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信頼関係があったとしても何かの理由で飼い犬に噛まれることがあるかと思います。そんな時に正しい行動を取れている飼い主さんは少ないのではないでしょうか。この記事では、犬が人を噛む理由や噛まれた後の応急処置、噛まれたことによる病気を紹介します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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飼い犬に噛まれた!犬が人を噛む理由や噛まれた際の対処法を紹介

特別なことは何もしていないのに愛犬から噛まれた経験がある、という方は多くいるのではないでしょうか?


遊んでいる時であれば「興奮して噛みついたのかな?」と考えますが、それ以外の時でも噛んでくるなら何かしらの原因があるはずです。


そこで、今回のMOFFME記事では、犬に噛まれた理由を中心に役立つ情報を紹介していきます。


お送りする記事の内容はこちらです。

  • 犬が人を噛む理由
  • 犬に噛まれたことが原因となる病気
  • 犬に噛まれた際の応急処置
犬に噛まれた理由を知って終わりにするのではなく、噛まれることの危険性もこの機会に覚えていきましょう。

知識として覚えておけばいざという時に素早く対処することもできます。

お互いが安心して暮らしていくためにも必要なことですので、最後まで見てみてくださいね。

犬が人を噛む理由を紹介

温厚な性格をしている愛犬に突然噛まれたりするとびっくりしてしまいますよね。


これといって何かしたわけでもないのになぜだろう、と不思議になると思います。


しかし、もしかすると文字通り何もしないことが原因のひとつになっているかもしれませんよ。


それは一体どういうことなのか、3つの項目に分けて解説します。

  • 防衛本能
  • 不満がある
  • 神経やホルモン異常
子犬であれば乳歯が生え、しばらくすると永久歯に生え変わります。

この時にむず痒さを感じて噛むことがありますが、そういった理由ではないのでしたら上の3つが当てはまります。

噛み癖がひどくなると第三者にまで危害を加えてしまう恐れもあるので、今のうちに理由を知って早めに対処していくようにしましょう。

犬が噛む理由①防衛本能

飼い主は悪気なくやっていることも犬からしてみれば、びっくりしたり恐怖を感じてしまうことがあります。


例えば、以下のようなものが当てはまります。

  • 突然愛犬に触った
  • 寝ている愛犬に触る
  • 尻尾などを踏んでしまった
身の危険を感じると防衛本能が働き、反射的に噛みつくなどの攻撃をしてきます。

ただ触っただけと思うかもしれませんが、声もかけずに後ろからいきなり触られたら人間でもびっくりしてしまいますよね。

犬も同じように驚いて反射的に噛みついてしまうので、突然触るのはやめた方が良いです。

また、怒鳴ったり叩いたりといった体罰のようなしつけの仕方も、愛犬が噛む原因になります。

身体的な痛みや恐怖心からさらに噛み癖がひどくなることもありますし、適切なしつけとも言えないのですぐに止めましょう。

以上のケースに心当たりがあるのでしたら、触る時は必ず声をかけることを意識したり足元をしっかり確認しながら歩くようにしてみてください。

同時に、噛み癖がひどくならないように獣医師に相談したりしてきちんとしたしつけを行っていきましょう。

犬が噛む理由②不満がある

不満やストレスも愛犬が噛みつく原因になります。

  • 散歩に行っていない
  • 遊びの時間が短い
  • 留守番などで愛犬を一人にさせることが多い
  • 引っ越しなどで環境が急に変化した
必ずしもストレスなどを感じたらすぐに噛むというわけではなく、溜まりに溜まったストレスがちょっとしたことで爆発して噛むようになります。

散歩も遊びも短いと、満足に体を動かせないため運動不足にも繋がります。

健康にも良くないので、毎日適度に運動できる時間を作ってあげてくださいね。

他にも、何か催促要求している時に噛みついたりもします。

噛まれないために催促や要求を叶えていると、犬は「噛めば何かしてくれる」と学習し、どんどんエスカレートしていきます。

ひどくなることはあっても改善することはないので、何でもかんでもやってあげるのは避けた方が良いでしょう。

犬が噛む理由③神経やホルモン異常

犬の病気によっては、症状の一つとして噛むこともあります。


噛みつくことが症状として現れる病気は以下のようなものです。

  • 水頭症
  • てんかん
  • 甲状腺機能低下症
  • 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
  • 関節炎
  • 常同障害
病気によっては何もしていない時に突然噛みついてくるものもあります。

あまりに突然のことだとびっくりして怒ったりしてしまいますが、とくに思い当たる原因がない場合は他にもおかしなことはないか観察してみてください。

例えば、左右の瞳孔のサイズが違っていたり足元がふらつく、多飲多尿などです。

病気によって症状に違いはありますが、明らかな異常が確認された場合はすぐに動物病院で診てもらいましょう。

上で挙げた病気ではなく、他の病気やケガをしている時に患部に触ることで噛みつくこともあります。

これは痛い場所、触れてほしくない場所を触ってしまったことが原因です。

ケガをした部分などは極力触らないようにしてくださいね。

犬に噛まれたことが原因となる病気を紹介

犬に噛まれた時はケガだけではなく、病気にも十分注意するようにしてください。


あらゆる病気の中には「人獣共通感染症」という、動物からヒト、ヒトから動物へ感染する病気も存在しています。


今回は、犬から感染する病気の中から以下の3つを紹介していきます。

  • 破傷風
  • 狂犬病
  • パスツレラ病
これらの病気の中には、感染すると100%死亡するものもあります。

滅多に感染するものではありませんが、野良犬が近くにいたり触れ合う機会があるなら気を付けるようにしてください。

また、下記に応急処置の方法も解説しているので、併せて読んでみてくださいね。

犬に噛まれた際の病気①破傷風

破傷風菌が人に感染することで起こる病気で、患部が赤くなったり息がしにくい、口の周りが痺れるなどの症状が現れます。


この菌は土の中にいるので、転んだり切り傷などがあるのに土をいじったりした時にも発症することがあります。


犬から感染するのは、犬が外で遊んでいたり散歩をしている時に土を舐めることが原因です。


破傷風菌がいる土を舐めた状態で噛みついたりすると、傷口から菌が浸入して感染する可能性があります。


犬以外だと猫やヘビなど、土に触れる機会がある動物は全て注意してください。


子供の頃に破傷風などのワクチンを打っていれば感染リスクは低くなるものの、ワクチンの効果は年を重ねるごとに弱くなるため安心とは言えません。


大人になってからでもワクチンを自費で打つことはできるので、必要だと感じたらワクチンの検討をしてみると良いでしょう。

犬に噛まれた際の病気②狂犬病

狂犬病に感染している動物に噛まれた時に発症する恐れのある病気です。


病名に「犬」という文字が入っているため、犬からしか感染しないと思いがちですが実際は哺乳動物なら全て感染する恐れがあります。


猫やコウモリ、アライグマなどの動物が感染源になることもあるため、犬だけ注意すれば良いというものではありません。


潜伏期間は1ヶ月ほどで、症状は以下の通りです。

  • 頭痛
  • 倦怠感
  • 発熱
  • 嘔吐
  • 悪寒
  • 食欲不振
  • 幻覚症状
  • 意識障害
  • 意識の錯乱
  • 臓器不全
初期症状は風邪と似ていますが、進行すると幻覚や全身麻痺、臓器不全などの症状が現れるようになります。

致死率は100%と非常に恐ろしい病気で、日本では飼い犬には狂犬病のワクチン接種をするように義務付けられています。

そのため、日本での感染や死亡例は聞かなくなりましたが、野良の犬猫や海外の場合は話が別ですので十分注意しましょう。

万が一野良の犬猫に噛まれた時は、病院に行って診てもらうことをおすすめします。

犬に噛まれた際の病気③パスツレラ症

パスツレラ症は口腔内常在菌であるパスツレラ菌に感染することで発症します。


菌の保有率は猫の方が高く、70%~90%となっていますが、犬でも20%~50%保有しているため油断はできません。


パスツレラ菌に感染すると現れる症状は以下のようなものです。

  • 激痛を伴う腫れ(感染から30分~1時間後)
  • 皮膚の炎症
  • 腱鞘炎
  • 化膿性関節炎
  • 骨髄炎
  • 壊死性筋膜炎
  • 呼吸器感染症
人体に侵入したからといって必ず上のような症状が現れるわけではありません。

無症状の方もいますが、疲れや糖尿病などで免疫力が落ちている場合は重症化する可能性があるため、気を付けないといけません。

破傷風や狂犬病とは違ってワクチンもないため、飼い主自身が普段から予防対策をしていくことが大切です。

犬に噛まれた際の応急処置を紹介


ここからは、犬に噛まれた時にやってほしい応急処置の方法を解説していきます。


一連の流れは以下の通りです。

  • 犬から静かに離れる
  • 噛まれた箇所を水で洗う
  • 出血した場合は病院へ行く

傷口をそのままにしていると感染症の恐れがあるため、放置だけはしないようしましょう。


野良犬はもちろんですが、ペットとして飼われている犬も様々な菌を保有しているので、きちんと対処するようにしてください。


また、この応急処置は猫などの動物に噛まれた時にも有効な方法です。


犬だけではなく動物に噛まれた時は必ず行うにしてくださいね。

犬に噛まれた際の応急処置①犬から静かに離れる

噛んできた犬に対して大声を出したり暴れるなどして騒ぐ行為は逆効果です。


攻撃がひどくなることもありますし、大袈裟に騒ぐことで「喜んでくれている」と勘違いしてさらに噛むようになることもあります。


そのため、噛まれた時は犬を構ったりせずにそっと離れしましょう。


もし犬が噛みついたまま放してくれない時は、静かに叱るか無視するようにしてください。


身を引いて無理に引き抜こうとすると犬歯が食い込んでしまう恐れがあるため、自分の方に引き寄せるのはおすすめしません。


周りに誰かいる場合は、口を開かせるのを手伝ってもらうのも良いでしょう。


どちらの方法であっても冷静に対処することが大切ですよ。

犬に噛まれた際の応急処置②噛まれた箇所を水で洗う

噛まれた箇所はすぐに水で洗い流してください。時間は5分程度で、必ず流水で洗うようにしましょう。


洗面器などに溜めた水で洗うと、一度は水に菌が広がりますがまた傷口に戻ってきてしまいます。


目に見えないため分かりにくいですが、洗っても意味がなくなるので必ず流水で洗ってくださいね。


出血がある場合は、清潔なガーゼやタオルなどを患部に当ててグッと強く圧迫して止血をします。


消毒液は必要ありませんが、どうしても気になる方は使用しても問題ないです。

犬に噛まれた際の応急処置③出血した際は病院へ

出血している場合は、救急外来を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。


病院では傷口の洗浄と軽傷なら軟膏や抗菌薬などが使用されます。


必要であればワクチン接種をしたり、ケガがひどい場合はレントゲン検査をすることもあります。


状態によっては手術が必要になることもあるため、少しでもおかしいと思ったらすぐに病院へ行くようにしてください。


また、出血していなくてもかゆみや痛みが出たり、息苦しさを感じたりする時は病院で診てもらうと良いでしょう。


例え家の中で飼っている犬だとしても、様々な病検体を持っていることに変わりはありません。


特に高齢者や基礎疾患がある方、免疫力の落ちている方は重症化しやすいので、きちんと治療してもらってくださいね。

まとめ:迷ったらすぐに病院へ行こう

あまり気にしていない方もいますが、犬はいろいろな菌を保有している動物です。

野良犬はもちろん、ペットとして飼われている犬も菌を持っているため「いつも清潔にしているから大丈夫」と油断しないようにしましょう。

では、ここで今回の記事の内容をまとめていきます。
  • 防衛本能や不満から噛みつくことがある
  • 噛む以外にも明らかな異常が見られる場合は病気やケガを疑おう
  • 人に感染する病気に気を付けよう
  • 死亡率の高い病気もあるため油断はNG!
  • 傷口は流水で洗い、出血がある時はすぐに病院へ
噛まれたからといってすぐに症状が出るとは限りません。

時間が経ってからでも異変が現れた時は、すぐに病院を受診することを頭に入れておいてくださいね。

またMOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!