与え方や量をしっかりと守れば愛犬にとってとろろはたくさんのメリットを持っているため与えても大丈夫です。ですが、とろろを与える際はアレルギーの有無など注意点もあります。今回のMOFFME記事では、犬にとろろを与える場合のメリット・注意点・与え方を紹介します。
この記事の目次
目次を閉じる愛犬にとろろを与えても大丈夫?メリットやNGな場合など紹介
愛犬にあのねばねばしたとろろを与えても大丈夫でしょうか?
山芋はすりおろしてとろろとして、生のまま刻んで、また加熱してホクホクになるなど、いろいろな料理を楽しむことのできる野菜です。
「山芋」というのは、長芋や大和イモ、自然薯などを含むヤマノ芋科の総称です。どの種類も大変栄養豊富で、珍しく生でも食べることができる芋類です。
犬に山芋を与えると、どんなメリットがあるのでしょうか。また,与えない方が良い場合とは、どんな時でしょうか。
そして犬はあの痒みは大丈夫でしょうか。
今回MOFFMEでは山芋について、
- 愛犬にとろろを与えても大丈夫なのか
- 愛犬にとろろを与えることのメリット
- 愛犬にとろろを与える方法
- 愛犬にとろろを与える際の注意点
愛犬にとろろを与えても大丈夫なのか
山芋は昔から「山うなぎ」といわれるほど滋養強壮に効果がある根菜です。
人間にはとても身体によい食べ物ですが、愛犬にも与えて問題はありません!
犬にとって有害な成分は含まれていなく、栄養豊富で胃や腸の調子を整えてくれたり、免疫力アップ、疲労回復など、様々な健康効果が期待できるすぐれた食べ物です。
山芋はすりおろした時など手に付着すると痒くなります。犬に与えるときも口の周りに付くとひどく痒がることがありますので、与え方に注意しなければなりません。
皮膚の弱い犬には与えない方がよいこともあるでしょう。
- 愛犬にとろろを与えても問題ない
- とろろに含まれる栄養素
について解説します。
愛犬にとろろを与えても問題ない
愛犬に山芋を与えても、問題はありません。もちろんすりおろしてとろろにしても、生のままでも、熱を加えても、どんな食べ方でも大丈夫です。
とろろにして食べさせる時には、スプーンで愛犬の口元まで運んで食べさせます。口の周りに付くと、犬もとても痒がります。
皮は必ず剥き、酢水につけます。
山芋の痒みの原因となるシュウ酸カルシウム結晶は、酸に触れると溶けてしまいます。ま
たシュウ酸カルシウム結晶は皮の周辺に多いので、芋の中心だけを与える場合もあります。
はじめて食べさせるときはほんの少しを食べさせて、体を痒がったり、嘔吐したりしないか、様子を見ます。山芋に対してアレルギーがないかを確認するためです。
とろろに含まれる栄養素
山芋は、いろいろな栄養がたくさん含まれている食べ物です。
もちろん人間の体に良いだけでなく、犬にとっても健康に良い効果を与えます。
山芋に含まれている消化酵素「アミラーゼ」は、消化酵素が大変多いと言われている大根の3倍も含まれています。アミラーゼは消化を助け、胃腸の調子を整える作用があるので、胃もたれや食欲不振を改善します。
その他血圧の上昇を抑える「カリウム」、疲労回復に有効であり、免疫力を活性化させる「アルギニン」、皮膚や粘膜の健康を保つ「ビタミンB群」や「ビタミンC」などが含まれており、食物繊維も豊富です。
ただし山芋は炭水化物なので、栄養があるからと与えすぎると、肥満の原因になってしまいます。
愛犬にとろろを与えることのメリットを紹介
山芋は栄養が豊富で様々な健康効果が期待でき、犬にとってもメリットの多い食べ物です。
山芋は芋類のなかでも加熱しないで生でも食べることができるので、加熱に弱い栄養もそのまま摂取できます。
ただし栄養素の中には、持病のある犬には与えない方が良い栄養もあります。
また犬が山芋のたんぱく質にアレルギーを発症する可能性もあるので、初めて食べる場合は、少量を食べさせて様子を見ます。
ここでは山芋に含まれる栄養素とその働きを確認してみましょう。
- とろろのメリット① アルギニンが免疫力の向上させる
- とろろのメリット② アミラーゼで胃腸の調子を整える
- とろろのメリット③ ビタミンB群、ビタミンCがエネルギーを作る
- とろろのメリット④ カリウムで細胞機能を活性化させる
- とろろのメリット⑤ 食物繊維が腸内環境を整える
この5つのメリットについて検証します。
とろろのメリット① アルギニンが免疫力の向上させる
山芋には様々な栄養素が含まれていますが、アルギニンもそのひとつです。
アルギニンには免疫細胞を活性化させる働きがあるので、侵入してきたウイルスや細菌から体を守り、免疫力を高める効果があります。
タンパク質は人間や犬の体を作る大切な栄養素ですが、タンパク質が分解されるときに、体に有毒なアンモニアを発生させます。
アルギニンは体内のアンモニアなどの老廃物を解毒し尿素に変換する作用があります。
その他血管を拡張させ、血流をよくして心臓をサポートする役割もしています。
アルギニンが欠乏すると、様々な体の不調を招きます。
夏バテで疲れ気味の犬にアルギニンが含まれる山芋を食べさせると、疲労回復の効果が発揮されたりします。
とろろのメリット② アミラーゼで胃腸の調子を整える
アミラーゼはジアスターゼとも呼ばれ、胃腸薬の成分に利用されていることはよく知られています。
山芋に含まれているアミラーゼは、でんぷんの分解を助ける酵素です。
もともとイヌは、肉食のオオカミが元祖なので炭水化物(でんぷん)はいらないと考えられていたこともありました。
人と暮らすようになった現在、でんぷんは体内でブドウ糖に変換されて効率的に犬のエネルギーとなる欠かせない栄養素となっています。
でんぷんはそのままでは消化しにくいのですが、人間は唾液にアミラーゼなどの消化酵素が含まれてます。しかし、犬猫の唾液腺からは消化酵素は分泌されません。
犬が山芋を食べることで、含まれているアミラーゼが胃もたれや食欲不振を改善したり、整腸作用を行います。
なお、現在のドッグフードに含まれているでんぷんは、吸収しやすく加工されています。
とろろのメリット③ ビタミンB群、ビタミンCがエネルギーを作る
ビタミンはそれ自身ではエネルギー源になりませんが、体調を整える働きがあります。体内で合成できないので、食べ物から得る必要があります。
山芋に含まれるビタミンは、ビタミンB1、B2、Cなどです。ビタミンB群は糖質や脂質、タンパク質などの分解を助けてエネルギーに変換します。
皮膚や粘膜を健康に保つサポートを行い、疲労回復や免疫力をUPします。
ビタミンCはコラーゲンの生成を助け、犬の皮膚や毛並みを整える働きをします。
また抗酸化作用があるので老化を防ぎ、ストレスを抑える働きがあるので癌にも効果があると言われています。
ビタミン類は熱に弱く、長く水にさらしたり加熱して調理すると壊れてしまいますが、山芋は生で食べられるので、ビタミン類を損なうことなく効率的に摂取できます。
とろろのメリット④ カリウムで細胞機能を活性化させる
山芋に含まれるカリウムは、体内の細胞の浸透圧を調整して余分な塩分(ナトリウム)を尿と一緒に体外に排出する働きをします。
血圧を下げ、心臓の働きを正常に保つために重要なミネラルです。
カリウムが足りないと「低カリウム血症」を発症して、運動能力が低下したり無気力や食欲不振などの異常が見られます。
普段、総合栄養食のドッグフードを与えているならば、カリウムのバランスはとれているので心配する必要はありません。
過剰に与えると「高カリウム血症」を起こし、しびれや脈拍の異常など危険な状態になることもあります。
特に腎臓が悪い場合は、過剰に摂らなくても高カリウム血症を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。
とろろのメリット⑤ 食物繊維が腸内環境を整える
食物繊維には、水に溶けやすい水溶性と不溶性の2種類の植物繊維があります。
水溶性食物繊維は腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整える効果があり、不溶性食物繊維は胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にして便通を促進します。
山芋にはこの2種類の植物繊維が含まれているのでいっぺんに摂取することができます。
そして最近注目されているのが「レジスタントスターチ」です。炭水化物でありながら食物繊維と同じ働きをするもので、山芋には多く含まれています。
便秘改善や整腸作用だけでなく、血液中のコレステロール濃度を下げたりや中性脂肪を減少させる、血糖値の急上昇を抑制するなどの効果も期待できることがわかってきました。
レジスタントスターチは加熱すると量が大きく減ってしまうのですが、山芋は生で食べられるので効果的に摂取することができます。
愛犬にとろろを与える方法を紹介
山芋は愛犬にとっても有効な健康効果が期待できる食物ですが、含まれているシュウ酸カルシウム結晶によって、皮膚に触れるととても痒くなります。
愛犬に与える時は口の周りに付けないように、床に落とした皮などをを足で踏んだりしないように注意が必要です。
また体に良いからといって過剰に与えることは、かえって健康を害してしまうことがあります。ではどのくらいの量が適正なのか、確認しておく必要がありますね。
ここでは
- 犬に与えても大丈夫なとろろの適正量
- 愛犬にとろろを与える方法① 小さくカット
- 愛犬にとろろを与える方法② 水分を加える
- 愛犬にとろろを与える方法③ 肌に触れないように与える
犬に与えても大丈夫なとろろの適正量
山芋は栄養価が高く、中毒を起こす成分もなく、犬が食べても安心な食材ですが、与えすぎるとかえって健康を損ないます。
山芋はおやつや間食、トッピングとして少量を食べさせますが、1日あたりの給餌量(カロリー)に対して約20%までに抑えます。
10Kgの犬で1日約53~106gぐらいが目安と言われています。
食べ過ぎると主食がたべられなくなったり、比較的カロリーも高く肥満に繋がりやすいので注意します。
また食物繊維も豊富なので、食べ過ぎると消化不良をおこし、下痢や嘔吐を起こすこともあります。愛犬の体質に合わせた適量を守って、与えるようにしましょう。
特に子犬や老犬には控えめに与えた方がよいでしょう。
愛犬にとろろを与える方法① 小さくカット
犬に山芋を食べさせるときは、小さく切って与えます。大きいままだとうまく消化できなかったり、そのまま丸飲みしようとして喉に詰まらせてしまう危険があります。
また洗って皮ごと食べさせることもできますが、皮は消化が悪く、皮の側に痒みの原因であるシュウ酸カルシウム結晶が多く含まれているので、剥いて与えた方がよいでしょう。
すりおろしてとろろ状態で与えるときはシュウ酸カルシウム結晶も全体に混じってしまうので、スプーンで食べさせるなどして、くれぐれも口の周りに付かないようにします。
また皮をごく厚く剥いて、実の中心部分だけを食べさせたり、加熱して与えると、皮膚についても痒くなりにくいです。
愛犬にとろろを与える方法② 水分を加える
山芋の中でも大和イモや自然薯は大変粘りがあり風味も強い芋です。
大和イモはとろろ蕎麦などによく使われますし、自然薯は日本原産の山野に自生する芋で希少価値が高く、風味も香りも強い、お値段も高級な芋です。
粘りがとても強く、すりおろしたものをスプーンにとって逆さにしても落ちてこないといわれるほどで、ビタミンEが他の芋よりも何倍も多く含まれていると言われています。
長芋はよくスーパーに売っていますし、水分が多くてシャキシャキしていて、すりおろしてもまとまらずに広がります。
それぞれの特徴があってそれぞれ美味しいですが、犬に与えるときはあまり粘りが強いと喉に詰まらせる恐れがあります。水やスープなどを加えて伸ばし、スプーンで与えましょう。
愛犬にとろろを与える方法③ 肌に触れないように与える
愛犬に山芋を与えるときは、肌に直に触れないように注意します。
山芋には針のような形をしているシュウ酸カルシウムの結晶が含まれており、肌に触れると皮膚をチクチク刺激して痒くなるのです。料理をしている時に経験している方はたくさんいると思います。
犬も食べた時に口の周りに付いたり、剥いた皮を踏んだりしたら、あの嫌な痒みにしばらく悩まされることになります。
酢やレモン汁に漬けておくと、比較的痒みが軽減します。シュウ酸カルシウムが酸には溶けてしまう性質があるからです。
ただ、そのままでは酸っぱいものが嫌いな犬が多いので、水で洗ってから与えましょう。
シュウ酸カルシウム結晶は皮の付近にたくさん含まれているので、皮をかなり厚く剥いて中心部分だけを食べるという手もあります。もちろん加熱すれば、かゆみは消えます。
愛犬にとろろを与える際の注意点を紹介
山芋
はそのまま生でも食べられ、加熱すればほくほくして美味しく食べられます。
とても栄養豊富なので愛犬にも健康のために、お菓子などよりも与えたいところですが、中にはアレルギーや皮膚疾患を持った犬がいます。
そういう犬達に山芋を与えると症状や病状を悪化させてしまう危険もあり、十分な配慮が必要です。
また過剰に与えすぎることも、肥満などを招いてしまうので要注意です。
ここでは
- とろろの注意点① アトピー性皮膚炎など皮膚が弱い犬には与えない
- とろろの注意点② 腎疾患がある犬には与えない
- とろろの注意点③ 腎臓や尿路系に疾患がある犬には与えない
- とろろの注意点④ アレルギー症状に注意
- とろろの注意点⑤ とろろの与えすぎに注意
とろろの注意点① アトピー性皮膚炎など皮膚が弱い犬には与えない
山芋は栄養価も高く美味しい食べ物ですが、シュウ酸カルシウム結晶という痒み成分を持っているのが特徴です。
皮の付近に多く含まれており、皮をむいた時などに肌に触れると痒くなってしまうことがあります。
アトピー性皮膚炎を持っている犬は皮膚のバリア機能が低下しているため、山芋に触れた刺激で、全身に皮膚炎が広がってしまう可能性もあります。
山芋をゆでるなどして少量与えてみて様子を見ることもありですが、皮膚の弱い犬には、与えない方が無難です。
特に生の山芋をすりおろしたとろろは、口の周りに付いてしまう危険もあり、食べさせない方がよいでしょう。
とろろの注意点② 腎疾患がある犬には与えない
山芋にはカリウムが豊富に含まれています。
腎機能が正常であれば余分なカリウムは体外へ排出されますが、腎機能が弱くなるとカリウムの排出が難しくなってきます。体内にカリウムが過剰にたまってしまい「高カリウム血症」を発症してしまうことがあります。
「高カリウム血症」は手足がしびれたり、筋力の低下、嘔吐や不整脈などあらわれ、最悪の場合は危険な状態に陥ってしまうこともあります。
腎臓に疾患のある犬には山芋は与えない方がよいでしょう。
特に療法食を食べている犬には、余計な栄養を与えてはいけません。治りかけた病気がぶり返してしまうこともあるので、十分気を付けましょう。
とろろの注意点③ 腎臓や尿路系に疾患がある犬には与えない
山芋を食べるとき皮膚に触れると痒くなるのは、シュウ酸カルシウム結晶という成分が含まれているためです。
このシュウ酸カルシウムが尿結石などの原因になるとも言われています。
通常は食物から摂取したシュウ酸とカルシウムが体の中で結びついて尿路や腎臓に結石を作るのですが、山芋の場合はすでにシュウ酸がカルシウムと結びついている形で含まれています。
そのまま犬の強い胃酸でとかされて排出されるので、結石は作らないとも言われています。しかし、過剰に山芋を摂取してシュウ酸カルシウムが増えると、結石を引き起こす可能性もあるので、与え過ぎないようにした方がよいでしょう。
またすでに尿路系や腎臓に疾患のある犬の場合は、医師に相談してから与えた方がよいでしょう。
とろろの注意点④ アレルギー症状に注意
犬によっては山芋自体にアレルギーを持つ犬がいます。野菜に対するアレルギーは少ないというものの、初めて食べさせる時はいきなりたくさん与えてはいけません。
はじめはほんの少し食べさせ、体を痒がったり、嘔吐をしないか、様子を見ます。特に子犬や老犬は、様子を観察しながら少しづつ食べさせます。
山芋には皮膚に付くとかゆくなるシュウ酸カルシウム結晶が含まれています。酢水やレモン水などに浸してかゆみを抑えてから与えましょう。
山芋を食べた後に、直接皮膚に触れていないのに目が充血したり、体を痒がったり、皮膚の一部が赤くなってくる、下痢や嘔吐をするなどの変化があったら、アレルギーが疑われるので病院へ連れて行きましょう。
とろろの注意点⑤ とろろの与えすぎに注意
山芋はカロリーが高いので、栄養があり体に良いからとたくさん食べさせると、確実に肥満になります。
また食物繊維が豊富なので本来なら善玉菌を増やし、悪玉菌を排出しやすい腸内環境を整える働きがあります。
しかし与えすぎるとかえって消化不良を起こしてしまい、下痢や嘔吐を起こすこともあります。
また大量に与えることは山芋に含まれている成分の過剰摂取になってしまい、体調を狂わせる恐れがあります。
例えばカリウムの過剰摂取は「高カリウム血症」を起こし、最悪の場合は重篤な状態に陥ることもあります。
痒み成分であるシュウ酸カルシウム結晶の大量摂取は、結石を引き起こす可能性もあります。あくまでトッピングや軽いおやつ程度にとどめましょう。
まとめ:アレルギー症状がないか愛犬の状態をチェックしよう
山芋は美味しいだけでなくとても健康に役に立つ成分が豊富な食材で、愛犬にも与えたくなりますね。
しかし、皮膚疾患やアレルギーを持つ犬には、決して与えてはいけないものです。自分の愛犬の様子をよく観察して、余計な苦しみを与えないように、注意しましょう。
今回は
- 愛犬にとろろを与えても問題ない
- 愛犬にとろろを与えることのメリットを紹介
- 愛犬にとろろを与える方法を紹介
- 愛犬にとろろを与える際の注意点を紹介