ペットショップやブリーダーから子犬を迎えた際、いつまでミルクを与えるか悩む飼い主さんもいるのではないでしょうか。実はしっかりと正しい期間でミルクを与えないと離乳食への移行がうまくいかないこともあります。今回のMOFFME記事では子犬のミルクについて解説します。
この記事の目次
目次を閉じる子犬にミルクはいつまで与える?飲む時期や与え方なども紹介
それでは今回MOFFMEでは以下のことについてご紹介していきます。
子犬がミルクを飲む時期と与え方などについて
- 子犬にミルクを与える期間は一体いつまで?
- 子犬の離乳期や成長期について
- 子犬にミルクを与える方法について
- 哺乳瓶を使用する際の4つの注意点について
是非最後までご覧ください!
子犬にミルクを与える期間を紹介
子犬にミルクを与える期間はとても短く子犬がミルクを飲む可愛らしい姿が見れるのはこの時しかありません。ですが可愛いだけではなく、このミルクを飲むという行為は子犬の今後の健康にとって非常に大きな影響を与えます。
子犬にミルクを与える期間について
- 哺乳期は生後いつまで?
- 哺乳期のミルクは2種類① 母乳について
- 哺乳期のミルクは2種類② 子犬用ミルクについて
- 牛乳は消化することができない?
哺乳期は生後30日程度まで
環境省が発行している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」によると「哺乳期は生後30日程度まで」と記載されています。これは子犬の哺乳期と言われる時期はまだ消化器官が未発達のためミルク以外のものを口にすることができません。
ミルクは子犬の発達に必要な栄養素です。動物愛護法により個人的に繁殖させていない限り、基本的にはブリーダーさんがあげることになります。(令和3年6月から生後56日経過した個体のみしか展示販売ができません)
子犬の一日一日は非常にあっという間に過ぎ去っていってしまいます。生体保護のためブリーダーさんか母犬しかミルク・母乳をあげることはできません。
もしブリーダーさんと事前に引き取りの話ができているようでしたら、撮影をお願いするなどしてその愛らしい姿を見ることができます。
哺乳期のミルクは2種類① 母乳
哺乳期に与えるミルクで一番良いのは母乳です。その中でもとても重要なのが出産後間もない初乳です。初乳には病原微生物に対する抵抗性の素となるものが含まれています。
初乳のあとも欠かすことなくあげるようにして下さい。生後8時間は子犬に定期的に授乳することで生まれたばかりの子犬へ免疫と発達を助ける抗体と成長因子を与えることができます。子犬は母乳を飲むことで健康で丈夫な身体になっていきます。
また母乳を飲んで育つことによって子犬の性格形成にも大いに有効と言われています。また授乳する間隔は生後5日間は2~4時間程度です。
たくさん子犬が産まれた場合は全ての子犬に平等に与えるとともに、飼い主さんは子犬に飲めていない子がいないかを監督する必要があります。
哺乳期のミルクは2種類② 子犬用ミルク
補足:牛乳は消化することができないためNG
人間が飲む牛乳には乳糖(ラクトース)が多く含まれています。犬にはこの乳糖を分解する酵素であるラクターゼを多く持ち合わせていません。そのため基本的には犬に牛乳を与えるのは控えましょう。
また大きくなるにつれて哺乳する機会も減るため、ラクターゼは低下していきます。そのため成犬は乳糖に耐性がなくなるので下痢を起こしやすくなります。少量を飲ませたり、少し舐めさせる程度でしたら大丈夫ですが、積極的にあげるのはやめましょう。
もしどうしても牛乳が必要であれば加熱したり、薄めてあげれば飲ませても大丈夫です。加熱することで消化管に負担をかけにくくさせることができ、分解酵素ラクターゼが働きやすくします。温度は人肌程度にして下さい。
加熱や薄めて飲ませる場合は一気に飲ませずに、少しずつ飲ませるようにしましょう。
子犬の離乳期や成長期を解説
人間の赤ちゃんのように、子犬にも授乳期があれば離乳期、成長期といった時期があります。離乳期も授乳期同様、あっという間過ぎてしまい、成長期に繋がります。ここでしか見ることができない子犬の姿を大事にしましょう。
子犬の離乳期や成長期について
- 子犬の離乳期はいつから?
- 子犬の成長期はいつから?
離乳期は生後20〜60日
子犬も生後3週頃になると口にあたったものを無意識に吸う「口唇反射」が消えていき、乳歯が生えてきます。乳歯が生えてくると母犬が母乳をあげる時に乳首に当たって痛がり、拒むように自然と離乳期に入ります。離乳期はだいたい生後20~60日とされています。
離乳食には乳歯でもかみ砕けるように、ドライフードを柔らかくふやかしてあげると良いでしょう。母乳やミルクから突然離乳食に替えていくのではなく、ミルクとドライフードを半分ずつあげたり、ドライフードの上にかけて柔らかくして食べさせましょう。
そこから徐々にミルクを減らしていくと良いでしょう。離乳食はペットショップや通販でも購入可能です。もしドッグフードを食べない用であれば一度市販されているものを試してみて下さい。
成長期は生後50日以降
生後8週以降は乳歯も生え揃ってくるため、成犬と同じの固めのドッグフードを食べさせていくようにしましょう。
ドッグフードを食べさせる時は個体差がありますが、与える分量の目安があります。1回の食事の量は目安内にして与えるようにして下さい。だいたいドッグフードに表示してあるので参考にして下さい。
生後4~7ヶ月頃には歯牙脱換期とされ乳歯から永久歯に生え変わる時期です。歯牙脱換期に柔らかい物ばかり食べさせてしまうと顎の骨の発達が遅れ、歯並び悪くなります。歯並びが悪いと大人になって歯周病にかかりやすくなるため歯牙脱換期は重要です。
成犬は1日1回の食事でも構いません。もし1回の食事でそこまで食べないようでしたら小分けしてあげても良いです。もし愛犬があまり食べなくてもそこまで気にしなくても大丈夫です。食べるのが好きな犬もいればそうでない犬もいます。
子犬にミルクを与える方法を紹介
子犬にミルクを与えることは子犬の成長にとってとても大事なことです。飼い主さんは子犬を育てるということに責任を持って取り組むようにしましょう。
子犬にミルクを与える方法について
- ミルクをあげるための必須アイテムについて
- 子犬にミルクを与える方法について
まずは哺乳瓶を用意しよう
子犬にミルクを飲ませるためにまず哺乳瓶を用意しましょう。その時に注意することですが、子犬用の哺乳瓶を使うようにしましょう。
哺乳瓶ではよく似たもので子猫用のものもあり、もちろん人用のものもあります。飲み口の形状や穴の大きさが若干違いますので間違えないようにして下さい。
もし突発的に使いたくて子猫や人用のものしかなかった場合は使用自体はできますが、他の種類のものを使うと上手く飲むことができなかったり、誤嚥してしまう場合があります。子犬を迎える際は子犬用の哺乳瓶を準備するようにしましょう。
犬用でもシニア犬が使う用の哺乳瓶の口があります。これは飲み口が大きいため、子犬用として使用することは絶対にやめましょう。種類がたくさんありますので間違えることのないようにしましょう。
子犬にミルクを与える方法
子犬にミルクを与える方法として与える姿勢を気にするようにしましょう。基本姿勢は子犬のお腹を下にする腹ばいの姿勢にし、子犬が飲みやすい角度で飲み口を口の中にいれるようにしてあげれば自然と飲んでくれるでしょう。
お腹を下にすることは誤嚥する可能性を少しでも減らすためです。人間の赤ちゃんのようにお腹を上に向けてミルクを飲ませてしまうと誤嚥する可能性が高まります。誤嚥による呼吸困難による窒息なんてこともありえるので絶対にやめましょう。
正しい姿勢として母犬から母乳をもらう子犬をイメージしてもらえれば良いでしょう。飲むスピードにも個体差はあります。例え同じ犬種だとしてもミルクを飲むのが早い子もいれば遅い子もいます。
飼い主さんは焦らずゆっくり子犬に付き合ってあげるようにしましょう。
哺乳瓶を使用する際の4つの注意点を紹介
子犬にミルクを与えるのに人間の赤ちゃん同様に哺乳瓶を使います。哺乳瓶を使ってミルクを作り与えていきますが、その流れにも注意する点がいくつかあります。ここでは哺乳瓶を使用する際の注意点を4つご紹介していきます。是非ご参考にしてみて下さい。
哺乳瓶を使用する際の注意点4選
- 注意点① 説明書のルールを守る
- 注意点② ミルクを溶かす際の温度に注意
- 注意点③ 子犬の排便・排尿を済ませてから授乳する
- 注意点④ 余ったミルクを後で与えるのはNG
注意点① 説明書のルールを守る
哺乳瓶でミルクを飲ませる際にはミルクの作り方、哺乳瓶の使い方のそれぞれの説明書をよく読んで飲ませるようにしましょう。まずミルクの作り方でリキッドタイプであればそのまま飲ませるだけですが、粉ミルクを使う際には分量をみて適正な分量にしましょう。
粉の場合は濃くても薄くてもNGです。飲み量は基本的に欲しがるようであればあげても大丈夫でしょう。吐いたりお腹を壊している時は飼い主さんの判断であげる量を決めてあげて下さい。
子犬の個体差でも変わりますが飲む量が目安を大きく下回る時は身体の調子が悪いかもしれません。調子はすぐに急変してしまいます。ぐったりしていたり、判断がつかない場合は動物病院の獣医師の診察を受けたほうが安心できるでしょう。
注意点② ミルクを溶かす際の温度に注意
哺乳瓶を使用する注意点として、ミルクの溶かす時の温度に注意しましょう。粉ミルクを溶かす時に温度が高いと粉ミルクの中の栄養成分が壊れてしまい、逆にぬる過ぎる温度であるとミルクが溶け切らず粉状のものが残ってしまいます。
溶かす時の最適な温度として、一度沸騰させたものを50度程度まで下げたものを使うのが良いでしょう。
またミルクの温度が高く熱すぎると子犬も上手くミルクを飲むことができません。熱いものをあげ続けてしまうと子犬もミルクを飲むのを次第に嫌がってしまうようになります。
逆に冷たいものをあげると下痢の原因となってしまうため注意しましょう。ミルクをあげる温度は35度~40度のちょうど人肌ぐらいが適温です。
注意点③ 子犬の排便・排尿を済ませてから授乳する
哺乳瓶を使用する注意点として、子犬の排便や排尿を済ませてから授乳しましょう。生後3週~1ヶ月ぐらいまでの子犬は自力で排泄ができません。便や尿が残っている状態ですと飲みが悪いだけでなく、子犬のとってもストレスに繋がります。
母犬と一緒に暮らしていれば母犬は排泄を促してくれますが、もしいないようでしたら飼い主さんが代わりに排便・排尿を促してあげなければいけません。
方法は簡単で、ミルクを飲ませる前に清潔なティッシュやガーゼをぬるま湯に浸し、それを子犬の陰部や肛門周囲を優しくトントンと刺激してあげると排泄できるでしょう。デリケートな部分になるためゴシゴシとこすってはいけません。
おしっこは毎回すると思いますが、ウンチは毎回しないこともあります。3日以上出ない場合は便秘になっている可能性もあるため、動物病院に受診しましょう。
注意点④ 余ったミルクを後で与えるのはNG
哺乳瓶を使用する注意点として、衛生的に清潔を維持するようにしましょう。一度作って飲み残したミルクはまた次に使うことはしないようにしましょう。一度飲んだミルクや時間が経ったものは細菌が繁殖してしまいます。下痢の症状が出る場合があります。
必ず適量分量と記載されている分量を作り、余ってしまった場合は毎回捨てるようにしましょう。ミルクを清潔にとご紹介しましたが、哺乳瓶や飲み口も授乳する時には必ず除菌してあげると清潔を確保できます。
除菌方法として次亜塩素酸ナトリウムは子犬にとって猛毒です。非常に危険なので絶対にやめましょう。除菌方法は煮沸消毒で十分です。煮沸消毒であれば子犬にとって悪い成分が使われることもなく、しっかりと除菌できるのでおすすめです。
まとめ:ミルク→離乳食→ドッグフードの切り替えが大事
- ミルクを与える時期と与えるミルクの種類について
- 子犬の離乳期や成長期は一体いつから?
- ミルクを与える哺乳瓶やミルクを与える方法について
- 哺乳瓶を使用する際の注意点4選
以上のことについてご紹介してきました。
ミルクは消化器官が未発達の子犬にとって、とても大事な栄養源です。与える頻度として2~3時間と夜中もあげる必要があり、飼い主さんにとって大変な時期です。
ですが飼い主さんしか子犬を育てることができないと責任を持って接してあげましょう。大変でしょうが子犬は成長することで「飼い主さん孝行」として愛情のお返しをしてくれるでしょう。
またMOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!