犬は去勢後にどうなってしまうの?飼い主さんの不安を徹底解消!のサムネイル画像

雄犬は去勢後に挙動不審な行動に出がちです。急にご飯を食べなくなってしまったり、嘔吐したり、うんちしなくなってしまったり、うるさくなってしまったり。去勢後は変化が大きく、落ち着きがなくなってしまいます。またそれにも関わらず犬はマウンティング行為は行ったりします。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

目次を閉じる

犬は去勢後にどうなってしまうの?

今回のMOFFMEの内容は犬の去勢についてです。

犬が去勢すると
  1. マウンティング行為が減少する
  2. 集中力がアップ
  3. マーキング行為の減少
  4. 凶暴性や支配性が抑制される可能性がある
  5. メスを追いかけない
  6. 周囲の犬に狙われる危険がなくなる
  7. 肛門周囲の病気のリスク軽減
  8. 前立腺肥大のリスク軽減
等があげられます。

犬は去勢した方がいいのか飼い主の皆さん悩むここと思います。

今回は去勢したメリット、デメリットについて詳しくお話していきます。

愛犬のためにしっかりと確認して、毎日元気に過ごさせてあげましょうね!

犬の去勢後のストレス反応とは?


犬の病気のリスクを減らすため、去勢手術を考えている飼い主さんは沢山いるかと思います。

去勢手術は全身麻酔を使用しての大がかりな手術になるため、犬にとっては精神的にも体力的にも大きな負担になります。


術後の犬は体力が低下し気分も落ち込んでいるので適切なケアが必要になります。

飼い主さんの態度でも犬の気持ちは大きく変わりますので特に注意しましょう!


愛犬が自宅に帰ってきた時一番大切な事は

  • 飼い主さんは普段通りの態度に努める

になります。


術後の疲労により、犬の食欲が無くなったり排泄が普段通りに出来ない場合もあります。


そんな時飼い主さんが不安そうに見ていたり、過剰にかまってあげると逆に犬の不安を煽ってしまう場合があります。


術後はストレスと疲労で混乱状態になっているので、優しく受け入れてあげましょう。
普段通りの飼い主さんの声を聞くのが愛犬にとっては一番安心するはずです。


それでは具体的に去勢手術をした後の変化について詳しくお話していきますね。

①犬がうんちをしなくなる

手術後に犬がうんちをしなくなることがあります。


原因

原因としては、
  1. 術後により疲れで食欲がなく便が出ない
  2. 副交感神経遮断薬により、腸管の運動は抑制され便が出ない
  3. 傷口の痛みにより出ない
などが考えられます。

2日~3日便が出ないようなら特に問題はないでしょう。

ですが心配でしたら、一度動物病院で診てもらった方がいいかもしれませんね。

②性格が暴れる(噛む/足震える)

去勢手術は犬にとってとても体力を使います(人間も同じですね)

手術した後は過度なストレス、疲労からイライラして凶暴化になっている犬も珍しくありません。

普段はおとなしい犬でも吠える場合もります。


また、手術中飼い主さんと離れ離れにされ怖い思いをしているので飼い主さんに対しての不信感もあるかもしれません。

術後は混乱状態になることも多く、息が荒いなどの症状も見られます。

落ち着くまではそっとしてあげると良いでしょう。


無理に話しかけたり構わなくても大丈夫です。

手術の後は疲れているので、休ませてあげるのが良いですね。

わんちゃんの精神状態が落ち着くまでゆっくり待ってあげましょう。

③エリザベスカラーをかゆがる

去勢手術後にエリザベスカラーを付ける事がよくあります。


主な理由


犬が傷口を舐めたり触ったりしないようにするためです。
手術後は体の中にある生殖器にメスを使用し取り出すため、皮膚に傷が残ってしまいます。

犬に「傷が治るまで触らないでね!」
と言って分かれば苦労しないのですが、言葉が通じないわんちゃんは気になって舐めたり触ったりしますよね。

そこで獣医さんにエリザベスカラーを付けるように言われるのですが、これが犬にとっては中々ストレスなんですよね。

ずっと同じ所につけているので
  • 痒くなったり蒸れたりする
  • 視界が狭くなる
  • 音が聞こえにくい
  • 匂いを嗅ぎにくい
など様々なストレスを生じます。

ですがエリザベスカラーはとっても大切な役割をしています!
  1. 傷口に塗った薬を舐めれない痒い場所が掻けないため、掻きむしりによる二次感染を防ぐことが出来ます!
わんちゃんにとっては不快なエリザベスカラーですが、数日経つと慣れて気にならなくなるわんちゃんがほとんどなので、しっかりつけてあげましょう!

去勢後の変化:メリット

  • 性ホルモンが減るためオスの独占欲や闘争心が和らぐ
  • 病気を防げる
  • マーキングが減る
  • ストレスが減る
  • 望まない繁殖を防げる
  • 集中力があがる

などがあります。

去勢するメリットは様々です。
中でも病気のリスクを軽減することが出来るのは大きなメリットですよね。


頻繁に発情しなくなるのも犬にとってストレス軽減になります。

日常的に我慢しなくてよくなるので、毎日の生活を考えると気持ちも楽になりますね。


また、周囲のわんちゃんへの関心が低くなるため、集中力が上がることがあります。

①マウンティングが減少する

わんちゃんをみてみると面白い行動をとっていることがありませんか?

犬が人や犬に対して腰をくっつけてきたり、振ったりしている行為をマウンティングといいます。

マウンティング行為

  1. 本来は繁殖行動の際に行われる
    オスがメスの背中を前足で抱え、繁殖行為を行うために腰を振る動作
  2. 何か嬉しい事があるときの喜びや遊んでいるときなどに興奮しているという意味

になります。

性的行為以外にも、遊びたいときやかまってほしいときにも見られますよ。

去勢手術をするとマウンティング行為が減少するとの報告もあります。
ですが犬によって様々なため、現象傾向がみられない犬もいます。


手術したからと言って必ずともマウンティング行為が無くなるとは思わない方がいいかもしれませんね。

②暴力性が減って、おとなしいへ

最初に結論を言いますと、去勢後犬は何かしら性格に変化が現れます。

去勢によって変化したホルモンバランスの関係と言われています。
これらの変化は、生殖の能力が完成する前、早めに去勢手術をした犬の方が多いようです。

主に男性ホルモンの一種でもある【テストステロン】が低下し、凶暴性が少なくなるとの事です。


ですが、こちらは全ての犬に言い切れることではありません。
研究している一部の会社ではテストステロンと凶暴性とは関係していないとの意見もあるようです。

③前立腺関係の病気可能性減少

前立腺関係の病気はいくつかあります。

  1. 前立腺肥大
    男性ホルモンの作用で活性化される。
    年をとるとホルモンが過剰になり、ホルモンのバランスが崩れ前立腺の細胞が増殖して肥大します。

  2. 前立腺嚢胞(のうほう)
    前立腺が肥大し膨張すると前立腺の中にある嚢胞と呼ばれる部屋が出来てしまう場合があります。嚢胞が大きくなると便秘になったり、血尿が混じったりします。

  3. 前立腺炎・前立腺膿瘍
    尿道などを通じて外部から細菌感染し炎症を起こします。
    炎症部分が化膿すると腫れて前立腺膿瘍になります。
ですがいずれの病気も、去勢手術をすることにより予防することが出来ます。

病気になるリスクを防ぐためにも、早めに去勢手術をした方が良いかもしれませんね。

④肛門関係の病気可能性減少

肛門周囲線種という病気があるのをご存知ですか?


肛門周囲線種

ガンではなく良性腫瘍です。
かなり大きくなることもありますが治療で改善出来る事がほとんどです。

肛門の近くに発生する腫瘍で去勢することにより発生率を低下できます。

痛みなどがほとんどないため肛門周りに硬いしこりのようなものが出来たときに気づくことが多いです。

しかししこりに犬が気づきお尻を舐めたり擦ったりすると腫瘍表面がこすれ、出血や化膿します。犬が舐めない場合でもしこりがどんどん大きくなると同じ症状がみられます。

肛門周辺がぐじゅぐじゅになるので排便が困難になる可能性も出てきます。

肛門周囲線種は、男性ホルモンが大きく影響していると言われています。
老犬で去勢手術をしていない場合は一番危険です。

去勢手術によりリスクをだいぶ減らせるので、早いうちに去勢手術をしてあげましょうね。

去勢後の変化:デメリット


さて、それでは去勢のデメリットについてもお話します。


主なデメリットは

  • 子孫を残せなくなる
  • 食欲が増すことにより太りやすくなる
  • 手術するリスクを伴う
  • 手術費用がかかる(保険対象外)

になります。


手術はメスを入れる大手術になるのでわんちゃんの負担も大きいです。

また、去勢手術代は病院によって異なりますがおおよそ2万円~3万円ほどになります。


それではデメリットについて詳しくお話していきます。

メリットとデメリットを考えたうえで動物病院の獣医さんと相談してみるのもいいかもしれませんね。

①ぽっちゃりになるリスク

手術後、愛犬の体には一定の変化が起こります。


中でも最も大きいものが代謝の変化です。


去勢をすると代謝促進や食欲抑制を担うホルモン【テストステロン)が減少し、代謝が70%~80%落ちると言われています。


性ホルモンの分泌が低下し、その代わりに食欲が増加してしまうんですね。


そのため手術前と同じ量の食事をしているとぽっちゃりになってしまいます。

愛犬にしつけやご褒美でおやつをあげてる方も多いと思いますが、術前と変わらずあげるのはやめましょう。


可愛く上目使いで見つめられるとついついあげたくなってしまいますが、肥満は犬にとって非常に危険です。体重が増加すると関節症になったり、ガンになるリスクも増えます。

愛犬のため、肥満にならないよう適度に散歩と運動を取り入れてぽっちゃりを防ぎましょうね!

病院やネットでも避妊、去勢後の犬用ドックフードもありますのでそちらに切り替えるのも手です。


ですが必ず全ての犬が太るというわけではありません。元々食が細い子、太りにくい子もいます。

そういうわんちゃんには無理にカロリー制限する必要はありません。

ご自身のわんちゃんに合った方法を見つけていきましょう。

②縫合糸によるアレルギー

手術した後、傷口を糸で止めますよね。
縫合糸とは何でしょうか?


縫合糸とは

血管を縛ったりお腹を縫うときなど、手術の場面で使います。
こちらの縫合糸ですが、稀にわんちゃんによってはアレルギーを起こす場合があります。

また縫合糸肉芽腫という病気もあります。
様々な手術で使用する糸ですが、縫合により麻酔時間が長くなり手術後に縫合糸が残ってしまいます。

稀ですが身体には影響が出ない糸を使用しているにも関わらず、身体が異物に反応して
縫合糸肉芽腫という病気を引き起こす場合があります。

術後数か月~数年後に炎症を起こしたり、しこりを作り進行すれば皮膚に穴が開き排膿、出血してしまいます。

治療方法は手術で異物(縫合糸)を取り除くか、長期的に投薬を使用しての治療になります。

ですが、当たり前ですが病院側も最新の注意を払って手術をしております。
手術前にもきちんと説明をしてくれますので、このような病気になるのは稀です。

不安な事は事前にしっかり先生と相談しましょうね。

③エリザベスカラーがストレスになる可能性も

手術後はお医者さんからエリザベスカラーを付けるよう言われると思います。

ほとんどの犬が煩わしそうな様子だったり取り外したがりますよね。
「ご飯も食べにくそうだし、嫌がっていて可哀そう。。」そんな気持ちになる飼い主さんもいるかと思います。


犬がエリザベスカラーを付ける際のストレス

普段よりも情報を取りにくくなるからなんです。
顔には、目や鼻、耳など周りの情報を取り入れるために様々な感覚器が集まっています。

エリザベスカラーを付けることによって、
  • 視野が見えにくい、
  • 匂いが分かりにくい、
  • 音が聞こえずらい
など全ての感覚器に影響が出ます。そのため犬は恐怖とストレスを感じてしまうんですね。

手術後の愛犬のケアはどうすれば?


全身麻酔をする去勢手術は愛犬の体力も低下して気分も沈みがちになります。

愛犬が元通りに元気な姿を見せてくれるのは1週間~2週間が一般的です。

愛犬のために飼い主さんが出来るケアについてお話します。

去勢手術は日帰りで終わる場合とそのまま病院に泊まる場合があります。
病院によって異なりますので事前に確認しましょう。

手術後5時間~6時間程度で麻酔が切れます。

食事や水分を与えるのは麻酔が切れてからが良いでしょう。


水分は普段の半分くらいの量でも構いません。
愛犬のペースで飲ませてあげましょうね。


自宅でゆっくり休ませて、散歩なども控えてください。

できるだけ安静にしてあげる

手術後は出来るだけ普段通りに接してあげるのがいいでしょう。
愛犬がリラックス出来る空間を作ることが大切です。


身体だけでなく、精神的にも大きな負担がかかっています。
優しく声をかけてあげて、背中をさすってあげるなど愛犬にとって安らぎを与えてあげましょう。

散歩も嫌がる可能性があるので無理にいかなくて大丈夫です。


ですがここで注意すべき事は、過度に甘やかしてしまうことです。
普段と違う飼い主さんの行動に愛犬も戸惑ってしまう可能性があるかたです。

普段と変わらない態度を一貫し、愛犬にずっとそばにいる事を伝えてあげましょうね。

去勢手術は犬だけではなく、飼い主のみなさんにとっても初めてのことで不安も多いかと思います。


ですが飼い主さんの不安は愛犬にも伝わってしまうので、ドーンとかまえてあげてくださいね!

エリザベスカラーで感染症から保護

そもそもエリザベスカラーとは

首に着けるラッパのようなものです。

動物が傷口を舐めて細菌感染したり、傷口が広がらないようにするための保護器具です。


エリザベスカラーの必要性とは?

傷口の痛みや痒みにより、犬は舐めたり触ったりしてしまいます。

そうするとそこから細菌が入り、化膿してしまい傷口が広がります。

中には縫合糸を抜いてしまう子もいます。

糸を抜いてしまうと麻酔をして縫い直しが必要になります。

わんちゃんにとっては大きな負担ですよね。

エリザベスカラーをつけることによりリスクを減らすことが出来ますので装着が不可欠になりますね!


飼い主さんによっては嫌がっているわんちゃんに着けることに後ろめたさを感じるかたもいます。


ですが今は布でできた柔らかいタイプのエリザベスカラーやクッションタイプのものも販売しておりますので。わんちゃんの負担も最大限減らせますよ。


色々とみてわんちゃんに合うのを決めてくださいね!

スキンシップで落ち着かせてあげる

病院という慣れない環境で手術する事は愛犬にとって精神的な負担が大きいです。

無事手術が住んで愛犬が自宅に戻ってきたら、しっかりとスキンシップを取ってあげましょうね。

術後は性格が比較的穏やかになりやいです。
そのため飼い主さんに対しても甘えてくるわんちゃんが多いかもしれませんね。


頭をぐりぐりさせて甘えてきたら優しく接してあげましょう。
大好きな飼い主さんとのスキンシップがわんちゃんにとっては一番の安らぎでしょうね。

去勢後はメタボに注意!

いくつかの研究発表によると年齢と共に体重過剰の動物がいると知られています。


2歳以下だとわずかの体重過剰ですが、2歳を過ぎると増加し始め、6歳~8歳までが最も多いと言われているそうです。

つまり人間でいう中年太りという感じですね。
犬にも「メタボ」という言葉があるなんてなんだか面白いですね。


この時期に去勢手術をすると更に体重は増加します。


病気を予防するために去勢手術をしたのですからメタボになってしまったらやりきれない気持ちになりますよね。


去勢手術をするなら年齢が若いうちにした方がホルモンの影響は大きくありません。

メタボも犬にとっては病気の一つです。
肥満は早めに解決した方が良いですよね!


手術をした後は餌の量を調節して健康に過ごしましょう!

まとめ:犬は去勢後にどうなるの?

いかがでしたでしょうか。

今回は犬の去勢手術についてお話してきました。


この記事では

  • 犬がうんちをしなくなる
  • 性格が暴れる
  • エリザベスカラーを痒がる
  • 去勢のメリット
  • マウンティングが減少する
  • 暴力性が減って、おとなしいへ
  • 前立腺関係の病気可能性減少
  • 肛門関係の病気可能性減少
  • 去勢のデメリット
  • ぽっちゃりになるリスク
  • 縫合糸によるアレルギー
  • エリザベスカラーがストレスになる可能性も
  • 手術後の愛犬のケアはどうすれば?
  • 出来るだけ安静にしてあげる
  • エリザベスカラーで感染症から保護
  • スキンシップで落ち着かせてあげる
  • 去勢後はメタボに注意!

以上の解説をしています。


愛犬の去勢手術、飼い主さんにとっても大きな決断になるかと思います。

メリットとデメリットを伝えましたが、去勢することによって得られるものは非常に多いです。
一番は愛犬の病気のリスクを減らすことが出来ます。


信頼できる病院でしっかり相談して決めてくださいね。

いつまでも飼い主さんと愛犬が元気で幸せに暮らせるようお手伝い出来たら幸いです。


またMOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!