犬の肉球がザラザラな理由は?肉球の役割、肉球トラブルの対処法とはのサムネイル画像

愛犬にとって肉球は体を支えたり体温調節をしたりととても大切な役割を担っています。毎日地面と触れる肉球ですが、怪我や病気など様々なトラブルを抱えやすいです。今回のMOFFME記事では、愛犬の肉球がザラザラしている理由など肉球に関して解説します。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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愛犬の肉球について解説!役割・肉球トラブル・ケア方法など

犬の肉球ってとっても可愛くて、ついつい触りたくなりませんか?

ぷにぷにして柔らかくて、気持ちいいですよね。


そんな肉球はただついているだけでなくちゃんとした役割があるんです。


今回MOFFMEでは愛犬の肉球について

  • 愛犬の肉球がザラザラしている理由とは?構造も紹介
  • 肉球の役割って何?3つご紹介
  • 肉球のトラブル4つについて
  • 肉球のケア方法について
を紹介しています。

これを期に愛犬の肉球を「可愛いもの」としてだけでなく、構造や役割などを知り、トラブルを防止し対処できるようになりましょう。

さらに、かわいい愛犬の肉球をケアできるようになれば、もっと愛犬との絆が強まりますよ。

それでは、以下に詳しく説明していきますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

愛犬の肉球がザラザラしている理由や肉球の構造を紹介


肉球について何も知らない人も多いかと思いますので、まずは犬の肉球について

  1. 基本構成や色、構造
  2. ザラザラしている理由
に分けて説明していきます。

肉球も人間の手と同じように位置によって名前があり、前足と後足で部位の名前も違いがあります。

また愛犬の肉球に触った時、ザラザラしていませんか?そのザラザラにも大切な理由が隠されているんです。色だって個々で違いがありますよね?

そんな肉球について、以下に詳しく説明していきますので「へぇ~そうだったんだ!」と豆知識にでもなれば幸いです。

愛犬の肉球の基本構成や色、構造とは?

それでは肉球の基本構成や色、構造についてをそれぞれに分けて説明します。


基本構成

前足と後足の肉球を見ると、真ん中に大きな肉球と爪の下にある小さな肉球がありますが、それぞれ以下の構成になっています。
  • 掌球₍しょうきゅう)/足底球₍そくていきゅう):前足や後足の真ん中にある大きな肉球
  • 指球₍しきゅう)/趾球₍しきゅう):前足の爪5つと後足4つの下にある小さな肉球
  • 手根球₍しゅこんきゅう):前足の足首あたりにある小さな肉球

因みにこの手根球は地面につかない位置にありますが、これは進化の過程で退化した肉球と言われています。

ピンクや黒色、グレーや混ざった色までいろいろな色の肉球がありますが遺伝的な要因が強いと言われており、子犬の時にはピンク・赤い色で成長するにつれてグレーや黒色になるわけではないようです。

また色素沈着も関係しています。この原因として挙げられるのは「メラニン色素」、色濃くなりますが有害物質から愛犬を守るためでもあるので、濃くなることが悪いわけではありません。

構造

肉球の内側は脂肪と2種類の繊維₍エラスチン、コラーゲン)からできており、これが弾力があり柔らかい肉球を生み、肉球の外側は厚い角質で守られています。

寒さ暑さ強い衝撃から守る働きがあります。

愛犬の肉球がザラザラしている理由は?

子犬のころから肉球をよく触っている飼い主は感じていると思いますが、肉球は成長するにつれてザラザラ感が増します。


肉球のザラザラは、小さい円錐状の突起物が集合することによって生まれています。そのため肉球は「つるつる」ではなく「ザラザラ」とした触り心地です。


このザラザラとした突起物のおかげで、犬は走りまわっても急に止まれます。つまりは人間の使う靴でいうスパイクの役割を果たしています。逆につるつるだと滑ってしまって止まれませんよね。


雪が降る地域にお住いの方はよくわかると思うのですが、犬は雪の上を歩いても滑りません。肉球にこのザラザラの突起物があるからこそ滑らずスムーズに雪の上を歩いたり走ったりができるのです。


つまりつるつるしているよりも、ザラザラしている方が愛犬にとっては安全の印ということですね。


因みに高齢になると長く使っている肉球がすり減ってしまい、ザラザラ感が少なくなり若い頃よりつるつる気味になってしまいます。


つまり、子犬や高齢の犬は肉球のザラザラが少なく滑りやすいので注意しなければなりません。

愛犬の肉球の役割を紹介!


肉球についての基礎知識を紹介しましたが、ここからは肉球が愛犬にどのような役割を担っているのかについて説明していこうと思います。


肉球の役割は大きく分けて以下の3つです。

  1. 体温調節
  2. クッション機能
  3. 地面から熱を守る

ここから考えても肉球は大切な役割を担っていると言えるでしょう。
肉球は本当に愛犬にとって大事な部位です。

そんな肉球の詳しい役割について、3つに分けて説明していますので愛犬がどうやって自分を守っているのか、ぜひ読んでみて下さい。

肉球の役割① 体温調節

人間は体全体に汗をかきますが、犬は汗をかかない動物だと思っている方もたくさんいらっしゃるでしょう。


実は肉球から汗を出すことで犬は体温調整を行うことができます。


一般的に犬の体温調整と言えばパンティング₍口を開けてハアハアと呼吸すること)をイメージする方が多いでしょう。


基本的に人間のように犬には全身に汗腺がありません。そのため、パンティングすることで体温調整を行っています。


体温調整の大部分がこのパンティングだと言われていますが、それでも体温調整が追い付かない時には肉球から汗を出すことによって体温調整を行っていると考えられています。


どちらにしても犬は体温調整が苦手な動物ですので、特に暑さには注意してあげましょう。

肉球の役割② クッション機能

先ほど構造のところでもお話したように、脂肪や繊維組織で作られている肉球は衝撃を抑えるクッション機能があります。


毛などでおおわれていればクッション性は増すかもしれませんが、それでは歩きづらいですよね。


しかし、衝撃を抑えるクッション性がなければ、走ったり飛び降りた時に足に直接体重がかかり大きな衝撃になります。それは犬の関節や骨にとても負担になることでしょう。


さらに地面は私たちでも素足で歩くとごつごつして痛いところがあります。荒い砂があるところは特に痛いですよね。それは愛犬にとっても同じことで、もし肉球が薄ければ歩くたびに足が痛いのではないでしょうか。


そんな強い衝撃や、地面から肉球は愛犬を守ってくれます。

ぷにぷにした柔らかい肉球にはこんなに大切な役割があります。

肉球の役割③ 地面から熱を守る

私たちが手や足で地面を触って熱いと感じるように、犬も歩けば熱さを感じます。

ただ、私たちのように犬は靴を履きませんので、地面がどんなに熱くても避けることはできません。


犬の肉球は分厚い角質に覆われており、この角質が地面の熱から足を守っています


あまりに熱いところではやけどを起こしてしまうため注意が必要ですが、少々の熱さではやけどを起こさないような構造になっています。


因みに、外で飼われている犬や普段から散歩に行き外に行くことが多い犬は、室内で飼われている犬よりも肉球の厚みが増しますので、熱さに若干強くなります。


寒さについても同様のことが言えます。寒さにもこの角質が肉球を保護してくれるのですが雪国で暮らす犬は肉球の間から毛が生えることで寒さから守る役割も持っています。

よくある愛犬の肉球トラブルについて紹介!


色々な役割を持っている肉球ですが、もちろんトラブルも発生します。

代表的なトラブルは以下の通りです。

  1. 火傷
  2. 指間炎
  3. 腫瘍
  4. 犬ジステンバー

想像がつくものから、初めて聞いた名前の症状もあるかと思います。

トラブルはもちろん予防できれば一番良いのですが、なってしまったら早めに対処する必要があります。

色々な役割がある肉球はケガには弱い一面を持っています。日ごろから肉球を触れるだけでなく観察することで、早期発見ができるようにしましょう。

予防方法を学び予防することはもちろんですが、必要であれば動物病院へ早めに受診をしてください。

余談になりますが、高齢の犬になるとザラザラが取れてつるつるになる話は少し前にしましたが、イソギンチャクのようになるケースもあります。

これは肉球が年齢を重ねるにつれて表面の角質層が厚くなることが原因でイソギンチャクのようになりますが、病気ではないので安心してくださいね。

肉球トラブル① 火傷

肉球の役割でお話しましたが、いくら肉球が角質に守られており熱さに強いとは言え、路面の状態を考えずに散歩すると肉球が火傷をしてしまいます。


特に夏の時期はアスファルトや砂浜はとても熱くなっています。夏のアスファルトは60度近くなるという実測記録もあるほどです。


そんな熱いところを歩けば、いくら私たちより厚い角質で守られていても火傷を起こします。


火傷の症状は「足をいつもより舐める」「歩く時に痛がる」「肉球の皮膚が剥がれる」などが挙げられます。


火傷は人間と同じで軽傷であれば冷やすことで対処できますが、明らかにいつもと肉球の状態が違っており、赤くなっていたり水ぶくれができるなどがあれば悪化している可能性が高いため、動物病院を受診しましょう。

肉球トラブル② 指間炎

指間炎は肉球事態に起きるトラブルではありませんが、肉球と肉球の間に起こるトラブルです。


元々アトピーなどの皮膚疾患がある愛犬はもちろんですが、散歩をしている間にケガをしたり、火傷を起こしそこから指間炎を起こしていることがあります。


愛犬がいつもより肉球を舐めたり気にしている様子が見られれば、指間炎を疑って肉球を観察してみて下さい。


症状は赤くなったり腫れたりします。皮膚炎を気にして舐めると、指の間が濡れているままになってしまい菌が繁殖し、指間炎の悪化にも繋がります。


普段から足を濡れたままにせず、清潔にしたうえで乾燥をしっかりさせます。


指間炎は悪化すると化膿しますので、炎症が起きているような症状が見られたら早めに動物病院へ行くようにしましょう。

肉球トラブル③ 腫瘍

肉球を触ると、足指の間や肉球にしこりがある、腫れがある、出血しているなどの場合は腫瘍を疑って下さい。


腫瘍には2の原因があると言われています。

  • 皮膚炎
  • 外傷

上記で話した指間炎や火傷は皮膚炎や外傷にあたりますので、上記を繰り返していると悪性の腫瘍になる可能性が高まります。

肉球を見た時、症状が見られたら早めに動物病院を受診しましょう。

悪化すると生死にかかわりますし、指を切らなければいけない事態になりかねません。

症状がない場合もありますので、日ごろから肉球を触って変化がないか気にしておく必要があります。

腫瘍の原因は皮膚炎や外傷が大きな原因になります。傷や炎症が現れた時にはできるだけ早期に対応し、腫瘍の原因にならないようにしましょう。

肉球トラブル④ 犬ジステンバー

犬ジステンバーと言う病気を聞いたことがありますか?これは生死にかかわる病気の一つで、感染すると2週間~数か月で死んでしまう可能性のある恐ろしい病気です。


予防する方法としては予防接種が有効ですが、特に気を付けなければいけない時期は子犬の頃です。お母さんからの免疫がなくなった頃が罹りやすいと言われています。


症状としては、肉球や鼻が硬さに変化が出現し、風邪に似た症状₍発熱、くしゃみなど)や消化器症状₍嘔吐、下痢)などがあります。


その中でも一番の特徴としては肉球や鼻の角化と言われています。つまり、肉球の硬さに注目しましょう。


他のトラブルと違い、接触感染や空気感染を起こすので予防接種での予防がカギとなります。


感染してしまえば薬はなく対処療法になります。

肉球に起こるトラブルの中で一番怖い病気と言えます。

愛犬の肉球ケア方法を紹介


愛犬の肉球ですが、ケアをしてあげることで病気の予防や早期発見につながります。


ここからは

  • 肉球のマッサージ方法
  • ケアのポイントについて
の2点について説明します。

肉球のケアはとても重要な役割を持っています。ザラザラしている肉球は正解ですが、カサカサしていると乾燥しており良くありません。

乾燥する最大の原因は、散歩でもほぼ確実に歩くだろうと思われるコンクリートやアスファルトの上を歩くことです。

熱くなりやすく冷たくなりやすいこれらの地面は、愛犬の肉球に大きなダメージを与えてしまいます。

その結果必要なザラザラ肉球から乾燥したカサカサ肉球になり、傷ができやすくなります。

傷を予防するためにもケア方法をマスターし、愛犬の肉球トラブルを防ぎましょう。

肉球のマッサージ方法

肉球のマッサージに必要な手順は

  1. 温かいタオルで足の裏をきれいにする
  2. 肉球クリームを付ける
です。

最後に嫌がらなければ靴下を履かせるとより保湿になりますし、せっかく塗ったクリームを舐めてしまうのを防げます。

それぞれポイントを詳しく説明しますので、参考にしてください。

タオルできれいにする

外出先で難しければ、タオルではなくウェットシートなどで拭き、きれいにすると言う方法もありますが、家では温かいタオルできれいにすることでより汚れが落ちやすくなります。

また、温かいタオルは硬くなった肉球を柔らかくする役割も持っています。

肉球クリームを付ける

専用の肉球クリームは犬が舐めても大丈夫な天然の物を選ぶと良いでしょう。
優しくマッサージしながらつけ、塗りすぎないように注意してください。

塗りすぎると菌が繁殖しやすくなってしますので、適量を守ることが大切です。

肉球ケアのポイント

クリームを塗って保湿するだけでなく、肉球ケアは他にもあります。

  • 散歩するときは地面が熱くなっていないか確認
  • トラブルがないか確認
上記を確認するようにしましょう。

特に散歩するときにはアスファルトを通ることが多いと思いますので、朝方や夕方にして少しでも熱くない時間帯を選ぶのも一つの手ではないでしょうか。

また、公園の草が多くあるところが近くにある場合はそこを散歩コースにするのも良いでしょう。

夏は特に肉球のトラブルとして火傷が起こりやすい時期ですので、少し工夫するだけでトラブルを防ぐことができます。

また、日ごろから肉球にトラブルがないかを見るのも大切です。

マッサージをしながらいつもと変わらずザラザラしているのか、程度はどうなのか、乾燥はしていないか、傷などはできていないかなどをチェックするのも大切な肉球ケアの方法です。

まとめ:肉球は怪我や病気が起こりやすい場所

今回は犬の肉球について

  • 肉球の構造と、肉球がザラザラしているのには理由があることの説明
  • 肉球には、体温調整やクッション機能、地面の熱から守るという役割がある。
  • 肉球のトラブルについて、火傷や指間炎、腫瘍、犬ジステンバーを症状や予防方法などを説明
  • 肉球のケア方法について、保湿をしカサカサからザラザラな肉球を守る方法、マッサージ以外のケア方法について説明
以上を説明してきました。

肉球は私たちにとってはかわいい犬の一部ですが、愛犬にとっては大切な体の一部です。

足にある肉球は地面に接するので柔らかく強い構造にはなっていますが、トラブルも起きやすく怪我や病気にもなりやすい場所です。

愛犬の肉球を飼い主が清潔を保つことで病気を予防できたり、保湿をすることで傷から愛犬を守れます。また、保湿と同時に定期的に観察を行うことで病気の早期発見にも繋がります。

今回紹介した内容を読むことで、愛犬の肉球を違う視点で見たりケアすることができ、愛犬ともより良い生活が送れることを願っています。

またMOFFMEでは、他にも様々なペットやペット保険に関する記事を多数公開しておりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。