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大きな目が特徴的なチワワ。たまにその目が落ちそうと感じることもあるかもしれませんが、実際に様々な原因から目が落ちることがあります。今回のMOFFME記事では、チワワの目が落ちる原因・病気・治療法・目が落ちやすい犬種を紹介します。

この記事の目次

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チワワの目が落ちる原因とは?病気や治療方法など詳しく紹介

チワワはうるうるとした大きな目が特徴ですが、高いところから落下して頭を打ったり、後頭部を強く叩かれたりしたときに、その衝撃により目が飛び出してしまうことがあります。


「目が落ちる」とは眼球が外に飛び出してしまう状態をいい、「眼球突出」とかひどくなると「眼球脱出」などとも言われます。 


写真で見てもかなりショッキングですが、眼球突出状態になったら、すぐに動物病院へ連れて行かなければなりません。


今回はその原因や治療法について見ていきます。

今回は

  • チワワの目が落ちる4つの原因
  • チワワの目が落ちる際に考えられる病気を7つ紹介
  • チワワ以外の目が落ちやすい犬種を5つ紹介 
  • チワワの目が落ちる原因③ 目の後ろに膿が溜まる
について検証したいと思います。

チワワの目が落ちる4つの原因を紹介


チワワはいわゆる短頭種と言われる、頭蓋骨の長さに比べてマズルが極端に短い犬種です。眼球が収まる眼窩が普通よりも浅く、チワワは普通でもやや目が出ていますが、少しの衝撃でも目が飛び出て(眼球突出)しまいます眼球突出状態になると、強い痛みがあり、細菌に感染して角膜潰瘍をおこし視力が低下したり、眼球摘出の恐れも出てきます。急いで動物病院へ連れて行かなければなりません。チワワがどんな時に眼球突出を起こすかを調べてみました。

  • チワワの目が落ちる原因① 頭部に強い衝撃を受ける
  • チワワの目が落ちる原因② 眼圧が高いまま長時間経過している
  • チワワの目が落ちる原因③ 目の後ろに膿が溜まる
  • チワワの目が落ちる原因④ 眼球周辺に腫瘍ができている
について解説しています。

またMOFFMEでは、「チワワのペット保険のランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。 

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チワワの目が落ちる原因① 頭部に強い衝撃を受ける

チワワの眼球突出の原因は様々ありますが、多いのが頭部や眼球に外部から強い衝撃を受けた時です。


交通事故などの他、抱っこしていて動いた弾みに誤って落としてしまった、人間がしつけのために叱った時に犬の頭部を叩いた、犬同士の喧嘩で顔面を噛みつかれたなど、日常の生活の様々な場面で起こる可能性があります。


眼球が飛び出してしまったときは、とにかく冷静になり、乾燥を防ぐために濡らしたタオルなどで患部を保護しながら病院へ急ぎます。


勝手に何とかしようと目に触ったりしてはいけません

チワワの目が落ちる原因② 眼圧が高いまま長時間経過している

犬の眼の中は房水と呼ばれる液体で満たされていて、この液体の圧力のことを「眼圧」といいます。


眼圧が一定の圧力に保たれていることで常に球体の形を保ち、正常にものを見ることができます。


何らかの原因で眼球内を循環している房水の量のバランスが崩れ溜まってくると、球体はパンパンになり、眼圧が高くなってしまいます。


長いことその状態を続けていると眼球が伸びて飛び出しているように見えることがあります。


早く異変に気が付いて眼圧を下げる治療を始めないと、緑内障を発症してしまいます。

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チワワの目が落ちる原因③ 目の後ろに膿が溜まる

犬の奥歯の歯垢がたまって重篤な歯周病になり、腐った歯の根元に細菌が入り込んで炎症を起こし膿が溜まります。外から見ても犬の顔が腫れているのが分かるほどです。


その膿が目の後ろにある眼窩にも入り込んで溜まってしまい、膿瘍を形成することがあります。膿瘍が大きくなると、徐々に眼球を後ろから圧迫して、眼球突出を起こすこがあります。


眼球突出がわかったら、すぐに病院へ行き眼球を保護して元に戻してもらいますが、同時に歯周病の治療や抜歯も行います。

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チワワの目が落ちる原因④ 眼球周辺に腫瘍ができている

眼の下や瞼など眼球周辺にできた腫瘍の影響で、チワワの眼球が突出することがあります。


眼球にできる腫瘍は良性のことも多いですが、放っておくと腫瘍が大きくなり、外側の膜を突き破って眼球を押し出すこともあります。


また鼻腔や口腔内にできた腫瘍が大きくなって眼球まで達して圧迫することもあります。


飼い主さんは、愛犬の眼が充血したり腫れたりしていないか、鼻水やよだれが多くなっていないかなど、日々様子をよく観察し、異常を感じたら即動物病院を受診すべきです。  

チワワの目が落ちる際に考えられる病気を7つ紹介


チワワの眼球突出
には、頭をぶつけるなどの外傷以外にも様々な大きな病気が隠れている場合があります。


ここでは眼球突出の原因となる7つの病気を調べて解説したいと思います。チワワを飼っていらっしゃる方やこれから飼う方の参考になればうれしいです。

  • チワワの目が落ちる病気① 眼球脱出
  • チワワの目が落ちる病気② 緑内障
  • チワワの目が落ちる病気③ 蜂窩織炎
  • チワワの目が落ちる病気④ 眼窩膿瘍
  • チワワの目が落ちる病気⑤ リンパ腫
  • チワワの目が落ちる病気⑥ 髄膜腫
  • チワワの目が落ちる病気⑦ 鼻腔内腫瘍
以上の7つの病気の症状などを解説します。

チワワの目が落ちる病気① 眼球脱出

チワワなどマズルの短い短頭種は、もともと眼球が収まっている眼窩が浅く衝撃や腫瘍などの圧迫があると、眼球が飛び出しやすい犬種です。 


チワワの目が「落ちる」というとびっくりしてしまいますが、ネットでは「眼球突出」や「眼球脱出」と表現していることが多いようです。


「眼球突出」や「眼球脱出」をほぼ同じ意味で使っていることもありますが、「眼球突出」は眼球が収まっている穴(眼窩)から少し前に押し出されている状態を言い、「眼球脱出」となると瞼から外れ半分以上外に出ている状態と解説しているサイトもあります。 

チワワの目が落ちる病気② 緑内障

眼球は「房水」という液体で満たされており、いつも一定量が保たれているので圧力(眼圧)も保たれています。ものが歪んで見えることもありません。


しかし何らかの理由でこの房水の量が基準を超えて多くなってしまうと眼球がパンパンになり、圧力が上がってしまいます。


これが緑内障で、強い痛みや視覚障害を起こす可能性のある病気です。


眼圧が上がったまま時間が経過してしまうと、眼球が伸びて眼が飛び出ているように見えます。


目が張って大きく見える、白目が赤くなり元気がない、目が痛そうにしょぼしょぼしているなどの兆候が見えたら、すぐに病院に行った方がよいでしょう。


気が付かないで放置しておくと、失明する可能性もあります。  

チワワの目が落ちる病気③ 蜂窩織炎

蜂窩織炎は「ほうかしきえん」と読み、深刻な皮膚の病気です。


虫刺されや小さなひっかき傷などから細菌が入り込んで皮膚と皮下組織に化膿性の炎症を起こし、どんどん広がっています。


犬では子犬の時期に発症することが多く、口や目の周りに水泡や膿胞、かさぶたができリンパ節が腫れて発熱も伴い、入院が必要なこともあります。


 また、眼球が収まっている眼窩の脂肪組織にもブドウ球菌などの細菌が入り込み、眼窩蜂窩織炎をおこすことがあります。


急に眼が腫れて赤くなったり、瞼が腫れてきたりします。そして眼窩が炎症を起こして腫れ眼球が押し出されることがあります。


放っておくと眼球の動きが鈍くなり、視力が低下してしまうこともあります。


人間も犬や猫に引っ掛かれて発症することがあるので要注意です。 

チワワの目が落ちる病気④ 眼窩膿瘍

眼窩とは眼球を収める空間で、眼球を保護しています。「眼窩膿瘍」とは眼窩に膿が溜まる症状です。


眼窩自体が化膿性の感染症で炎症を起こしたり、腫瘍ができることもあります。


また、眼窩の傍にある犬の鼻腔が炎症を起こして膿が溜まったり、歯垢を放置したままだと歯茎が炎症を起こして多くの細菌が入り込んで重い歯周病を発症することがあります。


その歯周病菌や膿が眼窩に入り込んで膿瘍ができることがあります。


チワワの眼窩はもともと浅いので、眼窩の内側にできた腫瘍や溜まった膿瘍などで眼窩の内容量が増えて圧迫され、眼球が前方に押し出されてしまうことがあります

チワワの目が落ちる病気⑤ リンパ腫

リンパ腫とは血液のがんの一つで、悪性の腫瘍です。


犬の腫瘍のなかでは発生率が高いと言われており、現段階では原因もはっきりしないため、一度発症すると完治が難しいがんです。


 眼球を収めている眼窩にリンパ腫ができると、眼球が腫瘍に押されて前に突出することがあります。


リンパ腫のがん細胞は血液やリンパ管を通じて自由に動き回る性質があるため全身に広がりやすく、次第に食欲や元気がなくなってきます。


状態に合わせて抗ガン剤などの使用もあるでしょうから、犬の様子を見ながら獣医師とよく相談して治療方針を決めていくことになるでしょう。


 現段階では予防ができないため、毎日の犬の様子をよく観察し、早期発見早期治療が大切です。 

チワワの目が落ちる病気⑥ 髄膜腫

髄膜はやわらかい脳やせき髄を覆って衝撃から保護する膜ですが、髄膜腫はその髄膜にできる腫瘍です。


良性の場合もありますが、残念ながら犬の髄膜腫は悪性のことが多いと言われています。


そして視神経を包んでいる髄膜にも髄膜腫が出来ることがあります。視神経に添って進みながら、腫瘍が増大していきます。


眼窩内では腫瘍が視神経を圧迫し、片方の目の視力が少しづつ落ちていきますが、飼い主さんもなかなか気づかなくて発見が遅れがちです。


眼窩で大きくなった腫瘍が眼球を前に押し出し、眼球突出になります。


その頃には腫瘍細胞によって視神経が壊されてしまうので、ほぼ視覚はなくなっているようです。


そして腫瘍が視神経に添って頭蓋骨の中の脳の組織にも浸潤し、犬の性格が変わってしまうこともあります。  

チワワの目が落ちる病気⑦ 鼻腔内腫瘍

犬の鼻腔内腫瘍は鼻腔や副鼻腔にできるがんで、悪性の場合が多いようです


くしゃみや鼻水など初期はただの鼻炎と間違うような症状ですが、腫瘍が大きくなるといびきや呼吸困難が現れたり、鼻梁あたりが腫れて顔が変形してくることもあります。


鼻腔腫瘍が進行してくると、腫瘍が鼻腔の外にまでひろがり、鼻腔と接している眼球を圧迫して眼球突出がみられることがあります。


くしゃみや鼻水がなかなか治らず、鮮血を含んだ鼻血がでてきてはじめて腫瘍を疑うなど、なかなか見つけにくいがんです。


飼い主さんは犬の症状の変化を注意深く見守る必要があります。


また飼い主さんが喫煙者である場合の罹患率が高いというデータもあるので、犬のいないところで喫煙するなど、環境を整備してあげたいですね。

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チワワ以外の眼球が落ちやすい犬種を5つ紹介


もともと短頭種で目が少し出ている犬種は、交通事故や頭をぶつけたり、犬同士の喧嘩で目のあたりを噛まれたりするなど、少しの衝撃でも眼球が飛び出してしまうことがあります。


チワワが代表的ですが、パグやシーズー、ブルドッグなども同じよう眼球突出を起こしやすい危険性があります。


頭蓋骨の形が違ったり、眼球を収めている眼窩が浅かったりということも原因の一つですが、短頭種は散歩の時や他の犬と遊んでいるときも、よく注意している見ている必要があります。


 ここでは短頭種で目が飛び出しやすい5犬種を紹介します。 

  • 眼球が落ちやすい犬種① シーズー
  • 眼球が落ちやすい犬種② パグ
  • 眼球が落ちやすい犬種③ ペキニーズ
  • 眼球が落ちやすい犬種④ ブルドッグ
  • 眼球が落ちやすい犬種⑤ 狆

眼球が落ちやすい犬種① シーズー

シーズーは可愛らしく穏やかな性格でマンションでも飼いやすく、小型犬ではとても人気がある犬種です。


その歴史は大変古く、清時代の権力者であった西太后が愛した犬とも言われています。


シーズーも頭蓋骨に比べて大変鼻の短い、いわゆる鼻ぺちゃの短頭種です。


もともと目が大きく眼球が少し出ている犬は、ちょっとした頭への衝撃で、眼球が眼窩から前に出してしまうことがあります。


シーズーは軽いので、抱きあげたり膝に乗せたりすることが多いと思いますが、うっかり床に落としてしまったりすると、簡単に眼球が飛び出してしまいますので、普段から注意が必要です。

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眼球が落ちやすい犬種② パグ

大きな瞳にしわの寄った顔が愛嬌があり、パグは家庭犬としてとても人気があり、社交的で結構パワフルに遊びます。


目が大きいだけに散歩のときや家の中で遊んでいるときにも眼球を傷つけてしまうこともあるので注意が必要です。


そしてあの押しつぶしたような顔からもわかるように眼窩が浅く、駆け回っていてどこかに頭をぶつけてしまったはずみに、簡単に眼球が飛び出してしまう危険性の多い犬です。


慌てずにすぐに動物病院へ行かなければなりません。

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眼球が落ちやすい犬種③ ペキニーズ

ペギニーズも中国を代表する犬ですね。小柄ですがつぶらな瞳に豊かなふさふさした毛が特徴です。


普段から目が出ているので、何かの拍子に「眼球突出では!」と慌ててしまうこともあります。


でも両方いっぺんに眼球突出することは少ないので、もう片方の目と大きさや出ている程度を比べてみましょう。


また本当に眼窩から突出している場合は、黒目の周りの白目が充血し、とても痛がります


いつもと違うと思ったら、すぐに病院へ。治療が遅くなると、視力を失うこともあります。

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眼球が落ちやすい犬種④ ブルドッグ

ブルドッグは元来牛と戦うための闘犬として改良されてきたイギリスを代表する犬です。


現在は動物愛護の観点から、闘牛の競技は廃止され、攻撃性を抑えすっかり穏やかな犬に改良されています。


体格もがっしりしていて、あまり愛想がよいとは言えないですが、現在は温和な家庭犬です。


ブルドッグも鼻がつぶれた短頭種ですので眼窩は浅く、衝撃を与えると眼球突出を起こしやすい犬種です。


人気の高いフレンチ・ブルドッグは、ブルドッグを品種改良したフランス原産の犬です。

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眼球が落ちやすい犬種⑤ 狆

の歴史は古く、日本書記にも記述されていると言われています。


日本で古くから愛玩犬として可愛がられ、長い時間をかけて改良されてきた一番小さい唯一のたれ耳の日本犬です。


性格は物静かで落ち着いてお、現在では日本でよりも、海外で人気が出ているようです。


狆はマズルが短く目が大きい典型的な短頭種なので眼窩が浅く、何かにぶつかったり頭に衝撃を受けると、眼球突出を起こしやすいので、日常的にも十分注意が必要です。

まとめ:チワワの目が落ちる際はすぐに動物病院へ連れて行こう

チワワに代表される目の出た短頭種は、転んだりぶつかったなど、少しの衝撃で眼球が飛び出す恐れがあります。

実際に目が飛び出しているのを見てしまったらかなり衝撃的ですが、愛犬のために慌てずすぐに病院へいきましょう。

処置が早いほど回復も早く、日常に戻れるでしょう。 また、短頭種を飼おうとしている方は、眼球突出ということがあるという知識も知って欲しいですね。 

今回は
  • チワワの目が落ちる4つの原因を紹介
  • チワワの目が落ちる際に考えられる病気を7つ紹介
  • チワワ以外の眼球が落ちやすい犬種を5つ紹介

について調べ、解説しました。いかがでしたでしょうか。


MOFFMEでは、他にも様々なペットやペット保険に関する記事を多数公開しておりますので、ぜひ参考にしてみてください!

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。