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内容をまとめると

  1. うさぎは「盲腸便」を食べることで栄養を補っている
  2. 盲腸便を食べないときは、体調が悪い・病気の可能性がある
  3. うさぎの治療費は全額自己負担のため、万が一に備えてペット保険の加入もおすすめ!

初めてうさぎを飼ったときに、うんちを食べている姿を見て驚いた経験がある方も多いのではないでしょうか。実はうさぎがうんちを食べる「食糞」は、健康状態を維持するために非常に重要な行動です。むしろ食べるべきうんちを食べていないことが異常事態とまで言えるほどです。この記事では、そんなうさぎの食糞についてと、うんちからわかるうさぎの健康状態についてを解説していきます。

この記事の目次

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うさぎがうんちを食べるのはなぜ?コロコロうんちは食べていいの?

結論からお伝えすると、うさぎがうんちを食べることは、健康を維持するためにとても重要な行動です。


うさぎが肛門に口をつけてうんちを食べている姿を初めて見ると、異常があるのか心配になりますが、正しい行動なので安心してくださいね。


実はうさぎは、自分で排泄したうんちから栄養を補っているのです。


うさぎは完全草食動物のため、主食は草です。草のみでは、うさぎにも重要な栄養素であるたんぱく質やビタミンを十分に取ることができません。


そのため、体内で生成した栄養価の高いうんちを食べることで必要な栄養素を取り入れているのです。


もしうさぎがうんちを食べていなければ、必要な栄養をとれていないことになりますので、うんちを食べていないことの方が異常事態であると認識しておきましょう。

うさぎは「コロコロうんち」と「盲腸便」の2種類のうんちを食べ分けている!

うさぎはうんちであれば何でも食べているわけではありません。


うさぎのうんちは大きく分けて「通常便(コロコロうんち)」と「盲腸便」の2種類があり、うさぎが食糞をするのは「盲腸便」です。


通常便は一般的に見られる、硬く乾いていて、丸くコロコロとしていることが特徴です。繊維質を多く含むため、臭いはほとんどしません。


一方で盲腸便は、名前の通り盲腸と呼ばれる消化器官で生成され、小さい丸い形状をしていて、柔らかく、粘膜でおおわれていることが特徴です。


きつい臭いがしますが、うさぎが排泄と同時に肛門に口をつけて食べてしまうため、盲腸便の臭いが残ることはほとんどありません。


盲腸便が作られる盲腸は、ビタミンを生産する微生物など、多くの細菌の生息地となっています。


そのため、盲腸便には多くのビタミン群や良質なタンパク質が含まれていて、栄養を補うことができるのです。

盲腸便以外のコロコロうんちを食べても大丈夫?

うさぎが一般的に食べるうんちは盲腸便ですが、なんとコロコロうんちも食べることがあります。うんちならなんでも食べる姿を見ると少し心配になりますよね・・・。


しかし、コロコロうんちを食べても問題はありません!盲腸便のような栄養が取れる役割はありませんが、繊維質のかたまりのため食べていても心配しなくて大丈夫です。


とはいえ繊維質のかたまりである通常便には盲腸便ほどの栄養はありません。


十分なエサが与えられているペットのうさぎが通常便を食べすぎる場合は、次の意味合いがあるかもしれません。

  • 十分に牧草を食べていない
  • ペレットを食べすぎている
  • 退屈して何かをかじりたいと思っている
イネ科の牧草を十分に食べているでしょうか?もしくはペレットの量が多すぎる場合も考えられます。ペレットの量はしっかりと計量して与えていますか?

またケージ内の生活に刺激がなく退屈している可能性があるので、うさぎがかじっても問題のない牧草でできたおもちゃなどを取り入れてみるとコロコロうんちを食べることが減っていくことが期待できますよ!

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補足:うさぎの盲腸便と下痢・軟便との違いは何?

うさぎにとって、下痢や軟便は命に関わる怖い病気です。数時間から半日程度で重症化することがあるので、早期発見が必須。盲腸便と下痢・軟便の違いを見分けられるようにして、日頃の健康管理に役立てましょう


盲腸便は、小さな粒が連なっているブドウの房の様な形をしているため、通常便とは全く違った形をしています。


排出されたばかりの盲腸便は表面がツヤツヤとぬれており柔らかい質感をしていますが、液体状にはなりません。一度嗅ぐと忘れられない、独特の発酵した匂いがあることも特徴の一つです


 一方下痢や軟便の場合、形や大きさが一定になりません。盲腸便との大きな違いは形をなさない液体状になることが多い点で、悪臭がすることも。


下痢や軟便の場合は肛門やしっぽが便で汚れることが多いので、日頃からお尻周りの汚れがないか確認をしましょう。

うさぎの盲腸便が落ちてる・残す・食べない原因と対処方法


うさぎがうんちを食べることは、栄養を補うための重要な行動であることがわかりました。


もし盲腸便を食べ残していたり、食べていない場合には、適切な飼養管理ができていなかったり、健康状態に何かしら原因がある可能性があります。


うさぎは肛門に口をつけながら盲腸便を食べてしまうため、盲腸便を直接見ることはあまりありませんが、目にするようになったら何が原因なのかを探ってみてください

うさぎの盲腸便が落ちてる原因①ペレットやおやつを食べすぎている

盲腸便を食べなくなる理由には、日頃の食生活が影響していることが多いです。ペレットやおやつ、野菜の食べ過ぎで栄養過多になってしまうことが盲腸便の食べ残しの原因に。


前述の通りうさぎの体重に合わせた適正なペレットの量を与えるようにしましょう。おやつや野菜は糖分や炭水化物が多く栄養価の偏りがでてしまい、盲腸便を食べなくなってしまいます。


これらの嗜好品はうさぎとのコミュニケーションツールの一つになりますが、うさぎの健康維持に必要不可欠である盲腸便を残すようなら一旦控えてみましょう。


腸内細菌のバランスが崩れてしまうと、盲腸便を正しい形で排泄することができず、食べなくなることもあるので気をつけてくださいね。

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うさぎの盲腸便が落ちてる原因②病気やストレスを抱えている

胃腸など消化器系に何らかの異常や病気がある場合、盲腸便を食べないことがあります。


うさぎは体調不良を隠す習性がありますが、「盲腸便を食べていないこと」が、体調の異変に気付けるポイントの一つになるでしょう。


また病気やケガの痛みから、体を動かせず盲腸便を食べられないこともあります。

  • じっとして動かない
  • 毛並みにツヤがない
  • 頻繁に歯ぎしりをする
  • 体温に変化がある
「盲腸便を食べない」以外に、上記の様な様子も見られる場合はすぐにかかりつけの病院を受診しましょう。

うさぎは体調が悪くても普段通りに過ごそうとしますので、些細な変化を見逃さ内容に普段からよく観察してあげてくださいね。

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うさぎの盲腸便が落ちてる原因③怪我や肥満によって肛門に口が届かない

うさぎは肛門に口をつけて直接盲腸便を食べます。しかし怪我や肥満によって体を丸めることができず、口が肛門まで届かないと、大事な栄養である盲腸便を食べることができません


自力で食べられる状況ではない場合は、スプーンで盲腸便を口元に運ぶなど食糞を手伝ってあげるようにしましょう。


盲腸便は約24時間おきのタイミングで排出されますので、大体の時間を確認して、盲腸便を排泄したらすぐに食べさせてあげるようにするといいでしょう。


肥満の場合は、食糞できないだけでなく様々な病気の原因にもなってしまいます。

  • 糖分の多いおやつや野菜を与えすぎていないか?
  • 運動不足ではないか?
など食生活・生活習慣の見直しが必要になりますが、無理なダイエットを行わせようとするとうさぎが体調を崩す原因になってしまいますので、獣医師の先生から指導を受けることが安心できます。

うさぎの盲腸便が落ちてる原因④高齢になって上手に食べられない

うさぎは8歳を超えてくると高齢うさぎの部類になってきます。


高齢になるにつれて体の動きに衰えが出始め

  • 盲腸便を食べる体勢が難しくなった
  • 寝たきりになってしまった
などの理由から、盲腸便を食べることができなくなってしまうことがあります。


盲腸便をスプーンですくってすぐに口元へ運んであげることも一つの方法ですが、盲腸便で補えなかった栄養素を、ペレットやサプリを使って取り入れてあげることも手段の1つです。


盲腸便には、牧草には含まれないB12などのビタミン類が豊富に含まれていますので、B12を含むマルチビタミンの様なペレットやサプリを選ぶといいですね。


それぞれ大きさや食感が異なりますので、うさぎの好みに合うものを選んでください。

うさぎの盲腸便が落ちてる原因⑤エリザベスカラーをつけていて食べられない

怪我や手術後、傷口を舐めないようにエリザベスカラーという襟巻を装着することがあります。このエリザベスカラーが邪魔をしてしまい、「盲腸便を食べたくても食べられない」という状況になっていることもあります。


盲腸便はうさぎにとって毛円光を維持するために重要な栄養素になりますので、

  • 飼い主が盲腸便を食べさせてあげる
  • エリザベスカラーの素材や大きさを工夫し、装着したままでも食べられるようにする
などの対処をしてあげてくださいね。

エリザベスカラーを付けたままでも盲腸便を食べたり毛づくろいしたりできるように、布地の物や小さい襟の物が販売されているので、そういった物を使うことで解決できますが、エリザベスカラーの素材や大きさについては、主治医と相談してから決めてくださいね。 

うさぎの盲腸便が増えた・多い原因はなに?


もともと盲腸便の量は多く、うさぎが1日にするうんちの約半分以上は盲腸便です。盲腸便はうさぎが肛門に直接口をつけて食べてしまうため飼い主が直接見る機会は少なく、うさぎが盲腸便を食べ残すようになれば「盲腸便が増えた?多いな?」と感じる機会も増えます


盲腸便が1日に作られる量は日によって異なりますが、多く作られること自体には問題はありません


しかし、「うさぎが盲腸便を食べていないこと」が理由で盲腸便が増えた・多いと感じつようになっている場合は、うさぎの健康状態に何かしら影響が出ている可能性がありますので、上述した「盲腸便が落ちている原因」から理由を探って、正しく対処してあげてくださいね。

うさぎが盲腸便を食べ残している時に気をつけること

盲腸便は通常うさぎが食べてしまうものなので、飼い主は「目にしないもの」である状態が好ましい状態です。


しかし、盲腸便を目にする機会が多かったり、明らかに量が増えたりした場合は何かうさぎの身体でトラブルが起きている可能性を疑うべきです。


言葉を発することができないうさぎは、行動の変化で何らかの異常を訴えていますので、小さな変化でも見逃さないように日頃からから糞の量や形を観察してあげてくださいね!


ここでは、うさぎが盲腸便を食べ残している時に飼い主が気をつけてあげるべきことを下記2つに分けて解説していきます。

  • 原因を突き止めて正く対処する
  • 盲腸便が落ちていたら放置しない 

原因を突き止めて正く対処する

盲腸便が残ってしまう原因の多くは前述の通り以下である可能性があります。

  • 食生活の問題
  • 病気やストレスが隠れている
  • 肥満やケガ、加齢などで体を丸められない
  • 生活習慣の変化
上記の原因のうち、盲腸便を食べないことに心あたりはあったでしょうか。

原因によって対処法が異なりますので、まずは原因を突き止めることが何よりも大切です。

もし心当たりがない場合はかかりつけの動物病院を受診して相談をすると原因を見つけられる手がかりになりますので、不安な場合は受診することをおすすめします。

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盲腸便が落ちていたら放置しない

盲腸便を見つけたら放置せず、うさぎに食べさせる・もしくはすぐに清掃をするようにしましょう。盲腸便は柔らかいため、うさぎが踏んでしまうとうさぎの体やケージ内など至る所を汚していまいますし、悪臭の原因にもなりかねません。


盲腸便を踏んだまま、身体につけたままにしてしまうと、うさぎの身体からなんだか嫌なにおいがするだけではなく、

  • ソアホック
  • 皮膚炎
など、うさぎの健康に被害が出ることがありますので、すぐに対処するようにしてくださいね。

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まとめ:うさぎがうんちを食べることは健康のための正常な行動

ここまでうさぎのうんちに関することをご紹介してきました。


この記事のポイントは

  • うさぎがうんちを食べることは正常な行動
  • 健康なうさぎのうんちは「通常便」と「盲腸便」の2種類あり、「盲腸便」を食べている
  • うさぎは「盲腸便」から生きていく上で必要な栄養をとっている
  • 「盲腸便」を食べないときは飼育環境や健康状態が良くないかも
  • うんちはうさぎの健康のバロメータになるので、日頃から異変がないか観察することが大切
でした。

初めてうんちを食べている姿を見ると驚いて異常行動ではないかと不安に思うかもしれませんが、健康でいるための大切な行動であることを理解してあげてくださいね。

MOFFMEでは他にもうさぎについてやうさぎのペット保険に関する記事も公開していますので、ぜひ確認してみてくださいね!

記事モデル:Ta Michi 

記事監修者「西森 史奈」

西森 史奈
MOFFME編集部うさぎ担当。愛玩動物飼養管理士、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。

すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という想いに共感しMOFFMEに参画。特に近年飼育頭数が増えているうさぎに着目し、飼い主とうさぎが長く一緒に幸せに暮らしていけるようにうさぎに関する正しい情報を発信すべく日々勉強中。