犬は主従関係を重要視することはよく知られています。愛犬が飼い主さんに懐いているからと言ってリーダーと認めているわけではありません。今回のMOFFME記事では、愛犬にとってリーダーと好きな人は違うのかについて紹介していきます。
この記事の目次
目次を閉じる愛犬にとってリーダーと好きな人は違うって本当?違いを解説
犬の祖先であるオオカミたちは群れの中で生きる動物でした。群れは仲間であると同時に序列があり、強いリーダーのもとに集うことで、安全な生活をしていました。その頃の本能は、今でも犬の中に残っています。
しかし、犬が服従するリーダーと、好きな人が同じであるとは限りません。群れで暮らす上で必要なことと、感情的な好き嫌いはまた別の問題なのです。
では、犬がリーダーとして認識する理由と、好きになる理由というのは、どんなものなのでしょうか。
今回「MOFFME」では、「リーダーと好きな人は違う?」という疑問について解説します。
- 愛犬にとっての『リーダー』と『好きな人』の違いを紹介
- 愛犬が思うリーダーとは何か
- リーダーとの散歩とそれ以外の人との散歩の違いを紹介
愛犬にとっての『リーダー』と『好きな人』の違いを紹介
犬は、飼い主さんの家族の中で上下関係を付けていますが、感情的な好き嫌いも同時に抱いています。これが、リーダーと好きな人は違うという状況が発生する原因です。
最も強く自分を守ってくれる存在を一番上のリーダーとする以外にも、自分の位置によって従う相手、従わない相手を決めます。
一方で、服従はしていなくても、好意的に思っている相手というのも存在します。家族の中でもあんまり言うことは聞いてくれないけれど、そばで眠っていたりおやつをおねだりしたり、甘える相手というのもいるのではないでしょうか。
ここでは、愛犬にとっての『リーダー』と『好きな人』の違いを紹介します。
- リーダーに好意を抱くかは別の話
- 『リーダー』と『好きな人』の違い
リーダーに好意を抱くかは別の話
犬にとってのリーダーとは、群れの頂点であり、自分たちを守ってくれる、尊敬できる存在です。しかし、犬にとってのリーダーと好きな人は違うことは忘れてはいけません。
犬だけの群れであれば体の大きかったり力の強い犬がリーダーになりますが、人間との暮らしでリーダーとして認識する相手は、家庭によって様々でしょう。子どもを叱るお父さんや、食事を出しているお母さんなど、群れのことをよく見た上で、リーダーを判断します。
そして、犬がリーダーとして認識している相手に好意を抱いているかどうかは、別の話になります。
リーダーと言うのは、自分よりも強い存在です。厳しくしつけたり群れを守る強さを持っている存在には、敬意を抱くと同時に、恐れを感じることもあるでしょう。
『リーダー』と『好きな人』の違い
自分が愛犬から『リーダー』として認識されているのか、『好きな人』と認識されているのか気になる時は、命令を聞いてくれるかどうかで判断ができます。
リーダーの命令は絶対です。自分たちの群れを守ってくれる存在は自分よりも強いため、逆らえないことを理解しています。そして、命令を聞くことで群れの秩序が保たれ、自身を守ることにも繋がるのです。
一方で、好きな人には自分との力関係を考慮しません。しっかりとしつけがされているのであれば、基本的に飼い主さんは愛犬よりも上の立場でありますが、時には自分と対等、あるいは下として認識することもあり、その場合には言うことを聞きません。
しっぽを振って近寄ってくるのに命令を聞いてくれない、というのであれば、好かれていると同時に群れの中で下として見られているのだと理解しましょう。
愛犬が思うリーダーとは何か
野生における群れは、同種による集まりです。主に強さと大きさといった比較的分かりやすい「リーダーらしさ」がありました。外敵から守り、縄張りを維持することで、食事や子育てを安定させてくれる存在の周囲で、群れが形成されたのです。
しかし、人間との暮らしは犬やオオカミのそれとは異なります。人間の家族や同居というのはいろいろな要因があり、分かりやすくリーダーとなる存在に集っているとは限りません。
そんな中で、犬は何をもってリーダー性を人間に見出しているのでしょうか。
ここからは、愛犬が思うリーダーとは何かについて解説します。
- 愛犬にとってのリーダー
- リーダーがいれば愛犬のストレス軽減になる
愛犬にとってのリーダー
犬にとってリーダーは群れを守る存在です。そして、群れを構築するのは自分とリーダーのみではありません。
群れを構築する他のメンバーに対する行動も含めて、リーダーが誰であるか、それに相応しいのかを判断します。たとえば、親が子どもを叱っているところを見れば、それも含めて「この群れのリーダーは叱っているあの人だ」という認識を進めていきます。
リーダーはあくまでも群れの頂点です。愛犬のみとの一対一の関係ではありません。そのため、犬に対してだけ強く出てしつけをしようとしても、群れでの関係性を見て、ある程度言うことは聞くもののリーダーとしては捉えないということもあります。
リーダーがいれば愛犬のストレス軽減になる
群れの維持というのは、非常に難しい行為です。
外敵から仲間を守るのはもちろんのこと、群れの中でも自身の立ち位置を守るためにメンバーを威嚇したり、攻撃的反応を示さなければなりません。リーダーが存在しない群れだと、その役割を愛犬が行おうとするため、非常に大きなストレスをかけることになってしまいます。
しかし、リーダーの庇護下にあれば、それらの精神的負担を取り除くことができます。安全が保証された群れの中で、自分よりも強い存在に守ってもらえる状況は、犬にとってもストレスの少ない環境なのです。
ここでも、リーダーと好きな人は違うという事が重要になります。
一般的にストレス解消というと愛犬と遊んであげることが思い浮かびますが、そもそも安心できる場所でなければ、常に愛犬に負荷をかけてしまいます。愛犬が安心して生活できるように、飼い主さんが上の立場で守ってあげられる存在であると覚えてもらいましょう。
リーダーとの散歩とそれ以外の人との散歩の違いを紹介
リーダーといるときと、それ以外の人といる時では、犬の行動や態度も変化します。
普段の暮らしでも、ご飯をあげる時に「待て」や「おすわり」を聞いてくれるか、吠えかけてこないかなどで見ることができますが、最も分かりやすいのは、おそらくお散歩の時になるでしょう。
お散歩は、愛犬と飼い主さんの絆を育む大切な行為であると同時に、上下関係を理解するための場でもあります。飼い主さんと愛犬の位置関係やルートの決定など、主導権をどちらが握っているのかを見ることができる時間です。
ここからは、愛犬がリーダーとして認めている人との散歩と、それ以外の人との散歩の違いについて紹介します。
- ① リーダーとの散歩
- ② それ以外の人との散歩
① リーダーとの散歩
リーダーと散歩する時は、基本的に愛犬はリーダーの指示に従って歩きます。
自分で決めた巡回コースや歩くスピードではなく、リーダーのそばを歩き、次はどこへ向かうのかリーダーに決めてもらって散歩をします。
これは飼い主と飼い犬の関係として好ましいものとされていますが、必ずしも、リーダーとの散歩がそのようなものになるとは限りません。トイレのためや身の危険を感じたときなどには、指示を聞きづらくなることもあります。
② それ以外の人との散歩
愛犬が前を歩いたり、向かう方向を勝手に決めてしまい譲ろうとしなかったり、散歩中のわがままに悩まされるという飼い主さんもいるかもしれません。
それは、飼い主さんが愛犬との適切な上下関係を築けていないためであり、当然ながらリーダーとしては認識されていないということです。
お出かけのときくらいは好きに歩かせてあげたいと思うのも自然ではありますが、他の歩行者や車も通る道で愛犬に主導権を渡すのは、非常に危険です。
「リーダーウォーク」とも呼ばれる状態は、散歩中の犬が飼い主さんに従って適度な距離を保っている状態であり、犬と飼い主の好ましい関係として目指されているものです。
前提となる上下関係から覚えてもらうためには、犬とあえて違う方向に歩いてみたり、引っ張ったりと少々厳しそうなしつけも必要になります。しかし、他ならぬ愛犬を危険から守るために必要な行為だと割り切って、お散歩中は飼い主さんが主導権を握れるようにしましょう。
まとめ:愛犬を安心させられるリーダーを目指そう
愛犬を可愛がるあまり甘やかしてしまい、本来構築すべき上下関係やリーダーシップといったものを失ってしまう飼い主さんも、決して少なくはありません。
しかし、犬にとってリーダーと好きな人は違うというのは忘れてはいけません。安心して暮らすためには、自分を守ってくれるリーダーが存在している必要があります。主従関係を放棄し、甘やかして愛犬に楽をさせることが、かえって負担をかけるようなことになってしまうのです。
特に、飼い犬は自ら群れを選ぶことはできません。常に厳しくするあるいは甘やかすといった極端な関係ではなく、愛犬が安心してそばで過ごすことのできる、良いリーダーに飼い主さんがなってあげましょう。
今回は、「愛犬にとってリーダーと好きな人は違う?」という疑問について以下を通して解説を行いました。
- 愛犬にとっての『リーダー』と『好きな人』の違いを紹介
- 愛犬が思うリーダーとは何か
- リーダーとの散歩とそれ以外の人との散歩の違いを紹介