
犬の祖先の狼は夜行性の動物ですが、犬自体は昼行性の動物です。犬は人間社会に馴染んだ影響で、昔とは逆の生活リズムを取っています。近年では、家で飼っている犬や猫のほとんどが、夜行性ではなく昼行性になっていると診断されています。
この記事の目次
目次を閉じる犬は夜行性の動物?犬の寝るタイミングや寝る時間帯などを解説!
「犬の生活リズムは人間と違う?寝る時間の平均はどのくらいなのかな」
ワンちゃんにも人間にも、睡眠は大切なもの。
愛するワンコに睡眠時間を快適に過ごしてもらうためにも、室内の明るさや温度、寝具にはこだわりたいものですよね。
しかしたっぷり睡眠をとっても、ワンちゃんが夜中に起きていることもしばしば。
それを見て「もしかして、犬って夜行性の動物…?」と、疑いたくなる方も中にはいるでしょう。
そんな飼い主さんのお悩みや疑問を解決!今回「MOFFME」では、犬は夜行性かどうかや寝るタイミング・時間帯などを徹底解説します。
- 犬は夜行性でなく、昼行性の動物!
- なぜオオカミは夜行性なのに、犬は昼行性なの?
- ペットの犬が夜行性に見える?その理由を解説!
- 飼い主とペットの生活リズムはズレていても大丈夫?
- 犬の睡眠場所はどんな環境がベスト?最適な室内温度は何度?
- まとめ:犬は夜行性でなく昼行性!
犬は夜行性でなく、昼行性の動物!

「犬は人間と違って夜行性っていうのは本当?」
「ご先祖様のオオカミが夜行性だから、犬も夜行性の動物だよね?」
上記のような疑問を抱える方は、きっと少なくないでしょう。
もし夜行性なら、昼間からワンちゃんを起こして大丈夫なのか…と悩む方も中にはいるかもしれませんね。
大丈夫!犬は完全昼行性の動物なので、飼い主さんたち人間と生活リズムは同じです。
ワンちゃんは1日の12~15時間を寝て過ごします。
エネルギーを蓄えるために、人間より多くの睡眠を必要とするそうです。
大型犬や子犬、老犬はさらに睡眠時間が長くなる傾向が強いんですって。
また、犬の睡眠は人間と同様、ノンレム睡眠・レム睡眠を繰り返しているといわれています。
しかし、成犬は人間と比較し、浅い眠りであるレム睡眠が多いのだそう。
外飼いのワンちゃんを観察すると、15分程度寝て5分起きる…というサイクルを繰り返しているほど、犬の睡眠は浅いんですって!
人間のようにノンレム睡眠で寝溜めをするのは、非常に少なく、12~15時間のうち3分の1~4分の1しかないのだとか。
昼にも活動はしているが、こまめな睡眠をとっている。
それが、ワンちゃんの昼行性ライフスタイルといえるでしょう。
なぜオオカミは夜行性なのに、犬は昼行性なの?

ワンちゃんが昼行性な理由は、人に飼いならされ共に生きるため。
野生のオオカミと睡眠の性質が違うのは、人間に合わせ睡眠時間を変えた結果なんですよ。
野生のオオカミは夕暮れ時になると巣から出てきて、小さな動物などを狩りお腹を満たしていました。
狩りをする時間を夜に選ぶのは、小動物を捕まえやすいからだったんです。
しかし、人間がオオカミたちの住処の近くにやってきてから、彼らの食生活は一変しました。
狩りをするよりも人間の残飯をあさる方が効率がいいため、生活時間を人間に合わせ始めたのです。
次第に人間に慣れたオオカミは、人間に飼われ現在の「イエイヌ」のご先祖様となりました。
イエイヌの多くは人間に仕事を与えられ、昼間に生活するようライフスタイルを合わせられていきます。
人間の狩りに付き合う「狩猟犬」や番犬、作業犬など…
夜に眠らず人と共に助け合って生きていくうちに、オオカミと違うライフスタイルをイエイヌは確立していったんですね。
その名残が、愛玩犬となった現代のワンちゃんにもしっかりと受け継がれているというわけです。
犬が昼行性になった理由には、オオカミからイエイヌへ飼いならされた、ワンちゃんの歴史に理由がありました。
わたしたち人と共に生きるために、ワンちゃんは野生の頃と異なる昼行性に変わったといえるでしょう。
ペットの犬が夜行性に見える?その理由を解説!

「犬って夜行性じゃなかったんだ…でも、よく夜行性かもって知り合いは言ってるよ?」
「犬は夜にも起きているから、夜行性じゃないの?」
そう思う方、きっと多いんじゃないでしょうか?
確かに犬は昼ではなく、夜にも起きていることもありますよね。
あなたのおうちにいるワンちゃんも、時折夜中に動き回っていることがあるのではないでしょうか?
上記の疑問を解決するために、ここではなぜワンちゃんが夜行性に見えてしまうのかを徹底解説します。
ワンちゃんが夜行性に見える理由は、主に4つです。
- 平均睡眠時間が長いので、昼間も寝てるため
- 眠りが浅く、すぐ目が覚めてしまうため
- 子犬の頃から、夜間視力があるため
- 夕方に元気になりやすいため
以下で各項目を詳しく説明するので、ぜひご覧くださいね。
①:平均睡眠時間が長いので、昼間も寝てるため
犬の睡眠時間は、12~15時間。これは、パンダなどの動物と同じ時間数に匹敵します。
動物園でずっと寝ているパンダとワンちゃんは、実は睡眠の長さが同じ。
ワンちゃんは、人間と違い一日の大半を寝て過ごしている動物なんです!
犬は夜にしっかり眠ったとしても、昼間に適度な睡眠をとることが多い傾向にあります。
その理由は、狩りにそなえエネルギーを温存する、野生時代の本能が残っているから。
人間に飼いならされた今でも、かつて狩猟動物であるオオカミだった頃の名残を、ワンちゃんは残しているんです。
だから夜にしっかり寝ても、昼間に「狩りに備えなきゃ!」と、エネルギー補給をするために犬は眠るんですね。
ワンちゃんは飼い主さんが構っていないと、すぐにエネルギーを回復しようと眠る傾向にあります。
愛犬が昼間にのんびり眠っていたら「エネルギー補給をしているんだな」と飼い主さんはあたたかい目で見守ってあげましょう。
②:眠りが浅く、すぐ目が覚めてしまうため
ワンちゃんの眠りは非常に浅く、眠っていてもほんの少しの刺激で目を覚ますことも珍しくありません。
犬の睡眠はそのほとんどがレム睡眠だといわれます。
その割合は70~75%以上!覚醒に近い状態でほんの少しの物音でも目を覚ます状態が、人間よりも多いんです。
だからワンちゃんは夜に寝ていてもすぐに目が覚めて起き出し、動き回ることが多いんですね。
犬がノンレム睡眠をとるのは、ほんのわずかな時間だけ。
深く眠っている時には以下のような特徴があるため、レム睡眠と見分けやすいですよ。
【犬のノンレム睡眠の特徴】
- 血圧や体温が低下する
- 呼吸数が減少しゆっくりになる
- 仰向けになりリラックスする
- 手足を伸ばし脱力する
- 声をかけても反応しない など
飼っているワンちゃんの状態が上記に当てはまったら、深い睡眠をとっている証拠です。
ゆっくり休んでいる時なので、眠りを妨げないよう声をかけずそっとしておきましょう。
③:子犬の頃から、夜間視力があるため
犬は人間と違い、夜目が利く動物です。
これは野生時代の名残であり、夜に狩りをできるようオオカミが進化していたため。
その夜間視力は、なんと人間の3倍!
人間が真っ暗に感じる場所でも、ワンちゃんにははっきり見えています。
だから、夜間に動き回ることも全く造作ないんですね。
犬は昼も夜も同じように周囲を見渡すことができ、動き回るのも全く問題ありません。
夜に動き回る理由は、人間と違い視界がクリアで周囲が見えているからなんです。
夜行性だから動くというよりは、周りが昼と同じよう見えるから「動き回れる」というイメージをすれば分かりやすいでしょう。
人間が落ち着かない・暇だと動き回るのと、心理状況は似ているかもしれませんね。
④:夕方に元気になりやすいため
暗闇の中でも難なく動き回るので、「うちの子って夜行性?」と誤解する飼い主さんも多いのではないでしょうか?
飼い主さんが日中にいない場合、ワンちゃんは暇を持て余し睡眠時間を昼に集中させがちです。
そのため、飼い主さんが帰ってくる頃には、ワンちゃんは元気いっぱいの状態に!
先述した通り、犬のノンレム睡眠は極めて短く、睡眠全体の25~30%しかありません。
昼間に寝だめをしてしまうと、残りの睡眠はすべて浅いレム睡眠となります。
飼い主さんが夜型の場合、特にワンちゃんは夕方以降元気になり、夜行性のように見える傾向が強くなるそうですよ。
飼い主とペットの生活リズムはズレていても大丈夫?
飼い主の生活が夜型になると、ワンちゃんも一緒に夜型の生活を送るようになりがちです。
日中家に誰かがいるならば起きえない問題ですが、家族全員が働いている家庭ではそれをいつ減するのは難しいでしょう。
愛犬が夜型になると何か体に悪影響があるのでは…と、心配する飼い主さんもきっと多いですね。
でも、心配は無用!犬は夜型でも朝方でも、睡眠時間を確保できれば問題がない動物なんです。
眠りの質がしっかり保たれていれば、飼い主と犬の生活リズムにズレがあっても問題はありません。
自分のご飯・散歩の時間に起きて、短い睡眠を確保できればワンちゃん自身は構わないのです。
むしろ問題になりやすいのは、夜間にワンちゃんが動き回ったり吠えたりすることによる騒音。
近所の方の迷惑にならないよう、愛犬の無駄吠えなどのしつけはしっかり行ってくださいね。
マンションなどにお住いの場合は、ワンちゃんの足音が響かないようクッションフロアなどを敷いて対策を取るのもおすすめですよ。
犬の睡眠場所はどんな環境がベスト?最適な室内温度は何度?
「ワンちゃんの睡眠環境を整えてあげたいけど、温度や環境の整え方が分からない…」
上記のような悩みを抱える飼い主さんは、きっと多いことでしょう。
ここでは、犬が快適に眠れる睡眠環境の整え方について徹底解説します。
【犬が快適に眠れる温度は?】
犬が快適に眠れる温度は、実は毛質によって異なります。
寒がりなシングルコートの場合は、夏23~25℃・冬20~25℃がおすすめ。
毛が密で暑がりなダブルコートの場合は少し低めの、夏22~25℃・冬19~23℃に設定しましょう。
体温管理が子犬やシニア犬の場合には、寝る部屋の温度にさらに気を配るようにするのも大切。
エアコンやホットカーペットなどを使い、室温をちょうどいい状態に保ってあげてください。
【犬が快適に過ごせる寝床の特徴】
ワンちゃんの寝る場所は、ふわふわの床材を敷き詰めた落ち着ける狭い場所にしてあげましょう。
用意した寝床は常に清潔にし、愛犬が快適に過ごせるようにしましょう。
ニオイの強すぎる柔軟剤などで犬用寝具の洗濯を行うと、愛犬がストレスを感じてしまいます。
犬の寝具を選択する際には、香料の少ないものを選ぶのがベストだといえます。
犬にとって快適な寝具を選び、適切な洗剤で寝床の清潔を保ってあげてくださいね。
まとめ:犬は夜行性でなく昼行性!
いかがだったでしょうか。
この記事で紹介したのは、以下の内容です。
- 犬は夜行性でなく、昼行性の動物!
- なぜオオカミは夜行性なのに、犬は昼行性なの?
- ペットの犬が夜行性に見える?その理由を解説!
- 飼い主とペットの生活リズムはズレていても大丈夫?
- 犬の睡眠場所はどんな環境がベスト?最適な室内温度は何度?