愛犬に山椒を与えてはダメ!舐めた際の症状、誤食の対処法も徹底解説のサムネイル画像

犬に食べさせてはいけない食べ物はたくさんあります。その中でも意外と知られていないのが山椒です。愛犬が万が一食べた場合様々な危険が及びます。今回のMOFFME記事では、山椒が犬にとって危険・毒な理由・舐めた際の対処法などを紹介します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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愛犬に山椒を与えても大丈夫?舐めた際の症状や対処法を紹介

こちら「MOFFMEマガジン」です。いつもの方も、はじめましての方も、よろしくお願いします。

今回のテーマは「愛犬に与えてはいけない食べ物」です。『玉葱』を含む『ネギ類』はその代表として、知られています。他にも『チョコレート』も与えてはいけない食べ物として有名です。

今回の「犬に与えてはいけない食べ物」は『山椒』がテーマです。人間にとっては「薬味」と呼ばれている、料理に変化を与えるスパイスです。

と言うことで、今回「MOFFME」では「愛犬に山椒を与えても大丈夫?舐めた際の症状や対処法」を紹介します。
  1. 犬は山椒を食べられる?与える危険性を徹底解説!
  2. 山椒の成分を紹介
  3. 愛犬が山椒を舐めた際の対処法を紹介
ぜひ、最後までご覧ください。

犬は山椒を食べられる?与える危険性を徹底解説!


結論から言うと犬に山椒を与えてはいけません。では、愛犬に山椒を与えることで、何か危険はあるのでしょうか?

人間にとっては体に良いとされており、昔から生薬として用いられてきました。事実、山椒に含まれる”サンショオール”という成分は、整腸作用および内臓粘膜を強化する働きがあり、医学的に証明されています。

この見出しでは、下記の項目にそって徹底解説します。

  1. 愛犬に山椒を与えることはとても危険
  2. 愛犬が山椒を舐めた際の症状:胃腸障害を起こす可能性
  3. 補足:犬山椒という植物もある!

ぜひ、続きを読み進めてください。

愛犬に山椒を与えることはとても危険

愛犬に山椒を与えることはとても危険です。山椒は犬にとっては、辛味の刺激が強すぎるからです。


山椒には”キサントキシン”という痺れの原因となる成分が含まれています。麻痺成分が含まれた痙攣毒の一種です。特に魚類には強い痙攣を発症させてしまいます。


人間を含む動物への毒性はそれほどでもありません。ですが、犬への摂取は控えるべきです。犬にとっての山椒は、刺激が強いため舌が痛いと感じる可能性があるからです。


山椒は日本最古のスパイスの一種で、縄文時代から山椒を使用していた痕跡があるというから驚きです。うなぎのお供としてはもちろんの事、「木・葉・実・花」の全てを余すことなく調理できる”優れもの”です。


しかし、そんな”優れもの”が犬にとっても”優れもの”という訳ではありません。

愛犬が山椒を舐めた際の症状:胃腸障害を起こす可能性

愛犬が山椒を舐めた際、胃腸障害を起こす可能性があります。あくまでも可能性ですが、前途で紹介した”サンショオール””キサントキシン”が関係しています。


”サンショオール”には「整腸作用および内臓粘膜を強化する働きがある」とお伝えしました。一方、”キサントキシン”の毒素は犬の胃腸に大きい負担をもたらします。


その負担の方が大きい可能性があるからです。結果として、嘔吐下痢の症状を引き起こす可能性があります。


この場合の下痢や嘔吐の原因は動物病院では診断しきれません。整腸薬を処方されて、症状を改善させるための治療が施されます。


しかし、前もってリスクを回避することは可能です。山椒の木は、土地によっては身近な存在です。落ちている実を愛犬が食べない様に、気をつけてください。

補足:犬山椒という植物もある!

少し余談ですが、『犬山椒』という植物を紹介します。犬山椒とは、山椒と同様にミカン科サンショウ属の落葉低木です。


雌雄異株など、共通点もあれば、相違点もあります。山椒とは異なるという意味合いで『犬山椒』と名付けられました。


相違点

  • 山椒の棘は枝から対生しているが、犬山椒の棘は枝から互生している
  • 山椒の鋸歯が大きく粗いのに対して、犬山椒の鋸歯は細かく、葉も細長い
  • 犬山椒は山椒よりも香りが劣り、葉も果実も香辛料にならない

鋸歯は「きょし」と読み、葉の周辺のギザギザのことを指します。「のこば」と読む場合は、木材などを切断するノコギリのことを意味します。

山椒の成分を紹介


”サンショオール””キサントキシン”と言った山椒に含まれる成分を紹介しました。もう少し詳しく紹介したいと思います。


山椒には、舌の上でピリリと感じる辛味成分、匂いの元となる成分、ビタミンも含まれています。


次の見出しで下記の成分を詳しく解説します。

  1. 辛味成分・匂い成分
  2. ビタミン類

ちなみに、辛味は味覚としては定義されていません。辛味は”痛覚”など感覚の一部として、5つの基本味(甘味・塩味・苦味・酸味・うま味)と総合して感じる物とされています。

辛味成分・匂い成分

山椒に含まれている辛味成分は前途でも紹介しましたサンショオールです。一方、山椒に含まれている匂い成分にはシトロネラールリモネンゲラニオールがあります。


サンショオールとは、サンショウ属植物に含まれており、痺れる辛みを引き起こす原因物質とされています。


サンショオールの働き

  • 整腸作用
  • 内臓粘膜を強化
  • 大脳を刺激して、内臓器官が活発働く様にする


シトロネラールは、レモンの様な香りを持ちます。山椒の他にもシトロネラ油やレモンバーム油に存在します。


リモネンもレモンやオレンジなどの柑橘類の皮に含まれている精油成分です。甘酸っぱく爽やかな香りが特徴です。


ゲラニオールバラにも含まれている香り成分です。この様に山椒には複数の香り成分が含まれています。

ビタミン類

山椒に含まれるビタミン類について紹介します。山椒には下記の種類のビタミン類が含まれています。

  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ナイアシン
  • ビオチン
ビタミンB 1は糖質を燃やしてエネルギーに変えるときに必要な栄養素で、B2はそのサポートを行っています。ナイアシンビオチンは酵素の働きをサポートする補酵素です。

山椒100g中の含有量は下記の表の通りです。

ビタミン類山椒100g中の含有量
B10.1mg
B20.45mg
ナイアシン2.8mg
ビオチン27μg
出展:文部科学省 日本食品標準成分表2020年版より

山椒100g中の含有量ですから、決して豊富とは言い切れません。ですから、”少しではあるが含まれている”とご理解ください。

愛犬が山椒を舐めた際の対処法を紹介


大変お待たせしました。愛犬が山椒を舐めた際の対処法を紹介します。

ここまでは山椒の成分犬への危険性について解説しました。次の見出しでは下記の内容を基に、具体的な対処法を紹介しています。

  1. 愛犬が山椒を舐めた際の対処法:少量摂取は様子見で大丈夫
  2. 愛犬が山椒を舐めた際の対処法:大量摂取は動物病院へ
  3. 無理やり嘔吐させるのはNG

もう少しお付き合いください。


「MOFFMEマガジン」では、ペットに関するお役立ち情報が満載です。ぜひ、他の記事もご覧ください。

愛犬が山椒を舐めた際の対処法:少量摂取は様子見で大丈夫

愛犬が山椒を舐めた際の対処法:少量摂取は様子見で大丈夫


少量摂取であれば様子見で大丈夫です。下痢嘔吐なども一時的な症状であれば、様子見でも問題ありません。ですが症状が治まっても明らかな体調不良の場合は、動物病院を受診してください。


長時間、家を空けるなど様子を見ることが難しい場合は、あらかじめかかりつけ動物病院を受診する、もしくは預けるなど相談してください。動物救急病院であれば、24時間診察が可能です。


病院にかかる場合は、排泄物嘔吐物を持参すると診断がスムーズになる場合があります。


いずれも難しい場合、自宅にペットカメラを設置すると、出先からペットの様子を観察することができます。IoTの進化により、自宅にWi-Fi環境があれば、出先から簡単にペットカメラにアクセスすることができます。

愛犬が山椒を舐めた際の対処法:大量摂取は動物病院へ

愛犬が山椒を舐めた際の対処法:大量摂取は動物病院へ


愛犬が山椒を大量に摂取した場合は、動物病院へ連れていき、獣医師さんの診察を受診しましょう。その際、”摂取した時の時間””摂取量”を伝えると診断がスムーズになります。


誤飲が判明した地点で動物病院に連れて行くことが最善です。しかし、時間帯などの状況によっては、電話で獣医師さんに相談するのもよいでしょう。


時間がかなり経過してから、愛犬の体調が急変することもあります。決して、素人判断で決めつけないでください。


動物病院を受診する場合、医療費の一部をペット保険でまかなうことができる場合があります。万が一に備えて、しっかり検討しましょう。


「MOFFME」では、無料でペット保険の相談を行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

無理やり嘔吐させるのはNG

無理やり嘔吐させるのはNG


のど元に指を突っ込むなどの行為で、無理やり嘔吐させる事は、もちろんNGです。これは山椒に限った話ではありません。犬に食べさせてはいけない食べ物、全般に言えます。


犬は誤って異物を摂取してしまった場合、自分で嘔吐して異物を体外に放出することができます。様子を見るようにしてください。


もっとも注意が必要な対処は、「食塩水を飲ませて嘔吐させる」ことです。山椒の中毒よりも、高濃度の食塩水の方が、犬にとっては危険です。


これは民間療法のひとつとして、ネットなどで紹介されていますが、おすすめしません。


何度もお伝えしますが、無理に嘔吐させるのはNGです。心配な場合は、動物病院へ連れて行きましょう。

まとめ:料理で山椒を使用する際は注意しよう

ということで、『愛犬に山椒を与えても大丈夫?舐めた際の症状や対処法を紹介』しました。

今回の記事では、

  1. 山椒は人には良薬だが、犬にはそうではない
  2. 犬が山椒を摂取した場合、胃腸障害や嘔吐する可能性がある
  3. 山椒に含まれる成分(辛味・匂い・ビタミン類)
  4. 犬が山椒を摂取してしまった場合の対処法
の内容をお伝えしました。いかがでしたでしょうか?

今後、料理で山椒を使用する場合、愛犬をケージ安全策などでキッチンから隔離するなど、対策をお願いします。

「MOFFMEマガジン」をご覧頂きありがとうございました。他にも役に立つ記事が満載ですので、ぜひご覧ください。

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