愛猫が飼い主さんにスリスリする行為はかわいいですよね。初対面の野良猫ちゃんにされてもとても幸せな気持ちになるかと思います。今回のMOFFME記事では、愛猫がスリスリする理由・部位ごとの気持ちの違い・しつこい際の対処法を紹介します。
この記事の目次
目次を閉じる愛猫が顔や物にスリスリする意味は?しつこい際の対処法など
- スリスリする理由
- 部位ごとにこめられた気持ちの違い
- しつこい場合の対処法
の3点にわけて解説いたします。
ネコちゃんの気持ちをより理解できるようになる内容ですので、ぜひ最後までご覧ください。
愛猫がスリスリする理由3選を紹介
実は「スリスリ」をしたとしても、甘えているとは限らないのです。
そう言われると「私のことが好きで甘えていると思っていたのに」とショックを受ける方もいらっしゃるかもしれませんね。
もちろん飼い主さんに甘えてスリスリしている面もあるのですが、それ以外にも縄張りを主張するマーキング行為であったり、親愛を込めた挨拶であったりという側面があるのです。
共通しているのは、猫の優れた嗅覚にもとづいたコミュニケーション手段であること。
本項では猫がスリスリする主な理由、
- マーキング
- 親しい仲間への挨拶行為
- 飼い主に甘えている・愛情表現
の3点について詳しくご紹介していきます。
「かわいいな」と見ていたネコちゃんのスリスリに込められた意味についてわかる内容になっていますので、ぜひご覧になってくださいね。
理由① マーキング
優れた嗅覚を持つ猫にとって、においは大事な情報源。
知らないにおいをかいだらびっくりして「シャーッ」と威嚇することもあるくらい、においには敏感です。
そのため、臭腺から分泌されるにおい(フェロモン)を家の柱や家具にこすりつけてマーキングし、自分の縄張りを主張する習性があります。
飼い主さんにも自分のにおいをつけておくのですが、外出したり、お風呂に入ったりしてにおいが消えたら、またマーキングしなおさないといけません。
そんな時に行うのが「スリスリ」なのです。
においの上書き以外にも、初めて行った場所や家の外から持ちこまれた荷物、初対面の来客にスリスリしてにおいを上書きし、安心を得ようとすることがあります。
そのため、縄張り意識の強い若くいオス、おっとりしている長毛種よりはアクティブな子が多い短毛種の方がスリスリは多いといえます。
逆におばあちゃん猫や長毛種の子はスリスリが少なめ。
おうちのネコちゃんを当てはめて、思いあたる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
理由② 親しい仲間への挨拶行為
念入りに体をこすりつけてにおい付けしようとしているというよりは、すこし触れて去っていくような場合は親しい仲間への挨拶行為と考えられます。
猫同士でもすれ違いざまに体を触れあわせたり、鼻と鼻をちょん、と当てたりしていて、とてもかわいらしいですよね。
これはお互いのにおいを確認・交換している行動で、時間が長ければ長いほど友好的な関係と言えます。
複数匹の猫を飼っているおうちで飼われているネコちゃんたち同士が行う以外に、野良猫同士でスリスリしあうことも。
猫を飼っていらっしゃる飼い主さんのなかには「うちの子がよくやるよ」という方も多いでしょう。
「こんにちは」「元気?」と言っているのかもしれません。
ペットのネコちゃんがご挨拶のスリスリをしてきたときは、すこし急いでいるときでも軽くお返事をしてあげるとネコちゃんも喜びますよ。
ただし、声や動作が大きかったりしつこかったりする人には猫が危機感を覚えて近づかなくなりますので、スリスリする可能性は低くなります。
スリスリしてもらいたい人は要注意ですね。
理由③ 飼い主に甘えている・愛情表現
もちろん、マーキングや挨拶行為だけではなく、甘えていたり愛情を表現したりするための手段として、スリスリを行う場合もあります。
その他に、「スリスリしたら飼い主さんが喜んだ」という記憶が残っていて、飼い主さんを喜ばせたくて、あえてスリスリしているケースや、しばらく留守にしていたタイミングで、マーキングや挨拶行為としてのスリスリに、甘えている・愛情表現としての意味合いが足されているケースなどもあるでしょう。
ネコちゃんなりに大好きな飼い主さんとコミュニケーションをとろうと一生懸命なんですね。
どんな状況だとしても、根本的な部分にあるのは「飼い主さんにもっと遊んでほしい」「構ってほしい」という気持ち。
ネコちゃんを喜ばせるためにも、普段よりもすこし時間をかけて構ってあげると良いでしょう。
後述する対処法のなかでも、撫でてあげる・おもちゃで遊ぶ・おやつをあげるの3つの方法が特に有効です。
おやつのやりすぎにだけ注意してあげてくださいね。
スリスリする部位によって愛猫の気持ちは異なる
ここまで、猫がスリスリする理由についてお話してきました。
マーキング・挨拶・愛情表現など、様々な理由が込められていましたが、実は、ネコちゃんがこすりつけてくる部位によっても意味合いが異なるのです。
頭の片隅に置いておけば、愛猫がなにを考えているのかわかるかもしれません。
本項では下記の部位3点、
- 顔
- 鼻
- お尻
それぞれに込められたネコちゃんの感情について、猫同士がスリスリしている理由もふまえて解説いたしますので、ネコちゃんとのコミュニケーションにお役だてくださいね。
スリスリする部位① 顔
顔をこすりつけてくる場合、マーキングの意味合いが強いでしょう。
猫は額、頬っぺた、顎などに臭腺が集中しているため、におい付けを行う際は顔をスリスリしてくることが多いです。
タイミングとしては、外のにおいをつけて戻ってきた帰宅時や、石鹸などのにおいがついているお風呂あがり。
嗅覚が優れている猫はにおいに敏感で、知らないにおいをかぐと不安になるため、せっせとマーキングしなおして自分以外のにおいを上書きし、安心しようとしているんです。
ネコちゃんが飼い主さんににおいをつけようとするとき、狙いやすいのは足元のため、どうしても抜け毛の付着は避けられません。
また、音もなく足元に寄って来るので、うっかり蹴り飛ばすような事故がないように注意が必要となります。
スリスリする部位② 鼻
鼻をこすりつけてくる場合は、相手の様子を確認している意味合いが大きいです。
におい付けと言うよりは、相手のにおいをかいで健康状態などをチェックし、「ご機嫌いかが?」と聞いているような状態。
ネコちゃん同士で鼻をつきあわせているときや、飼い主さんの手足にちょん、と鼻で触れるようなときがこれにあたります。
ちょっとした挨拶程度の意味のため、マーキングのスリスリと違い、触れてくる時間もごくわずかですが、猫側から飼い主さんとコミュニケーションをとろうとしている状態です。
ネコちゃんが「無視された」と思って悲しくならないように、軽く撫でる、声をかけるくらいのお返事すると良いでしょう。
猫の反応を見て、もっと甘えたいようだったらさらに触れてきますので、たくさんお相手してあげてくださいね。
スリスリする部位③ お尻
お尻のあたりにある臭腺は猫の体のなかでも特ににおいが強い部位です。
このケースはマーキングの意味合いが大きく、特に発情期のメスがスリスリに使用する頻度が多い部位といえます。
においをつけることによって「発情期が来ました」と宣言しているんですね。
特徴は尻尾をまっすぐ立てた状態でお尻をこすりつけてくることで、去勢・避妊手術を行うと頻度が減る傾向にあります。
臭腺が集まっている部位は、猫にとってさわってもらうと気持ちいい部位でもありますので尻尾まわりを中心に体をなでてあげると喜びますよ。
ただし、発情期のネコはイライラしがちなので、興奮すると人を噛んでしまうこともあります。
しつこくしすぎて怒らせないように注意しましょうね。
猫同士がスリスリしている理由
猫同士のスリスリは相手の猫に甘えている・愛情表現をしているパターンと、軽く挨拶を交わしているパターンがあります。
相手が敵対関係にない親しい猫であることが必須条件で、猫同士の仲が良い証拠です。
愛情表現として行っている場合は、時間が長いほど友好的な関係にあるといえます。
野良猫同士で見ることもできますが、猫を複数匹飼っていらっしゃるおうちでネコちゃん同士がスリスリしあっていたら安心ですね。
簡単な挨拶のときはあまり長時間触れあうことはなく、すれ違うときに触れたり、鼻を合わせたりする程度の接触でお互いのにおいを確認・交換しています。
親愛の表現以外に、猫がいっぱいいるとそれぞれのにおいが混ざりあってしまうので、自分のにおいを上書きするためにマーキングが頻繁になっている面もあります。
愛猫のスリスリがしつこい場合の対処法を紹介
猫のスリスリはかわいいですが、忙しいときなどは早足になりがちなので、足元から離れてくれないと危ないし、ちょっと困ってしまいますよね。
興奮しすぎて人を噛んでしまうこともありますし、不安感や寂しさが原因のときは根本的な解決のために対処が必要です。
本項では愛猫のスリスリがしつこい場合の対処法として、
- 抱っこする
- 撫でる
- おもちゃで遊ぶ
- おやつをあげる
- 無視する
の5つの方法を詳しくご紹介していきますので、ネコちゃんのスリスリをもう少しおてやわらかにしてほしいときの参考にしてくださいね。
対処法① 愛猫を抱っこする
スリスリの理由に思いあたるところがないときは、まずネコちゃんを抱っこしましょう。
逃げないようなら挨拶行為か、甘えている・愛情表現のスリスリです。
「飼い主さんに甘えたい」「構ってほしい」という気持ちが発端なので、コミュニケーションを増やし、ネコちゃんにちゃんと関心を持っていると伝えましょう。
嫌がって逃げるようなら、マーキングのためのスリスリということ。
思う存分スリスリさせてあげるか、軽く撫でて、におい付けのお手伝いをすると良いです。
逃げた後で再度スリスリするようなら、餌やトイレ掃除などの催促かもしれません。
「ご飯を与える間隔・量は適切か」「トイレは清潔か」のチェックして、改善する必要があります。
対処法② 愛猫を撫でる
ネコちゃんがスリスリする目的がマーキングならにおい付けに協力すること、挨拶行為や甘えている・愛情表現なら構ってあげることで改善が見こめます。
おすすめなのはネコちゃんがこすりつけてくる顔、鼻、お尻などの部位を撫でてあげることです。
撫でることでネコちゃんの「甘えたい」「構ってほしい」気持ちを満たすことができますし、効率的に飼い主さんへのにおい付けを済ませて安心させることができます。
また、顔まわりやお尻など、臭腺がある部位は猫にとって撫でられると気持ちがいいパーツでもあるので、「いい子だね」「かわいいね」と声をかけながら軽くマッサージするつもりで撫でるとネコちゃんも喜んでくれますよ。
ただし、挨拶行為だった場合はしつこくすると嫌がられますので、反応を見て満足したか確認しましょう。
対処法③ 愛猫とおもちゃで遊ぶ
甘えている・愛情表現のスリスリなら、おもちゃを使って遊んであげる対応が有効。
猫の根本に「飼い主さんともっと遊びたい」「構ってほしい」気持ちがあります。
スリスリされたとき、すぐに対応するのは難しくとも、後で猫と遊ぶ時間をとって、たっぷり構ってあげましょう。
おすすめのおもちゃは、猫じゃらしやおやつが入る知育玩具など。
小さいぬいぐるみやヒモ状のおもちゃは誤飲事故が多いため、避けた方が安心です。
上手に遊べたら、「すごい」「かっこいい」と、ちょっと大げさなくらいにたくさん褒めると、ネコちゃんも喜びますよ。
愛情表現ではなく、餌やトイレ掃除の催促だったとしても、ネコちゃんは遊ぶことが大好きなので、遊んでいるうちに忘れてしまうかもしれませんね。
対処法④ 愛猫におやつをあげる
マーキングや挨拶行為、甘えている・愛情表現のスリスリのうち、どれでもなく、お腹がすいて餌やおやつの催促をしている場合もあります。
そんなときは、おやつをあげるのも効果的です。
病気や体重管理の観点からおやつを制限しているなら、1日分の食事量の中からフードを少量あげてもいいですね。
習慣化するとおやつをもらうのが当たり前になって、催促のスリスリがしつこくなってしまい本末転倒ですので、どうしてもというときの救済措置にしましょう。
催促が毎日続くようなら、もしかしたら、そもそもの食事量では足りなくなってしまったのかもしれません。
様子を見て餌の量を調整してみましょう。
量が適切なら、全体の量は変えずに頻度を増やしてみるのもひとつの手です。
対処法⑤ 愛猫を無視する
猫がスリスリをする理由には、マーキング・挨拶行為・愛情表現などの意味合いがあると前述してきました。
どれも猫にとっては大切な感情表現であり、飼い主さんとのコミュニケーション手段ですが、ときにはやりすぎるときも。
飼い主さんの反応に興奮して、噛みついてしまうネコちゃんもいます。
あまりにもスリスリがしつこいときや悪い習慣がついてしまいそうなときは、躾の一環として無視する選択肢もあります。
悪化を防ぐためにも、あくまでも飼い主さんが主導権を握っているスタンスを貫きましょう。
必死で呼びかけてくるネコちゃんをスルーするのは心苦しいですが、愛猫と暮らしていく未来のためにも、心を鬼にして毅然とした態度をとりましょう。
まとめ:愛猫の感情表現を読み取ろう!
- 猫がスリスリする理由は主にマーキング・親しい仲間への挨拶行為・飼い主に甘えている(愛情表現)の3つ。
- 優れた嗅覚を持つ猫は、スリスリによるにおい付けや、相手のにおいをかぐことで情報と安心感を得ている。
- スリスリする部位(顔・鼻・お尻)にからも猫の感情を読みとれる。
- 顔のスリスリはマーキング、鼻は軽い挨拶、お尻はマーキングと発情期の宣言という意味合いが大きい。
- 人間や物に対してだけでなく、親しい猫にスリスリすることもある。
- しつこいときは抱っこ・撫でる・おもちゃで遊ぶ・おやつをあげるなどの対応で猫の欲求を満たしてあげると改善が見こめる。
- 催促・噛み癖などの悪い癖がつきそうなときは、躾の一環として無視することも必要。