犬のふらつきがすぐ治る場合の原因は?考えられる病気を徹底解説!のサムネイル画像

内容をまとめると

  1. パテラ(膝蓋骨脱臼)の可能性が高い
  2. その他の原因に脳神経系の病気、代謝性疾患、全身性の体調不良が挙げられる
  3. パテラになりやすい犬種を事前に知っておくことが大切
  4. パテラのグレードが上がるほど治療費が高額になる
  5. ペットの医療費は保険適用されないので、もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと安心

愛犬のふらつきを発見したら飼い主さんはどのような行動をすれば良いでしょうか。愛犬のふらつきは慢性的なものとすぐ治るものがあります。今回のMOFFME記事では、犬・動物のふらつき原因やすぐ治る場合の原因・老犬がふらつく原因・対処法を紹介していきます。

記事監修者「高田 菜月」

この記事の監修者高田 菜月
一般社団法人愛玩動物健康管理協会(CAHA)

2年間の愛犬(虹組)の介護中に老犬の飼育放棄の多さに驚愕。すべての犬猫が幸せで穏やかな時間を最期まですごしてもらうためにできることは何かを考え、飼い主さんのサポートや老犬・老猫のトータルケアができるサロンを開業するべく準備中。17歳のミニチュアダックスと16歳のチワックスと暮らす。【保有資格:JKC愛犬飼育管理士・ペットフーディスト・ペット看護士・ペットセラピスト・トリマー・ペットスタイリスト・動物介護】

この記事の目次

目次を閉じる

愛犬のふらつき原因は?すぐ治る場合や対処法など詳しく紹介

愛犬の歩き方が変だと思ったり、愛犬がふらついているがすぐ治るなと感じたことありませんか?


ふらつきがある場合は、病気の可能性が多いです。


病気ではない場合は、老犬で筋力が衰えていたり、寝起きで立ち上がるのにふらついたりすることが考えられます。


ふらつきがすぐ治る場合は、軽度のパテラが原因と言われていますよね。


今回MOFFMEでは、

  • 愛犬のふらつく原因
  • ふらつきがすぐ治る理由
  • パテラとはどんな病気か
  • パテラの治療法と費用
について解説していきます。

愛犬がふらつくがすぐ治ることがある飼い主さんは、最後までご覧ください。

またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひ参考にしてください。

犬のペット保険ランキングを確認する

愛犬のふらつきがすぐ治る理由を紹介


モデル:あおば


愛犬のふらつきがすぐ治るのは、どんな理由があるからなのでしょうか?


ふらつきが一時的なものですぐ治る場合は、軽度のパテラの可能性が高いと言われていますよね。


他には、どんな理由があるのでしょうか?


この項では、

  • 犬のふらつきがすぐ治るのは『軽度パテラ』の可能性
  • パテラ以外のふらつき原因① 椎間板ヘルニアなど脳神経系の病気
  • パテラ以外のふらつき原因② 糖尿病など代謝性疾患
  • パテラ以外のふらつき原因③ 全身性の症状
について解説していきます。

犬のふらつきがすぐ治るのは『軽度パテラ』の可能性

犬のふらつきがすぐ治るのは、「軽度パテラ」の可能性が高いです。


パテラとは、膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)という病気のこと。


膝蓋骨は、膝のお皿と呼ばれる楕円形の骨で、大腿骨にある滑車溝というくぼみにはまっていて筋肉靭帯で固定されています。


この膝蓋骨が外れるのが、パテラです。


小型犬だと子犬の頃から発症することも多く、徐々に進行して歩行に支障をきたします。


膝蓋骨が外れることが多い犬は、足を伸ばして自分で元に戻せる犬もいます。

パテラ以外のふらつき原因① 椎間板ヘルニアなど脳神経系の病気

パテラ以外のふらつき原因として、椎間板ヘルニアなどの脳神経系の病気があります。ほかにも、

  • 変形性脊椎症
  • 脳脊椎の腫瘍
  • 外耳炎
  • 末梢性前庭障害
  • 水頭症
  • 脊髄損傷
などの病気が原因となっていることもあります。

椎間板ヘルニアは、椎間板脊椎を圧迫する病気です。

初期は、後ろ足に力が入らないので、ふらつきながら歩きます。

重症化すると、後ろ足が動かないので後ろ足を引きずったり麻痺がおこり、排尿困難にな
ることも。

椎間板ヘルニアの治療法は、温存療法外科手術になります。

椎間板ヘルニアになりやすい犬種として
  • ミニチュア・ダックスフンド
  • フレンチ・ブルドッグ
  • ウェルシュ・コーギー
などがかかりやすいと言われていますね。

パテラ以外のふらつき原因② 糖尿病など代謝性疾患

糖尿病などの代謝性疾患でも、ふらつく症状があります。代謝性疾患などの病気は多岐に渡り、

  • 糖尿病
  • 甲状腺機能低下症
  • 低カルシウム血症
  • 貧血
  • 重症筋無力症
などの病気も考えられます。

糖尿病は、血液中の糖(グルコース)を細胞に取り込むために必要なホルモンであるインスリンが、体内で分泌される量が少なくなったり、血糖値が高い状態が続く病気です。

糖尿病になりやすい犬種としては、
  • トイプードル
  • ヨークシャテリア
  • ミニチュア・シュナウザー
  • ビジョンフリーゼ
などが挙げられます。

この糖尿病の治療中に、低血糖症を発症すると、後ろ足の麻痺などが起こります。

甲状腺機能低下症になると、大抵の場合は食欲もありますが、心臓の動きが悪くなって
貧血ふらつきが見られます。

甲状腺機能低下症は、中高年の愛犬に多く発症しやすいですが、若い愛犬にも発症しますよ。

パテラ以外のふらつき原因③ 全身性の症状

食欲不振嘔吐下痢などで、全身性体調不良を引き起こすことでふらつく場合もあります。


ふらつきながら震えたり、よだれを垂らして嘔吐の症状がある場合は、何かしらの「」を起こしていると考えられます。


犬が玉ねぎや長ネギ、ニラなどを誤って食べると、ネギ類に含まれる「アリルプロピルジスルファイド」によるネギ中毒を引き起こします。


赤血球が溶けて、溶血性貧血を起こして血尿や貧血・黄疸などの症状が出ますよ。


散歩や室内で遊んでいる時に、何かにぶつけたり、転んだりしてケガをしてしまう場合もありますよね。


その場合も痛みや痛い足をかばうことでふらつきます。

犬のふらつきがすぐ治る原因『パテラ』はどんな病気か


モデル:あおば


パテラ」とは、どんな病気なのでしょうか?


先述した通り、パテラとは、膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)という病気のこと。


膝蓋骨は、膝のお皿と呼ばれる楕円形の骨で、大腿骨にある滑車溝というくぼみにはまっていて筋肉や靭帯で固定されています。この膝蓋骨が外れるのが、パテラです。


小型犬では、内側に外れることが多く、大型犬では、外側に外れることが多いようです。


また、「両方向性脱臼」といって 両方向に外れることもありますよ。


パテラの症状には、4段階のグレードがあります。


この項では、

  • パテラの症状:グレード1~4まで
  • パテラはどんな犬種に多いのか
  • パテラの原因は先天性か後天性かで変わる
について解説していきます。

パテラの症状:グレード1

激しい運動をすると正しい歩行ができなくなったり、たまにスキップする症状が出ます。


膝蓋骨は正常な位置にあります。


触診で外すことができますが、すぐ治る・元の位置に戻る状態です。


普段の生活をしていれば、外れることはほとんどありませんよ。


後天的にパテラを引き起こす可能性があるので、生活習慣に気をつけましょう。


この段階では、手術する必要はありません。

パテラの症状:グレード2

膝を曲げ伸ばしすると脱臼して、足を地面につけられない症状が出ます。


膝蓋骨は正常な位置にありますが、膝を曲げただけでも簡単に脱臼します。


応急処置として足をまっすぐにしたり、指の力で押したりするとすぐ治ることが多いです。


普段の生活でも支障はありませんが、突然外れてしまうことも。


なので、生活習慣には注意が必要です。


足を伸ばして膝蓋骨を元の位置に戻そうとすることもあるようですね。


膝蓋骨を戻せばすぐに治るため普通に歩くことができますが、膝の靭帯が伸びたり、骨が変形するとグレードが上がってしまう場合もあります。

パテラの症状:グレード3

普段から膝蓋骨が外れた状態で、指で押すと一時的に元の位置に戻ります。


指を離すとまた、脱臼してしまいます。


骨が変形しているのが分かるのもこのステージですね。


腰をかがめて歩いたり、足を引きずって歩く、内股で歩くなどの症状が出ます。


ふらつきながら歩くことも見られますが、普通に歩いている場合もあります。


手術が必要になりますが、完全に回復することも見込めるのは、グレード3までになります。

パテラの症状:グレード4

常に脱臼した状態が続き、指で押しても元に戻すことができません。


骨の変形もひどくなって、膝の関節を伸ばすことができなくなります。


地面にほとんど足をつけない状態で歩いたり、膝を曲げてうずくまるような姿勢で歩いたりしますよ。


グレード4まで進行すると、早い時期に処置を行わなければ完全に回復するのは難しいです。


手術の難易度も上がるし、合併症の危険性もあります。


いろいろなリスクを考慮して、飼い主さんが納得してくれた場合に手術をします。

パテラはどんな犬種に多いのか

パテラは小型犬特有の病気ではありません。


小型犬に多い病気ですが、中型犬大型犬にも発症しますよ。


様々な犬種がパテラにかかりやすいと言われています。

  • トイプードル
  • ヨークシャテリア
  • チワワ
  • ポメラニアン
  • パピヨン
  • フレンチブルドッグ
  • マルチーズ
  • ミニチュア・ダックスフンド
  • ミニチュア・ピンシャー
  • イタリアン・グレイハウンド
  • 柴犬
などの犬種が挙げられます。

パテラの原因は先天性か後天性かで変わる

パテラの原因には、「先天性」と「後天性」の2種類があります。

  • 先天性:遺伝的な要素、生まれつきの骨の形成異常
  • 後天性:交通事故や転落、転倒などによるケガや生活習慣

先天性の場合は、はっきりとした原因は判明していませんが、
  • 遺伝的な要素や骨の形成異常
  • 成長期に靭帯や筋肉関係の組織が多くなる
などで、発症する可能性が高いと言われています。

パテラの原因が、先天性によるものならば、予防する方法はありません。

靭帯筋肉などの組織に負担をかけないように暮らしていきましょう。

少しでもおかしいと思ったら、早期治療のために早めの受診をしてください。

後天性の場合は、交通事故や転落などの外傷性の原因があります。
  • フローリングなどの滑りやすい環境で生活している
  • 大きなケガがない場合でも、急に足を引きずる場合もある
  • 肥満
肥満になると、だけでなく関節などに負担をかけるため、パテラを誘発しやすい状態になりますので、注意が必要です。

予防法としては、以下のようなことが挙げられます。
  • 標準体型を保つ
  • フローリングが滑るのを防ぐ(マットを敷く)
  • 滑る床でジャンプやダッシュをできるだけさせない
  • 急激なターンなどもあまりさせない
運動量や食事量に気をつけて標準体型を維持しましょう。

また、普段の生活で足を滑らせたりしていると、すぐ治るとしても骨が曲がった状態に変形していきます。

骨が変形すると、パテラにかかる可能性が高くなるので注意しましょう。

歩き方がおかしかったり、足を触ると痛がったりなどの症状があれば、早めに受診しましょう。

犬のペット保険ランキングを確認する

犬のパテラの治療法や治療費を紹介


モデル:あおば


パテラだと診断するためには、歩行触診レントゲン検査で診断されます。

  • 歩行の状態を確認する
  • 触診で内・外脱臼の診断、左右の足の筋肉量を調べる
  • レントゲン検査でより詳しい膝蓋骨の位置や脱臼状況を確認する(手術の場合は、CT検査を行うこともある)

パテラと診断された場合は、どのような治療法があるのか、治療費はいくらかかるのでしょうか?

この項では
  • 犬のパテラの治療法
  • 犬のパテラの治療費
について解説していきます。

犬のパテラの治療法

パテラの治療法は、外科的治療内科療法があります。


外科的治療は、手術する方法です。


手術法には、

  • 靭帯の向きの修正
  • 内側・外側に引っ張る強さの調整
  • 大腿骨の溝を深くする
  • 筋肉のバランスの調整
などがあります。

パテラの手術は、難易度が高いので、できるだけ経験数の多いお医者さんにお願いしましょう。

手術をしても、再発することがありますよ。

内科療法は、
  • 鎮痛薬の処方
  • サポーターの装着
  • 行動制限
  • 生活環境の改善
など、手術ができない場合に上記のような内科療法で治療します。

以下の場合は、手術ができないので内科療法になりますよ。
  • 麻酔や手術に耐えるだけの体力を持っていない子犬やシニア犬
  • 免疫力が低い
  • 基礎疾患がある
内科療法は、パテラを治すことはできないので、根本的な治療にはなりません。

なので、痛みや苦痛を減らして、生活の質の向上を目指す治療になりますね。

犬のパテラの治療費

パテラの治療費用は、どのくらいかかるのでしょうか?


パテラの手術費用の平均は、220,000円弱です。


両足であれば、これ以上の費用がかかりますよ。


また、入院数が多ければ、金額も大きくなりますよね。


グレードや手術の難易度、病院によって費用は違います。


グレードが上がれば、上がるほど費用は高くなりますよ。


手術をしない場合の治療費は、7,000円から35,000円くらいになるようです。


見積りを出してもらえる場合もあるので、病院に確認しましょう。

犬のペット保険ランキングを確認する

まとめ:犬のふらつきがすぐ治るのはパテラが原因の可能性が高い

今回は、「愛犬のふらつきがすぐ治る」について解説してきました。

  • 犬のふらつきがすぐ治るのは、軽度のパテラの場合が多い
  • パテラ以外のふらつきの原因は、椎間板ヘルニアなどの病気がある
  • パテラは、膝蓋骨脱臼(しつがいこつだっきゅう)という病気のこと
  • パテラには、グレードが1~4まである
  • グレートが低ければ一時的にはすぐ治ることが多い
  • パテラの原因は先天性と後天性の2種類がある
  • パテラの治療は手術と内科療法がある
  • 治療費は手術をする場合は、220,000円が平均になっている
  • 手術をしない場合は、7,000円から35,000円くらいになる
愛犬がふらついて歩いていたら、心配になりますよね。

たとえ、すぐ治るとしても何かしらの病気やケガの可能性があります。

気になる時は、早めに病院を受診しましょう。

またMOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください。