どんな生き物もいつかは最期の時が必ず来ます。愛犬の最期をどのように看取ってあげれば良いのでしょうか。今回のMOFFME記事では、愛犬が死ぬ間際に見せる行動・症状・飼い主が用意してあげたい物品・行動指針を紹介していきます。
この記事の目次
目次を閉じる愛犬が死ぬ前に甘えるのはなぜ?老衰犬の症状や死ぬ間際の行動
犬の平均寿命は年々延びていますが、どうしても人間と同じだけの時間を生きることはできません。
悲しいことですが、お別れのときは必ず訪れます。
実際にそのときが来たら、辛くて調べられないこともあるので、事前に知識をつけておくことが大切です。
死の前、あるいはその少し前からワンちゃんが普段と違い甘えるなどの行動をとることがありますので、前兆を見逃すことなく、犬と飼い主両方にとって悔いのない最期を迎えられるように、準備を整えておきましょう。
今回MOFFMEでは、犬が亡くなる前の症状や飼い主さんの行動指針などについて、
- 老衰犬が死ぬ前に見せる症状・行動
- 最期が近いときにしてあげるべきこと
- 亡くなった際に用意すべき物品
の項目にわけてご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。
老衰犬が死ぬ前に見せる症状を紹介
老衰で犬が死ぬ前、衰弱によりいくつかの症状が出ることがあります。
- 元気がなくなり食欲不振になる
- 睡眠時間が長くなる
- 体温が下がる
- 体から力が抜ける
- 尿や便を漏らす
- よだれを垂らす
上記6例について、症状が出る理由もふまえてご紹介していきます。
いまは健康に走りまわり甘える子が辛い思いをしなければならないなんて、想像だけでも悲しく、あまり考えたくないことかもしれませんが、いざというときワンちゃんが頼れるのは飼い主さんだけ。
前兆を見逃さないようにすれば、ワンちゃんの身体・精神的負担を減らして、QOL(生活の質)をあげるためにできることもあるはずです。
本記事でしっかり予習して、知識を備えておきましょう。
死ぬ間際の症状① 元気がなくなり食欲不振になる
死ぬ前は元気がなくなり、食欲不振がみられるようになります。
これは内臓や代謝の低下によるもので、なかにはまったく食べなくなる子も。
食事量の減少により痩せすぎてしまうと体調悪化もありえますので、できるだけ体重を維持できるように気をつけてあげましょう。
咀嚼して飲みこむ力が弱くなっている可能性もあるので、フードをお湯などでふやかして与えてみてもいいかもしれません。
食欲がでるように、大好きなおやつや、においの強いウエットフードなどを少量トッピングするのもおすすめです。
死ぬ間際の症状② 睡眠時間が長くなる
体力を温存するために活動量が減り、死ぬ前は睡眠時間が長くなります。
行動面では、お散歩に興味を示さなくなったり、普段のちょっとした移動が減ったりなどの変化がみられるように。
そんなときは無理に起こしたりせず、かたい床や地面で身体が痛くならないよう、よく寝る場所にペット用のクッションやベッド、フロアカーペットなどを置いてあげてください。
運動量が減ると体力が落ちてしまうので、起きているときに体調を見て運動させてあげると良いでしょう。
死ぬ間際の症状③ 体温が下がる
犬は人間より体温が高いですよね。
冬に触れると温かく、夏に寄りそうと熱いくらいですが、死ぬ前にはエネルギー代謝が低下し、体温が低くなります。
これは体温を維持するエネルギーがないためで、身体機能が停止しつつあることのあらわれ。
例年と比べて体温が低いと感じたら、覚悟が必要です。
ワンちゃんの足が冷たくなっていたり、寒くて震えているようなら、季節外れでもエアコンを入れてあげましょう。
ペット用のホットカーペットなどをだしてあげても良いのですが、動けない犬の場合は体が熱くなりすぎないよう十分注意が必要です。火傷のリスクもあり、基本的に犬は暑がりですので毛布で包んであげて震えがおさまるか様子を見てあげることも大切です。
死ぬ間際の症状④ 体から力が抜ける
意識があるのに、飼い主さんが触れてみても、ワンちゃんが体勢を維持し、相手をしようとするわずかな体の動き・力がなくなります。
最期のときが近づくにつれて、筋肉や関節、骨などの衰えて足腰が弱るのです。
死ぬ前は歩行困難になる子も多く、症状が悪化すると立ちあがることができないこともあり、飼い主さんに甘えることも難しい状態です。
身体機能をすこしでも長く良好に保てるように、健康体の老犬の場合は短距離で歩きやすいコースでのお散歩など、適度な運動を絶やさず続けるようにしましょう。
ただし、愛犬が嫌がる場合は体の不調の可能性があるため、無理に連れて行くことは禁物です。
死ぬ間際の症状⑤ 尿や便を漏らす
トイレを我慢できる時間が短くなり、尿や便を漏らす頻度が増えます。
主な原因は筋力の低下。
筋肉をうまくコントロールできず、一度のトイレで出し切れなかったり、足腰に力を入れた拍子に漏れてしまったりするのです。
また、足腰の衰えによりうまく歩くことができず歩行速度が落ち、トイレにたどりつく前に粗相してしまうこともありますし、老化によって赤ちゃん返りを起こし飼い主さんに甘える結果、粗相することも。
死ぬ前におうちですごすなら、ペット用おむつやペットシーツ、掃除用品は多めに用意しておくほうが良いでしょう。
死ぬ間際の症状⑥ よだれを垂らす
よだれを垂らしてしまうことが多くなります。
これは鼻が詰まり、口呼吸が多くなるため。
例えば、若くて元気なワンちゃんが、運動して息が荒くなっているときに口元がよだれだらけになることがありますよね。
死ぬ前の犬も運動直後の子と同じように、口を開けたまま呼吸をつづけているため、どうしてもよだれが垂れてしまうのです。
そのままだとワンちゃんも気持ち悪いので、気がついたら拭いてあげるようにしましょう。
顔の下にタオルなどを敷いてあげるのもおすすめです。
老衰犬が死ぬ前に見せる行動を紹介
ここまで、犬が死ぬ前に起こりえる症状についてお話してきました。
- 飼い主に甘える
- 遠吠え
の2つの行動について詳しくお話していきます。
どちらも不安感や寂しさからのものですので、犬が心乱さずすごせるように、飼い主さんが優しく受けとめて、寄りそってあげてくださいね。
死ぬ間際の行動① 飼い主に甘える
死ぬ前に体調が悪化して、異変を感じているワンちゃんは甘えるようになります。
普段は甘える子じゃなくとも、体の自由がきかず、不安を覚えて信頼している飼い主さんに頼って甘える気持ちもあるでしょうし、なかには年を取って赤ちゃん返りして甘える子もいます。
もしかしたら、お別れの気配を感じて、悔いが残らないように「さよなら」をしたいと最期に思いきり甘える子もいるかもしれませんね。
ワンちゃんが甘える仕草をしたら、身体・精神的負担にならない程度に、すこし大げさなくらい構ってあげると良いでしょう。
死ぬ間際の行動② 遠吠え
なかには死ぬ前に遠吠えをすることで飼い主さんに甘える子もいます。
意識して鳴いていることもあれば、無意識の場合もあるようです。
無意識の場合は、呼吸が苦しいなかで声帯が震え、普通の鳴き声が遠吠えのように響いている可能性も。
また、老犬の場合は赤ちゃん返りで遠吠えし、家族に甘えるということもあります。
遠吠えは不安や寂しさ、ストレスを発散する目的の他に仲間に対して呼びかける意味あいもあるので、もしかしたら飼い主さんに感謝やお別れを伝えたいのかもしれませんね。
愛犬の最期が近い時に何をしてあげるべきか
ここまで、死ぬ前の犬にみられる8つの前兆・行動を紹介してまいりました。
- 優しい言葉をかける
- 笑顔でスキンシップ
- 抱っこしてあげる
の3つの方法についてお伝えしていきます。
どれもワンちゃんと一緒に過ごすうえで、自然と実践されていることばかりかと思います。
ひとつひとつを大切にすることで、普段と同じようにワンちゃんに寄りそってあげてくださいね。
① 優しい言葉をかける
犬の聴力は弱くなることはあるものの、死ぬ前まで機能しています。
身体の衰えによる失敗やできなくなったことを叱らず、ワンちゃんができるだけ明るい気持ちをたもち、甘えることができるように優しい言葉をかけてあげてください。
悲しいかもしれませんが、もう愛情や感謝を伝える機会も、甘えるワンちゃんを見る機会もはないかもしれません。
「ありがとう」「えらい」「大好きだよ」と大好きな飼い主さんにたくさん褒めて、愛情を伝えてもらえれば、きっとワンちゃんも喜んでくれるでしょう。
② 笑顔でスキンシップ
犬は元々群れで生活する生き物です。
死ぬ前まで信頼する家族がそばに居てくれるだけで、犬の不安は和らぎます。
特に飼い主さんの笑顔は愛犬にとって嬉しく、元気なころの楽しかった思い出を想起させてくれる特別なもの。
身体が上手く動かなくとも、優しくなでられれば安心して甘えることができるでしょう。
弱っていくワンちゃんに寄りそっていれば辛いこともあるかと思いますが、普段通り笑顔でスキンシップをとり、穏やかな気持ちですごせるようにしてあげてください。
③ 抱っこしてあげる
犬の体調をみて問題ないようなら、ぜひ抱っこしてあげてください。
抱っこが難しい子は、撫でてあげるだけでも良いでしょう。
大切なのは飼い主のにおいやあたたかさ、優しい手つきで愛情を伝えて安心感を与えることで、ワンちゃんも子犬のころの気持ちに戻って甘えることができます。
ただし、寝ている子に覆いかぶさるように抱きしめると、人間からすれば愛情表現なのですが、犬から見るとマウント行為になりかねず、かえってストレスになってしまうかもしれませんので注意が必要です。
愛犬が亡くなった際に用意すべき物品を紹介
ワンちゃんは家族の一員。
- 綺麗なタオルや棺
- 保冷剤
- お花
- 可燃性のおやつやおもちゃ
の4つについてお伝えしていきます。
不安が残るようなら、事前に霊園や葬儀場、動物病院に相談しておくのも、実例をふまえたアドバイスが期待できるのでおすすめです。
家族を喪う飼い主さんの負担を減らし、心を落ちつけて最期を迎えられる内容になっていますので、ぜひ参考にしてくださいね。
用意すべき物品① 綺麗なタオルや棺
用意すべき物品② 保冷剤
長時間使用することもありうるので、ふやけにくい素材だと安心です。
外気に触れるとご遺体の損傷・腐敗が進みますし、保冷剤類も溶けやすくなるので、保冷剤類を当てた上からさらにタオルで包んであげてください。
用意すべき物品③ お花
ですが、愛犬の最期の居場所を整えてあげたい、飼い主さんが心を安らかにしたいときは、用意するのがおすすめです。
ペットの場合、お花を選ぶ際の明確なルールはないので、基本的には飼い主さんやワンちゃんの思い出や、喪った子に似合っていたお花を選んであげて問題ありません。
ただし、燃えにくい造花や、虫がついている可能性のあるものは避けましょう。
また、ご遺体へ色が移る可能性があるため、濃い色合いのものはNGです。
用意すべき物品④ 可燃性のおやつやおもちゃ
ワンちゃんが天国で使えるように、おやつやおもちゃを副葬品として棺に入れてあげるのもおすすめです。
ただし、火葬の場合、炉の温度はワンちゃんの遺骨をきれいに残すことを最優先したものになりますので、お供えするおやつやおもちゃも可燃性で燃え残らない素材を選ぶ必要があります。
そのため、おやつは必ずパッケージから出し、ウェットタイプのものは避けます。
おもちゃもプラスチック・金属を使用したものは入れないようにしましょう。
火葬や納骨を行ってくれるペットセレモニー会社によって、一緒に燃やすことができる素材も異なってくるので、電話で確認しておくと安心でしょう。
まとめ:愛犬を最後まで安心させてあげよう
最後に記事の内容を復習しますね。
- 犬が死ぬ前、身体機能の低下、食欲不振、睡眠の長時間化、粗相やよだれを垂らすことが増えるなど、体調の変化がみられる。
- 飼い主に甘える、遠吠えするようになる犬もいる。
- 犬の不安を和らげるためには、優しい声かけや笑顔、抱っこなどのスキンシップで愛情と感謝を伝えることが大切。
- 万全の状態でお別れできるように綺麗なタオルや棺、保冷剤、副葬品(お花・可燃性のおやつやおもちゃ)などを準備する。
寂しく辛いことではありますが、さよならのとき、少しでも長くワンちゃんの傍にいてあげられるように準備を整えておきましょう。
MOFFMEでは、他にもペットに関する様々な記事を公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!