猫のペット保険で最も請求が多い疾病は「下痢」です。その理由は、猫は水をあまり飲まないため、腹痛や消化不良から下痢を引き起こしやすいためです。ほとんどのペット保険で下痢は補償対象のため、今回はお腹が弱い犬・猫におすすめのペット保険を紹介していきます。
この記事の目次
目次を閉じるペットが下痢になってしまったときの対処法とは?症状や予防法と、補償されるペット保険について解説
ペットが下痢を起こした場合、つらそうにしているペットを見ているのはかわいそうですよね。話すことができないペットの症状は、飼い主がチェックしなければなりません。
愛するペットがつらいと思っていても、気づけないことは飼い主として避けたいものですよね。
ペットが下痢になった時、抗がん剤や重大な病気が原因の可能性を疑う飼い主は少ないかもしれません。
今回「MOFFME」では、
- ペットの下痢の症状
- ペットが下痢を起こす原因
- ペットの下痢の治療方法と治療費
- ペットの下痢の予防法
- 下痢を補償してくれるペット保険はあるか
について解説します。
下痢は身近な症状のため、もしかしたら軽視している飼い主もいらっしゃるかもしれません。
下痢を補償してくれるペット保険についても紹介しますので、この記事を読んでペットが下痢になった時に正しい行動ができるようにしましょう。
MOFFMEではペット保険の一括比較ランキングを紹介しているので気になる方はぜひご確認ください。
ペットの下痢ってどんな症状?犬・猫・ハムスターの下痢の症状とは
「下痢」とは一般的に、水分量が80%以上の便のことを言います。通常、便に含まれる水分量は60〜80%程度です。
水分量が80〜90%程度であれば軟便、90%以上であれば水様便(すいようべん)と呼ばれます。下痢の症状としては人間と同様、犬や猫、ハムスターなども同じです。
通常の便は、持ち上げることができるくらいの固さだと思いますが、持ち上げた時に崩れるような便であれば下痢と判断しましょう。
また形がしっかりしていても、便の表面にゼリー状の粘液を伴っているケースや、血が混じっている血便の場合もあります。
他にも、排便の回数が増える、いきんでも便が出ない、お腹からキュルキュル音がするなど、普段と違う便を何度も繰り返すようであれば、病院を受診しましょう。飼い主が日頃からペットの便をチェックしてあげることで、健康状態を把握することができます。
もちろん、正確な症状を診断するには、動物病院での排便検査が必要になることを覚えておいてください。
動物病院を受診するにあたっては、下痢の他に震えや嘔吐がないか、元気や食欲はあるかなども注意して見ておきましょう。他の様子もチェックしておくことで、下痢の原因を推測しやすくできるかもしれません。
ペットが下痢を起こす原因は?ストレスや消化不良から、胃腸炎・感染症まで
ペットが下痢を起こす原因はどんなものがあるのでしょうか?
人間であれば、食べたものを思い出したり、他の症状がないかなど、原因を考えることは難しくないかもしれません。
しかし、話すことができないペットのことは飼い主がチェックする必要があります。
ペットが下痢を起こす原因としては、単純な消化不良や食べ過ぎのほか、病気やストレスが原因の可能性もあります。
また、散歩中飼い主が目を離したスキに拾い食いをしても下痢の原因となります。
元気で食欲もあればそれほど心配することはないかもしれませんが、下痢を繰り返すようであれば病院での検査が必要です。
病院でしっかりと状況を伝えられるよう、食欲や便の回数、震えや嘔吐など他の症状がないかなどよくチェックしましょう。
ここでは、
- 下痢の理由が病気の場合
- 食べてはいけないものを食べ過ぎて、下痢を起こしている場合もある
- 生活ストレスが原因の場合も
- ペットが下痢を繰り返す場合は、まずは検査へ
について解説します。
下痢の理由が病気の場合
病気が原因で下痢を起こすことがあります。ここでは、下痢を起こす病気の例として
- 分離不安症
- 鞭虫症
- ヘルペス感染症
- 蛋白漏出性腸症
について解説します。
分離不安症
分離不安症とは、ペットが飼い主と離れて過ごすことで不安になり、精神的・肉体的な不調に起因するストレスが原因で様々な問題行動を起こす症状のことです。
過去につらい実体験をしたり、保護施設など人がたくさんいる中で育ったりすると過剰なストレスを感じることがあるようです。
他にも、飼い主が不在の時に部屋を荒らす、家具等を壊す、トイレ以外で排泄するなどの行動が見られます。
分離不安症の治療としては、行動療法(いわゆる「しつけ」)と合わせて、ひどい場合は薬物療法が試みられることもあります。
▼分離不安症について詳しく知りたい方はこちら
【獣医師監修】犬の分離不安症とは?原因や症状、対策、予防法を解説
鞭虫(べんちゅう)症
鞭虫症とは、寄生虫の一種である鞭虫が消化管に寄生することによって引き起こされる病気です。寄生数が少なければ症状が出ることはありませんが、多く寄生されていた場合は注意が必要です。
鞭虫症の原因は、鞭虫の成熟した卵(鞭虫卵)を体内に取り入れてしまうことです。
下痢のほか、血便、腹痛、貧血、体重減少、脱水症状が見られる場合は必ず病院を受診しましょう。
便が出なくても、頻繁に排便の姿勢を取っている場合は鞭虫症を疑ってもいいかもしれません。
▼鞭虫(べんちゅう)症について詳しく知りたい方はこちら
【獣医師監修】犬の鞭虫症とは?原因から症状、治療法まで解説!
ヘルペス感染症
ヘルペス感染症とは、生後2〜3週間の子犬がイヌヘルペスウィルスに感染する病気のことです。
感染する原因ははっきりとは分かっていませんが、胎内での感染や出産時に産道で感染するケースが最も多いようです。
ヘルペス感染症の場合は、水のような下痢を起こすことがあります。他にも、食欲減退、呼吸困難、嘔吐、元気がないなどの症状があった場合は必ず病院を受診しましょう。
▼ヘルペス感染症について詳しく知りたい方はこちら
【獣医師監修】犬のヘルペスとは?原因から症状、治療法まで解説!
蛋白漏出性腸症(たんぱくろうしゅつせいちょうしょう)
蛋白漏出性腸症とは、腸の粘膜から腸管腔へと血漿(けっしょう)蛋白質が異常に漏出する病気で、慢性の炎症性腸疾患(IBD)が原因で起こります。
下痢は水っぽい下痢をすることが多いです。下痢や嘔吐が続くとしっかり栄養を摂ることが難しくなり、体重の減少や脱水につながるため注意が必要です。
腹水や胸水、皮下浮腫がある場合はすぐに病院を受診しましょう。
▼蛋白漏出性腸症について詳しく知りたい方はこちら
食べてはいけないものを食べ過ぎて、下痢を起こしている場合もある
下痢の原因として、食べてはいけないものを食べた可能性もあります。人間の食べ物でも、ペットに害を及ぼす可能性がある食べ物をご存知でしょうか。
環境省の「飼い主のためのペットフード・ガイドライン 〜犬・猫の健康を守るために〜」によると、犬や猫に与えてはいけないものとして
が書かれています。
出典:「飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~」(環境省)
ペットが可愛くて、つい人間の食べ物をあげたくなる気持ちもあると思いますが、ペットのためを思ってガマンしましょう。
生活ストレスが原因の場合も
下痢の原因が、ストレスであるケースもあります。犬にとってのストレスは、心理的ストレスと肉体的ストレスの2つに分かれます。
心理的ストレスを感じる理由には、長時間の留守番、引っ越しなどによる環境の変化、家族が増えるなどがあります。
肉体的ストレスを感じる理由は、部屋が狭い、散歩に行かない、過度な運動などがあります。
ペットが下痢を繰り返す場合は、まずは検査へ
ペットが下痢を繰り返す場合は、病院へ連れて行きましょう。
病院に連れて行くかどうか迷うような場合は、病院に電話して症状を伝えることで指示をしてもらえるかもしれません。軟便など下痢の症状が軽かったり、下痢以外の症状がなかったりする場合は、様子を見ていてもいいかもしれません。
しかし、腹痛を伴ったり何度も下痢を繰り返したりする場合は、単なる食べ過ぎなどではなく病気の可能性もあります。
病院で排便検査を受けることで病気の早期発見につながりますし、もし病気でなくても安心できますよね。何度も下痢を繰り返す場合は、病院で検査を受けることをオススメします。
治療費が心配であれば、下痢を補償してくれるペット保険もあります。事前にペット保険に加入しておけば、治療費が高額になっても安心して治療を受けられますよ。
ペットの下痢の治療方法は?治療費はどれくらいかかるか解説!
ペットが下痢を起こした時、飼い主としてできる治療方法はあるのでしょうか?
もし家での対処で下痢が治らない場合は病院を受診することになるでしょう。もし病院を受診することになれば、治療にかかるお金も気になると思います。
下痢の初期の治療法として、12時間〜24時間程度食事を抜く絶食があります。しかし、子犬や子猫の場合は絶食回数は1回にするなど、注意が必要です。
また、絶食後に食事を与える際も、少しずつ様子を見ながら与えるようにしましょう。
下痢の原因が重大な病気などでない限り、治療費はそんなにかさむことはないでしょう。
しかし、何度も繰り返すなど慢性的な下痢の場合は通院費が負担になることもあります。そんな時にペット保険が役に立ちます。
ここでは、
- 下痢の対処法として、絶食し様子を見る方法がある
- 治療費はそこまで高くないが、全病気中で1番、ペット保険で補償される病気
について詳しく解説します。
下痢の対処法として、絶食し様子を見る方法がある
ペットが下痢になった場合、絶食をして様子を見るのも効果的な対処法の一つです。消化不良や食べ過ぎなどの単純な下痢の場合、絶食で回復することがあります。
絶食を試すかどうかの判断として、
- 元気で食欲もある
- 排便の回数がいつもと同じか少し多い
- 便に血液やゼリー状のものが付着していない
であれば、絶食で様子を見てもいいでしょう。
絶食する期間は24時間以内とし、絶食中でも水は必ず与えなければいけません。
また、絶食中は水分だけでなくミネラルなども不足しますので、ナトリウムやカリウム、当分を含んだスポーツドリンクを利用するのも良いでしょう。
子犬や子猫、小動物は絶食により衰弱する可能性もあるので、食事を抜くのは1回だけにするなどの注意が必要です。
絶食後は、少量のフードを水やお湯でふやかして与えます。様子を見ながら、4日〜5日かけて元の量に戻しましょう。元に戻す際、人間の整腸剤であるビオフェルミンやエビオス錠を与えると、早く治ります。
治療費はそこまで高くないが、全病気中で1番、ペット保険で補償される病気
下痢の治療費自体はそこまで高くありませんが、下痢で病院を受診した多くの方がペット保険で補償されています。
下痢の治療費は、食べ過ぎなど単純なものであれば数千円とそれほど高くありませんが、ペット保険の補償対象となる場合があります。ペット保険に加入していれば、受診にかかった治療費を補償してもらえるという安心感があります。
受診するかどうか迷うような症状であっても、治療費の心配なく受診できるのは飼い主にとってもペットにとっても安心できますね。
ペット保険のアイペット損保による調査では、何の病気により保険金が請求されているかを知ることができます。
年齢別の保険金請求が多い傷病のランキングでは、犬猫ともに0歳で下痢による補償の件数が一番多い結果となっています。
0歳の補償が多い理由としては、子猫や子犬のうちでは、まだ消化器が成長しきっていないため、環境や食事の影響を受けやすいことが多いようです。
出典:【ペット保険のアイペット】ペットの傷病、犬は「皮膚炎」猫は「下痢」が最多 年齢ごとに注意すべき傷病とは!? ~ペットの保険金請求が多い傷病のランキング2019~(アイペット損保プレスリリース)
犬の保険金請求が多い疾病ランキング | 0歳 | 1歳~6歳 | 7歳以上 |
---|---|---|---|
1 | 下痢 | 皮膚炎 | 皮膚炎 |
2 | 外耳炎 | 外耳炎 | 腫瘍 |
3 | 皮膚炎 | 胃腸炎 | 心臓病 |
4 | 異物誤飲 | 異物誤飲 | 歯周病 |
5 | 胃腸炎 | 下痢 | 外耳炎 |
猫の保険金請求が多い疾病ランキング | 0歳 | 1歳~6歳 | 7歳以上 |
---|---|---|---|
1 | 下痢 | 皮膚炎 | 腎臓病 |
2 | 結膜炎 | 膀胱炎 | 腫瘍 |
3 | 皮膚炎 | 腎臓病 | 心臓病 |
4 | 異物誤飲 | 心臓病 | 皮膚炎 |
5 | 胃腸炎 | 異物誤飲 | 膀胱炎 |
ペットの下痢の予防方法は?
下痢を起こすとペットも飼い主も辛いですよね。ここでは、そもそも下痢を起こさないための予防法を紹介します。
一般的な下痢は、フードやおやつが合わないなど、食事が原因であることが多いです。食べ物で下痢を起こしやすい場合は、少しずつ切り替えましょう。
はじめは、今食べているフードに新しいフードを少し混ぜてみて、1週間ほどかけて新しいフードの比率を増やしていく方法を行えば安心です。
食べてはいけないものを口に入れないようにしましょう。散歩中の拾い食いなどは大変危険ですので、リードを短く持ち異物に近づかないようにするなど、飼い主も注意が必要です。
また、自宅でもフードやおやつ以外のものを口に入れないように注意しましょう。
精神的なストレスの影響を受けやすい場合は、環境の変化などに注意しましょう。
引っ越して家が変わったり、長時間の留守番をしたりすると、それが原因で下痢を起こす場合があります。
ウイルスや寄生虫感染による下痢は定期的なワクチン接種や駆虫で予防できます。病院と相談しながら、計画的な予防を行いましょう。
下痢を補償してくれるペット保険はある?
ペットが下痢で病院を受診しても、ペット保険に加入していればほとんどの場合、補償を受けられます。
保険会社やプランによりますが、下痢による受診の通院費や入院費、手術費などが対象になります。ペット保険の補償を受けるには、加入前に補償の対象となるかよく確認しましょう。
ワクチン等の予防接種で予防できる病気による下痢の場合は、補償の対象外となる場合もあります。
また、下痢の症状で排便検査などを受けたら重大な病気だったというケースもあります。下痢を起こしたら、他の症状がないかチェックしましょう。
ここでは、
- ほとんどのペット保険で、下痢は補償される
- 下痢は、もっと重大な病気のサインの可能性があるため、要注意!
について詳しく解説します。
ほとんどのペット保険で、下痢は補償される
保険会社や加入プランにもよりますが、下痢を理由とした通院や入院、手術にかかった費用は、ほとんどのペット保険で補償されます。
ただしペット保険は、病気になってからではなく「何かあった時のために備える」という考え方が基本です。
例えば、慢性的な下痢が続いているから、治療費の負担を軽くするためにペット保険に加入しても、加入前から続いている下痢に対しては補償対象外となる場合があります。
他に補償対象外となるケースとしては、通院が補償対象外のプランに加入していたという可能性もあります。
下痢になった時でも、治療費のことを心配せずに受診できるようペット保険に加入しておくことは安心につながります。ペット保険に加入する際は、何が補償対象になるのかをしっかり確認しましょう。
下痢は、もっと重大な病気のサインの可能性があるため、要注意!
例えば、体の免疫を担うリンパ球ががん化するリンパ腫のうち、消化管のリンパ組織やリンパ節が腫れる「消化器型リンパ腫」では、下痢や嘔吐、食欲不振などの症状が見られます。
また、抗がん剤を使用している場合も、消化管粘膜の細胞が壊れることで食欲低下や吐き気、下痢といった症状が現れるケースがあります。
このように、下痢はもっと重大な病気の可能性もあります。
ペットが下痢を起こした時は、震えや嘔吐など他の症状がないか、血が混じっていないかなどを良くチェックして、上記のような重大な病気の可能性を見逃さないであげて下さい。
まとめ:ペットが下痢になったら、必ず検査に連れて行こう
下痢は、いろいろな原因があって重大な病気のサインであることもお伝えしてきました。
最後に、これまで紹介してきた内容を纏めました。
- 下痢を起こしたら、他の症状がないかチェック
- 正確な診断には動物病院での排便検査が必要
- 下痢の原因は単純なものから病気までさまざま
- ペットにストレスを与えないように注意
- 下痢を繰り返す場合は病院へ
- 絶食中でも、水は必ず与える
- 下痢はペット保険で一番補償されている病気
- 下痢は重大な病気のサインの可能性も
通院を繰り返したり、入院や手術にかかる治療費を負担に感じることもあるかもしれません。
事前にペット保険に加入しておけば、受診のハードルを下げて治療の選択肢を増やすことができます。
言葉を話せないペットのことを守ってあげられるのは飼い主だけです。少しでも様子がおかしいと思ったら病院で検査を受けましょう。
MOFFMEでは、他にも様々なペットやペット保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください。