愛犬にウジ虫が寄生したら安楽死させる?蠅蛆症の原因・治療法を解説のサムネイル画像

内容をまとめると

  1. 蠅蛆症の原因は不衛生な環境や傷口から
  2. 定期的な剃毛や外傷部の確認を怠らないことが大切
  3. 犬の医療費は保険適用されないので、もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと安心

みなさんは「蠅蛆症」という病気をご存知でしょうか。蠅蛆症とは夏に発症しやすくなるウジ虫に寄生される病気で、重症化すると治療ができず安楽死するケースもあるほど怖い病気です。今回のMOFFME記事では、愛犬がウジ虫に寄生された際の治療法など紹介します。

この記事の目次

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愛犬にウジ虫が寄生したら安楽死させる?蠅蛆症について解説

犬の飼い主さんであれば一度は「蠅蛆(はえうじ)症」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。はえ?うじ虫?なんだかよく分かりにくいですね。


実際に愛犬にウジ虫が寄生したら安楽死を選択する飼い主さんもいるようです。その選択は苦渋の決断だと思います。


それだけ愛犬にとっても苦しい症状が出てしまうのでしょうか。


今回のMOFFMEでは、

  • 愛犬にウジ虫が寄生していると安楽死を選ぶこともある
  • 犬の蠅蛆症とその原因
  • 蠅蛆症の症状や予防法
について解説していきます。

愛犬がそのような恐ろしい病気にならないためにも、普段からのお世話とケアが欠かせません。ぜひこの記事を最後まで読んでいただき、一匹でも多くのワンちゃんの命が助かることを祈っています。

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愛犬にウジ虫が寄生していると安楽死を選ぶこともある

犬を飼っている皆さんは、動物病院のブログや日記などを読んだことはありますか?頻繁に更新されている病院も少なくありません。


そういったところに、犬の蠅蛆症について記載している動物病院もあります。


動物病院では、夏になると蛆に寄生されたペットを診察する機会があるそうです。蠅蛆症になりやすいのは外で飼われている高齢または若齢の犬が多いとされています。


高齢犬の場合には回復力の低さや機能の衰え、寄生数の多さや症状の悪さ、また生活環境を考慮した結果、安楽死を選択する飼い主さんもいるようです。動物病院の担当医によっては、安楽死を殺処分と考えている先生もいます。


安楽死の選択以外にも、毛刈りをおこなって静かに息を引き取ることを家で見守るという選択肢もあるようです。大切な愛犬について、家族やかかりつけ医とよく相談をしたうえで予後を考えてみてください。

犬の蠅蛆症について紹介

飼い主さんが安楽死を選択するほどの恐ろしい病気であることがお分かりいただけましたか?大切な愛犬に安楽死を選択することなど、考えたくありませんよね。


そこで、犬の蠅蛆症についてしっかりとした知識をつけ、愛犬を蠅蛆症から守りましょう。


まずは、

  1. 犬の蠅蛆症とは
  2. 犬の蠅蛆症の原因
について解説します。

基本的に蠅蛆症は皮膚の下に発症することが多いのですが、寄生する場所によっては脳に発生する場合もあるそうです。そうなった場合はとても危険です。

犬の蠅蛆症とは

蠅蛆症とは、犬など哺乳類の皮膚などの傷や膿んだ部分などに、ハエの幼虫であるウジ虫が卵を産みつけ、皮膚下などにウジ虫が寄生してしまう病気です。


その産みつけられた卵が孵化すると、ウジ虫が犬の皮膚の奥深くに穴を開けて潜り込んでしまいます。傷の部分を栄養とするため、食べながら移動することもあります。


蠅蛆症を引き起こすハエは数種類あります。その中でも日本では、ウシバエ、イエバエ、ニクバエなどが生息しています。


蠅蛆症は屋外で飼われている犬が発症しやすいとされています。その他、高齢や若齢でグルーミング能力が低かったり、生活環境の衛生状態が悪かったりすると発症リスクが高まります。

犬の蠅蛆症の原因

犬の蠅蛆症の原因は、主に不衛生であったり、傷口があったりすることです。寄生する場所として、糞尿などで不衛生になりやすい黄門部は皮膚が薄く寄生しやすい傾向があります。他にも、鼻や骨髄、腸や脳内などに寄生することがあります。


蠅蛆症を発症するリスクが高い要因として、外飼いや弱った高齢犬、若齢でグルーミングが下手である、皮膚病や外傷など体表に問題がある、生活環境の衛生状態が粗悪である、飼育放棄を受けているといったものがあります。


近年では、外飼いの犬が減少傾向にあるものの、ウジ虫に寄生されても飼い主さんの発見が遅れることが多く、知らぬ間に悪化させてしまっているケースが多いようです。


愛犬がもしも蠅蛆症に罹ってしまった場合に費用面での負担を軽減させるためにもペット保険への加入が重要です。

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愛犬の蠅蛆症の症状や予防法を紹介

ウジ虫は、皮膚炎などの皮膚の損傷や腫瘍、また糞尿で汚れた皮膚や皮下組織へ寄生します。さらには、その周辺もウジの寄生や穴を開けることによって新たに組織損傷や炎症を拡大していきます。


寄生が起こりやすいのは、先述にもあるように汚染されやすい場所です。主に糞尿で汚れやすい体の後ろ側、被毛の密度が高い部位では発見しづらく、重症化しやすくなっています。


実際に蠅蛆症が発症してしまった場合の犬の症状や予防法はどのようなものなのでしょうか。


ここでは、

  1. 蠅蛆症の症状
  2. 蠅蛆症の予防法
について解説します。

愛犬の蠅蛆症の症状

蠅蛆症の症状は、すでに損傷を受けている皮膚や皮下組織へウジ虫が侵入していくため、不快感や激しい痛みを生じます。このような不快感や痛みから寝づらくなってしまったり、鳴き続けたりします。


その他にもアレルギー反応が出ることもあります。このような症状が出てきたところで飼い主さんが異常に気づくことがあります。


また、寄生には創傷型、せつ型、移行型があります。創傷型は傷口などの表面にウジ虫が発生し、せつ型は寄生部の奥にウジ虫が潜み、移行型は皮膚の中を移動していくものです。


ウジ虫が動き回ったり、奥深くに潜伏してしまったりしていると、治療を進めることが難しくなってきます。重症化した場合には、先に記載したように安楽死が危惧されるため、そうならないためにも普段から愛犬を清潔に保つ必要があります。

愛犬の蠅蛆症の予防法

蠅蛆症の予防法は、ハエが好むような不衛生な状態を放置しないことです。例えば、糞尿がついている肛門や外陰部、傷や化膿した部分です。


また、蠅蛆症になりやすい高齢犬は、動くことが減ることによって床ずれや傷ができやすくなってしまいます。なるべく散歩に出かけることや、毎日のケアが必要となります。


屋外で飼っている犬も同様です。怪我による傷などはないか、被毛に汚れが溜まっていないかなどよく観察しましょう。


愛犬を清潔な状態に保つためにも、定期的なシャンプーをすることもおすすめです。

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愛犬の蠅蛆症の治療法を紹介

蠅蛆症の予防をしていても、発症してしまう可能性もあります。万が一、発症してしまった場合の治療法についてまとめていきます。


治療は主に、患部を清潔に保って寄生しているウジ虫を物理的に取り除いていきます。さらに、二次感染や再感染を予防するために原因となった疾患の治療をおこないます。


治療法としては、

  1. 剃毛
  2. 外傷部のチェック&ウジ虫の除去
  3. 創傷部の状況に応じた治療
があります。これらについて解説していきます。

治療ステップ① 剃毛

最初のステップはウジ虫が寄生している体表部の毛を剃ることです。被毛を剃ることで患部を清潔に保つことができます


また、体毛によって隠れてしまっていた体表や皮下の病変の発見につながります。多くのウジ虫が寄生している場合には、剃毛にはコツが必要となります。


しかしながら、ウジ虫は光から逃げる習性があり、ウジ虫のいる中心から剃毛を始めると周囲の体毛が生えている場所へ逃げてしまいます。


そのため、病変した範囲や場所にもよりますが、できるだけ逃げ道をなくすような剃毛の仕方をします。また、皮膚が壊死してしまっている場合などは、バリカンの扱いに十分に注意します。


バリカンなどで毛を刈る場合には、できるだけウジ虫を傷つけずに除去することが望ましいです。

治療ステップ② 外傷部のチェック&ウジ虫の除去

次のステップは外傷部のチェックとウジ虫の除去です。剃毛後、体表に穴が開いていないかの有無や外傷部分の確認を行ないます。


体表面にウジ虫が残っている場合は、ピンセットなどで丁寧に取り除きます。ウジ虫の死滅や損傷によって、体組織や体液が犬の傷部分につくと、過敏症やアレルギーの原因になることがあります。


そのため、ウジ虫を取り除く際は雑に行わず、丁寧に除去するようにします。また、取り除いたウジ虫は、アルコールや熱湯に浸け、逃げられないようにします。


皮下にウジ虫が侵入している場合は、見える範囲のウジ虫をピンセットで取り除きます。その後ワセリンを塗り込んだり生理食塩水やリンゲル液に浸したりすると、ウジ虫が這い出てくることが多いです。


取り除くことができないウジ虫には、専用の皮下注射が有効であるものの、アレルギーやフィラリア寄生の有無、MDR1遺伝子変異の可能性などを考慮しなければなりません。

治療ステップ③ 創傷部の状況に対応した治療を行う

最後のステップは創傷部の状況に応じた治療を行ないます。患部は1日に数回の洗浄を行い、できるだけ衛生的に保つことが大切です。


また、二次感染防止のために抗生剤を使用したり、ワセリン等による創傷部の保護をおこなったりします。創部からの排液が多い場合には、こまめにガーゼや包帯などを取り替えるようにしましょう。


さらには、生活環境を衛生的に保ち、犬にハエが寄ってこないようにします。せっかくウジ虫を取り除いても、患部が不衛生で臭いがする場合には、またハエが寄ってきてしまう可能性があるので注意が必要です。


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まとめ:日頃から愛犬とスキンシップをとって病気・怪我を確認しよう

蠅蛆症は、日頃から愛犬とスキンシップを取ることで防ぐことのできる病気です。外飼いの愛犬の場合でも、餌や散歩のみならず、毎日のスキンシップによって病気や怪我の早期発見を心がけてください。


この記事についてまとめると、

  • 蠅蛆症の重篤化によっては、安楽死を選択する飼い主さんもいる
  • 蠅蛆症は皮下にウジ虫が寄生する病気
  • 外飼い、高齢や若齢の犬がなりやすい
  • 症状としては不快感や激しい痛み、不眠症、鳴き続けるなど
  • 予防法は、不衛生なまま放置しないこと
  • 治療法には剃毛、外傷部のチェック&ウジ虫の除去、状況に応じた治療がある

いかがでしたでしょうか。蠅蛆症についての理解を深めていただけましたか?

気を付けていても寄生されてしまうことはあります。しかしながら、寄生に気づかずに重症化してしまった犬はとてもかわいそうです。

飼い主として責任を持って、愛犬の健康に気を付けてほしいと思います。大切な愛犬の命を守るためにも、ぜひこの記事を参考にしてください。

またMOFFMEでは、他にも様々なペットやペット保険に関する記事を多数公開しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

記事監修者「高田 菜月」

この記事の監修者高田 菜月
一般社団法人愛玩動物健康管理協会(CAHA)

2年間の愛犬(虹組)の介護中に老犬の飼育放棄の多さに驚愕。すべての犬猫が幸せで穏やかな時間を最期まですごしてもらうためにできることは何かを考え、飼い主さんのサポートや老犬・老猫のトータルケアができるサロンを開業するべく準備中。17歳のミニチュアダックスと16歳のチワックスと暮らす。【保有資格:JKC愛犬飼育管理士・ペットフーディスト・ペット看護士・ペットセラピスト・トリマー・ペットスタイリスト・動物介護】