愛犬との別れは唐突に訪れます。そんな「いつか」のために犬が死ぬ前に見せる特徴を把握しておきましょう。今回のMOFFME記事では、口臭など愛犬が死ぬ前に見せる特徴・老犬にしてあげたいこと・飼い主が決めておきたいことを紹介します。
この記事の目次
目次を閉じる犬が死ぬ前は口臭がきつくなる?愛犬が亡くなる前の特徴など
すべての命には終わりがあります。そして残されるものには、安らかに眠ってもらい、最期を見送る責任があります。
それは、愛犬がいずれ永遠の眠りにつくときも同じ。悲しいことですが、人よりもはるかに寿命の短い犬を見送る覚悟は、すべての飼い主さんに必要なもの。
しかし、別れの覚悟や準備は簡単にできるものではありません。突然「もうすぐあなたの愛犬は亡くなります」と言われても、取り乱すばかりでしょう。終わりが近づいていることに少しでも早く気付き、気持ちも含めた支度をしておくことが大切です。
今回「MOFFME」では、犬が亡くなる前の特徴や準備など、愛犬の見送り方について解説を行います。
- 愛犬が死ぬ前にとる行動を紹介
- 老犬にしてあげたい4つのことを紹介
- 愛犬が死ぬ前に決めておきたい2つのことを紹介
愛犬が死ぬ前にとる行動を紹介
モデル:こまち
死は、必ずしも緩やかに迫りくるものではありません。時には、ついさっきまで元気だったはずの愛犬が、少し目を離した間に亡くなっていた……なんてことも起こり得ます。
しかし、口臭がきつくなる、睡眠時間が長くなるなど多くの場合は、死期が近づいた犬には何らかの変化が表れます。その変化を飼い主さんがしっかりと見つけてあげることが大切です。
ここでは、愛犬が死ぬ前に取る行動として、以下の5つを紹介します。
- 死ぬ前の犬の行動① 呼吸が乱れる
- 死ぬ前の犬の行動② 発作や痙攣が起きる
- 死ぬ前の犬の行動③ 鳴き続ける
- 死ぬ前の犬の行動④ 口臭や全身の臭いがきつくなる
- 死ぬ前の犬の行動⑤ 黒い便や血便が出る
死ぬ前の犬の行動① 呼吸が乱れる
呼吸は、非常に分かりやすいバイタルサインです。
生きている以上呼吸は絶えず行われるものであり、それが弱る、乱れるということは、生命に何らかの危機が訪れているということになります。
肺機能の低下や気管の異常などから、死期の近い動物には呼吸が深く長くなる、あるいは不規則に乱れるなどの特徴が表れることがあります。
体を動かさず横たわっていただけの愛犬の呼吸が、突然不規則なものに変化したら、そばに寄り添い、落ち着くまで見守ってあげましょう。
死ぬ前の犬の行動② 発作や痙攣が起きる
特に臓器の健康が損なわれている犬は、てんかん発作や全身の痙攣を示すことがあります。
発作中には、失禁や呼吸困難、泡を吹くなどの症状が出ることもありますが、無理やり抑えつけたりしても治るものではありません。もし病院で発作止めの薬をもらっているのであれば、継続的に飲んでおくことで予防できる可能性があります。
また、発作を起こすということは、体内で今まさに強い異常が起こっているという証でもあります。苦しげな愛犬を前に落ち着くことは困難でしょうが、最期が迫っていることは認識しておきましょう。
死ぬ前の犬の行動③ 鳴き続ける
弱った体は、各所に痛みを起こし、それを訴えさせようとします。あるいは思うように自分の体が動かない不安からかもしれませんが、死の近い犬は、悲痛な鳴き声を上げることが少なくありません。
「キャンキャン」「クークー」と、何もしていないのに愛犬が苦しげな声をあげているときは、もしかしたら、飼い主さんがそばにいてあげることで落ち着くかもしれません。
最期が近づく事に怯えるのは、飼い主さんだけでなく、愛犬自身も同じです。
死ぬ前の犬の行動④ 口臭や全身の臭いがきつくなる
食事量が減ったり嘔吐を繰り返すことで口臭がきつくなったり、代謝の低下で体臭が悪化したり、死の近い犬は独特の匂いを漂わせるようになります。
トイレに行けなくなったことで垂れ流し状態になり、汚れが体について臭いの原因になっていることもあります。
もし愛犬の臭いが気になるのであれば、シャンプーなどの体力を消耗する行為ではなく、シートで優しく拭いてあげるようにしましょう。口臭が気になる場合は、歯磨きをしてあげることで軽減することもできます。
ただ清潔を保つためだけではなく、飼い主さんに触れてもらうこと自体が愛犬を安心させることにも繋がります。
死ぬ前の犬の行動⑤ 黒い便や血便が出る
消化器が正常に働かなくなったことで、便(うんち)の様子が変わることもあります。
宿便と呼ばれる体内に長時間残っていた便が排泄されたり、血が混ざって黒に近い色合いの便が出ることも多いです。
便に限らず、尿の排泄も思うように行かなくなり、寝たきりでその場に垂れ流すような状態になることがあります。ベッドや愛犬の体が汚れたままだと不衛生で、そこから病気に繋がることもあるので、おむつを履かせたり排泄物をこまめに処理するなど、できる限り愛犬の清潔を保ってあげましょう。
また、MOFFMEでは犬のペット保険のランキングについて紹介しています。加入の条件によっては葬儀まで補償してくれるペット保険もあるのでぜひ参考にしてください。
老犬にしてあげたい4つのことを紹介
モデル:こまち
愛犬が年老いて、共に暮らす日々が終わりに向かう中でも、悲しむばかりではいけません。愛犬の命が終わるまで、家族として飼い主として、しっかりと愛犬の面倒を見なければいけません。
老犬には、元気だった若い頃よりも多くの世話が必要になります。何も変わらずに今まで通りの暮らしを送るつもりでいると、愛犬を苦しめてしまうことにもなりかねません。
ここからは、老犬にしてあげたい4つのことを紹介します。
- ① 老犬のQOLを保つ
- ② 疾患を早期発見する
- ③ ご飯を食べない際の対処法
- ④ 夜鳴きの対処法
① 老犬のQOLを保つ
QOL(Quality of Life)とは、「生活の質」を意味し、人間の老後にも使われる言葉です。
犬も年老いると体が弱り、思うように動けなくなります。寝て過ごす時間が多くなり、家の中を移動するだけでも一苦労になるかもしれません。また、場合によっては排泄のコントロールが困難になり、トイレでは無い場所で漏らしてしまうこともあるでしょう。
そのような時には、飼い主さんがしっかりと愛犬の世話をしなければいけません。
愛犬の移動の障害になるものを撤去する、あるいは抱えあげて移動の補助をしてあげる。トイレには間に合わなくてもいいように犬用オムツを履かせる。そういった介護をすることで、愛犬の生活を少しでも良い水準に保ってあげましょう。
② 疾患を早期発見する
老化によって体力の低下した犬は、腎臓病や心臓病などの疾患にもかかりやすくなります。そして、年老いるほど、病気の治療は困難になります。
あらゆる病気の治療に重要なのは、早期発見です。完治は困難であったとしても、症状が軽い内に発見することで進行を抑えることもできます。
また、犬も老化すると痴呆症を発症することがあります。おもらしや鳴き声をあげる、ふらふらと徘徊するなどの行動は、愛犬はもちろん、飼い主さんの負担にもなります。
動物病院によっては、老犬の診察や痴呆症の対策などに力を入れているところもあります。愛犬に老いの様子が見られたらつぶさに観察するようにして、単なる老化か病気によるものか分からない時には、病院で診察を受けてみることをおすすめします。
③ ご飯を食べない際の対処法
食事は体力維持のために必要不可欠ですが、老犬になると、これまで食べていたご飯を食べなくなることがあります。
代謝が落ちたことで食欲が無くなった、味覚が変わった(衰えた)など理由は様々ですが、いずれにせよなんらかの対処を取り食事をしてもらわなければいけません。
単純なのは、老犬用のフードに切り替えることでしょう。柔らかく香りの強いウェットフードは、飲み込む力や嗅覚・味覚の衰えた犬でも食べやすいです。
また、ドライフードであっても、ぬるま湯でふやかしてみたり、犬用ふりかけのトッピングを施すなどの工夫をすれば食べてくれるかもしれません。
ただし、食べてくれないからと言って無理やり口に食べ物を押し込むのはやめましょう。吐き戻してしまったり、喉につまらせてしまうことがあります。
動物病院で食欲を増進する薬を処方してもらえたり、強制給餌が必要なのか判断してもらうことができるので、自己判断せずに獣医師に相談してください。
④ 夜鳴きの対処法
犬は人間と暮らすうちに生活リズムを共有するようになるため、ほとんどの飼い犬は、飼い主さんが眠っている夜中は同じように眠ります。
しかし、老犬になると夜中に起き出して鳴くことが少なくありません。
これも原因は様々で、病気による痛みや苦しみを訴えている、強い不安に襲われている、あるいは他の何かを飼い主さんに要求しているなどの理由が考えられます。認知症を発症しているのであれば、昼夜の感覚が曖昧になり夜中に起き出してしまっていることもあります。
もし認知症であれば、残念ながら、飼い主さんがその場でできることは多くありません。認知症の相談を受け付けている動物病院でアドバイスを貰いましょう。
一方で、不安や痛みが原因であれば、もしかしたら飼い主さんがそばにいてあげることで落ち着くかもしれません。愛犬と寝室を同じにするなどの対応も良いでしょう。
愛犬が死ぬ前に決めておきたい2つのことを紹介
モデル:こまち
どれだけ丁寧にお世話をしていても、いずれ、愛犬が亡くなる時は来てしまいます。
その時の悲しみはとても深く、もしかしたら飼い主さんに心の傷を残すこともあるかもしれません。だからこそ、その時を迎えるにあたって、まだ飼い主さんが落ち着いていられる内に、事前に決めておくべきことがあります。
ここからは、愛犬が死ぬ前に決めておきたい、以下の2つのことを紹介します。
- ① 愛犬の看取り方
- ② 火葬方法
① 愛犬の看取り方
弱った老犬を看取る場所は、大きく分けて「自宅」「動物病院」の2パターンが考えられます。
自宅で愛犬を看取るのは、ほぼ確実に飼い主さんがその瞬間に立ち会うことができます。一方で、愛犬が苦しんでいても適切な治療を施すことが難しい、死後の対応をすべて飼い主さんやご家族が行わなければならないなどの問題もあります。
動物病院で愛犬を看取るのは、愛犬になんらかの病気があり、治療を行っているケースが多いでしょう。発作を起こしたりしても、病院であれば即座に治療をしてもらい、延命に繋がることもあります。しかしながら、唐突に最期の時を迎えてしまった場合、飼い主さんは既に息を引き取った愛犬のもとを訪れるようなことにもなります。
いずれにしても、愛犬を看取るというのは、苦しく悲しい行為です。少しでも後悔の少ない選択を取れるように、愛犬の最期をどのように迎えるかは決めておきましょう。
② 火葬方法
愛犬が亡くなったあとは、葬儀を行います。かつては敷地内に土葬していたご家庭も少なくはありませんでしたが、現代で多くの飼い主さんが選択するのは火葬でしょう。
火葬には大きく分けて、合同火葬と個別火葬があります。
合同火葬は、他のお家のペットとまとめて火葬する方式です。安価で手間もかからず、公営の火葬場では合同火葬によって送ることが多いです。しかし、複数の動物とまとめて焼いてしまうため、合同火葬された愛犬の骨が返ってくることはありません。
個別火葬は、愛犬一頭だけを焼いてもらう方式です。一般的にイメージされる火葬はこちらになるでしょう。こちらは、遺骨を受け取り、埋葬・供養することができます。
遺体は腐敗していくため、ずっと家に置いておくことはできません。どのような形で葬儀を行うかは、まだ落ち着いて判断ができるうちに決めておきましょう。
まとめ:犬が死ぬ前に口臭がキツくなるのは本当!
死期の近づいた犬には、なんらかの兆候が表れます。口臭がキツくなるというのも、そのうちの一つです。
残念ながら、どれだけの愛情を注ごうとも、愛犬が永遠に生きてくれることはありません。口臭を始めとして、老いと死の気配が愛犬に見えてきたら、飼い主さんも決して落ち着いてはいられないでしょう。
いずれ迎える最期の時に向けた準備をしつつ、愛犬が老いてもできる限り良い生活を送ってもらう。簡単なことではありませんが、飼い主さんには、それを行う責任があります。
ただ悲しみだけがある日々ではなく、愛犬には最期まで幸福でいてもらうために、飼い主さんは、あらかじめ老犬にすべきこと、できることの支度をしておきましょう。
今回は、以下を通して、犬が亡くなる前の特徴や対応について紹介しました。
- 愛犬が死ぬ前にとる行動を紹介
- 老犬にしてあげたい4つのことを紹介
- 愛犬が死ぬ前に決めておきたい2つのことを紹介