猫というのは一般的に寒がりな動物です。実は冬などの寒い時期だけでなく夏にも注意が必要です。今回のMOFFME記事では、猫が寒いと感じる温度・夏に要注意のクーラー病・猫が寒い時に表すサイン・猫が寒がる際の対処法などを詳しく紹介していきます。
この記事の目次
目次を閉じる愛猫が寒いと感じる温度とは?夏でも要注意の温度管理を紹介
近年では、季節の変化はとても急激なものになっています。つい先日まで暖かかったのに、気付いたらまるで冬のような寒さになっていることもしばしば。
さて寒さと言えば、猫は寒さに弱いと言われています。冬になれば雪が降らずともこたつで丸くなっている姿は風物詩と言ってもいいでしょう。
そんな猫が実際に寒いと感じる温度は、どれくらいからなのでしょうか。
今回「MOFFME」では、猫が寒いと感じる温度について、以下を通して解説をします。
- 猫は寒がりなの?寒さに強い猫を紹介!
- 愛猫が寒いと感じる温度を紹介
- 愛猫が寒さを感じた際のサインを紹介
- 愛猫が寒がる際の対処法を紹介
- 夏に要注意!クーラー病とは
猫は寒がりなの?寒さに強い猫を紹介!
寒くなると飼い主さんにくっつきたがったり、暖房のそばでじっと丸くなったり、猫は目に見えて行動が変わってきます。
一般的にイメージされるとおり、多くの猫は寒がりですが、すべての猫がそうであるという話でもありません。
中には、寒い地域で生まれ育った、寒さに比較的強い猫というのもいるのです。
ここからは、寒さに強い猫とその種について紹介します。
- 寒がりな猫は多い
- 寒さに強い猫種① メインクーン
- 寒さに強い猫種② スコティッシュフォールド
- 寒さに強い猫種③ ノルウェージャンフォレストキャット
寒がりな猫は多い
私達と暮らしているイエネコたちは、祖先を辿っていくとリビアヤマネコという種に行き着きます。
リビアヤマネコは、現在もアフリカの赤道以北に生息している種で、砂漠のような暑く乾燥した気候で生まれ育ちました。
砂漠は夜こそ寒いものの、冬のように常に寒さが支配しているような事はありません。
リビアヤマネコの血を引いている猫たちもまた寒さには慣れていないため、冬になると暖かい場所を探して休むようになるのです。
寒さに強い猫種① メインクーン
メインクーンは、アメリカのメイン州が原産の、ふわふわの長毛に包まれた大きな体の猫です。
基本的に、寒さに強い動物というのは、エネルギーを蓄え体温の維持に使うために、体が大きくなりがちです。メインクーンもまた、そうした特徴を持っています。
また被毛は長くふわふわとしたオーバーコートの下に、短く細かいアンダーコートの生えているダブルコート構造になっており、それもメインクーンが寒さに強い理由です。
寒さに強い猫種② スコティッシュフォールド
スコティッシュフォールドは、「フォールド」という名の通り、折りたたまれた耳が特徴的な猫です。
イギリス北部の厳冬に見舞われる地域で生まれ育ったこともあり、比較的寒さに強い種です。
一般的にイメージされるスコティッシュフォールドは短毛種かもしれませんが、実は、人工的な交配によって長毛種も産み出された種です。
しかし、短毛種が寒さに弱いかというと、そうではありません。短くも分厚い被毛は、しっかりと生まれ故郷の寒さに適応した耐寒性を備えています。
寒さに強い猫種③ ノルウェージャンフォレストキャット
その名の通りノルウェー原産のノルウェージャンフォレストキャットは、凛々しくも美しい長毛種の猫です。
北欧ノルウェーは冬になると厳しい寒さに襲われる地域であり、そこで暮らしてきたノルウェージャンフォレストキャットは、寒さを耐えぬけるだけの体格と被毛を得る必要がありました。
風雪に冷えないようにしっかりとした長い毛が全身を覆い、体温を蓄えられるだけの大きな体を持った個体だけが生き延びてきたのです。そうして適応してきたノルウェージャンフォレストキャットたちの子孫が、今を生きる種として残っています。
愛猫が寒いと感じる温度を紹介
猫にも冬毛と夏毛があるとは言え、衣服を着られる人間ほどは、寒暖に対応することはできません。
夏の暑さも冬の寒さも、人間よりもずっと「ちょうどいい」と感じられる範囲が狭いのです。
では、具体的にはどれくらいの範囲が、暑い寒いと感じる温度なのでしょうか?
ここからは、以下を通して猫が快適に過ごせる気温について解説します。
- 愛猫にとって適切な温度は25〜28度!
- クーラーはいつ使用するべき?
愛猫にとって適切な温度は25〜28度!
種類によって多少の差異はありますが、多くの猫にとって過ごしやすい温度は、およそ25~28度と言われています。
人間にとっても暖かく過ごしやすい、初夏や晩夏の雰囲気を感じられるくらいの温度ではないでしょうか。
しかし、長毛種で寒さに強い猫であれば、過ごしやすい気温はもう少し低くなります。
愛猫の特長をしっかりと把握し、その上で、暑さに参っている様子はないか、日頃からよく見てあげましょう。
クーラーはいつ使用するべき?
猫は、寒さに比べると暑さのほうに強い動物です。しかし、あまりにも気温が高いと熱中症になってしまうのは、他の動物と変わりません。
近年の夏の暑さは危険なほどで、家に人間がいない時でも、愛猫のためにクーラーを入れておく必要が出てきました。
クーラーの設定温度は、人間に合わせておよそ25~28度ほどにしている事が多いかもしれません。愛猫のために使用する際も、そのままの設定温度で良いでしょう。
しかし、あまり低い温度にしたり、「人間は我慢できてるから」と酷暑なのにクーラーを入れないような事は危険です。
夏毛でいつも以上に寒さに弱くなっている猫が冷えて風邪を引かないように、様子を見ながら適切な室温に設定してあげましょう。
愛猫が寒さを感じた際のサインを紹介
猫は正直な動物です。嫌なことがあれば、それは何らかの形で行動に出てきます。
寒さを感じたときも同様です。寒暖への対応は本能的なものであり、寒さを感じた時には、体温が下がらないように、自分の身を守ろうと行動します。
ここからは、猫が寒さを感じた際に見せるサインについて、以下の3つを紹介します。
- サイン① 丸くなる
- サイン② 運動量が激減する
- サイン③ 水を飲まない
サイン① 丸くなる
猫が丸くなって眠るのには、様々な理由があります。
急所であるお腹を守るとき、あるいは、すぐに立ち上がる必要がないほどリラックスしているとき。そして、寒さを感じているときもまた、丸くなります。
暑い時には、ぺたりと長く伸びて床に転がっている姿を見ることがあるかもしれません。丸くなるのはその逆で、空気や床に触れる面積を減らし、自分の体温を維持しようとする体勢です。
もし愛猫がいつも丸くなって寝ているようであれば、保温ベッドなどを用意してあげるのも一考しましょう。
サイン② 運動量が激減する
寒い時には、体温維持のためにエネルギーを温存しようとします。
激しく動き回ると一時的に体温が上がりますが、その分体力を消耗します。古くは砂漠に暮らしていた猫にとって、寒さは一晩耐えれば過ぎ去るものです。
その記憶が、今でも寒い時期には動かないことを本能的に選ばせているのかもしれません。
ただし、遊び好きな猫や、好奇心旺盛な仔猫であれば話は別です。寒い冬でも楽しげに遊び回る猫の姿も、ご家庭によっては珍しくないかもしれません。
サイン③ 水を飲まない
冬場は水も冷たくなり、飲むことで体温が下がることもあります。夏場ほど喉の乾きを感じづらくなることもあって、どうしても水を飲む量は減るでしょう。
しかし、寒いからと言って水を飲まないと、それはまた別の問題を引き起こします。
もし、冬に愛猫が水を飲まないようであれば、少しぬるめにして水皿に入れてあげる、薄く味をつけるなどの対処をしてみましょう。
それでも飲まないようであれば、もしかしたら何らかの病気やトラブルかもしれません。一度、動物病院で診てもらいましょう。
愛猫が寒がる際の対処法を紹介
衣替えをして、暖房を入れて、温かいものを飲んで……
人間が冬支度をするように、愛猫にも猫用の冬支度をしてあげることで、暖かく暮らしてもらうことができます。
ここでは、愛猫が寒がる際の対処法として、以下の3つを紹介します。
- 対処法① ガスや電気ストーブではなくエアコンを使用する
- 対処法② 湯たんぽを用意する
- 対処法③ 冬用布団を用意する
対処法① ガスや電気ストーブではなくエアコンを使用する
手軽な暖房として、今でもガスストーブや電気ストーブを使用しているご家庭は多いかもしれません。
ですが、もしエアコンがある場合は、エアコンを使用することをおすすめします。
猫は温かいものに近寄りがちですが、熱源に寄り過ぎることも多々あります。すぐに熱さに気付けばいいのですが、ぐっすり寝ている間に毛が焦げるようなことも起こり得ます。
猫がいる家庭で暖房を使うのであれば、火傷しづらいエアコンを使用する、もしくは暖房器具を侵入防止フェンスで囲むなどの対策を取りましょう。
対処法② 湯たんぽを用意する
昔ながらの暖房器具である湯たんぽは、猫にも使ってもらうことができる冬用グッズです。
容器にお湯を入れるだけというとても単純な仕組みなので、寝る前に用意するのも簡単。愛猫の布団に置いておくことで、暖房のオンオフができない夜中も長く保温することが可能です。
もし使用する際には、猫が爪を立てても大丈夫なように硬い素材のものを選びましょう。そのまま置くのが気になるのであれば、湯たんぽ用のカバーも多数販売されています。
対処法③ 冬用布団を用意する
猫用の布団にも、冷感素材が使われた夏用と、防寒・保温素材が使われた冬用があります。
そろそろ夏用布団はいらないかな、と思い始めたら、早めに防寒・保温効果のある冬用布団に取り替えてあげましょう。
また、冬場は床の冷気によって布団が冷たくなることもあります。すのこや畳、カーペットなどを敷いてあげると、愛猫にも暖かく寝てもらえるでしょう。上記の湯たんぽと組み合わせるのも有効です。
夏に要注意!クーラー病とは
寒さによって猫が体調をくずすのは、冬だけの話ではありません。
夏場、冷房によって極端に気温が下げられた部屋に長時間いることでも、猫は体調を崩してしまいます。
24時間クーラーの付けていることも珍しくない昨今の夏では、特に注意が必要です。
ここからは、夏に気をつけたい「クーラー病」について解説を行います。
- 猫のクーラー病:原因
- 猫のクーラー病:症状
- 猫のクーラー病:予防策
猫のクーラー病:原因
クーラー病の原因は、主に以下の3つが挙げられます。
- 極端に気温差がある屋外と屋内を行き来する
- 室内温度の設定が低すぎる
- 空気の乾燥
猫のクーラー病:症状
気温差によるクーラー病は、冷えからお腹を壊す、風邪をひくなど、人間の夏風邪と似たような症状が出てきます。
目立つのは、下痢や嘔吐、食欲不振などの症状でしょう。腹痛を併発してうずくまりがちになる事もあります。
猫は、痛みやだるさを感じても言葉では教えてくれません。
「ちょっと具合が悪そうかも?」と思ったら、すぐに飼い主さんが気にかけてあげる事が大切です。軽度の風邪もこじらせると大きな病気の原因になるため、動物病院の受診も考慮しましょう。
猫のクーラー病:予防策
最も分かりやすいのは、クーラーの設定温度の調整です。
猫が暮らしやすいのは、25~28度と言われています。クーラーの設定温度もその範囲にすることで、低体温、熱中症などを予防することが可能です。
また、夏場に冷房を付けているとどうしても窓やドアを閉めておきたくなりますが、猫が行き来できるように通路を開けておくことも大切です。特に、水やご飯などが無い部屋に猫を閉じ込めることがないように、常に注意をはらいましょう。
まとめ:季節に合わせた温度管理を愛猫のために行おう
夏の残暑が厳しいかと思えば、衣替えもしない内に冬の寒気に見舞われる。季節の移り変わりが忙しないものになって困るのは、人間だけではありません。
夏に合わせた涼しい場所に夏用布団を置かれたままになっている猫も、寒い日にまでそこで眠るのは嫌でしょう。
少し気温が下がってきたかなと思ったら、冬用布団も出してあげる、熱のこもりやすい狭い場所に毛布を敷いてあげるなど、愛猫が快適な場所を選べるように選択肢を増やしてあげましょう。
今回は、猫が寒いと感じる気温と、寒さ対策について解説を行いました。
- 猫は寒がりなの?寒さに強い猫を紹介!
- 愛猫が寒いと感じる温度を紹介
- 愛猫が寒さを感じた際のサインを紹介
- 愛猫が寒がる際の対処法を紹介
- 夏に要注意!クーラー病とは