この記事では犬が老衰する際の前兆症状(食べない、動かない、吐血、呼吸が荒くなる、寝たきりになる)について説明していきます。また認知症になって徘徊してしまう犬もいるそうです。安楽死の方法はあるのか、老衰などにより死ぬ間際の症状についても解説していきます。
この記事の目次
目次を閉じる犬が最期老衰する際の前兆症状とは?
愛犬の様子を見ていて「もしかしたら最期が近づいているのでは?」と不安に感じたことはないでしょうか?大切な愛犬が年老いて最期を迎える時、私たち飼い主はどうすればいいか不安になりますよね。
そこで今回MOFFMEでは、
- 犬が老衰で死ぬ間際の症状/年齢って?
- 安楽死のやり方はあるの?
- 犬の認知症の兆候とは?
- 死ぬ間際/看取りのときに飼い主にできること
犬が老衰で死ぬ間際の症状/年齢って?
老衰によって息を引き取る前には、個体差はありますが様々な症状が見られます。また、犬は何歳から老衰になるのか気になりますよね?
個体差があるので一概には言えませんが、下記の年齢に該当する場合は老衰化する可能性が高いでしょう。
- 小型犬:13~14歳
- 中型犬:11~12歳
- 大型犬:10歳以上
そこでこの章では、老衰による死亡の前兆症状となる
- ご飯食べない/水を摂取しなくなる
- 急に下痢/血便をする
- 目が開かない/目が閉じない
- 歩けない/動かない/寝たきりになってしまう
- 低体温症状
- トイレに失敗してしまう
①ご飯食べない/水を摂取しなくなる
老衰になると食事の量が減少し、最終的に一切食べなくなることがあります。食事はかなりのエネルギーを消費するので、体力的に食べられなくなってしまうのです。
これは老衰によって体の機能が低下し、食事の栄養分や水分を吸収・処理する能力が下がっているために起こります。対策としては、流動食に切り替えるなど消化をしやすい状態でご飯を与えてあげる事です。
全く食べなくなると、病院で点滴をしてもらわなきゃと考える飼い主さんも多いと思いますが、実はそれは逆に愛犬に負担をかけてしまうことに繋がるのでやめましょう。無理にえさや水分を与えても逆効果になってしまうので、そっと寄り添って見守ってあげてください。
②急に下痢/血便をする
食事を流動食に変えることで食事自体は出来るようになりますが、便が下痢になりやすくなります。また、老衰により体が弱っているため、全身の神経をコントロールするのが困難になり、全身の筋肉が思うように動かせなくなります。そうすると肛門から柔らかい便が漏れたり、消化器官がうまく機能せず嘔吐をしてしまうこともあります。
また、便の回数は多いのに量が少ない・排便姿勢を取ってから出てきた便が赤い、もしくは黒い場合は、腸などの器官で異常・機能低下が起きているサインです。単純にお腹の調子が悪い可能性もありますが、前兆症状の一つでもあるので飼い主さんは見逃さないようにチェックしておきましょう。
もし下痢などで肛門付近が汚れてしまった場合は、綺麗にふき取り、清潔に保ってあげてくださいね。
③目が開かない/目が閉じない
前兆症状の一つとして、愛犬の名前を呼んでも反応せずに目を開けることすらしなくなることもあります。これは目に力を入れることがうまく出来ず、まばたきをするエネルギーも足りていない状況です。
逆に目を開けていても、どこを見ているかわからず意識が朦朧としているような症状が出る可能性もあります。もしかすると視力が低下して飼い主が今どこにいるのか不安に感じているかもしれません。
目が開いたままの愛犬を見ているとかなりつらいかもしれないですが、そんな時は耳の近くで優しく声を掛けてあげてください。
④歩けない/動かない/寝たきりになってしまう
いよいよ体が弱ってくると、お散歩に行きたがらなくなったり、横になって寝る時間が多くなります。時には時間の感覚がなくなってしまい、日中はなかなか起きずに夜に活動を始めたりする可能性もあります。1日中ぐったりして動かない状態が続いたりすることもあるでしょう。
また、声をかけても聞こえているのに寄ってこなかったり、もともとお散歩が大好きだったのに急に嫌がるようになった場合は、何か深刻な病気に罹っている可能性もあり、放置しておくと寝たきりになってしまうこともあります。
1日中横になっていると床ずれが起きやすくなるので、定期的に体勢を変えたり、ブランケットやタオルマットなどを敷いてあげるのがオススメです。
⑤低体温症状
人間だけでなく犬であっても、体温は体内の代謝を示すバロメーターでもあります。通常、犬の平熱は38~39度程度ですが、基礎代謝が下がってしまうと、体温を維持することが困難になり、低体温になる可能性があります。
低体温の症状が出てきたら、ブランケットや毛布、湯たんぽなどで愛犬の体を温めてあげるようにしましょう。首回りや脇、太ももの内側などを温めてあげると、身体全体が効率よく温まりやすくなりますよ。
何か強い炎症や痛みの症状が出ていたり、細菌感染を伴う症状が出ている場合、体温が急に上昇する場合もありますが、その後は体温が低下し死に至る場合もあるので、注意が必要です。
⑤トイレに失敗してしまう
老衰の症状の一つとして、トイレに失敗する回数が多くなるというものも挙げられます。泌尿器官の筋力・機能低下が主な原因ですが、筋力ではなく視力が低下していることで視覚的にトイレの位置が分からなくなっている可能性もあります。
- トイレまで我慢ができない
- 回数が増える
- 興奮すると尿漏れをする
- 排泄/排便に時間がかかる
安楽死のやり方はあるの?
安楽死は、完治しない病気の治療で愛犬が苦しまないように死を迎えさせてあげる方法です。愛犬のことを想うがために行う処置ですが、ネガティブなイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの章では、
- 犬の安楽死のやり方はある
- 老衰による犬の症状とは
犬の安楽死のやり方はある
犬の安楽死は、完治する可能性のない病気やケガによって愛犬がこれ以上苦しまないようにしてあげるための方法です。事前に麻酔薬を投与して意識をなくしてあげて、意識がなくなった後に心臓を止めるための薬を投与します。
犬が苦しむ事がないように細かな配慮をしながら処置されるので、苦痛を感じるようなことは基本的にないでしょう。
安楽死は医師から提案されるケースが多いですが、医師は決して見放そうとしているわけではありません。治療では犬を苦しめるだけで、今より良い状態になる見込みがなく医療技術ではなす術が何もないという、苦渋の決断をしています。
飼い主としては、苦しんでいる愛犬に何もしてあげられない悲しさや申し訳なさや絶望感を感じるかもしれません。
もちろん、安楽死を提案されたからと言って、絶対に受け入れる必要はないですが、どういう選択が今の愛犬を楽にしてあげられるのか、少しでも穏やかな気持ちで天国へ送ってあげられるか、などを考えるうえで一つの選択肢として考えられるようにしておくことが大切です。
老衰による犬の症状とは
犬が老衰になると様々な症状が見られます。可能な限り早い段階で気づくことが出来れば、より長く愛犬と楽しい時間を過ごせる時間が増えるかもしれません。
ここでは老衰の前期にみられる兆候症状をまとめました。
- 歩くスピードが遅い、段差や階段の上り下りが遅い
- 立ち上がるのに時間がかかる
- 寝ている時間が異常に長い・
- 脚や体が震えることがある
- 周囲への興味関心が低下している
- トイレでたまに失敗する、トイレの回数が増えたが量は減った(下痢や便秘も含む)
- 視力/聴力が低下、白内障を患う
- 食欲がない
- 被毛に潤いがない、白髪が増えてきた
犬の認知症の兆候とは?
ペットも人間同様、高齢になると認知症を患う可能性があり、12歳頃から疾患率が高くなると言われています。もし大切な愛犬が認知症になってしまったら、どういった症状があるのかあるいはどのように対応したらよいのでしょうか。
この章では、認知症の兆候として
- 徘徊する
- 鳴き続ける/吠える
①徘徊する
老犬になると昼寝の時間が長くなりますが、その影響で夜の行動が活発化します。特に認知症を患っていると徘徊する傾向が多くみられます。
白内障や緑内障などで視力が低い、あるいは目が見えない老犬は、徘徊中に壁や家具などに衝突をして怪我に繋がってしまうかもしれません。また夜中の徘徊は飼い主の睡眠を妨げ、心身ともに疲弊させる可能性が高いです。
そんな時は、ドッグサークルを使うのがオススメです。広く設置されたサークルを歩きまわっていると、犬は自然と疲れて寝てしまうので、犬も飼い主もお互いにストレスを軽減することが可能です。
また、昼間にお散歩などで運動をさせたり、日光を浴びせるなどすると、体内時計が調整されるので効果的ですよ。
②鳴き続ける/吠える
認知症が原因で鳴いたり吠える場合は、どんなにしつけが出来ている犬でも起こり得ます。個体差があるので一概には言えないですが、認知症が原因である場合は、抑揚がなく遠吠えに近い鳴き方が特徴的です。
普段寝ることが出来ていた夜中に寝れなくなってしまったり、寝る時間が異常に長くなったりすると、昼夜が逆転してしまうことによって夜になると吠えてしまうのです。
対策としては、獣医師の判断にはなりますが、睡眠導入剤を処方してもらう方法があります。とはいえ個々の体質差があるので、効果は100%とは言えません。そこまで効かない場合もあれば、逆に効きすぎて危険な状態になってしまう場合もあるので、獣医師とよく相談をした上で決めましょう。
死ぬ間際/看取りのときに飼い主にできること
老衰によって息を引き取る直前になると、飼い主ができることはかなり限られてきます。あまり考えたくはないかもしれないですが、もし愛犬の最期を確信したらどのように看取ってあげるか考えたことはありますか?
そこでこの章では、
- 意識/準備しておくべきこと
- 愛犬が亡くなったときにするべきこと
- 飼い主のペットロスを防ぐためのこと
意識/準備しておくべきこと
いよいよ愛犬との最期が近くなってきたら、以下の対応を意識しておきましょう。
- 蘇生・延命治療をするかどうか
- 最後まで明るい気持ちで懸命に介護・声掛けをする
- 安楽死の検討
愛犬が亡くなったときにするべきこと
愛犬が亡くなった後は、死後30日以内に死亡届を提出しましょう。悲しみのあまり忘れがちなのですが、死亡届を提出し忘れていると、愛犬がいなくなった後も狂犬病の予防接種案内が届いたり、場合によっては罰金を科せられてしまう可能性もあるので注意が必要です。
そして葬儀・埋葬の準備をしましょう。ペットが多くの家庭で家族同然の存在になった現代は、葬儀や埋葬方法も多様化しています。
- ペット霊園
- 自宅の庭に埋葬
- 行政に依頼
- 訪問・出張火葬業者に依頼
飼い主のペットロスを防ぐためのこと
ペットロスとは、ペットを亡くしたことによって急に涙が止まらなくなる・疲労感・不眠症といった症状を引き起こすことを言います。大切にしていたペットが亡くなって精神が不安手になることは不思議なことではありません。
愛犬が亡くなった後、「あのときもっとこうしてあげれば良かった」など後悔してしまう方も多数いらっしゃいます。しかしそれは亡くなられたペットにとってうれしい事ではないですし、少しでも後悔しないようにその時出来る事をしっかりやってあげる事が重要です。
それでも悲しさが止まらない時は、我慢せずとにかく泣いて、信頼できる友人などに話を聞いて貰うのが良いでしょう。そうやって精神を落ち着かせながら、傷ついてしまった心をゆっくりケアするのがオススメです。
まとめ:犬が老衰で死ぬ間際の症状とは?
今回の記事では、
- 犬が老衰で死ぬ間際の症状/年齢って?
- 安楽死のやり方はあるの?
- 犬の認知症の兆候とは?
- 死ぬ間際/看取りのときに飼い主にできること