさぎの妊娠期間は28~36日と短く、日が経つと妊娠の兆候が表れ始め、妊娠していると普段と違う様子が見られます。
では、うさぎの妊娠の兆候や、妊娠中に注意すべきことはどのようなことがあるのでしょうか。ここでは、
- うさぎの妊娠の兆候や、妊娠中の行動
- うさぎが妊娠中に注意すべきこと
うさぎの妊娠の兆候や、妊娠中の行動
- 食欲が増してたくさん食べるようになる
- お腹が張って、赤ちゃんが大きくなっていることが確認できる
うさぎが妊娠中に注意すべきこと
- 通常よりも食欲が増しているためペレットや牧草・水の補充を十分あげる
- 妊娠・出産はものすごく体力を使う為、普段のフードよりも栄養価の高いフードを食べさせる
- 神経質になり気性が荒くなる子が多いので、過剰な接触は控える
- オスうさぎも一緒に飼育している場合、オスが近付く事にストレスを感じる事があるので、別室に移動させる
- ケージ掃除はへやんぽ中などに短時間で済ませる
うさぎの出産の兆候や考えられるトラブルは?ペット保険に加入していれば補償される?
妊娠が確認でき、準備ができたらあとは出産を待つのみ。初めての繫殖であれば、楽しみと共に不安もありますよね。しかし、出産時に飼い主さんができることはほぼありません・・・。通常うさぎは安産なので、基本的には自分で何とかするものです。
干渉しすぎないように、飼い主さん自身が神経質にならずにおおらかに見守りましょう。
そして出産の兆候を見逃さないようにして、何かトラブルがあった時に手助けできるようにしてくださいね。
ここからは、
- うさぎの出産の兆候
- 考えられるうさぎの出産時のトラブル
- うさぎの妊娠や出産に関わることはペット保険で補償される?
うさぎの出産の兆候
うさぎは出産が近づくと
- 自分の毛をむしったり牧草をくわえたりして巣箱に敷き、巣作りをする
- そわそわと落ち着きがなくなる
考えられる出産時のトラブル
基本的に安産と言えども、人間同様に出産は命がけです。トラブルがあり、母体も赤ちゃんも危険な状態になる事があります。
ここでは、うさぎの出産時に考えられるトラブルについて5つ紹介していきます。
死産
赤ちゃんうさぎが子宮から産道を通る時間がかかり過ぎた場合、赤ちゃんは酸欠になってしまい、亡くなった状態で生まれてくる事があります。また、出産時の出血が多い場合もその血で呼吸が出来ずに亡くなってしまう場合があるんです。
亡くなった赤ちゃんを確認した場合、母親うさぎが亡くなった子を食べたり、亡くなった子の冷えた体が他の赤ちゃんうさぎの体温を奪ってしまったりする事があるので、巣から出しましょう。
逆子
通常は頭から生まれてくるはずが、後ろ足から生まれる事を逆子といいます。逆子になっていると産道に頭が残ってしまっているので、生むのに時間がかかると、呼吸が出来ずに酸欠になって亡くなる事もあるのです。
母体の出血多量
うさぎの出産時の出血量は、通常だと産後にポタッポタッと落ちてくるくらいでそんなに多くはありません。それ以上に多くダラダラと流れてきたり、出産後しばらくが経過しても止まる様子がなかったりする場合には、母体の命に関わるので病院に連れていき、診察してもらいましょう。
子どもを食べる
母親うさぎは、人の匂いがついてしまった赤ちゃんや、死産で亡くなった赤ちゃん、奇形児を食べてしまう事があります。また、出産の心の準備ができていない、過度に神経質になっている、などの母親うさぎがまれに赤ちゃんを食べてしまう事もあるんです。
出産後2週間くらいは巣の掃除などのお世話は母親うさぎが不在時に手早く済ませ、静かに見守ってください。赤ちゃんに触る必要がある時は、調理用の手袋(ゴムの臭いがしない物)をして触るようにしましょう。
奇形児
近親交配や何らかの原因により、奇形児が生まれる事があります。また、うさぎの品種の中には奇形児が生まれる確率が高い品種もあるので、繁殖させる時はよく調べてからにしましょう。
奇形児は、残念ながら長くは生きられない場合が多いです。もし巣の中で亡くなってしまったら死産時同様に巣から出して埋葬してあげてくださいね。
補足:うさぎの妊娠や出産に関わることはペット保険で補償される?
ペット保険では妊娠や出産に関わることは補償されません。
しかし、アニコム損保「家庭どうぶつ白書2019」によると、年齢を重ねるに連れて年間で支払う診療費が高くなっていき、5〜6歳で呼吸器系疾患では52,267円が平均でかかっているデータが取れています。
これはあくまで平均ですので、もっと高額な診療費用を支払っているケースもあるということです。
妊娠・出産に関わることは補償対象外にはなりますが、将来のリスクに不安がある場合は、ペット保険への加入を検討してみてもいいかもしれませんね。
うさぎのペット保険については下記の記事でも詳しく解説していますのでご確認してみてください。
うさぎの赤ちゃんが生まれたら
うさぎの赤ちゃんが生まれても飼い主が面倒をみる必要はありません。赤ちゃんうさぎのお世話は母親うさぎに任せましょう。
赤ちゃんうさぎが生まれたら、巣をのぞいたり赤ちゃんを触ることは控えるようにしてください。赤ちゃんうさぎを触って人間の匂いがつくと、母親うさぎは面倒を見なくなってしまうことがあります。
うさぎの育児は非常にあっさりと放任していて、1日1〜2回の授乳のみです。授乳が終われば巣からも出ていってしまいます。
このように子育てが放任な理由は、自然界で生き抜くための知恵が働いています。
天敵に巣穴を発見されないために、できるだけ赤ちゃんうさぎに近付く時間を短くしているので、うさぎの育児は非常に放任であっさりとしているのです。
人間が迂闊に近づいたり、赤ちゃんうさぎに触れてしまうと、本当に育児放棄をしてしまいます。 遠くから見守るくらいが丁度良いでしょう。
もしかして育児放棄をしているのではと心配にもなりますが、赤ちゃんうさぎが育っていれば問題ありません。
うさぎの繁殖をするときに考えなければいけないこと
うさぎを繁殖して家族を増やしたい時には、あらかじめ考えなければならないことがあります。
- 子うさぎの受け入れ態勢が整っているか
- 母親うさぎや赤ちゃんうさぎに負担がかからない出産時期か
まとめ:うさぎは多産で育児はあっさりとしている
- うさぎは交尾をしたら高確率で妊娠をする
- 早いと生まれてから3ヶ月に繁殖ができるようになる子もいる
- うさぎの妊娠期間はおより1ヶ月
- 1回の妊娠で6〜10羽出産する
- うさぎを繁殖する際には時期や環境を確認する