
信頼関係があったとしても何かの理由で飼い犬に噛まれることがあるかと思います。そんな時に正しい行動を取れている飼い主さんは少ないのではないでしょうか。この記事では、犬が人を噛む理由や噛まれた後の応急処置、噛まれたことによる病気を紹介します。
この記事の目次
目次を閉じる飼い犬に噛まれた!犬が人を噛む理由や噛まれた際の対処法を紹介
特別なことは何もしていないのに愛犬から噛まれた経験がある、という方は多くいるのではないでしょうか?
遊んでいる時であれば「興奮して噛みついたのかな?」と考えますが、それ以外の時でも噛んでくるなら何かしらの原因があるはずです。
そこで、今回のMOFFME記事では、犬に噛まれた理由を中心に役立つ情報を紹介していきます。
お送りする記事の内容はこちらです。
- 犬が人を噛む理由
- 犬に噛まれたことが原因となる病気
- 犬に噛まれた際の応急処置
犬が人を噛む理由を紹介
温厚な性格をしている愛犬に突然噛まれたりするとびっくりしてしまいますよね。
これといって何かしたわけでもないのになぜだろう、と不思議になると思います。
しかし、もしかすると文字通り何もしないことが原因のひとつになっているかもしれませんよ。
それは一体どういうことなのか、3つの項目に分けて解説します。
- 防衛本能
- 不満がある
- 神経やホルモン異常
犬が噛む理由①防衛本能
飼い主は悪気なくやっていることも犬からしてみれば、びっくりしたり恐怖を感じてしまうことがあります。
例えば、以下のようなものが当てはまります。
- 突然愛犬に触った
- 寝ている愛犬に触る
- 尻尾などを踏んでしまった
犬が噛む理由②不満がある
不満やストレスも愛犬が噛みつく原因になります。
- 散歩に行っていない
- 遊びの時間が短い
- 留守番などで愛犬を一人にさせることが多い
- 引っ越しなどで環境が急に変化した
犬が噛む理由③神経やホルモン異常
犬の病気によっては、症状の一つとして噛むこともあります。
噛みつくことが症状として現れる病気は以下のようなものです。
- 水頭症
- てんかん
- 甲状腺機能低下症
- 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
- 関節炎
- 常同障害
犬に噛まれたことが原因となる病気を紹介
犬に噛まれた時はケガだけではなく、病気にも十分注意するようにしてください。
あらゆる病気の中には「人獣共通感染症」という、動物からヒト、ヒトから動物へ感染する病気も存在しています。
今回は、犬から感染する病気の中から以下の3つを紹介していきます。
- 破傷風
- 狂犬病
- パスツレラ病
犬に噛まれた際の病気①破傷風
破傷風菌が人に感染することで起こる病気で、患部が赤くなったり息がしにくい、口の周りが痺れるなどの症状が現れます。
この菌は土の中にいるので、転んだり切り傷などがあるのに土をいじったりした時にも発症することがあります。
犬から感染するのは、犬が外で遊んでいたり散歩をしている時に土を舐めることが原因です。
破傷風菌がいる土を舐めた状態で噛みついたりすると、傷口から菌が浸入して感染する可能性があります。
犬以外だと猫やヘビなど、土に触れる機会がある動物は全て注意してください。
子供の頃に破傷風などのワクチンを打っていれば感染リスクは低くなるものの、ワクチンの効果は年を重ねるごとに弱くなるため安心とは言えません。
大人になってからでもワクチンを自費で打つことはできるので、必要だと感じたらワクチンの検討をしてみると良いでしょう。
犬に噛まれた際の病気②狂犬病
狂犬病に感染している動物に噛まれた時に発症する恐れのある病気です。
病名に「犬」という文字が入っているため、犬からしか感染しないと思いがちですが実際は哺乳動物なら全て感染する恐れがあります。
猫やコウモリ、アライグマなどの動物が感染源になることもあるため、犬だけ注意すれば良いというものではありません。
潜伏期間は1ヶ月ほどで、症状は以下の通りです。
- 頭痛
- 倦怠感
- 発熱
- 嘔吐
- 悪寒
- 食欲不振
- 幻覚症状
- 意識障害
- 意識の錯乱
- 臓器不全
犬に噛まれた際の病気③パスツレラ症
パスツレラ症は口腔内常在菌であるパスツレラ菌に感染することで発症します。
菌の保有率は猫の方が高く、70%~90%となっていますが、犬でも20%~50%保有しているため油断はできません。
パスツレラ菌に感染すると現れる症状は以下のようなものです。
- 激痛を伴う腫れ(感染から30分~1時間後)
- 皮膚の炎症
- 腱鞘炎
- 化膿性関節炎
- 骨髄炎
- 壊死性筋膜炎
- 呼吸器感染症
犬に噛まれた際の応急処置を紹介

ここからは、犬に噛まれた時にやってほしい応急処置の方法を解説していきます。
一連の流れは以下の通りです。
- 犬から静かに離れる
- 噛まれた箇所を水で洗う
- 出血した場合は病院へ行く
傷口をそのままにしていると感染症の恐れがあるため、放置だけはしないようしましょう。
野良犬はもちろんですが、ペットとして飼われている犬も様々な菌を保有しているので、きちんと対処するようにしてください。
また、この応急処置は猫などの動物に噛まれた時にも有効な方法です。
犬だけではなく動物に噛まれた時は必ず行うにしてくださいね。
犬に噛まれた際の応急処置①犬から静かに離れる
噛んできた犬に対して大声を出したり暴れるなどして騒ぐ行為は逆効果です。
攻撃がひどくなることもありますし、大袈裟に騒ぐことで「喜んでくれている」と勘違いしてさらに噛むようになることもあります。
そのため、噛まれた時は犬を構ったりせずにそっと離れしましょう。
もし犬が噛みついたまま放してくれない時は、静かに叱るか無視するようにしてください。
身を引いて無理に引き抜こうとすると犬歯が食い込んでしまう恐れがあるため、自分の方に引き寄せるのはおすすめしません。
周りに誰かいる場合は、口を開かせるのを手伝ってもらうのも良いでしょう。
どちらの方法であっても冷静に対処することが大切ですよ。
犬に噛まれた際の応急処置②噛まれた箇所を水で洗う
噛まれた箇所はすぐに水で洗い流してください。時間は5分程度で、必ず流水で洗うようにしましょう。
洗面器などに溜めた水で洗うと、一度は水に菌が広がりますがまた傷口に戻ってきてしまいます。
目に見えないため分かりにくいですが、洗っても意味がなくなるので必ず流水で洗ってくださいね。
出血がある場合は、清潔なガーゼやタオルなどを患部に当ててグッと強く圧迫して止血をします。
消毒液は必要ありませんが、どうしても気になる方は使用しても問題ないです。
犬に噛まれた際の応急処置③出血した際は病院へ
出血している場合は、救急外来を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。
病院では傷口の洗浄と軽傷なら軟膏や抗菌薬などが使用されます。
必要であればワクチン接種をしたり、ケガがひどい場合はレントゲン検査をすることもあります。
状態によっては手術が必要になることもあるため、少しでもおかしいと思ったらすぐに病院へ行くようにしてください。
また、出血していなくてもかゆみや痛みが出たり、息苦しさを感じたりする時は病院で診てもらうと良いでしょう。
例え家の中で飼っている犬だとしても、様々な病検体を持っていることに変わりはありません。
特に高齢者や基礎疾患がある方、免疫力の落ちている方は重症化しやすいので、きちんと治療してもらってくださいね。
まとめ:迷ったらすぐに病院へ行こう
- 防衛本能や不満から噛みつくことがある
- 噛む以外にも明らかな異常が見られる場合は病気やケガを疑おう
- 人に感染する病気に気を付けよう
- 死亡率の高い病気もあるため油断はNG!
- 傷口は流水で洗い、出血がある時はすぐに病院へ