猫の「黄疸」とは、白眼が黄色い・尿が黄色すぎる・口腔内が黄色いなどの症状が出ます。黄疸の原因は様々ですが、危険な病気が隠れている可能性があります。今回のMOFFME記事では、愛猫の黄疸について原因・症状・見分け方・治療法などを紹介していきます。
この記事の目次
目次を閉じる愛猫の黄疸について解説!原因・症状・見分け方・治療法など
愛猫に黄疸があらわれると、重篤な病気の可能性が高いです。
猫にかぎらず黄疸があらわれると、どの生き物もほとんどがキケンな状態になっています。
人と違い、猫のからだのほとんどが被毛があり、パッと見ただけでは皮膚の確認ができません。
ふだんの食事量やブラッシングときの皮膚状況を、常日頃から観察し、異変に早めに気づくことが大切です。
黄疸があらわれていたら、すぐに動物病院を受診してください。
今回のMOFFMEでは、愛猫が黄疸をあらわれたときの原因や症状、見分け方、治療方法などをくわしく紹介します。
今回の項目
- 猫の黄疸の症状や見分け方を紹介
- 猫の黄疸の原因・病気を紹介
- 猫の黄疸の検査方法・治療費用を紹介
ぜひ、最後までごらんください。
猫の黄疸の症状や見分け方を紹介
猫の黄疸は、見分け方や症状をしらなければ、カンタンに気づくことができないでしょう。
人だと白目や皮膚がきいろになり、わかりやすいです。しかし、猫は毛色や目の色が種類によりちがい、黄疸がでている状態と普段の状態のちがいを知らないと、見分けることがむずかしいです。
実際、トラネコに黄疸があらわれたときは、どこを見ても同じに見え、ちがいがわからず、気づくことができませんでした。
猫に黄疸があらわれると、人と同じように、キケンな病気を発症しています。
黄疸の見分け方や症状は、覚えておきましょう。
この項目では、
- 猫の黄疸とは
- 見分け方
- 症状
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猫の黄疸とは
猫の黄疸は、ビリルビンというきいろの色素が増加し、全身の組織にきいろの色素が沈着した状態です。
特に、肝臓や胆のうの病気が多く、他にもさまざまな病気が原因で、黄疸はあらわれます。
どれも緊急性が高い病気で、キケンな状態です。
黄疸があらわれるところは、口の中や耳の内側などがあります。ビリルビンの色素でピンク色からきいろに変化します。
しかし、猫の黄疸は、目で確認できるものから、検査でわかるものまで、さまざまあります。
普段より、元気や食欲がないときは、早めにかかりつけの獣医師に相談しましょう。
猫の黄疸:見分け方
猫の黄疸を見分けるには、下記の項目を確認しましょう。
- くちの中
- ミミの内側
- 皮膚
- 白目
- 尿
とくに、わかりやすい場所は、くちの中やミミの内側です。ふだんはうすいピンクをしている皮膚が、黄疸によりきいろに変化しています。
また、尿も判断がしやすく、 ふだんの尿よりもきいろ味が強い場合は、黄疸がでていないか確認しましょう。
猫の種類によって毛色や目の色などにちがいがあり、黄疸の確認できる場所をしらないと、黄疸だとは気づきにくい場合もあります。
愛猫の黄疸を早く気づけるように、黄疸の見分け方をおぼえておきましょう。
猫の黄疸:症状
黄疸があらわれている猫には代表的な症状として、下記のような症状があらわれます。
- 元気がなくなる
- 食欲不振 など
しかし、黄疸があらわれたときは、上記2つの症状がまとめてあらわれることが多いです。
そのときは、くちの中やミミの内側、尿などを確認し、黄疸があらわれていないか確認しましょう。
黄疸があらわれると、キケンな病気の場合が多いので、すぐに動物病院を受診してください。
猫の黄疸の原因・病気を紹介
猫の黄疸の原因になる病気には、重篤で長期間の治療が必要な病気が多くあります。
病気の原因も細菌感染や外傷感染、遺伝的要因などさまざまです。
愛猫が、元気がなくなり、食欲が減っていたら、黄疸があらわれていないか確認が必要です。
黄疸がなくても、継続的に症状がつづいている場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。
早めに治療がすすめられれば、危機的状況を回避できる場合もあります。
この項目では、猫の黄疸の原因
- ① 溶血性貧血
- ② 肝リピドーシス
- ③ 胆嚢障害
- ④ 胆管肝炎症候群
- ⑤ 急性肝炎
- ⑥ 慢性肝炎
- ⑦ 肝硬変
- ⑧ 膵炎
をくわしく解説します。
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猫の黄疸の原因① 溶血性貧血
溶血性貧血は、免疫異常により赤血球が破壊され、貧血になる病気です。
溶血性貧血のおもな症状は、下記のようにあらわれます。
- ぐったりして元気がない
- 運動をイヤがる
- 食欲不振
- 呼吸困難
- 口内粘膜が蒼白
- 黄疸
- 尿が赤茶色にちかい色になり濃くなる
原因は、遺伝や外傷、免疫の異常など、さまざまです。
発病すると、完治はしないので、一生治療が必要になります。
治療は、受診のたびに血液検査、免疫抑制剤やステロイドホルモン剤などの薬で治療を行います。
猫の黄疸の原因② 肝リピドーシス
肝リピドーシスは、絶食状態となると、体内の脂質が肝臓へ沈着することで発症します。
肝リピドーシスのおもな症状は、下記のようにあらわれます。
- 食欲不振
- 体重の減少
- 元気がなくなる
- よだれが多くなる
- 痙攣
- 黄疸
- 意識障害
肝リピドーシスは、 胆管肝炎 、膵炎 、などの病気が関連していることもあります。
進行すると、回復せず死亡するケースも多いです。
しかし、早めに治療をすることで、完治の可能性もあります。
肥満の猫にはおきやすく、猫に特徴的な肝臓疾患です。
猫の黄疸の原因③ 胆嚢障害
胆のう障害は、胆のうを取りかこんでいる臓器(脾臓や肝臓など)のどれかひとつにでも異常が生じると、胆のうに障害がおこる病気です。
胆のう障害のおもな症状は、下記のようにあらわれます。
- 食欲不振
- 元気がない
- 嘔吐
- 腹痛
- 黄疸
原因は、胆のう管のめずまり、下部組織からの逆流、胆汁のドロドロ化、胆のう自体の病変です。
治療は、年単位の長期間続きます。胆汁を分泌するような薬で症状を軽減する治療をし、胆のうが破れた場合は、手術も行います。
猫の黄疸の原因④ 胆管肝炎症候群
胆管肝炎症候群は、胆管と肝臓に炎症をおこした状態の病気です。
胆管肝炎症候群のおもな症状は、下記のようにあらわれます。
- 食欲不振
- 黄疸
- 発熱
- 脱水
- 嘔吐
- 下痢
- 脂肪肝の併発
原因は、化膿性胆管肝炎症候群の細菌感染と、非化膿性胆管肝炎症候群の胆石や胆のう障害など、ほかの臓器でおきた病気による発症です。
化膿性胆管肝炎症候群は、うまくいけば、治療は2カ月ほどでおわり、非化膿性胆管肝炎症候群は、治療が一生つづくこともあるでしょう。
猫の黄疸の原因⑤ 急性肝炎
急性肝炎は、細菌感染やなにかしらの中毒により、急激に肝臓に炎症が起きた状態です。
急性肝炎の主な症状は、下記のようにあらわれます。
- 下痢
- 嘔吐
- 食欲不振
- 元気がなくなる
- 黄疸
- 昏睡やふるえ、ケイレンなどの神経症状
原因は、胆管肝炎、糖尿病、クッシング症候群などの基礎疾患のくすりなどから、なにかしらの中毒を発症する場合。外傷による細菌の進入、猫伝染性腹膜炎ウイルス、真菌などの病原体への感染です。
急性肝炎が、進行すると慢性肝炎になります。
治療は、輸液、抗生物質の投与、栄養補給、安静、食事療法などになります。
猫の黄疸の原因⑥ 慢性肝炎
慢性肝炎は、肝臓に長い間の炎症がつづいている状態です。
肝臓内での炎症がくり返しおこり、線維部分のしめる割合が多くなり、徐々に正常な機能がうしなわれていきます。
慢性肝炎のおもな症状は、下記のようにあらわれます。
- 元気がない
- 食欲不振
- 下痢
- 嘔吐
- 腹水によりおなかがふくれる
- 体重減少
- 黄疸
原因は、感染症や中毒症状により急性肝炎から、肝臓の継続的炎症により発病します。
治療は、肝炎の症状にあわせての服薬、腹水をぬくための処置や利尿剤の投与などです。
慢性肝炎が、さらに進行すると肝硬変になります。
猫の黄疸の原因⑦ 肝硬変
肝硬変は、肝臓が継続的な炎症をおこし、線維組織が増殖し肝臓全体が硬くなった状態です。
肝硬変のおもな症状は、下記のようにあらわれます。
- 元気がなくなる
- 食欲不振
- 少しずつやせていく
- 腹水でおなかがふくれる
- 黄疸
原因は、慢性的な肝炎や胆管肝炎、肝細胞の大量死、原因不明の特発性です。
治療は、服薬や腹水をぬくための処置や利尿剤などになります。
肝硬変により、肝臓が機能不全がおこり、血液の成分がかわり、脳に障害をあたえる可能性もあります。
猫の黄疸の原因⑧ 膵炎
膵炎は、強力な消化酵素により、すい臓の細胞が消化されて炎症がおきた状態です。
膵炎のおもな症状は、下記のようにあらわれます。
- 元気がなくなる
- 食欲不振
- 嘔吐
- 下痢
- 体重減少
- 脱水
- 腹部を触るのを嫌がる
原因は、腹部を強打しすい臓が障害されたり、猫伝染性腹膜炎や猫ウイルス性鼻気管炎などのウイルス感染症です。
急性膵炎は、完治がむずかしく再発をくり返す場合があり、くり返し発症すると慢性膵炎になります。
治療は、膵炎を引き起こした原因の病気治療と輸液より水分や必要な栄養素をおぎないながら、短期間絶食させます。
猫の黄疸の検査方法・治療費用を紹介
猫に黄疸があらわれたときは、問診のほかに、血液検査や超音波検査などを行います。
検査方法や治療費用は、病気の種類や動物病院の価格設定によりことなるでしょう。この項目では、おおよその金額を紹介します。
猫に黄疸があらわれると、キケンな状態です。動物病院は、人と違い健康保険がないので、まとまったお金が消えていきます。
愛猫に万が一、病気が発見された場合でも対応できるように、保険の加入をしておくと急な出費でも、治療に専念することができますよ。
この項目では、黄疸の検査方法や治療費などをくわしく紹介します。
- ① 血液検査
- ② 超音波検査
- ③ 診断手順
- 治療費用はどれくらい?
猫の黄疸の検査方法① 血液検査
猫の黄疸検査は、問診による痛みやからだの異常の確認、血液検査でビリルビンの数値を測定してます。
ビリルビンの数値のほかに、黄疸の原因となる肝臓やすい臓などの検査も一緒に行うことがおおく、黄疸の原因をさがしていきます。
血液検査では、だいたい5000~8000円ほどになり、検査項目がおおくなると金額もあがります。
ビリルビンの数値により、キケンな状態か確認することができます。
猫の黄疸の検査方法② 超音波検査
黄疸検査は、問診や血液検査のほかに、臓器状態の確認をするために超音波検査を行う場合もあります。超音波検査とは、エコー検査のことです。
だいたい肝臓、胆のう、胆管、すい臓を確認することが多く、一緒に関連するその他の臓器も確認します。
血液検査だけでは、臓器の状態が正確に判断できません。黄疸があらわれたときは、必要ならば、超音波検査を行ったほうがよいでしょう。
超音波検査のは、腹部のみでだいたい2500~10000円ほどになります。
猫の黄疸の検査方法③ 診断手順
猫の黄疸の場合検査の順番は、問診→血液検査→超音波検査です。
血液検査は、黄疸が発症することが多い病気、貧血、肝臓、胆のうなどから検査を行い、数値でだいたいの原因を究明します。
つぎに、必要におうじて臓器の状態確認のため、超音波検査を行うことが多いでしょう。
血液検査と超音波検査で、黄疸の原因を判断し治療をスタートします。
その他の病気の場合は、ウィルス検査も行う場合があります。
猫の黄疸の治療費用はどれくらい?
- 診察料(問診):約500~2000円程度
- 血液検査:約6000~8000円程度
- 超音波検査(腹部のみ):約2500円から10000円程度
まとめ:猫の黄疸は早めの対応が大事
- 猫の黄疸の症状や見分け方を紹介
- 猫の黄疸の原因・病気を紹介
- 猫の黄疸の検査方法・治療費用を紹介
またMOFFMEでは、他にもさまざまなペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひ、ごらんください!