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私たち人間でも醤油を摂りすぎると体に悪いと言われる醤油ですが、もちろん犬にとってもとても危険な食べ物です。万が一、愛犬が少量でも醤油を舐めた場合はどうすれば良いのでしょうか。今回は、愛犬のご飯の味付けに醤油が危険な理由・舐めた際の対処法など紹介していきます。

記事監修者「森下 浩志」

この記事の監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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愛犬が醤油を舐めたら要注意!危険な理由や食べた際の対処法

私たちの生活に欠かせない調味料。

その中でも醤油を使う頻度は多いのではないでしょうか。


昔は人間のご飯を食べさせていたと聞きますが、今ではきちんとドッグフードや安全に食べられるものをあげているご家庭が多いと思います。


もし、わんちゃんが欲しがるからと人間用のご飯やおかずなどを与えてしまっている人はわんちゃんの健康を害すことになるのでやめましょう。


特に醤油には注意が必要です。与えては絶対にダメということはありませんが、気をつける点がいくつかあります。


今回MOFFMEでは、

  • 愛犬が醤油を食べるのが危険な理由を紹介
  • 愛犬が醤油を舐めた後の対処法を紹介
  • 愛犬の食欲促進に醤油を使う方法とは?薄めるのが大切!

について詳しく解説していきます。


ぜひ最後までご覧ください!

愛犬が醤油を食べるのが危険な理由を紹介

香ばしく美味しい匂いがする醤油ですが、与え方を間違えるとわんちゃんに害があるのを知っていましたでしょうか?


日本人にとって醤油は欠かすことのできない調味料です。

炊き込みご飯やそばにうどん、丼ものなどや煮物から焼き物などの食事メニュー、せんべい(醤油せんべい)やみたらし団子などのおやつなど、様々な料理に醤油は使われています。


この項では、愛犬が醤油を食べると危険な理由を紹介していきます。


なぜ醤油が危険なのか、

  • 醤油の成分について
  • 愛犬にとって醤油が危険な理由:醤油の塩分濃度が海水の5倍
  • 最悪の場合、死に至る『塩中毒』とは
  • 愛犬が心臓疾患・腎臓疾患を患っている場合は更に危険
に分けてわかりやすく解説していきます。

醤油の成分について

皆さんは醤油の原材料が何かご存知でしょうか。

大豆からできていることを知っている方は多いと思います。


大豆の他に小麦と塩が入っています。

微生物の力で発酵され、普段私たちが口にする醤油になります。


蒸した大豆に炒って割砕された小麦を合わせ、そこに種麹を入れます。

何日か置いたあとに塩水を入れてもろみをつくり、時間をかけて発酵させた後、圧搾・火入れをして醤油になります。


ここで原材料が危険なの?完成までの工程が危険なの?と疑問に思いますよね。

わんちゃんにとって醤油が危険な理由はにあります。


人間でも高血圧などの生活習慣病の予防のためにも醤油などの塩分を控えましょうと言われています。

それだけ醤油には塩分が沢山入っています。

愛犬にとって醤油が危険な理由:醤油の塩分濃度が海水の5倍

醤油にはどれくらいの塩分量が入っているかというと、海水の5倍もの塩分濃度があるといわれています。

海水の塩分濃度は約3.4%です。醤油にもよりますが醤油の塩分濃度は約15~16%です。


海水浴に行って、海水を飲み込んでしまうとしょっぱいですよね。

それよりも5倍も濃いので、いかに高濃度か想像できるのではないでしょうか。


塩分濃度は濃いはずなのに、醤油がそこまでしょっぱいと感じない…と思う方もいるのではないでしょうか。

醤油はアミノ酸などのうまみ成分などのいろいろな成分が複雑に絡み合っているためしょっぱさを感じないそうです。


このことからわんちゃんにとって醤油がダメなのではなく、塩分が危険なのを知っていただけたのではないでしょうか。

最悪の場合、死に至る『塩中毒』とは

人間でも塩分の過剰摂取は体に悪いですよね。

わんちゃんは少量でも塩分過多で塩中毒になることがあり、最悪の場合、愛犬が亡くなってしまいます。


塩中毒になる目安量は、体重1㎏に対して2~3gの塩分を摂取すると嘔吐や下痢、ふらつきやぐったりするなどの中毒症状が出始め、4~5gでは死に至ります。


醤油大さじ1杯分の塩分量は約2.6g(薄口醤油の場合は約2.9g)あるといわれていますので、小型犬などの体の小さいわんちゃんは個体によってはほんのわずかな量で中毒症状が出始める計算になります。


愛犬に持病などがある場合はもっと注意が必要で、ほんの少量舐めただけでも中毒症状が起きたり、持病の悪化など命に関わってくることもあります。

愛犬が心臓疾患・腎臓疾患を患っている場合は更に危険

もし愛犬が心臓疾患腎臓疾患を患っている場合、症状を悪化させてしまう可能性があるため舐めさせないようにしましょう。


塩分を摂取しすぎると体に水分を溜め込むようになってしまいます。

塩は主にナトリウムで構成されており、ナトリウムの体内での働きは、水分調整です。

塩分を過剰摂取すると体内のナトリウム濃度が濃くなり、体の水分量を増やして濃度を下げようとします。


必然的に血液量が増えることから心臓に負担がかかります。

また、腎臓疾患では塩分の排出を司る臓器のため、塩分量が増えると負担をかけるようになってしまいます。


心臓疾患と腎臓疾患はお互いに関係してきやすいため、より体調を悪化させてしまう可能性があります。

愛犬が醤油を舐めた後の対処法を紹介

どれだけ塩分がわんちゃんにとって危険なものなのか知っていただけたと思います。


塩分をわんちゃんが取りすぎないように人間のご飯をあげたりしないよう普段から気をつけ、間違って口にしてしまわないように愛犬の近くに置かないようにするなど気をつけましょう。


しかし、気をつけていても何かの拍子で醤油を舐めてしまうかもしれません。

もし、愛犬が醤油や醤油を使った食べ物などを口にしてしまった時、慌てないで済むように対処法を紹介していきます。


この項では、

  • 愛犬が醤油を舐めた際の対処法:動物病院へ連れて行く
  • 異物を吐かせるために塩を与えるのはNG
を解説していきます。

愛犬が醤油を舐めた際の対処法:動物病院へ連れて行く

愛犬が醤油を口にしてしまった場合、ほんの少量でなにも異変などがない場合には様子をみてもいい場合があるかもしれませんが、数時間経って中毒症状が出ることもありますので、動物病院へ相談することをおすすめします。


特に小型犬では少量でも致死量になることもあり、状態によっては早急に輸液などの処置が必要になる場合もあります。


もし愛犬が嘔吐や下痢、吐き気をもよおしていたり、ぐったりするなどの症状がある場合は早急に動物病院へ連れて行きましょう。

異物を吐かせるために塩を与えるのはNG

よく異物を誤飲してしまった場合に塩を飲ませて吐かせると聞く事がありますが、絶対に塩を飲ませないようにしましょう。


確かに塩を飲ませて吐かせることを獣医師さんの指示ですることはありますが、今まで読んでいただいた方はいかに塩分がわんちゃんにとって危険であるか理解して頂けたと思います。


勝手に判断せず、動物病院へ連絡して指示を仰ぐようにしましょう。

急激なナトリウム濃度変化によって様々な障害をもたらします。

愛犬の食欲促進に醤油を使う方法とは?薄めるのが大切!

ここまで、醤油の塩分に注意が必要ですよ!と説明してまいりました。

注意が必要なのは醤油の塩分濃度の高さです。


そこで、愛犬の食欲がないとお悩みの飼い主さんに、醤油を使って愛犬の食欲を促進する方法があります。


醤油の摂取自体がダメという訳ではないため、少量であれば愛犬に与えても大丈夫です。

香ばしくいい匂いからわんちゃんも食欲が湧いてくるかもしれません。


そこでもし、食欲を促進させるために醤油を与えることがある場合の注意点や目安量を紹介していきます。


この項では、

  • 愛犬に与えても大丈夫な醤油の目安量
  • 愛犬に醤油を与える方法:天然醸造醤油と野菜がポイント
  • 愛犬に醤油を与えることのメリット
を紹介していきます。

愛犬に与えても大丈夫な醤油の目安量

まず愛犬に与えても大丈夫な醤油の目安量ですが、ほんの少しの量になります。


▼愛犬に与えても大丈夫な目安量

  • 体重が5㎏の場合:小さじ10分の1
  • 体重が10㎏の場合:小さじ6分の1
  • 体重が20㎏の場合:小さじ3分の1
※あくまで目安量なので、全てのわんちゃんにあてはまるわけではありません。
※心臓疾患・腎層疾患のあるわんちゃんには与えないようにしましょう。
※アレルギーなどがある場合も考えられますので、ほんの少量から試しましょう。

ほんの少しの量しかあげてはいけないことを知っていただけたのではないでしょうか。

食欲がない場合、他の安全な方法もあるかもしれませんので獣医師さんに相談してみるのもいいのではないでしょうか。

愛犬に醤油を与える方法:天然醸造醤油と野菜がポイント

醤油は、製法によって3種類に分類され、本醸造混合醸造混合とあります。

本醸造とは麹菌の力のみで製造される無添加の醤油で、製造の時間がかかり金額が高い傾向にあります。


醤油のボトルや瓶のラベルの名称の横に○○しょうゆ(本醸造)や○○しょうゆ(混合醸造)、○○しょうゆ(混合)と書かれていますので与える前には確認をしましょう。


また、醤油を与える際にはカリウムの多く含まれる野菜と一緒に食べるのをおすすめいたします。


カリウムは余分な塩分を排出してくれる役割があります。

しかし、過剰摂取をしてしまうと他の病気になってしまうこともあるため気をつけましょう。


おすすめの野菜はカボチャ・サツマイモ・キャベツなどです。

愛犬に醤油を与えることのメリット

発酵調味料である醤油には体にいいこともあります。


抗酸化作用

哺乳類は体内に取り込んだ酸素は数%、活性酸素になります。活性酸素は細胞を酸化させてしまい過剰になると障害をもたらします。醤油はその活性酸素を抑制する(抗酸化作用)効果があるといわれています。


免疫力が上がる

麹菌が発酵する際にできる(大豆のタンパク質を分解する時にできる)アミノ酸が細胞の活性化、抵抗力や免疫力を上げる効果があるといわれています。

食欲促進

香ばしい香りが食欲をそそります。

醤油は濃口・淡口・溜・再仕込み・白とありますが、塩分濃度がそれぞれ違いますので気をつけましょう。

淡口の方が濃口よりも塩分濃度は̝高めです。


与える際は味付けではなく、香りづけとして使いましょう。

まとめ:愛犬に醤油を与える際は塩分過多に要注意

今回は、わんちゃんにとって醤油自体が危険なのではなく、醤油の塩分濃度注意が必要なことを解説してまいりました。


悪いことだけではなく、いい面もありますので量を守り愛犬の健康のために与えすぎないようにしましょう。


▼今回の記事のポイントはこちら!

  1. 醤油は本醸造でごく少量なら与えても大丈夫
  2. 与える際は目安量を守る
  3. 塩中毒で死に至ることがある
  4. 異物を飲み込んだ時に塩を自己判断で与えない
  5. 大量に摂取した場合は病院へ
  6. 食欲促進効果が期待できる

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