愛犬がふらつきには様々な原因が考えられます。一時的に見られる症状だからといって油断は禁物です。病気・原因によっては一刻を争うこともあります。今回のMOFFME記事では、愛犬のふらつきや震えから考えられる病気・原因・対処法を紹介していきます。
この記事の目次
目次を閉じる愛犬のふらつきや震えは病気?原因や対処法を症状別に解説!
ワンちゃんと日常生活を過ごしているときに、ふらついたり震えていたりしたら心配ですよね。病院に連れていくべきなのでしょうか?
ワンちゃんが足に力が入らずにフラフラと歩いていたり、嘔吐や食欲不振をともなっていたりすると、脳神経から筋・骨格系、全身性の症状など、様々な原因が考えられます。
この記事では、
- 愛犬のふらつき・痙攣から考えられる病気を紹介
- 部位別・症状別に考えられる愛犬のふらつき原因を紹介
- 愛犬のふらつきの対処法を紹介
愛犬のふらつき・痙攣から考えられる病気を紹介
ワンちゃんのふらつきの原因は、病気のケースが多いため注意しましょう。
病気ではないケースは、老犬や病みあがりなど足腰が弱ってしまって、寝起きに力が入らずに一瞬ふらつく場合です。
ここでは、愛犬のふらつき・痙攣から考えられる病気として、
- 脳神経系の病気:椎間板ヘルニア
- 筋・骨格系の病気:股関節形成不全・パテラ・骨折
- 代謝性疾患などの病気:糖尿病など
- 食欲不振・嘔吐・下痢
脳神経系の病気:椎間板ヘルニア
ワンちゃんのふらつきの原因として、脳神経系の病気「椎間板ヘルニア」があげられます。
歩行に問題なければ良いですが、ふらつきながら歩いていたり、特に麻痺状態のときは重症化していると言えるでしょう。食欲がなくなったり、痛みがともなうため抱っこを嫌がったり、排泄ができなくなったり、など様々な症状があげられます。
遺伝的になりやすい犬種として、フレンチブルドッグ、ミニチュアダックスフンド、ウェルシュコーギーなどが発症しやすいと知られています。
自己判断は避けて、異変を感じてから数日経っても解消しない場合は、動物病院で先生に診てもらうようしましょう。
筋・骨格系の病気:股関節形成不全・パテラ・骨折
ワンちゃんのふらつきの原因として、筋・骨格系の病気が考えられます。
主に大型犬で高確率の病気として「股関節形成不全」があげられます。生まれたときは正常でも、股関節の緩みが原因となって異常に形成されてしまう病気です。
小型犬であれば「パテラ(膝蓋骨脱臼)」があげられます。膝蓋骨が正常な場所から内側または外側に外れてしまう病気です。この状態になると、膝の関節が伸ばせなくなります。両足に発症することもあります。
また、事故や転倒による「骨折」などがあります。
一時的にふらふらしていてもすぐに治る場合は、軽度のパテラの可能性があります。
自己判断は避けて、異変を感じてから数日経っても解消しない場合は、動物病院で先生に診てもらうようしましょう。
代謝性疾患などの病気:糖尿病など
ワンちゃんのふらつきの原因として、代謝性疾患などの病気が考えられます。
1つ目に「糖尿病」があげられます。尿に糖が出ることで血糖値が上昇する病気です。ホルモンバランスの異常などの他の疾患から糖尿病に至ることもあります。
2つ目に「甲状腺機能低下症」があげられます。細胞の代謝が低下して、太りやすい、元気がない、体温が下がる、などの症状があらわれます。甲状腺の病気は女性がかかりやすいといわれてますが、ワンちゃんには特に性差はありません。
その他に、「低カルシウム血症」や 「貧血」「低血圧」「重症筋無力症」などがあげられます。
自己判断は避けて、異変を感じてから数日経っても解消しない場合は、動物病院で先生に診てもらうようしましょう。
食欲不振・嘔吐・下痢
ワンちゃんのふらつきの原因として、食欲不振や嘔吐、下痢などが考えられます。
食欲不振や嘔吐、下痢などの全身性の体調不良によってふらつくことがあります。
一時的な体調不良であれば問題ありませんが、食欲不振や嘔吐、下痢などは他の病気の症状である可能性もあるので要注意です。
自己判断は避けて、異変を感じてから数日経っても解消しない場合は、動物病院で先生に診てもらうようしましょう。
部位別・症状別に考えられる愛犬のふらつき原因を紹介
ワンちゃんがふらついている場合に考えられる原因を今度は部位別・症状別にご紹介していきます。
ここでは、
- 腰や体のふらつきは「椎間板ヘルニア」
- 前足や後ろ足のふらつきは「筋骨格・神経・脊椎の問題」
- 眼振やよだれを垂らしている場合は「中毒」
腰や体のふらつきは「椎間板ヘルニア」
ワンちゃんの腰や体がふらついている場合に考えられる原因は「椎間板ヘルニア」です。
程度によって症状は様々ですが、脊髄の圧迫がより重くなるほどふらつきや麻痺などの症状がひどくなる可能性があります。また排泄が自力でできないこともあります。
お尻を左右に振りながら歩いているモンローウォークと呼ばれる歩き方があります。「股関節形成不全」という病気に特徴的な症状です。「椎間板ヘルニア」と症状が似ていますが、麻痺によってふらついているわけではなく、股関節に痛みが生じていてかばうように歩くことで左右に腰を振るような歩き方になってしまいます。
遺伝的になりやすい犬種として、フレンチブルドッグ、ミニチュアダックスフンド、ウェルシュコーギーなどが発症しやすいと知られています。
前足や後ろ足のふらつきは「筋骨格・神経・脊椎の問題」
ワンちゃんの前足や後ろ足がふらついている場合に考えられる原因は「筋骨格・神経・脊椎の問題」です。
傾いていてふらついてしまい立てないというときは、重症化している可能性がありますので、動物病院で先生に診てもらって検査しましょう。
また、「変性性脊髄症」と呼ばれる脊髄が変性してどんどん歩行が困難になる遺伝性疾患もあります。 ウェルシュ・コーギーやジャーマン・シェパードに多いといわれています。初期症状として、後ろ足がよろけるような様子があらわれ、起立が困難になり、前足のふらつきへとつながっていきます。今のところ、有効な治療法は見つかっていません。
眼振やよだれを垂らしている場合は「中毒」
ワンちゃんがふらつきがともないながら眼振やよだれを垂らしている場合に考えられる原因は「中毒」です。
直前にワンちゃんが食べてはいけない食べ物を誤飲していないか確認してください。玉ねぎやチョコレートなどは少量でも中毒になる可能性があります。可能性がある場合は、早急に動物病院で獣医さんに診てもらいましょう。
また、その他に「脳の病気」か「前庭疾患」などの病気が疑われます。ワンちゃん自信に自覚がなく、眼振やよだれが出ているときは病気が進行している可能性があります。
いずれにしても自己判断は避け、異変が解消されないときは動物病院にいきましょう。
愛犬のふらつきの対処法を紹介
ワンちゃんがふらついていたときはどのように対処したら良いのでしょうか?心配で戸惑ってしまいますよね。
特に麻痺がともなっているときは、病気が進行している可能性がありますので早期の治療が必要です。早めに動物病院で獣医さんに診てもらうようにしましょう。
ここでは、
- 対処法:正常に歩けない場合は様子を観察する
- 症状や発症時期を記録して動物病院へ
対処法:正常に歩けない場合は様子を観察する
まず1つ目の対処法として、正常に歩けていない場合は様子を観察していきましょう。
外傷がないか、触って嫌がらないか、ふらつく以外の症状はあるか、などを確認してください。
筋肉や関節の病気は、足を持ち上げたり、正常に歩けずに足を引きずるような症状がみられます。少し安静にさせてあげて、様子を観察してください。夜であれば一晩休ませてからでも良いでしょう。
明らかな骨折など怪我ではなければ様子を見て、安静にすることで改善することもあります。
それでも症状がおさまらなければ動物病院で獣医さんに診てもらうようにしましょう。症状があらわれてからの様子を獣医さんにお伝えできるとスムーズなので、観察しているあいだにメモをとって記録するようにしてください。
症状や発症時期を記録して動物病院へ
症状が発症してから異常が続く場合は動物病院へ連れていきましょう。
ふらつくときはたくさんの要因があるため、「ふらつくのはいつからか」「食欲に変化はないのか」「嘔吐はあるか」「排泄はしているか」「飲水量の変化はあるか」などをしっかり観察しましょう。
ふらつくことと関係ないような症状も診断の手掛かりになることもありますので、少しでも気になる症状は病院で伝えるようにしてください。
また、ふらついて転倒してしまうこともあるので、怪我をしないようにケージやサークルに入ってもらったり、クッションなど柔らかいものでガードしてあげましょう。
治療せずに放置していると病気が進行してワンちゃんの生活の質が下がってしまうので、早期発見と早期治療が重要です。
まとめ:愛犬がいつからどのようにふらつき始めたかを記録しよう
ワンちゃんのふらつきがあらわれる病気はたくさんあります。どの病気も早期発見と早期治療が大切です。
ふらつきなどの症状が出てしまった場合、
- 脳神経系、筋・骨格系、代謝性疾患など多岐にわたる病気の可能性がある
- 異変を感じてから数日経っても解消しない場合は、動物病院でへ
- 関係なさそうな症状もメモして獣医さんに伝える
ワンちゃんの行動を日々よく観察して、ワンちゃんが健やかに長く過ごせるようにしてあげましょう。