『フランダースの犬』をアニメや本で観た・読んだ方は多いのではないでしょうか。何度観ても感動する物語ですが、あの世界は実在するものなのでしょうか。今回のMOFFME記事では、フランダースの犬は実話なのか、物語のあらすじを含めて紹介します。
この記事の目次
目次を閉じるフランダースの犬は実話なの?改めて物語のあらすじなど紹介
フランダースの犬と聞くと思い出すのは、主人公と愛犬がともに天に召されるラストシーンではないでしょうか。
日本でも有名な国民的アニメとして知られています。
フランダースの犬の原作は1872年に発表された児童文学小説で、イギリス作家ウィーダの作品です。
しかし、当初はあまり人気のある作品ではありませんでした。
日本で人気であることがわかり、ベルギー国内でも広く知られるようになったのです。
誰しもが聞いたことがある物語ですが、詳しい内容はあまり知らない方は多いのではないでしょうか。
今回MOFFEMEではフランダースの犬が実話であるという理由や、物語のあらすじなどを詳しく紹介していきます!
- フランダースの犬のあらすじ
- フランダースの犬のモデルとなった場所・人物
- パトラッシュの犬種について
フランダースの犬のあらすじを簡単に紹介!
日本でも有名なフランダースの犬ですが、詳しい物語のあらすじを知っている方は少ないのではないでしょうか。
印象的なラストシーンからハッピーエンドではなくバッドエンドであることは知っているのではないかと思います。
物語は少年と彼を支える老犬パトラッシュの友情を中心に描かれた内容になっています。
ここからはフランダースの犬のあらすじを前半と後半にわけて、簡単に紹介していきます!
フランダースの犬:あらすじ(前半)
小さな村にネロという少年が、足の不自由な祖父と暮らしていました。
貧しい暮らしをしていましたが、ミルクの配達で生計を立て、生活していました。
そんな彼らと一緒に暮らすのが、パトラッシュという老犬です。
パトラッシュは、人間に辛い仕事を強いられ、捨てられたところを彼らに保護され、大切に飼われていました。
ネロには絵の才能があり、いつかは画家になりたいという夢がありました。
彼はアントワープの大聖堂に飾られているルーベンスの絵画を、一度でいいから自分の目で見てみたいと思ってはいましたが、その絵画を見るのにはお金が必要になります。
貧しい彼には無理なことでした。
ネロには風車小屋の一人娘であるアロアと仲が良かったのですが、彼女に父親は貧しいネロのことをあまりよく思っていません。
ある日、風車小屋の敷地内で火事が発生します。
ネロはその火事の犯人という濡れ衣を着せられてしまうのです。
フランダースの犬:あらすじ(後半)
それと同じ時期に祖父が亡くなり、ネロは住んでいた家も追い出されてしまいます。
火事の犯人の濡れ衣を着せられたため、仕事が無くなってしまったのです。
期待を込めて応募していた絵画コンクールも落選してしまい、ネロはすべてを失ってしまいます。
最悪な状況の中、ネロは吹雪の日に大金がはいった財布を拾いました。
それは風車小屋一家のもので、ネロは財布を届けるついでにパトラッシュを一家に託します。
財布を届けられたアロアの父親は、今までの行動を深く恥じました。
それから、ネロの身元引受人になることを決めたのです。
絵画コンクールではネロの絵画をみた画家が、彼の才能を見込んで村に訪ねてきました。
しかし、どちらも手遅れだったのです。
村をでて、吹雪の中を歩き続けたネロはアントワープ大聖堂にやってきました。
最後にルーベンスの絵画をみたいと思い、歩き続けたのです。
しかし、ネロの命は残り僅かでした。
そんな彼をパトラッシュは追いかけました。
アントワープ大聖堂に着くころには、パトラッシュも一緒にいました。
大聖堂に着くと、ルーベンスの絵画を照らすように窓から一筋の光が差し込みます。
ネロは神に祈りを捧げました。
そしてそのまま、ネロとパトラッシュは天に召されたのです。
翌日、大聖堂に駆け付けた村人はその光景を目にし、今までの行動を悔やみました。
ネロとパトラッシュを離すことができないため、彼らを祖父の眠るお墓に手厚く供養したのです。
フランダースの犬は実話?モデルとなった場所・人物は実在!
フランダースの犬は、実話ではないかと言われています。
その理由に、作者が物語を書く前にベルギーを訪れていました。
その際に立ち寄ったフランドル地方のホーボケンという村が、フランダースの犬のモデルになった場所と言われています。
主人公にモデルはいないとされてはいますが、その村には風車小屋や教会も実在することがわかっています。
ここからはフランダースの犬が実話であると言われる理由について解説していきます!
- アロアのモデル・ネロを葬った教会は実在する!
- ネロが憧れた画家ルーベンスについて
- 補足:パトラッシュの犬種は?
アロアのモデルやネロを葬った教会は実在する!
物語の舞台となったのは、19世紀のベルギー北部のフランドル地方です。
そこにはネロがパトラッシュと共に息を引き取った大聖堂が存在します。
その大聖堂は聖母マリア教会と呼ばれ、大きな建物に見事なステンドグラスが飾られていいます。
アニメと似たようなつくりでもあるため、実話であると言われる理由の一つです。
ネロの友達であったアロアにもモデルは存在します。
ホーボケン村の領主であるオレンジ公ウィリアムの娘がアロアのモデルではないかと言われています。
実話と言われるのにはさまざまな理由がありますが、登場人物や場所が存在するのは明らかになっています。
物語の背景にも当時の時代が反映されていたりと、実話のような物語のつくりになっています。
ネロが憧れた画家ルーベンスは何者なのか
ネロが憧れた画家ルーベンスは、本名をピーテル・パウル・ルーベンスといいます。
ドイツで産まれ、バロック期を代表する画家です。
ネロとパトラッシュがルーベンスの絵画をみて、息を引き取るシーンは誰もが見たことがあると思います。
ルーベンスは礼拝図像や神話を題材に描かれた「宗教画」を多く描き、貴族に愛されていたことから宮廷画家としても活躍していました。
ネロがみた絵画は、磔刑にされるキリストを描いた「キリスト昇架」と十字架から降ろされるキリストを描いた「キリスト降架」の2枚の絵画だと言われています。
この2つの絵画はアントワープ大聖堂に実際に収蔵されています。
またネロが祈りを捧げた神は、ルーベンスが描いたマリア像でした。
この絵画は、聖母マリアの肉体と魂が天使によって天に召される様子を描いたものです。
アニメでもこの絵画と同じようにネロとパトラッシュが、天使と共に天に召されていく様子があります。
補足:パトラッシュの犬種は何?
パトラッシュの犬種は明らかにはなっていません。
アニメではセントバーナードに近い見た目をしていますが、原作ではシェパードを想像させる記述があります。
セントバーナードとシェパードではイメージが全く違います。
犬種は不明ですが、物語の舞台であるフランドル地方にはブービエ・デ・フランダースという犬種があり、この犬が一番近いのではないかと言われています。
この犬種は硬い被毛が特徴で、牧羊犬などとして活躍していました。
パトラッシュも人間と共に仕事をしていたため、この犬種が一番の有力候補なのではないでしょうか。
まとめ:フランダースの犬は原作がおすすめ!
日本ではアニメが有名なフランダースの犬ですが、文章で原作を読むことをおすすめします。
アニメでは描かれない彼らの悲しみや、心情を深く知ることができます。
原作では日本とは違う国の価値観に触れることもできるため、興味がある方はぜひ一度読んでみて下さい!
ここまでフランダースの犬について詳しく解説してきました。
- フランダースの犬が実話と言われるのには理由がある
- 登場人物や場所が実在する
- ネロが憧れた画家ルーベンスの絵画は見ることができる
- パトラッシュの犬種は不明