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夏に多くなる猫の脱水症状。実は脱水症状は一年を通して注意すべきものです。飼い主さんとして、万が一に備えて脱水症状に関する基礎知識を把握しておきましょう。今回のMOFFME記事では、愛猫の脱水症状について詳しく紹介していきます。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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愛猫の脱水症状とは?原因・症状・対処法・見分け方について

脱水と聞くと、夏の熱中症をイメージしませんか。熱中症は夏だけではなく、年中起こる可能性があります。脱水を起こすのは、熱中症だけではなく病気も関係するのです。


猫は脱水で、命を落とす危険もあります。


猫の脱水症状の正しい知識を持つことにより早期発見・対応することができ、愛猫を救うことも可能です。


今回MOFFMEでは、脱水症状の原因・症状・対処法・見分け方をくわしく解説します。

  • 愛猫の脱水症状について解説
  • 愛猫の脱水症状の4つの原因・考えられる病気を紹介
  • 愛猫の脱水症状の主な3つの症状を紹介
  • 愛猫が脱水症状を起こした場合の2つの応急処置を紹介

ぜひ最後までご覧ください!

愛猫の脱水症状について解説


猫が脱水症状を起こすには、先祖から引き継いだ習慣が関係しています。


愛猫を観察していると、夏の暑い日でも水を飲まず、平然と過ごしていますよね。


万が一に備えて、愛猫が脱水を起こす基礎知識をくわしく紹介します。


この項目

  • 脱水が起きる仕組み
  • 猫が1日に必要な水分量
  • 注意:夏以外も猫の脱水が起こる理由

脱水が起きる仕組み

猫が脱水を起こす仕組みには、もともと水をあまり飲む習慣がないからです。


猫の先祖は、水の少ない砂漠で生活していたため、飲み水が少ない状態でも、水分は食べ物から摂取していました。そのため少ない水でも、体内の水分を効率よく使えます


猫の尿が臭いのも、体内で効果的に水分を使用し、体外に水分を出さないようにする性質を受け継いでいるからです。


水分摂取が少なくても生存できるからと言って、水を摂取しなくてもよいと言うわけではありません。


水分摂取が少ないと、体調に影響します。できるだけ水分を飲んでもらう工夫も必要です。


猫はのどが渇くという感覚がないので、飼い主が気をつけてあげるようにしましょう。

猫が1日に必要な水分量

猫が1日に必要な水分量は、体重1kgにつき約40~60㎖ほどが目安です。ただし、季節により必要な水分量は変わってきます。


水分摂取は水だけではなく、フードやおやつからも可能です。


フードに含まれる水分量の目安

  • ドライフード・・・約10%
  • ウエットフード・・・約85%
  • チュール・・・約91%以下

※フードの水分量は、商品により違いがあります。


愛猫が積極的に水を飲まない場合は、水分量が多いフードで水分摂取する方法もよいでしょう。他にも、水容器の変更やこまめな水交換などの方法もあります。

注意:夏以外も猫の脱水が起こる理由

暑さやのどの渇きに鈍感な猫は、夏以外にも冬の暖房や季節の変わり目など、年中脱水を発症する危険があります。


脱水症状が出るのは熱中症だけではなく、水分が汚物と出てしまう嘔吐下痢発熱感染症病気などもあります。


また、子猫や高齢猫は脱水になりやすいので、注意しましょう。


子猫は免疫が低いため、ウイルス性の風邪による発熱、下痢、嘔吐などが原因で脱水する可能性です。


シニア猫は、慢性腎臓病や糖尿病などの病気でも脱水のリスクがあります。


熱中症は夏ではなく、暑さに慣れる前の気温の上昇時期や残暑の季節は要注意です。また冬の暖房にも注意が必要です。


飼い主が普段から愛猫の水分量を確認し、気をつけてあげましょう。

愛猫の脱水症状の4つの原因・考えられる病気を紹介


人と同じく、子猫や高齢猫は脱水になりやすいです。実際、シニアになってから、はじめて脱水を起こした猫もいました。


猫がどんな病気で脱水する可能性があるのか、覚えておくと対応や処置も早くできるのでしょう。


この項目では、脱水症状の原因①~④をくわしく紹介します。

  • ① 病気以外の嘔吐や下痢
  • ② 利尿剤の使用
  • ③ 食事・水分不足
  • ④ 消化器疾患・腎臓病・糖尿病など

脱水症状の原因① 病気以外の嘔吐や下痢

病気以外で脱水になる原因は、嘔吐下痢です。


嘔吐や下痢は排泄物と一緒に、大量の水分と電解質が一緒に排出され、脱水のリスクがあるでしょう。


猫は病気以外でも、ちょいちょい嘔吐します。原因は、毛玉の排出や誤飲食、早食い・丸飲みです。


下痢の病気以外の原因は、誤飲食による消化不良や食べ過ぎが考えられます。


病気以外の嘔吐や下痢であれば、胃腸を休ませるために半日から1日程は絶食し、水のみ与えると回復するでしょう。


しかし、2~3日経っても嘔吐や下痢が続く場合は、感染症やストレス、病気などの可能性が考えられるので、早めに動物病院を受診しましょう。

脱水症状の原因② 利尿剤の使用

病気の治療のために使用する利尿剤で、尿量が増えてしまい脱水が起ることです。


利尿剤を使用する病気には、排水腫や腎不全、心筋症などがあります。


獣医師の指示により利尿剤を使用していますので、利尿剤で脱水症状が出ている場合、まず、獣医師に相談するのもよいでしょう。ただし、自己判断で薬を中断してはいけません


脱水症状がでるのであれば、脱水予防することが必要です。


例えば、シリンジで水を飲ませたり、ドライフードを水分でふやかしたり、ウェットフードを与えたりするとよいでしょう。


自宅で脱水予防をしても改善されない場合は、早めに獣医師に相談し、ケアすることが大切です。

脱水症状の原因③ 食事・水分不足

猫の脱水原因には、食事から水分が取れない場合や容器から水を飲まないことです。


猫は新鮮できれいな水を好むので、こまめに水を交換することが大切です。また、容器が原因で水を飲まなくなることもあります。


以前、水容器を陶器からプラスチックに変更したところ、急に水を飲まなくなり、再度、陶器に変更すると、飲むようになったことがありました。


他にも、顔が反射するステンレス容器や嫌いな模様が描かれてる場合など、ちょっとした変化で水を飲まなくなるので、気をつけましょう。


食事の場合は、ドライフードに含まれる水分は約10%程度になり、ウェットフードやペーストタイプのおやつだと水分量は約80%~あります。


水の飲み方が少ないときや部屋が暑いときなどは、食事で水分を補えるように工夫しましょう。

脱水症状の原因④ 消化器疾患・腎臓病・糖尿病など

猫の脱水原因には、消化器疾患や腎臓病糖尿病などの病気により起こることがあります。


糖尿病は、継続して血糖値が上昇し続ける病気です。血糖値の上昇により、細胞内の水分が細胞の外に出たり、尿量が増加したりします。


糖尿病により、多くの水分が体外に排出され、脱水になりやすくなるのです。


膵炎や胃腸炎などの化器疾患の場合には、嘔吐や下痢を引き起こすことが多くあります。嘔吐や下痢は、大量の水分と電解質を排出するため、脱水になる可能性があるのです。


シニア猫の多くが発病する可能性がある腎臓病も、脱水症状の原因になります。腎臓病は完治することがなく、だんだん悪化する病気です。


血液検査で調べることができるので、愛猫の健康診断は定期的に行うことをおすすめします。

愛猫の脱水症状の主な3つの症状を紹介


愛猫が脱水しているか、脱水症状を知っていると確認することができます。症状を見分けることができれば、早めの対応が可能です。


脱水は悪化すると命の危険もあるので、脱水症状の見分け方を覚えておくとよいでしょう。


愛猫の脱水症状を早期発見するために、大切になります。


この項目では、脱水症状①~③をくわしく紹介します。

  • ①皮膚の弾力を失う
  • ②歯茎が乾く・反応が鈍くなる
  • ③目や口の粘膜がネバネバする・乾く・よだれ

症状① 皮膚の弾力を失う

脱水症状のときには、皮膚の弾力が失われています。


皮膚の弾力を確認するには、とても簡単です。


皮膚の弾力チェックする方法は、首から背中あたりの皮膚を軽くつまみ、少し引っ張りあげます。


正常のときは、すぐに皮膚が戻りますが、脱水症状のときは、皮膚の戻りがゆっくりと遅くなります。


脱水症状が出てから皮膚の状態を確認しても、正常のときとの違いがわかりずらいので、普段から愛猫の皮膚の弾力状態を確認しましょう。


やり方がよくわからないときは、かかりつけの獣医師に確認することをおすすめします。


脱水症状が悪化するほどに、皮膚の戻りがどんどん遅くなります。


皮膚の弾力が失われた状態を発見したときは、早めに動物病院を受診しましょう。

症状② 歯茎が乾く・反応が鈍くなる

脱水症状のときには、歯茎が乾き歯茎の色の反応が鈍くなります。


歯茎の乾きをチエックする方法は、口をめくり歯茎を見る。歯茎が十分に濡れていたら、問題ありません。歯茎に水分がなく、乾いていたら脱水の可能性があります。


歯茎の色の反応をチェックする方法は、口をめくり指で歯茎を押さえると白くなるので、ピンクに戻るはやさで脱水状態を確認。すぐに色が戻ると、正常です。色の戻りが遅いと、脱水の可能性があります。


正常な状態を知らないと、脱水状態になってからだとわかりにくいです。普段の歯磨きなどで確認し、正常の状態を把握しましょう。


普段から歯茎をチェックすることにより、脱水のときの歯茎の乾きや反応の鈍さに気づくことができ、早めに動物病院を受診できます。

症状③ 目や口の粘膜がネバネバする・乾く・よだれ

脱水状態のときは、目や口の粘膜がネバネバしてきて乾きよだれを出すことがあります。


脱水のときは皮膚の弾力を失ったり、歯茎の乾きや反応が遅くなるだけではなく、目や口の粘膜がネバネバして乾きますので、上記2点の項目と一緒に確認しましょう。


正常の状態を知らないと、悪化状態がわからないので、普段から目や口の粘膜の状態はチェックが必要です。


脱水症状が悪化すると、口からよだれを出すことがあります。よだれを出した場合は、重度の脱水になている可能性が高く、早急の対応が必要です。


脱水は命を失う危険があるので、併せて下記の症状がある場合はすぐに動物病院を受診しましょう。

  • 元気がない
  • 食欲がない
  • 呼吸が荒い
  • 歯茎の色が白っぽい

愛猫が脱水症状を起こした場合の2つの応急処置を紹介


愛猫に脱水症状があった場合、とにかく早く水分を摂取させる必要があります。


猫は、我慢強い動物です。症状が現れたときには、重度の脱水症の可能性もあります。


愛猫に脱水症状が現れたときに対処方法を知っていると、万が一のときに安心です。


普段から愛猫の身体状況を確認し、もしもに備えて対処法を覚えておくことをおすすめします。


この項目では、対処法2つをくわしく紹介します。

  • ① ドライフードに水分を加える
  • ② ポカリスエットなどスポドリを薄めて与える

対処法① ドライフードに水分を加える

愛猫に脱水症状があった場合の対処法は、ドライフードに水分を含ませて与えましょう。


ドライフードだけだと、エサに含まれる水分量は約10%と少ないですが、水やミルクなどの水分を含ませることで、効率的に水分摂取ができます。


ドライフードに水分を含ませたエサを食べない場合は、ウェットフードやペースト状のおやつなどを与えるとよいです。


ウェットフードやペースト状のおやつは水分量が多く、緊急時や普段からの水分摂取をするのにうってつけでしょう。


しかし、ウェットフードをいきなり与えても、下痢・嘔吐や食べないこともあるので注意が必要です。


脱水した状態の緊急時には、早めの水分摂取が必要なため、ドライフードに水分を含ませて与えましょう。

対処法② ポカリスエットなどスポドリを薄めて与える

愛猫に脱水症状があった場合の対処法は、人用のポカリスエットなどのスポーツドリンクを薄めて与えることです。


人用のスポーツドリンクや経口補水液は、猫にとっては糖分が多いため2倍以上に薄めてから与えてください。


愛猫がぐったりして自主的に飲めないときは、シリンジやスポイト、脱脂綿に含ませて与えます。


スポーツドリンクなどを与えるのは、あくまでも応急処置になりますので、早めに動物病院を受診しましょう。


脱水症状が現れたときに、スポーツドリンクや経口補水液がない場合は、自宅にあるもので作れますので、覚えておくと役立ちます。


自宅で作れる経口補水塩の材料

  • 沸騰した水・・・1ℓ
  • 砂糖・・・40g
  • 塩・・・3g

上記材料を混ぜると経口補水塩ができます。

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まとめ:症状が末期であれば死亡する可能性もある

今回は、猫の脱水症状の原因や症状、見分け方、対処法を徹底解説しました。いかがでしたでしょうか。


今回の項目

  • 愛猫の脱水症状について解説
  • 愛猫の脱水症状の4つの原因・考えられる病気を紹介
  • 愛猫の脱水症状の主な3つの症状を紹介
  • 愛猫が脱水症状を起こした場合の2つの応急処置を紹介

一年中起こる可能性がある脱水症状は、最悪の場合には命の危険があります。


もしも愛猫が脱水になったときは、早期発見と対応できるように脱水についての知識を覚えておくとよいでしょう。


またMOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!