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内容をまとめると

  1. 毛が抜ける原因が「栄養不足」「ストレス」「病気」の場合は早急に対処する
  2. 病気の種類を大まかに分類すると①感染症②遺伝性疾患③アレルギー④ホルモン
  3. 毛が抜けても一向に新しい毛が生えてこない場合は、病気の可能性を疑うこと
  4. ペットの医療費は保険適用されないので、もしもの時に備えてペット保険に加入しておくと安心

犬種によって換毛期に毛が抜けることは自然ですが、病気が原因で毛が抜けることも考えられます。皮膚が抜けるまで愛犬の毛が抜ける場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。今回のMOFFME記事では、愛犬の毛が抜ける原因・対処法・受診すべき基準を紹介します。

記事監修者「森下 浩志」

監修者森下 浩志
フィナンシャルプランナー

早稲田大学基幹理工部出身。すべてのペットのお金と健康にまつわる問題を解決したい、という強い思いからMOFFMEを立ち上げ。ファイナンシャルプランナー、損害保険(ペット保険を含む)の公的資格取得。獣医師団体などと連携をして、ペットのWEB健康診断ツールの開発も行う。

この記事の目次

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愛犬の毛が抜ける原因は?皮膚が見えるなどの症状や病気を解説

犬種ごとに量は違うものの、犬を飼っていると毛が抜けて床などに落ちていることがありますよね。


時期によってはたくさん抜けることもありますが、正常の範囲内なら心配はないでしょう。


しかし、なかには皮膚が見えるほど抜け落ちたり、特定の場所だけ大量に抜けることがあります。


一体どのような理由があって抜け毛の量が多くなってしまうのでしょうか?


ということで今回のMOFFMEでは、愛犬の抜け毛を中心に以下の内容で解説をしていきます。

  • 愛犬の毛が抜ける5つの原因
  • 毛が抜ける際に考えられる病気
  • 心配いらない抜け毛と病院を受診した方がいい抜け毛
  • 毛が抜ける際の対処法
上にも書いたように皮膚が見えるほど抜けていたり、愛犬の行動が普段と違っていたりする場合は十分注意しましょう。

パッと見ではわかりにくいものもありますが、見分け方も紹介しているので参考にしてみてくださいね。

またMOFFMEでは、「ペット保険のランキング」についても詳しく解説しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

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愛犬の毛が抜ける際の5つの原因を解説!


モデル;ウル


まずは、毛が抜ける原因をひとつずつ見てみましょう。


犬の毛が抜ける理由には、以下のことが挙げられます。

  • 換毛期
  • 栄養不足
  • ストレス
  • 老化
  • 病気
原因によっては特に気にしなくてもよいものや、動物病院に連れて行ったほうが良いものがあります。

普段の生活や愛犬の様子を思い返しながら、当てはまるものを見つけてみてください。

①:換毛期で毛が抜ける

犬の毛は人間と同じように毎日ある程度抜け落ちています。


犬種によっては毎日ブラッシングが必要な子もいますが、なかでも特に大量に毛が抜けるのが「換毛期」と呼ばれる時期です。


季節に合わせて全身の毛が生え変わるため、通常よりも抜け毛の量が多くなるのが特徴ですね。


換毛期は暖かくなってくる春と、寒くなってくる秋の2回あり、見た目や触り心地、被毛の質が変わったりします。


原因は病気ではなく体温調節のためと言われており、一時的に抜け毛は多くなるものの皮膚が見えるほど抜けることはありません。


換毛期はいろいろな犬に見られますが、よく挙げられているのは以下のような犬種です。

  • 秋田犬
  • 柴犬
  • ゴールデンレトリーバー
  • ラブラドールレトリーバー
  • シベリアンハスキー
  • ミニチュアダックスフンド
  • ポメラニアン
  • チワワ
主に被毛がダブルコートの犬種に見られますね。

上記以外にも、ダブルコートの犬種は換毛期があるため、時期になったらしっかりお手入れをしてあげるようにしましょう。

②:栄養不足で毛が抜ける

被毛の健康や成長に欠かせない栄養が不足していると、毛が抜け落ちてしまうことがあります。


犬の毛に必要な栄養は以下のとおりです。

  • ビタミン
  • アミノ酸
  • 亜鉛
  • 必須脂肪酸
これらの栄養は、愛犬の皮膚の健康や毛艶、毛量を増やすために必要となります。

毎日の食事で十分な量を摂取できていれば問題ありませんが、バランスが悪かったり栄養不足になっていると毛が抜け落ちてしまいます。

脱毛だけではなく毛並みにも影響を与えるので、栄養不足は愛犬の見た目を大きく変えてしまう可能性があることを覚えておきましょう。

栄養が原因として考えられる場合は、下記の対処法も参考にしてみてくださいね。

③:ストレスで毛が抜ける

ストレスはあらゆる病気の原因として知られていますが、ときには脱毛の原因にもなることがある厄介な存在です。


何かしらの理由で精神的、または肉体的ストレスを感じると、頻繁に体を舐めるようになったり一部分だけ執拗に舐め続けるようになります。


他にも、自ら毛を噛んでむしり取ることもあるため、何となく異変に気付く飼い主もいるのではないでしょうか。


ストレスによる脱毛は皮膚が見えるほど目立つため、比較的気が付きやすいです。


皮膚が見えることはなくても全身の毛が薄くなったように感じることもあるので、手術後の愛犬の様子には十分気を付けるようにしましょう。


いつもより毛づくろいの回数が多くなったり、同じ所ばかりずっと舐めているようであれば、一度ストレスを疑ってみてください。

④:老化で毛が抜ける

高齢犬と呼ばれるような歳になると、さまざまな場所の機能が落ちてしまいます。


毛包や皮膚もその一つで、若い頃に比べると機能が低下するため徐々に薄くなっていきます。


ただ、薄くなるとはいっても目に見えて毛が少なくなったり、皮膚が見えるような抜け方はほとんどありません。


昔と比べて毛量が少なくなった気がする程度なので、なかには気のせいで済ませてしまう飼い主もいます。


明らかに異常なほど抜けているわけではないのでしたら、深刻に考える必要はないでしょう。

⑤:病気

皮膚が見えるくらい大量に抜け落ちたり、他にも気になる症状が見られる場合は、病気が原因になっている可能性があります。

  • 感染症
  • 遺伝性疾患
  • アレルギー
  • ホルモン

大まかにわけると以上の原因が挙げられますが、細かく見ていくとさまざまな病気があることがわかります。


脱毛以外にも痒みやフケ、色素沈着、ニオイなどがある場合は、何かしらの病気を疑ってみるとよいかもしれませんよ。


病気によっては放置をして重症化したり、他の犬や猫にまで被害が及ぶこともあるため、そのままにすることは避けましょう。


毛が抜ける病気についてはこれからひとつずつ詳しく解説していきますので、気になる方はぜひ見てみてくださいね。

愛犬の毛が抜ける際に考えられる病気を徹底解説!


モデル:ウル


脱毛が症状の一つとして現れる病気はいろいろとあります。

  • 膿皮症
  • マラセチア皮膚炎・アトピー性皮膚炎
  • 皮膚糸状菌症
  • ニキビダニ症
  • 食物アレルギー
  • 副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)
  • 甲状腺機能低下症
  • 淡色被毛脱毛・パターン脱毛症・脱毛X(毛周期停止)
  • 黒色被毛形成異常症
感染症から遺伝までさまざまで、毛の抜け方にも違いが見られたりします。

また、病気によっては発症しやすい犬種もいます。

かかりやすい犬の種類も紹介していくので、好発犬種とされる犬を飼っている方は日頃から注意するようにしてみてください。

膿皮症

犬の皮膚に存在する細菌の数が異常に増え、悪さをしていろいろな症状を引き起こす病気です。


原因となる細菌は主にブドウ球菌ですが、なかには大腸菌緑膿菌が原因になる場合もあります。


また、犬の膿皮症には3つの種類が存在しています。

  • 表面性膿皮症:皮膚の表面で細菌が異常に増える
  • 表在性膿皮症:表皮、毛包内で問題となる細菌に感染する
  • 深在性膿皮症:毛包よりもさらに深い場所で感染する
犬で多く見られるのは表在性膿皮症と言われており、上記の状態だと脱毛や膿疱と呼ばれる膿の溜まった発疹が現れます。

他にも赤や白のブツブツが現れたり痒みなども出るため、掻きむしったりリング状のフケや色素沈着を起こすことがあります。

膿皮症はどの犬種にも現れることがある病気ですが、特に注意したいのは以下の犬種です。
  • 柴犬
  • ゴールデンレトリーバー
  • ジャーマンシェパード
  • ウエストハイランドホワイトテリア
  • トイプードル
  • フレンチブルドッグ
  • パグ
年齢や被毛の長さなどは関係ないので、犬を飼っている方は普段からお手入れをして清潔にするように心がけましょう。

マラセチア皮膚炎・アトピー性皮膚炎

マラセチア皮膚炎

マラセチアという酵母様真菌、つまりカビが過剰に増えることで引き起こされる病気です。


酵母様真菌は普段、皮脂をエサにして暮らしているだけで、特に悪さをすることはありません。


しかし、何らかの理由で皮脂の分泌量が増えたり皮膚の状態が悪くなると、マラセチアが異常に増え、悪影響を及ぼすようになります。


主な症状や好発犬種を表にまとめたので見てみましょう。


症状とかかりやすい犬
主な症状脱毛/痒み/皮膚の赤み/色素沈着/ベタつき/フケ/独特な臭い/皮膚が厚い・硬い
かかりやすい犬フレンチブルドッグ/パグ/シェットランドシープドッグ/シーズー/柴犬/アメリカンコッカースパニエル/ホワイトテリア/ミニチュアダックスフンドなど

脱毛は全身に見られますが、内股や脇の下、耳、首、肛門、尻尾などに現れやすいと言われているので、手で触ったり目で確認するようにしてくださいね。


アトピー性皮膚炎

通常であれば無害であるはずの物に対して過剰反応し、痒みなどの症状を引き起こす病気です。

アトピー性皮膚炎にかかる犬は、皮膚のバリア機能が他の犬よりも遺伝的に弱いため、アレルギー物質が侵入したときに症状が出てしまうと言われています。

アレルギーの原因物質や症状、好発犬種は以下のとおりです。

原因物質・症状・犬種
原因物質ハウスダスト/花粉/カビ/ダニなど
主な症状強い痒み/目や口の周りの赤み/脱毛/色素沈着/皮膚が硬くなる/皮膚がガサガサになる
かかりやすい犬柴犬/フレンチブルドッグ/レトリーバー種/シーズー/ジャックラッセルテリア/ウエストハイランドホワイトテリアなど
主に生後6ヵ月~3歳未満の若い犬に多く見られるため、若いからといって油断することはできません。

また、完璧に治すことはできず、継続的に治療をしていくことになるので、愛犬、飼い主ともに根気が必要になる病気です。

皮膚糸状菌症

「糸状菌」という糸のような形をした真菌が皮膚や毛などに入り込み、感染する皮膚病です。


原因となる糸状菌の約70%は「ミクロスポラム・カニス」というカビで、免疫力や抵抗力が低下しているときにかかりやすいと言われています。


つまり、子犬や老犬、薬剤を使用している、病気にかかっていて免疫力などが落ちている子は特に気を付けるようにしましょう。


主な症状や好発犬種は下記を参考にしてみてくだい。

主な症状とかかりやすい犬
主な症状円形脱毛/皮膚の赤み/フケ/かさぶた/発疹/水疱など
かかりやすい犬ヨークシャーテリアなど

症状は顔や耳、前足などに出やすいと言われているので、普段からのチェックをおすすめします。


また、他の病気にもいえることですが、好発犬種ではないからといって安心はできません。


特に皮膚糸状菌症は、犬の他に猫や人にも感染する「人獣共通感染症」です。


きちんと予防や対策をしないと飼い主やその家族にも被害が及ぶ可能性があるので、油断しないようにしましょう。

ニキビダニ症

普段から毛包と呼ばれる部分に住み着いているニキビダニが、何らかの理由で異常に増えてさまざまな症状を引き起こします。

主な症状とかかりやすい犬
主な症状脱毛/膿胞/痒み/出血/痛み/皮膚が厚くなる
かかりやすい犬パグ/チャイニーズシャーペイ/コリーなど

ニキビダニ症は子犬から老犬まで幅広く発症する恐れのある病気です。


発情期や妊娠しているメス犬、免疫抑制剤をしている子、基礎疾患のある子などもかかりやすいため注意するようにしましょう。


症状は目や口の周り、足先などが多いようですが、感染が広がると全身に皮膚が見えるくらいの脱毛症状が現れます。


また二次感染を起こすと強い痒みや痛み、出血などが見られ、最悪の場合命を落とす危険性もあります。

食物アレルギー

フードなどに含まれるたんぱく質に過剰反応を起こし、消化器皮膚に症状が現れます。

主な症状とかかりやすい犬
主な症状強い痒み/赤み/脱毛/蕁麻疹/湿疹/軟便/下痢/嘔吐など
かかりやすい犬ゴールデンレトリーバー/ラブラドールレトリーバー/ジャーマンシェパード/ウエストハイランドホワイトテリア/ダルメシアン/パグなど

年齢などは特に関係ないとされていますが、特に多く見られるのは1歳未満の子犬のようです。


そのため、子犬を飼い始めたばかりの方は、食べた物をチェックしたり犬の様子をよく観察するようにしてみてくださいね。


皮膚症状は口や目の周り、背中に現れやすく、しきりに掻いたり口を床などに何度も擦りつけることがあります。


また、食物アレルギーのある子はアトピー性皮膚炎を併発していることもあるため、疑いがある場合は動物病院で早めに調べてもらいましょう。

副腎皮質機能亢進症(クッシング症候群)

腎臓の隣にある副腎から出る、「コルチゾール」という副腎皮質ホルモンが過剰分泌されることで引き起こされる病気です。

主な症状とかかりやすい犬
主な症状多飲多尿/脱毛/お腹が膨らむ/皮膚が薄くなる/筋力低下/食欲の増加/肥満/石灰沈着/呼吸が速い
かかりやすい犬ビーグル/トイプードル/ミニチュアシュナウザー/ミニチュアダックスフンド/ポメラニアン

副腎皮質機能亢進症は中~高齢犬に多いとされています。


そのため、犬種に関係なく大体5歳を過ぎたら、愛犬の様子を普段からしっかり観察するようにしましょう。


脱毛は左右対称に起こるものの、特に痒みなどはないので、他の病気の脱毛とは見た目が明らかに異なります。


また、副腎皮質機能亢進症は下垂体に腫瘍ができたり、副腎自体が腫瘍となってしまうタイプと薬剤の長期投与が原因となるタイプの3種類が存在します。


副腎皮質ホルモン剤を長く投与している場合は、年齢に関係なく発症するといわれているため、十分注意するようにしてください。


他にも、糖尿病や膿皮症、急性膵炎などを併発する恐れもありますし、突然死する可能性もあるため、油断できない病気と言えるでしょう。

甲状腺機能低下症

甲状腺は人間でいう喉仏にあたる甲状軟骨の下にある内分泌器官のことで、甲状腺ホルモンを分泌しています。


全身の代謝をよくするために必要な臓器ですが、甲状腺機能低下症になると甲状腺ホルモンの分泌量が減り、体調や見た目に影響を与えます。

主な症状とかかりやすい犬
主な症状すぐに疲れる/元気がない/脱毛/暖かくなっても寒がる/太る/動きたがらない/皮膚が厚くなる/色素沈着/悲しげな顔になる/ふらつく/発作など
かかりやすい犬柴犬/トイプードル/アメリカンコッカースパニエル/シェットランドシープドッグ/ビーグルなど

脱毛は副腎皮質機能亢進症と同じように左右対称に抜け落ち、痒みはあまりないとされています。


特定の犬種以外にも、中~高齢犬に多く見られるといわれているため、5歳~7歳以降は愛犬の健康チェックを欠かさないようにしましょう。


甲状腺機能低下症は予防法がなく、一度甲状腺機能低下症にかかると生涯に渡って薬を飲み続けることになります。


また、膿皮症にもかかりやすくなるため、非常に厄介な病気の一つです。

淡色被毛脱毛・パターン脱毛症・脱毛X(毛周期停止)

淡色被毛脱毛とパターン脱毛症、脱毛X(毛周期停止)はどれも遺伝性の病気です。


淡色被毛脱毛

淡い色をした被毛、例えばブルーやグレー、シルバー、フォーンなどを持つ犬に現れることがある脱毛症の一種です。


生後4ヵ月~3歳若い年齢で発症がほとんどで、痒みは特にありません。

主な症状とかかりやすい犬
主な症状毛の断裂/脱毛/フケ/メラニン色素のない斑点(一部の犬のみ)
かかりやすい犬ドーベルマン/チワワ/ミニチュアダックスフンド/ミニチュアピンシャー/イタリアングレーハウンド/グレートデーン/ビーグルなど

毛は完全に抜け落ちるのではなく、折れたり切れることが多いですね。そして徐々に発毛も減り、完全に脱毛します。


特に命の危険などはないですが、皮膚が見えるほど毛が抜け落ちるため、見た目にかなりの影響を与えてしまいます。


パターン脱毛症

遺伝性疾患と言われているものの、明確な仕組みはいまだ不明とされる脱毛症です。


一気に毛が抜けるのではなく1年以上かけて少しずつ毛が細くなり、最終的には皮膚が見えるようになります。

主な症状とかかりやすい犬
主な症状脱毛/色素沈着
かかりやすい犬イタリアングレーハウンド/ミニチュアダックスフンド/チワワ/トイプードル/ボストンテリアなど

パターン脱毛症も特に痒みなく、生後6ヵ月~3歳の若い犬に現れやすいといわれています。


脱毛部位はお腹、耳、鼻先、胸、首、尻尾などで左右対称になっているのが特徴です。


脱毛X(毛周期停止)

アロペシアXと呼ばれることもある脱毛症で、頭部と四肢以外のほぼすべてで症状が現れます。


脱毛Xは遺伝が関係しているといわれているものの、はっきりとした原因はわかっていないため、不明という意味の「X」が病名に使われています。

主な症状とかかりやすい犬
主な症状脱毛/色素沈着/毛艶がなくなる/乾燥
かかりやすい犬ポメラニアン/トイプードル/シベリアンハスキー/パピヨン/チワワなど

特定の犬種のなかでも特にポメラニアンに多いことから、「ポメラニアン脱毛症」と呼ばれることもあるようです。


年齢は1歳~4歳の若い犬に多く、完全に皮膚が見える状態になるため愛犬の見た目に大きな影響を与えてしまいます。


脱毛Xも、紹介した2つの脱毛症と同じように、左右対称に現れるのが特徴ですね。

黒色被毛形成異常症

毛色が2色以上ある犬に起こることがある遺伝性の病気です。

主な症状とかかりやすい犬
主な症状脱毛/赤み・痒み・丘疹・膿胞(二次感染を起こした場合)
かかりやすい犬ビーグル/パピヨン/ジャックラッセルテリア/ボーダーコリー/キャバリアキングチャールズスパニエルなど

黒色被毛形成異常症は、生後1ヵ月から4ヵ月頃の発症が多いといわれています。


上記で紹介した淡色被毛脱毛と似ていますが、黒色被毛形成異常症の場合は黒い毛の部分に症状が現れます。


黒い毛以外の場所は正常であるのが特徴なので、注意深く観察するようにしましょう。


毛は折れたり切れたりしているものもあれば、完全に抜け落ちている部分もあります。


少しずつ脱毛が進行し、数年後には完全に皮膚が見えるようになります。


期待できる予防法などはないため、少しでもおかしいと思ったらすぐに動物病院へ連れて行くようにしてくださいね。

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愛犬の毛が抜ける際に「心配いらない場合」と「受診した方がいい場合」


モデル:ウル


毛が抜けるとそれだけで心配になってしまいますが、なかには病気とは無関係で特に問題のないものもあります。


毛が抜けるたびにあたふたしたり、心配し過ぎて疲れないようにするために、ここからは抜け毛を見分ける方法を確認していきましょう。

  • 心配のいらない場合
  • 動物病院へ連れて行くべき場合
以上の2つに分けて詳しく解説をしていくので、愛犬のためにもしっかり見ていってくださいね。

また、補足では「愛犬の毛が抜ける症状に併発する症状」も紹介していきます。

病気の場合は毛が抜ける以外にもいろいろな症状が現れることがあるので、その点にも注目
しましょう。

心配のいらない場合

毛がたくさん抜ける場合は、以下のことに注目してみてください。

  • 痒みはない
  • 皮膚に赤みが見られない
  • 皮膚が見えるほどの抜け毛ではない
  • フケは出ない
  • 独特な臭いがない
  • 春や秋になると抜け毛が多くなる
  • 毛が抜けた部分からすでに新しい毛が生えている
春や秋になると一時的に抜け毛が多くなる場合は、換毛期なので心配する必要はありません。

他にもブラッシングの回数が明らかに少ない、もしくは過剰なブラッシングが原因で抜け毛が多くなったり、老化で薄毛になっているだけということもあります。

それ以外の場合であっても、毛の抜けた部分に新しい毛が生えていれば病気の可能性は低いとされているので、焦らずにしっかり確認しましょう。

また、脱毛以外に気になる症状が見られない場合は、焦らず愛犬の様子をよく見ながら原因を探っていってくださいね。

動物病院へ連れて行くべき場合

以下のような特徴が見られる場合は動物病院へ連れて行くことを検討しましょう。

  • 毛が抜けた場所の皮膚が見える
  • 特定の部分だけ抜ける
  • 左右対称に毛が抜ける
  • 毛が折れる、または擦り切れている
  • 新しい毛が生えてこない
  • 換毛期ではないのにたくさん抜ける
  • 尻尾の毛が抜ける
毛が抜けても一向に新しい毛が生えてこない場合は、病気の可能性を疑ってみてください。

抜け方が特徴的だったり広範囲にわたって皮膚が見えるくらい抜け落ちたり、抜け毛以外にもいくつか気になる症状がある場合は要注意です。

ノミ・ダニが原因になっていることもあるので、虫がいないかの確認も大切ですよ。

補足:愛犬の毛が抜ける症状に併発する症状

さまざまな病気の解説でも書いていますが、病気が疑われる場合は脱毛以外にもいろんな症状が現れることがあります。


もし愛犬に以下のような症状が見られるのであれば、早めに動物病院へ連れて行きましょう。

  • 痒み
  • 皮膚の赤み
  • 掻きむしる
  • 皮膚が黒ずむ
  • フケが出る
  • かさぶたがよくできる
  • 分泌物が出ている
  • 独特な臭い
  • 皮膚が厚くなる、または硬くなる
  • 水を飲む量が明らかに増えた
  • 元気がない
  • 体重が減る、または太る
  • 呼吸が速い
  • 長期間に渡ってステロイド剤を服用している
何らかの病気が原因の場合、目や口、鼻の周り耳、足などに赤みが出たり、脱毛症状が見られます。

痒みの出方には違いがあるものの、強い痒みをともなう場合は頻繁に掻いたり掻きむしることがあるため、異変に気が付きやすいでしょう。

ただ、パターン脱毛症脱毛Xなどの病気は、痒みや皮膚の赤みなどの症状が見られないためよく観察しないと気付きにくいです。

また、ステロイド剤が原因になることもあるため、長期間服用しているのでしたら愛犬の体調や見た目、行動の変化には特に注意するようにしてください。

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愛犬の毛が抜ける際の対処法を紹介


モデル:ウル


抜け毛の原因はいろいろとあるため、改善させるには原因に合わせた対処をしていく必要があります。

  • フードが原因で毛が抜ける場合
  • ストレスが原因で毛が抜ける場合
  • 病的な原因で毛が抜ける場合
ここでは上記の3つに分けて、それぞれのケースに合った対処法を解説していきます。

間違った対応をして治療が遅くなったり、大丈夫だろうと油断して放置しないようにしてくださいね。

フードが原因で毛が抜ける場合

普段与えているご飯が原因で毛が抜けるのであれば、食物アレルギーの疑いもあるため、ご飯を見直しましょう。また、栄養不足が考えられる場合は、サプリメントのご飯の見直しをしたりサプリメントを活用して適切な栄養を補給します。


現在売られているご飯のなかには皮膚や被毛の健康維持、アレルギー対策フードなどがあります。


ただ、犬によって皮膚の状態は変わりますし、食事内容も家庭ごとに異なります。


ご飯を見直すと口にするのは簡単ですが、実際にはかなりの種類があるので探すだけでも一苦労ですよね。


そのため、個人で勝手に判断するのではなく、まずは動物病院で詳しく調べてもらいましょう。


原因がわかれば愛犬と相性のよいご飯を獣医師から勧めてもらえたり、食事に関するアドバイスを貰うこともできますよ。

ストレスが原因で毛が抜ける場合

ストレスで毛が抜けているのでしたら、ストレスの原因となっているものを排除したりコミュニケーションを取るなどしてストレスを取り除いていきましょう。


特定の物などに対して反応しているなら、原因となる物を移動して犬の視界に入らないようにします。


コミュニケーション不足でストレスを感じている場合は、愛犬と遊んだり触れ合う時間を多めに取って改善が見られるか様子を見てみるのもよいですね。


雷や工事の音に反応している場合も、遊んだりして気を紛らわせるようにしてみてください。


ただ、生活環境の変化などが原因だったり、本当にストレス性のものか分からない場合は、きちんと判断するためにも動物病院へ行きましょう。


皮膚や毛の状態、最近の出来事などを詳しく調べることで改善方法が見つかることもあります。


場合によっては治療が必要になることもあるため、困った時はすぐに連れて行ってくださいね。

病的な原因で毛が抜ける場合

全身の皮膚が見えるほどの抜け毛、普段では見られない明らかな異常が現れているのであれば、速やかに病院で愛犬に合った治療を受けてください。


放置して症状が悪化することもありますし、なかには死亡する危険性のある病気もあります。


しかし、早期発見・早期治療ができれば軽い症状で治せる可能性がありますし、愛犬も長い間辛い思いをせずに済みます。


病気が原因である場合は、そのままにしていても良くなることはありませんので、異変に気付き次第すぐに対応するようにしましょう。

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まとめ:愛犬の毛が抜ける際に皮膚が見える場合はすぐに病院へ

抜け毛は量にバラつきがあるものの、どのような犬にも見られます。

換毛期であれば特に気にする必要はないですが、一部分、または全身の皮膚が見えるくらい毛が抜ける、左右対称に毛が抜けるなどの時は病気を疑うようにしましょう。

それでは、最後に今回解説してきた内容をわかりやすくまとめていきます。
  • 春や秋に抜け毛が多くなるのは換毛期だから
  • 老化の場合は毛が細くなり薄毛の状態になる
  • 皮膚が見えるほど大量の抜け毛は病気を疑おう
  • 抜け毛以外にも気になる症状はないか細かくチェックする
  • 病気はアレルギー性や感染症などいろいろな原因がある
  • 病気の種類によっては特に注意した方がよい犬種が存在する
  • 皮膚の赤みや痒み、新しい毛が生えてこない時は要注意!
  • 獣医師に相談しながら原因に合わせて適切に対処しよう
病気やストレスなどで毛が抜けている場合は、いろいろなサインを愛犬が出してくれています。

サインにいち早く気が付けるように、普段から愛犬とコミュニケーションを取ったり触れ合ったりして異常がないかを確かめていきましょう。

またMOFFMEでは、他にもさまざまなペットや保険に関する記事を多数公開しているため、ぜひご覧ください!