内容をまとめると
- 窒息死をはじめとする犬の事故は外よりも家庭内の方が多い
- 意識がない場合は緊急処置として①胸部、胸骨圧迫②人工呼吸を行う
- 苦しんでいる場合の緊急処置として事前に①背部叩打法②ハイムリック法を知っておくこと
- 窒息死の危険がなくなっても動物病院に連れて行くこと
- ペットの医療費は保険適用されないので、もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと安心
愛犬の窒息死は想像以上に身近な悲劇の一つです。飼い主さんとして事前に基本知識や対処法を把握しておくことで万が一の事態に対応できる可能性が高まります。今回のMOFFME記事では、犬の窒息死について応急処置方法などを含め紹介していきます。
この記事の目次
目次を閉じる犬の窒息死について解説!窒息時間や応急処置方法など紹介!
- 犬の事故は交通事故よりも家庭内の方が多い
- 愛犬に意識がない場合どうしたらいいのか
- 愛犬の喉に異物が詰まって苦しそうな時はどうしたらいいのか
愛犬の事故は交通事故よりも家庭内事故の方が多い
モデル:Milk&Chaco
犬の死亡事故と言えば「交通事故」と思う方も多いのではないでしょうか?
確かに外での事故では家から飛び出したり、散歩中に交通事故を起こすことが多いですが、実は「異物の誤飲」が交通事故よりも多いという統計が出ています。
犬が誤飲や誤食してしまうものとしては
- 犬や子どものおもちゃ
- 不注意で落としたままになっている物:例ボタン、ペットボトルのキャップなど
- 先が鋭利なもの:例つまようじ、ヘアピン、画鋲、待針など
- 殺虫剤や電池
- 薬、タバコ
- 中毒を起こす食べ物:例玉ねぎ、チョコレート
- 観葉植物
- 骨折
- 怪我
犬用ガムやジャーキーなどが窒息の原因
先ほど「犬用に作られたのに窒息の原因になる」とお話した犬用のガムやジャーキーですが、それぞれ分けて詳しく説明します。
犬用ガム
- おやつ用
- ストレス対策
- 歯磨き用
愛犬の意識がない場合の対処法を紹介
モデル:Milk&Chaco
見ていない間に窒息してしまい、愛犬が意識を失っていた場合は
- 愛犬の反応を確認
- 口の中に異物がないか確認
- 胸部圧迫か胸骨圧迫を行う
- 人工呼吸を行う
対処法① 愛犬の反応を確認する
失神して倒れていくと慌ててしまいますが、まずは愛犬に呼び掛けて顔やしっぽなどで反応があるか確認します。
反応がない時にはすぐに脈や呼吸、お口の中に異物がないかを確認します、意識がない時は時間が勝負です。同時にかかりつけの動物病院へ連絡しすぐに行ける準備も整えておきましょう。
同時にかかりつけの動物病院へ連絡しすぐに行ける準備も整えておきましょう。
家族の中に運転ができる人がいれば良いですが、そうでなければ蘇生を行いながら動物病院へ行くことになるため、タクシーを呼びましょう。
ここでも事前の準備が役に立ちます。
かかりつけ病院の電話番号やできればカルテ番号も控えておけると良いです。
かかりつけが夜間の時間は対応していない場合もありますので、近所の夜間対応の病院もチェックしておきましょう。
タクシーは愛犬を乗せていける会社を携帯に登録しておくと時間をかけることなく電話ができ、便利です。
病院側も連絡をもらっていればすぐに対応できますので、より短い時間での蘇生が可能となり助かる確率が上がります。
対処法② 胸部圧迫 or 胸骨圧迫を行う
対処①でも話したように、意識がない時は
- 目で胸のあたりを見て呼吸をしているか確認
- 後ろ足の付け根辺りで脈が触れるか確認
- 気道確保を行う
- 犬の背中側から行い、人工呼吸を行うことも考えて利き手と反対の位置に愛犬の頭が来るように座るとやりやすい
- 圧迫の強さは、犬の体の1/3押し込む程度
- 1分間に100回のペースで押す
- 1分間に胸部(胸骨)圧迫を30回、人工呼吸を2回を繰り返す
対処法③ 人工呼吸を行う
もしも呼吸をしていないが脈拍が確認できた場合は人工呼吸のみを、どちらも確認できなければ胸部圧迫と人工呼吸を行います。
最初に愛犬が呼吸していないことを確認したら、気道確保を行います。
気道確保とは、軽く顎を上げるようにして空気の通り道である気道をまっすぐにしてあげることですが、無理に上げないようにしましょう。
飼い主自身が犬の頭に近づき、お腹の部分が目で確認できるような位置に来ることが大切です。
そうすることで人工呼吸を行った時に空気が肺に入って、胸の部分が膨らんでいるかが確認できます。
愛犬の口と鼻を人の口ですっぽりと覆い、動物の口を両手でおさえ空気の漏れを防ぐようにします。
引きだしたら床の方に舌を出し、両手で口を閉じます。
愛犬の鼻に口を付け、鼻から空気を送り込みます。
送り込む時間は1秒、長い時間送り込むと肺が膨らみすぎ損傷しますので注意しましょう。
普段からどのくらいの深さで呼吸をしているのか、愛犬の胸の動きを見ておくと良いです。
愛犬の喉に異物が詰まって苦しんでいる場合の対処法を紹介
愛犬の喉に異物が詰まって苦しんでいる場合は、窒息死を防ぐために
- 背部叩打法
- ハイムリック法
喉に詰まらせてしまったからと言って、「意識がない時の対処方法」でもお話しましたが、無理に異物を取ろうとすると逆効果になってしまいます。
また、愛犬の後ろ足を両方もって逆さにすることで異物を取ろうとする飼い主もいるそうですが、そうして振ることによって手から落ち、骨折してしまうこともあり危険ですのでやめましょう。
意識があるからと言っても、いつ状態が悪くなるかわかりませんし、時間がたつにつれて状態は悪化します。
また、もしも 喉に詰まっている異物を取ろうとしている最中に意識がなくなった場合は窒息死するリスクが高いですので、ためらわず先に話した救急蘇生を行いましょう。
小型犬・中型犬の場合:背部叩打法
小型犬や中型犬が苦しそうにしており、吐き出そうとしているけれど出てこない時は背部叩打法を行います。
肩甲骨の間を5回、強く叩きます。
ポイントは
- 飼い主は大きい面積が叩けるように手を広げる
- 強く叩く必要があるが、呼吸中枢があるためこぶしでは叩かない
- 肩甲骨の間が一番効果的
- 5回たたいたら、必ず異物を吐き出せたか見る
- 吐き出そうとしているタイミングに合わせる
大型犬の場合:ハイムリック法
ハイムリック法は人間でも窒息時に施行する方法なので、ある程度イメージが付きやすい飼い主もいらっしゃると思います。
まず、飼い主は握りこぶしを作りましょう。
そのこぶしを愛犬の上腹部あたりに当てて、斜め上方向に圧迫することによって異物を出す方法です。
ポイントは
- 愛犬の背中側からおへそとみぞおちの間あたり(上腹部)に片方の手でこぶしを作り当てる。
- 肋骨や剣状突起を圧迫しないように注意。
- 愛犬の体に密着する
- 愛犬が吐き出そうとするタイミングを見て圧迫する
時間がかかってしまうと窒息死の危険性が高くなり、意識を失ってしまうかもしれません。その場合は迷わず救急蘇生を行ってください。
まとめ:愛犬の飼い主として事前に応急処置法を把握しておこう
今回は犬の窒息死について
- 犬の事故は交通事故よりも家庭内の事故が多く、犬用のガムやジャーキーでも窒息死を起こす可能性がある。
- 愛犬が意識がない場合は、窒息死する可能性が高く、短時間での対処がカギとなる。救急蘇生法を身に着け、発見した時間から早く対処しながら動物病院へ行き処置してもらう必要がある。
- 愛犬に意識がある場合は背部叩打法やハイムリック法での対処をする。時間がかかってしまうと窒息死するリスクが高くなる。どれだけ早い時間で異物を除去できるかが勝負になる。
以上についてお話してきました。
窒息してしまうと、異物をどれだけ短時間で除去できるか、意識がなければどれだけ早く発見し救急蘇生法を実施し獣医師に連れていけるかが重要になるかが分かっていただけたかと思います。
緊急事態に陥って自分の知識がなく対処ができなかった時、「苦しんでいたのに、私は何もしてあげられなかった」と後悔する人も少なくありません。
窒息死をしないためにも短時間で適切な対処を取り、早めに動物病院へ行くことが愛犬の命をつなぐ鍵となります。
後悔しないためにも、窒息死を予防する方法を知るだけでなく、窒息した時の対処を学んでおくことは愛犬のためになります。
ぜひ、今回の話を参考に愛犬の命を守れる飼い主になってくださいね。
またMOFFMEでは、他にも様々なペットやペット保険に関する記事を多数公開しておりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。