猫の特徴的なパーツの一つである『耳毛』。猫種によってはとても長く、耳から大きくはみ出ている耳毛もあります。このような場合、処理した方が良いのか迷う飼い主さんもいるのではないでしょうか。今回のMOFFME記事では、愛猫の耳毛について解説していきます。
この記事の目次
目次を閉じる愛猫の耳毛はどう処理すればいいの?役割・処理方法・ケア方法
頭の上にピンと伸びた耳は、ネコちゃんの大事なチャームポイント。
そこから生えている耳毛の役割や処理方法、具体的なケアはご存知ですか?
短毛種のネコちゃんの耳毛はあまり目立ちませんが、メインクーン、ノルウェージャンフォレストキャットなど長毛種の子だと、耳の先端から伸びる毛がよく目立っています。
この毛は一般に『リンクスティップ』と呼ばれています。
個性的でとても可愛らしいですが、飼い主さんとしては処理した方が良いか、迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。
今回のMOFFMEでは、愛猫の耳毛について
- リンクスティップとは
- 処理の仕方
- 耳のケア方法
の3点にわけて解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
愛猫の耳毛『リンクスティップ』とは
猫を撫でているとき、ついさわってしまう三角の耳。
よく観察すると、頂点に長く伸びている毛がありますよね。
猫の耳に生えている長い耳毛は大きくわけて2種類。
耳の内側に生えた毛をタフト(taft)、耳の先端に伸びている毛をリンクスティップ(lynx tips)と呼びます。
猫を飼われる人には、このリンクスティップに魅力を感じて家族に迎えるネコちゃんを選ぶ人もいらっしゃるかもしれません。
本項ではリンクスティップにスポットライトを当て、その概要と役割について詳しく解説していきます。
猫の耳毛について基礎知識が欲しい方、飼っているネコちゃんに可愛い耳毛があるけれど詳しく知らないよという方は、ぜひ参考にしてくださいね。
愛猫の耳毛『リンクスティップ』とは
猫の耳はピンと伸ばすと三角形になっていますよね。
リンクスティップは三角形の頂点部分に伸びている長い耳毛のことで、英語では「Lynx tips」と表記します。
リンクス(Lynx)はヤマネコ、ティップ(tips)は先端という意味。
2つの単語をあわせると「ヤマネコの耳毛」となるように、ヤマネコをはじめとした猫科の動物にみられる特徴です。
イエネコのなかではメインクーン、ノルウェージャンフォレストキャット、アメリカンボブテイルなど、ヤマネコを祖先に持つ長毛の猫にリンクスティップがみられます。
短毛種だとあまり目立ちませんが、個体によっては耳の先端の毛がすこし長くなっていて、「リンクスティップかな?」と思わせる子も。
猫科特有の、とても可愛らしいパーツですよね。
愛猫の耳毛『リンクスティップ』の役割
リンクスティップはもともと、猫が外で暮らし、狩りをして食料を確保した野生の時代の名残です。
外敵から身を守りつつ小動物を狩るため、周囲の状況を正確に把握することは必須。
優れた聴覚を持つ猫にとって、耳は情報をとらえるための大切なパーツです。
長く伸びた耳毛は獲物の動きや、小さな音、かすかな風を敏感にひろい、情報収集をサポートしてくれます。
また、猫の外耳道はL字型で突きあたりにホコリ・ゴミなどの異物が溜まりやすい構造ですが、長い毛で耳の入り口を覆えばゴミの混入を防ぐことも可能です。
周辺環境へのアンテナや耳を保護する以外にも、身体を大きく見せることで自分を強く見せる、飾り毛としての役割があるとも言われています。
愛猫の耳毛の処理方法を紹介
ネコちゃんの耳毛、リンクスティップが猫の安全確保や狩りの成功に大きな役割を果たしてきたことは前述したとおりです。
ですが、イエネコとして人間と暮らしている現在、
「そもそも、外で暮らしたり狩りをしたりする必要がないのに、耳毛って必要なのかな」
「耳毛があることで、かえって健康を損ねたりしないのかな」
と、ちょっと悩んでしまいますよね。
そこで本項では、リンクスティップも含め猫の耳毛について
- 処理しなくて大丈夫なのか?
- 処理した方が良い場合とは
- 具体的な処理の方法
の3点にわけて詳しくお話していきます。
耳毛を処理する場合のお手入れの仕方にも触れた内容になっています。
ネコちゃんの耳毛のお手入れに悩んでいる方はぜひご覧ください。
愛猫の耳に異常がなければ耳毛は処理しなくて大丈夫
実はネコちゃんの耳毛、リングスティップは基本的に処理する必要がないのです。
もちろん、耳垢が溜まりやすい体質だった場合など、衛生面の問題があれば処理が必要ですが、犬と比べて猫は耳の病気になることがあまりありません。
また、猫が周囲の状況を把握する助けになるパーツでもあるため、特に処理する必要がなければ、愛猫そのままの自然な姿を愛してあげて大丈夫。
むしろ、お出かけが好きな子なら、耳に異物が入るのを防ぐために伸ばしておいた方が良いかもしれませんね。
愛猫の耳毛を処理した方が良い場合
耳毛を処理した方が良いのは、衛生面での問題がある場合です。
具体的には、猫カビがひどかったり、耳まわりに外傷があったりする場合は、カビの繁殖・怪我の悪化が考えられます。
他にも、垂れ耳の猫種で毛が耳を塞いでしまっている、または耳垢がたまりやすい体質の場合は、汚れにより外耳炎や耳ダニの増殖のリスクが上がってしまいます。
これらはどちらかといえばリングスティップより、タフトと呼ばれる毛に多いケースですが、適切に処理することで症状の改善が見こめます。
ただし、デリケートな器官ですので必ずしも耳毛が原因とは限りません。
自己判断せず事前に動物病院を受診し、耳毛の処理も視野に入れて対処方法を考えるようにしましょう。
愛猫の耳毛処理方法
ネコちゃんの耳毛を自宅で処理する場合は、小さくて先端に丸みがあるハサミを用意しましょう。
刃の先がとがっているっているものは、猫が身じろぎした場合、怪我をさせてしまう恐れがありますので使いません。
実際にカットするときは、猫が動かないようにしっかり押さえる必要があります。
できれば押さえる係とカットする係にわけて、2人以上で施術できると安心です。
カットする長さは短くしすぎず、風通しをすこしよくする程度におさえて根元を少し残します。
しばらくすると伸びてきますので定期的にカットする必要がありますが、嫌がって暴れたり、ハサミやバリカンを怖がったりするようなら無理に自宅でカットせず、動物病院で処理をお願いしたほうが良いでしょう。
愛猫の耳のケア方法を紹介
綺麗好きで頻繁に毛づくろいをするネコちゃんですが、猫だけで耳のケアを行うのは難しいものがありますよね。
耳垢が溜まりやすい体質の子もいるため、病気などのトラブルを事前に防ぐためにも定期的なケアを習慣づけましょう。
基本的にはイヤークリーナーをコットンなどに塗布して、耳の内側を拭きます。
デリケートな部分ですので、効率よく進めるよりも、怖がったり痛がったりしていないか、気を配りつつ優しくケアしてあげてください。
終わった後にオヤツをあげて褒めてあげれば、「ケアをすればオヤツをもらえる」とポジティブな条件づけができ、スムーズにケアができるようになりますよ。
猫とのコミュニケーションの一環として取りいれてみてくださいね。
まとめ:耳毛の役割を把握して間違った処理をしないよう気をつけよう
最期に記事の内容を復習しますね。
- リンクスティップとは、猫の耳の先端にある長い耳毛。
- ヤマネコから遺伝したもので、長毛種の猫で特に目立つが短毛種にも存在する。
- 風や音をとらえる情報収集や、耳のなかへの異物混入防止に役だつ。
- 耳に異常がなければ、基本的に処理は不要。
- 衛生的な問題がある場合は、先端の丸いハサミでカットするか、動物病院で処理してもらう。
- 定期的にイヤークリーナーなどで耳掃除をして、病気などのトラブルを防ぐ。
猫の耳先に長く伸びる耳毛、リンクスティップ。
愛猫が持つ大切な個性として、役割を把握して間違った処理をしないように気をつけたいですね。
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