チンチラはみかんを食べられる！栄養素、上手な与え方・適量とは？

あどけない顔で、どことなくとぼけた表情のチンチラ。最近SNSでかわいい姿を見ることが多くなりました。

チンチラはモルモットと同じように、草や植物を食べる草食動物。本来は標高400～1650ｍの高地の岩場で集団生活をしています。

では人と一緒に暮らすチンチラはどんな食事をするのでしょう？ペットのチンチラはみかんを食べられるのでしょうか？

• チンチラはみかんが好物？食べない方がいいのか徹底解説！
• チンチラはみかんを食べられる！与えるメリットや栄養素とは
• チンチラにみかんはどうやって与える？与え方、注意点を解説！
• みかん以外にチンチラが食べてOK・ダメな野菜・果物

をリサーチします！      

チンチラは草食動物です。チンチラの主食は繊維質の多い乾燥した牧草です。副食として、チンチラ用のペレットを与えます。

食事の基本はあくまでも牧草。牧草８～９割、チンチラ用のペレット１～２割です。ペレットの割合の中に少量含ませてもいいのが、コミュニケーションツールとしてのおやつ。

ではおやつとして、みかんをチンチラに与えてもいいのでしょうか？

この項では

• チンチラはみかんを食べれる！
• チンチラにみかんを与えるメリットは？含まれる栄養素とは

について解説します。 

SNSなどでみかんを食べる愛らしいチンチラの動画が投稿されていますよね。

体のわりに小さい手で、おやつをしっかりと持って食べる姿にメロメロの飼い主さんも多いのではないでしょうか？

生のみかん、みかんの皮はチンチラが食べても大丈夫ですが、与える量、与え方などに注意が必要です。

甘いみかんが大好きなチンチラがいる一方で、興味を示さないチンチラもいます。野生では栄養価の低い植物を主食としているチンチラ。無理に与える必要はありません。 

チンチラが健康でいるためには、たくさんのビタミン、ミネラル、カルシウム、リンが必要です。

ビタミンが欠乏するとさまざまな症状があらわれることも。

チンチラのビタミン欠乏症の例 

ビタミンAは目や皮膚、生殖器を保つために、ビタミンＣは皮膚病や歯肉の健康を保つために不可欠な栄養素です

 またビタミンＥが欠乏することによって、体の脂肪が黄色く硬くなり炎症を起こす黄色脂肪症になる可能性が。

ビタミンD・カルシウム・リンはげっ歯類でたえず伸び続けるチンチラの歯や骨の石灰化のために必要です。

また不飽和脂肪酸はチンチラの特徴である、美しい被毛を維持するためにかかせません。 

これらの栄養素は牧草とペレットで与えることが基本ですが、おやつとして与えてもいいみかんにも多様なビタミンとカルシウム、リンが含まれていますので上手に利用しましょう。 

みかんに病気の予防の期待ができる栄養素が含まれているからといって、チンチラは本来、高地に住み乾燥した植物を主食にしている動物です。

水分量や糖分が多いみかんを大量に与えてしまっては、かえって病気をひきおこしかねません。

でも飼い主としてはチンチラが喜ぶ姿も見たいもの。

この項では、

• チンチラへのみかんの上手な与え方・与える量は？
• チンチラにみかんを与える際の注意点は？食べ過ぎに注意！

についてリサーチしました。 

チンチラは野生では粗食です。草や木の根、コケなどを食べています。

完全草食動物でもあり、腸内環境が健康に直結します。 チンチラの腸内環境を健全に保つためには、低カロリーで高繊維質の食事が必須。

平均的体重の600ｇのチンチラの場合、牧草の量は体重と体質を考慮して、30ｇ～50ｇ、副食としてのペレットは目安として６ｇ～12ｇほど。

食事の基本ベースを守りつつ、みかんは特別なごほうびとして、ごく少量を１週間に1回程度にとどめましょう。

生のみかんや皮も食べられますが、水分量が多め。小動物用のおやつとして、乾燥したみかんが販売されています。乾燥した分、糖分が多くなるので、こちらも少量を与えましょう。

野生のチンチラの棲息地は乾燥した地域で降雨量も少ないため、水分補給は雪解け水や岩場に結露した水滴などを飲む程度です。

解剖学的には、小腸や大腸での水分利用が高度であるとの論文があります。

参考文献：ペット栄養学会誌 Vol.19 No.2 October 2016

水分を取りすぎると腸内環境が悪化して下痢に、水分量が少ないと便秘になりやすいので、それぞれのチンチラの適切な水分量を観察することが重要です。

みかんに限らず果物全般は水分量と糖分が多めです。食べ過ぎは腸内環境を悪化させるだけでなく、肥満やまれに糖尿病を発症するリスクも。必要最小限のコミュニケーションツールとして与えましょう。 

フォルムだけで充分にかわいいチンチラですが、なついてくれたらもっとかわいいですよね。

飼い主さんとのスキンシップのコミュニケーションツールとして、みかんは使えるのですが、みかんに関心を示さないチンチラもいるかもしれません。

チンチラがみかん以外に食べても大丈夫な野菜や果物とはどんなものなのでしょうか？

この項では、

• みかん以外にチンチラが食べても大丈夫な野菜・果物は？
• チンチラが食べてはダメな野菜・果物とは？

を調べました。 

【野菜】ブロッコリー、カリフラワー、パセリ、みつば、カブの葉、サラダ菜、大根菜、チンゲン菜、小松菜、セロリ、ニンジン、など

【果物】ブドウ（レーズン）、イチゴ、リンゴ、バナナ、メロン、パイナップルなど

野菜も果物もしっかりと洗って水分をふきとり、乾燥させます。チンチラは手にもって食べるのが特徴です。食べやすい大きさに切ってあげましょう。

果物はドライフルーツにしてから与えてもよいですが、糖分には気をつけます。人間用のドライフルーツは砂糖や添加物が加えられているものが多いので、チンチラにあげてはいけません。

食べられる野菜や果物でも未成熟な生後４ヶ月未満のチンチラには与えないようにしましょう。  

チンチラが食べてはダメな野菜・果物は

ネギ、ニラ、玉ねぎ、ニンニク等のネギ類全般、生の豆、ジャガイモの芽・皮、アボカドなど。

ネギ類はチンチラに限らず、犬や猫、ウサギ、モルモットなど広範囲の動物が中毒になり、溶血性貧血（ようけつせいひんけつ）をひきおこし、命の危険もあります。

生の豆には青酸化合物やレクチンという糖タンパクが含まれているものが多く、摂取すると呼吸困難や下痢の症状を起こすことも。

ジャガイモの芽・皮には毒性のあるα－チャコニンやα－ソラニンなどが含まれているため、中毒を起こすと下痢などの症状が出ます。

アボカドにはペルシンという毒素があり、チンチラが食べるとけいれんや呼吸困難をひきおこします。

チンチラはみかんを食べても大丈夫ですが、あくまでも牧草を主食、ペレットを副食にして、みかんはスキンシップのごほうびとして利用することが前提です。少量を週に１回程度与えましょう

与えるときは、名前を呼んだり声をかけたりして、優しくスキンシップをとります。

チンチラは本来、岩場で集団生活をする繊細で臆病な動物です。人とのスキンシップをとることにストレスを感じるチンチラもいるでしょう。

「スキンシップ＝たまにもらえる美味しいみかん」となれば、飼い主さんとのコミュニケーションもスムーズになるかもしれません。

チンチラとの信頼関係を築くためのコミュニケーションツールとして、みかんを上手に利用してくださいね。