猫に貝は絶対ダメ!耳が落ちると言われる理由、誤飲の対処法を解説!のサムネイル画像

日本人には馴染みのある「貝」。私たち人間には基本的に害はない食べ物とされていますが、猫にとっては毒となるものが多いです。今回のMOFFME記事では、愛猫にとって貝が危険な理由・食べた際の対処法・ホタテやイカなどは大丈夫かを紹介していきます。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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愛猫に貝を与えても大丈夫?危険な理由や食べた際の対処法など

猫は魚介類が好きなイメージがありますよね。


キャットフードもマグロ味やカツオ味などが多いです。


は栄養価が高く、体に嬉しい成分が多く含まれています。


愛猫のために、栄養価が高いならと貝を与えようする飼い主さんもいるのでは?


ですが、ちょっと待って下さい!


猫に貝は与えないほうがいいです。


その理由は、貝が持つ毒成分によって猫の体に異常を引き起こすからです。


今回のMOFFMEでは、

  • 猫が貝を食べてはいけない理由
  • 貝を食べると猫の耳が落ちる?
  • 貝を食べると出る症状
  • 貝を食べた時の対処法
などについて解説していきます。

猫を初めて育てている飼い主さんやこれから飼おうと思っている方は、最後までご覧ください。

愛猫が貝を食べてはいけない理由を紹介


猫が貝を食べてはいけない理由は、貝に毒成分があるからです。


また、弾力のある貝を食べると、うまく消化ができません。


消化器官機能が未発達の生後12ヶ月の子猫や、同じく消化器官機能が低下している7歳以上の老猫には、絶対に貝は与えないでください。


猫が貝を食べてしまうと、「光線過敏症」や「チアミン欠乏症」を発症します。


また、貝が毒性を持つプランクトンを食べて、毒素を体内に蓄積させていることもあります。


毒素は加熱しても消えないので、貝は与えないほうがいいですね。


この項では、

  • 貝を食べると耳が落ちると言われているのはなぜか
  • 愛猫が貝を食べた際に出る症状
  • 危険が及ぶ摂取量はどれくらい?
について解説していきます。

貝を食べると耳が落ちると言われているのはなぜか

貝を食べると耳が落ちる」って聞いたことがありますか?


初めて聞くと、びっくりしますよね。


この言葉は、「光線過敏症」の引き起こす症状からきています。


「光線過敏症」の症状は以下の通りです。

  • 猫が貝を食べると、貝に含まれる「ピロフェオホルバイド」という毒成分が血中に溶け込む
  • 毒成分が溶け込んだ血管は、日光が当たると炎症が起きる
  • 炎症が起きるとかゆみや腫れが生じ、体毛が抜ける
  • 最悪の場合、壊死する(放置するとガンになる可能性がある)
毛が薄く、日光に当たりやすい耳は症状が出やすいので、「貝を食べると耳が落ちる」と言われていますよ。

愛猫が貝を食べた際に出る症状

猫が貝を食べた時、症状が出る時間は決まっていません。


食べてすぐに出る場合や数時間経ってから出る場合もあります。


また、食べた貝によって症状も変わります。


アワビなどを食べてしまった時は、「光線過敏症」という病気を発症します。


症状は以下の通りです。

  • 皮膚のかゆみ
  • 皮膚の痛み
  • 皮膚の赤み
  • 脱毛
耳や頭部・目・口の周りに症状が出やすいです。

症状が出るまでに時間がかかるので、よく観察することが大切です。

アサリなどを生で食べた場合は、「チアミン欠乏症」を発症します。

症状は以下の通りです。
  • 食欲不振・嘔吐
  • 瞳孔拡大・運動失調・歩行困難(ふらつき)
  • 痙攣・異常な姿勢・大きな声で鳴き続ける
  • 失神・昏睡状態

食欲不振嘔吐から始まって、最終的に失神などの命に関わる症状も出るので、


少しでも気になったら病院の受診をおすすめします。

危険が及ぶ摂取量はどれくらい?

猫がどれくらい食べたら危険という摂取量は、決まっていません。


多量に摂取したら危険なのは当然ですが、目安になる数値はないですね。


個体差があるので、決められていないようです。

愛猫が貝を食べた際の対処法・注意点を紹介!

猫が貝を食べた時はどうすればいいのでしょうか?


飼い主さんが慌てると、猫も慌てて飲み込んでしまうので、まずは飼い主さんが落ち着きましょう。


この項では、

  • 貝を食べた際の対処法:様子を観察し対応しよう
  • 愛猫が貝殻を食べた際の対処法
について解説していきます。

貝を食べた際の対処法:様子を観察し対応しよう

猫が貝を食べても、すぐには症状が出ない場合もあります。


なので、まずは落ち着いて様子を観察することが大切です。


動物病院へ連絡して以下のことを伝えましょう。

  • いつ
  • 何を
  • どれくらい食べたか
  • どのような症状があるのか

獣医さんに指示に従って、落ち着いて対処します。


少しでも愛猫に変化があれば、病院へ行きましょう。

愛猫が貝殻を食べた際の対処法

猫が貝殻を食べた時も落ち着いて対処しましょう。


食べてすぐに、口の中に貝殻がある時は、で取り除きます。


ただし、飲み込んでしまった場合は、無理に吐き出させることは絶対にしないで下さい。


吐き出させる行為は医療行為になるので、一般の方ではできません。


猫の体に負担がかかりますし、危険を伴います。

愛猫に与えても大丈夫な貝類はある?

基本的に、猫に与えてもいい貝はありません。


できるなら、与えないほうがいいです。


ですが、ビタミンやタウリンなど栄養価の高い貝を食べさせたいと思いますよね。


猫に与えても大丈夫な貝類はないのでしょうか?


実は、あさりホタテは与えてもいいとされています。


この項では、

  • ホタテ・あさりは与えて大丈夫!ただし加熱を忘れずに!
  • おやつの貝も少量なら大丈夫!
  • アワビ・トリガイ・サザエ・トコブシは絶対NG
  • 補足:イカ類も猫に与えてはダメ!
について解説していきます。

ホタテ・あさりは与えて大丈夫!ただし加熱を忘れずに!

ホタテあさりは、猫に与えても大丈夫です。


ただし、必ず加熱をすることを忘れないで下さい。


加熱をすると、チアミナーゼが不活化するので、ビタミンB1を壊すことがなくなります。


加熱しないで与えると、貝に含まれるビタミンB1(チアミン)を分解する酵素(チアミネーゼ)の影響で「チアミン(ビタミンB1)欠乏症」を発症します。


ビタミンB1には、体の各部位の働きをコントロールしたり、エネルギーの生産や消費を助けたりする仕事がありますよ。


猫はビタミンB1を人の4倍必要とする生き物。


ビタミンB1は体内では作ることができないので、食べ物から摂取するしかありません。


このビタミンB1が足りなくなると、体のいろいろな部位から支障がでます。

  • 食欲不振・嘔吐 
  • 瞳孔拡大・運動失調・歩行困難(ふらつき) 
  • 痙攣・異常な姿勢・大きな声で鳴き続ける 
  • 失神・昏睡状態
上記のような症状があれば、「チアミン(ビタミンB1)欠乏症」ですね。

ホタテは、タウリングリコーゲンなどの栄養をたくさん含んでいる貝です。

猫もホタテは好きですよね。缶詰でもホタテ味が売られています。

ホタテももちろん加熱して与えて下さい。

与えていい部位については、「貝柱だけ」と「貝柱と貝ひもだけ」というふたつの意見があります。

心配な場合は、貝柱だけ与えるか獣医さんに相談して下さい。

他の部位は、毒性が強かったり、消化が難しかったりするので、与えないで下さいね。

あさりもホタテも加熱して、少量を与えましょう。

おやつの貝も少量なら大丈夫!

おやつでも貝類が含まれるものは、消化によくないので多量に摂取することはおすすめできません。


貝柱貝ひもを使用したものであれば、少量なら与えても大丈夫です。


干物は、ミネラルや栄養分が高濃度なので、与えないようにしましょう。


おやつ用に作られたものは、塩分や糖分が多いので、できるだけ与えないほうがいいですね。

アワビ・トリガイ・サザエ・トコブシは絶対NG

猫に与えてはいけない貝の中でも

  • アワビ
  • トリガイ
  • サザエ
  • トコブシ
などは、絶対に与えてはいけません。

特に春先(2月~5月)の貝類は、毒成分を体内に溜め込むので毒性が強くなります。

猫がアワビなどを食べると、アワビなどの貝が、海藻を食べて葉緑素(クロロフィル)を分解することで作られる「ピロフェオホルバイド」が光線過敏症を引き起こします。

光線過敏症を発症すると、耳や頭部や目・口の周りなどの日光の当たりやすい場所に炎症がおき、かゆみや腫れが起こります。

腫れが起きると脱毛したり、最悪の場合には壊死することがあります。

人間にも貝を食べすぎると、光線過敏症と同じ症状が起きることがありますよ。

顔面や手指に炎症が起こり、命の危険はありませんが、回復するまでに20日前後かかります。

補足:イカ類も猫に与えてはダメ!

イカやタコ、エビやカニの甲殻類も与えてはダメです。


イカなどにもチアミナーゼが含まれており、チアミン欠乏症を発症する可能性があります。


加熱をすれば、チアミナーゼは不活化するので、ほんの少しなら与えても問題はないかもしれません。


ですが、完全に加熱ができない場合もあるので、加熱しても与えないほうがいいですね。


生のイカなどは、寄生虫の「アニサキス」が内臓に寄生しているので、絶対に与えないで下さい。


アニサキスが体内に入ると、胃けいれんや嘔吐などの胃腸障害が起きます。


アニサキスも加熱冷凍処理をしていれば、死滅するのですが、猫には与えないほうがいいですね。


猫は弾力のある食べ物(イカ・タコ・甲殻類)は消化が苦手です。


うまく噛めずに飲み込んでしまうので、消化できずに消化不良を起こします。


猫の体に負担がかかるので、イカ類は猫に与えないようにしましょう。

まとめ:貝類はアレルギーに注意しよう

今回は、猫と貝類について解説してきました。


まとめると、以下のようになっています。

  • 貝には毒成分があるので、与えないほうがいい
  • 「貝を食べると耳が落ちる」というのは、光線過敏症の症状からきている
  • 猫が貝を食べた時は、落ち着いて対処する
  • 生の貝を食べた時、大量に摂取した場合は、動物病院へ行く
  • イカやタコ、甲殻類は与えない

加熱処理などをすれば、与えても問題ないかもしれませんが、


種類や正しい料理法、適正な分量が分かっている上で与えて下さい。


猫の中には、貝に対してアレルギーを起こす猫もいます。


どの貝に反応してアレルギーが出るのか分からないので、貝類を与えるのはやめた方がいいです。


愛猫を思うなら、貝類は与えないほうがいいですね。


またMOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!