野良猫はいつ親離れをするの?母猫が子猫から離れる子離れの時期や問題行動のサムネイル画像

内容をまとめると

  • 猫の親離れは生後6か月には終わっていることが多い
  • 親離れに失敗すると「分離不安」「ウールサッキング」を引き起こす可能性がある
  • 飼い猫と野生の猫の親離れの状況は全く異なる
  • 猫の精神状態が悪化した場合、動物病院に連れて行くことが大切
  • 猫の医療費は保険適用されないので、もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと安心

とても仲良さそうに寄り添う野良猫の親子を目にしたことがある方もいるかもしれません。ですが、猫はある時期になると『親離れ』と言って子猫に厳しい態度を示すようになります。今回のMOFFME記事では、野良猫の親離れについて解説します。

この記事の目次

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野良猫の子猫はいつ親離れをするの?時期や伴う問題行動

野良猫の親子を見かけたことはありますか?


世話を焼く親猫と甘える子猫はとても可愛いですが、生後6か月もすると親子別々で行動していることがほとんどです。


実は猫の親離れはとても早く、生後6か月には完了していることが多いと言われています。人間の年齢で考えると9歳ほど、とても早いですよね。


今回MOFFMEではそんな野良猫の親離れについて

  1. 野良猫の子猫が親離れをする時期は?どのように母猫は親離れさせているのか
  2. 子猫が親離れできないと問題行動が起こる?
  3. 飼い猫と野良猫の親離れに違いはあるの?
について紹介していきます。

野良猫が近くにいて、子猫を保護したいと考えている方には特に参考になると思いますのでぜひ読んでみて下さいね。

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野良猫の子猫が親離れをする時期はいつ?


野良猫は基本的に単独で行動するため、乳離れし始めるほどの早い時期から母猫が子猫に野生で過ごせるように指導を始めます。


なぜ猫の親離れが早いのかと言うと、猫の繁殖期は年に2~3度あり、妊娠期間も2か月と短いのが原因ではないかと考えられています。


母猫の指導の早さは、一説では乳離れする生後5週から生きるための方法を子猫に教え始め、生後2か月くらいになるとほとんど教え終わっていると言われるほどです。


また、猫のオスとメスでも少し親離れが異なっているとも言われており、メスの場合は親の近辺で過ごすこともありますが、オスの場合は生殖の関係だったり縄張り争いによる喧嘩などが多いため、親とは離れた場所で過ごすことが多いようです。


それでは、野良猫の親離れの時期どうやって親離れさせていくか以下に詳しく説明していきます。

野良猫の親離れは、子猫が生後4〜6ヶ月頃に始まる

「親離れ」の時期になると野良猫の母猫は子猫に対して

  1. 威嚇
  2. 攻撃的になる
という行動が見られるようになります。

母猫が子猫を自分から離そうとしてこのような行動をとりはじめると、子猫もだんだん母親から離れていきます。

このようにして順調に母猫から一人で生きるすべを学んだ野良猫の子どもは、遅くとも生後6か月には親離れをして兄弟からも離れ単独行動になる猫が多いのが特徴です。


さらに単独行動をし始め親や兄弟と離れると、野良猫だけに関わらず猫は「親」「兄弟」という概念が生後6か月ごろにはなくなると一般的に言われていますが、稀に生猫になっても行動を共にするケースもあります。


私たち人間には「血縁関係」が分かりますが、猫は一度親や兄弟と離れてしまうと「血縁関係」の見分けがつかないのです。


親離れしてしまい、一度離れてしまうと親兄弟が分からなくなるというのは少し寂しい気もしますね。

生後1ヶ月半から母猫が子猫に様々な学習させ始める

母猫は子猫が一人で生きていけるよう、大体乳離れをする生後1か月半ごろから

  • 狩りの方法:獲物はどんなものか、狩りの方法など
  • 身を守る方法:危険な場所と安全な場所、危険な敵の存在
  • 仲間の猫との付き合い方
  • 毛づくろいの方法
  • 排泄のしかた

などの指導を行います。


因みに、飼い猫の場合は「人間との付き合い方」の指導もしているそうですよ。


これ以外にも、兄弟でじゃれて遊ぶことで「噛む」程度を学習しているとも言われています。


逆に噛むことを学んでいない猫は、噛みかたの程度が分からず噛み癖で困ってしまう飼い主もいるようですので、兄弟での学びも大切になってきます。

子猫が親離れに失敗すると様々な問題行動を起こしてしまうのは本当?


順調に子猫の親離れが進まない場合、どのような問題行動が起きてしまうのでしょうか。

  1. 分離不安
  2. ウールサッキング
などが起こると言われています。これらの問題行動は親離れができないうちに親と別れてしまうことが原因です。

親離れを失敗してしまう原因に私たち人間がかかわっていることをご存じですか?

野生猫の小さい子猫がいると私たちは「かわいそう」と思って触ってしまいがちですが、触れることによって人間の匂いが付き、母親猫が育児放棄をしてしまうために早期に親離れしてしまう原因となりますが、見極めが非常に難しく、人間の匂いが付いていなくても育児放棄をする母猫もおり、ミルクがなくそのまま死んでしまう子猫も多いので注意が必要です。

命の危機にさらされているのであれば仕方のないことだとは思いますが、そうでない場合は不用意に子猫に触れることで、うまく親離れができない原因になりかねませんので注意しましょう。

問題行動① 分離不安

分離不安とはどういうものを指すのでしょうか。

  • トイレ以外の場所で排泄をする
  • 過剰な毛づくろい、体を噛む
  • ご飯を食べなくなる、体重が減る
  • 下痢や嘔吐などの消化器症状の出現
  • 飼い主から離れない
  • 大きい声で鳴き続ける
これらが分離不安に当たります。

何らかの理由で野良猫の子猫を飼うケースもあるかと思います。

飼い主に甘えたり、後追いのような行動が見られるのはある程度であれば問題ありませんが、異常なまでに上記の行動を起こしている場合は直してあげる必要があります。

飼い主と離れる時間を少しずつ作ったり、環境に慣らしていくことで分離不安が改善するケースもありますが、あまりにも分離不安が続く、もしくは悪化する場合はかかりつけの動物病院で相談しましょう。

問題行動② ウールサッキング

ウールサッキングと言う言葉を聞いたことがありますか?

  • ウール:羊の毛
  • サッキング:しゃぶる
という意味です。

猫がウールサッキングを起こす場合、羊の毛のような毛や布製品だけではなく、買い物袋などのビニールや段ボール、飼い主が使うパフなども対象となります。

なぜウールサッキングが問題になるかと言うと、これらの物をしゃぶるだけでなく噛んでしまい飲み込んでしまう可能性があるためです。

飲み込んでしまったものは排泄物として出ることがほとんどですが、時折手術をして取り出さなければならないほど腸をふさいでしまったり、窒息になるなど生死にかかわるケースもあります。

決まった治療法はないので原因となる物質を取り除くなどの環境調整やしつけを根気よく行う必要があります。

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飼い猫と野良猫の親離れは全く異なる


では、飼い猫の場合はどうでしょうか。

飼い猫の場合は危険な環境になかったり、餌をとる必要がなかったりと安全で安心した生活を送れるため親離れしないケースも多いようです。

もちろん、飼い猫の場合も「親離れ」のために母親がある時期になると子猫に対して攻撃的になり威嚇する行動が見られる場合もあります。

親子で飼う場合でこのような行動が見られた場合は、去勢するとある程度落ち着くこともあるようですが、去勢してもダメな場合はそれぞれ安心できる環境を作ってあげることが大切です。

因みに野良猫の場合でも、餌をもらえる場所がある場合は親離れしないケースもあります。


野生とは言え地域で飼われている猫で、いろんなところから餌がもらえる場合は食事に困らないため親離れせず、親子で行動している姿も見られるのではないでしょうか。

まとめ:野良猫の親離れはとても厳しい

今回は野良猫の親離れについて

  • 野良猫の子猫は乳離れをする生後1か月半の時期から「親離れ」のために母猫から生きるすべの指導を受け始め、遅くとも生後6か月には親離れする。
  • 野良猫の子猫が親離れに失敗すると「分離不安」や「ウールサッキング」を起こす可能性がある。
  • 飼い猫と野良猫の親離れに違いがあり、野良猫でも餌の確保が確実にできる場所がある場合は親離れしないケースもある
以上について説明してきました。

猫は一度離れてしまうと親兄弟の区別がつかなくなってしまうため、近親での繁殖行動を起こす可能性があるのも関係し、親離れはとても早い時期にされます。

しかし、親離れが何らかの理由でうまくされない場合はその後の生活に影響を与えてしまうため、私たちも野良猫との付き合い方を考えなくてはなりません。

もし野良猫の子猫を見た時には、生死に関わらなければそっと見守ることも大切だということを覚えておいていただけると幸いです。

またMOFFMEでは、他にも様々なペットやペット保険に関する記事を多数公開しておりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

記事監修者「望月 紗貴」

この記事の監修者望月 紗貴
一般社団法人愛玩動物健康管理協会(CAHA)代表理事

大型犬5頭、中型犬1頭、愛猫3匹と暮らす。長年犬の生物学の研究を行っており、ペットフードの委託開発を行う。その他、ペット用品開発、ペット関連事業者のコンサルタント、ペット用品の監修者、ペット関連教材制作者として活躍しながら、積極的に動物保護活動に参加。【保有資格:犬の管理栄養士・犬の管理栄養士/アドバンス・愛玩動物救命士・犬猫行動アナリスト・ペット看護士資格・ペット看護士資格マスターライセンス・ペット介護士マスターライセンス・ペットセラピスト資格・ドッグトレーニングアドバイザー・ドッグヘルスアドバイザー他】