魚の骨は栄養素たっぷりのイメージがありますよね。ですが、喉に骨が刺さるので犬に与えるのはおすすめできません。犬が魚の骨を食べた場合、消化不良等様々な危険を及ぼします。今回は、愛犬が魚の骨を食べてはいけない理由・骨が刺さった際の症状・対処法を紹介していきます。
犬は魚の骨を食べても大丈夫?危険性・症状・対処法などを解説
魚が好きな子も多く、栄養が豊富なため、愛犬に魚をあげる飼い主さんもいると思います。
魚をあげるときに、魚の骨を取り除いていますか?
「小さい骨なら大丈夫」「犬は噛む力が強いから噛み砕ける」と思われがちです。
しかし、魚を与えるときには魚の骨に注意する必要があります。
小さい骨でも口や喉、内臓に刺さることがあるため、骨が刺さったときの症状や対処法を知っておくと安心です。
- 犬が魚の骨を食べてはいけない理由
- 魚の骨が刺さったときの症状と対処法
- 魚の骨を栄養補助として与える方法
魚の骨の危険性と与える場合の注意点などを詳しく解説していきます。
魚の骨を安心して与える方法も紹介しているので、愛犬に魚を与える際に参考にしてみてくださいね。
犬が魚の骨を食べてはいけない理由を紹介
犬は、食べ物を切り裂いて食べることはできますが、細かく噛み砕いて食べるのが苦手です。そのため、あまり噛まずに丸呑みをしてしまいます。
もし魚を噛まずに飲み込んでしまったら、骨が刺さる危険性も高まりますよね。
魚の骨は喉だけでなく、胃や腸など体内に刺さってしまうことがあるので危険です。
また、魚の骨は、大きな骨や硬い骨、鋭い骨など魚によって異なります。
体内に刺さる心配がなさそうな小骨や細かい骨が多い魚も注意が必要なんです。
ここでは、
- 犬の体内に骨が刺さり内臓が傷つく危険性
- 魚の骨に注意したい魚を紹介
魚の骨を食べてはいけない理由をご紹介します。
特に注意したい魚の骨の特徴も紹介しているので、一緒にチェックしてみてくださいね。
犬の体内に骨が刺さり内臓が傷つく危険性
骨を飲み込んで、喉に刺さらず体内に入ったとしても、食道や胃、腸などの消化器官に刺さってしまうことがあります。
そうすると、刺さった部分が化膿したり、内臓を貫通したりすることもあります。
刺さって傷ついた部分から細菌が入り、感染症を起こす危険もあるんです。
内臓に刺さると、激しい痛みを伴い、呼吸困難や発熱など苦しい状態になってしまいます。
そのため、骨を飲み込んだときは「自然に消化されるから問題ない」と判断せず、愛犬の様子をよく見て早めに対処することが大切です。
また、魚の骨には小さい骨から大きい骨まで様々です。なかには、小さくても鋭い骨もあり、刺さる可能性は十分にあります。
特に小型犬は臓器が小さく、小さい骨でも内臓が傷つくことがあるので注意しましょう。
魚の骨に注意したい魚を紹介
魚の骨に注意したい魚は次のようなものがあります。
この中で特に骨に注意したい魚は、タイです。
タイは、大きい骨だけでなく、小さい骨や小骨も多く、硬いので喉や内臓に刺さりやすいです。
硬い骨は胃酸で溶けにくいため、胃や腸に刺さってしまうことがあります。
また、太い骨が多いのも特徴で、内臓に刺さると貫通する恐れがあるので注意が必要です。
アジやイワシ、サンマ、ウナギは小骨が多い魚です。
アジやサンマは、小さく鋭い骨が特徴で、頭に骨が多いので注意しましょう。
サバは、大きく硬い骨と硬い小骨が特徴です。
太い骨や硬い骨は、特に気をつけないといけないですね。与える場合は、骨をしっかり取り除きましょう。
愛犬の体内に魚の骨が刺さったときの症状
骨が刺さったときには、骨を吐き出そうと咳をする行動が見られます。
吐いて出てくる場合もありますが、吐き出そうとしても出ないことが多いです。
内臓に刺さると、喉に刺さったときよりも痛みが強くなります。
なかには、痛みを我慢する子もいて、症状が悪化してから気づくこともあります。
そのため、魚の骨を飲み込んでしまったときは、しっかり様子を見てすぐに対処できるようにしておくことが大切です。
また、刺さる場所によって見られる症状が異なります。
ここでは、
- 喉に魚の骨が刺さった場合
- 食道に魚の骨が刺さった場合
- 胃や十二指腸に魚の骨が刺さった場合
それぞれの症状をご紹介していきます。
愛犬が魚の骨を飲み込んだときに、気になる症状がないか確認してみてください。
喉に魚の骨が刺さった場合
喉に刺さったときは、次の症状が見られます。
- 喉に詰まったものを取ろうとするようにカッカッと咳をする
- 喉を気にしてかいている
- よだれが出る
- 喉が腫れる
- 鳴いている
喉に刺さった場合、喉に違和感を感じ、咳をしたり喉を気にするような行動が見られます。
飲み込んですぐに痛がって鳴くことも多いです。
また、口の中を確認したときに、喉が赤く腫れていることで骨が刺さっていると気づく場合もあります。
喉に刺さったままにすると、刺さった部分から菌が入り、嘔吐や発熱、痛みが激しくなるなど症状が悪化してしまいます。
そのため、魚の骨を飲み込んだ後の行動や症状をしっかり見ておくことが大切です。
喉を気にするようであれば、すぐに対処してあげましょう。
食道に魚の骨が刺さった場合
食道に魚の骨が刺さったときは、次の症状が見られます。
- よだれや鼻水が出る
- 痛みが強くなり鳴いている
- 震える
- 発熱
- 呼吸がうまくできない
- 吐いたものに血が混ざっている
魚の骨が食道を塞いでしまい、食道梗塞を起こすことがあります。
食道梗塞は、呼吸がうまくできない、食事ができないなど命に関わる状態になるので早期治療が必要です。症状が出ている場合は、動物病院で処置をしてもらいましょう。
よだれや鼻水が止まらなくなるのは、刺さった骨を吐き出すために何度も吐こうとするのが原因です。
また、喉に刺さった場合と同じように刺さった傷口から感染症を起こすことがあります。
傷口から血液中に細菌が入ると、敗血症になる場合があるので傷の治療も必要です。
胃や十二指腸に魚の骨が刺さった場合
胃や十二指腸に刺さったときは、次の症状が見られます。
- 嘔吐
- 腹痛
- 震える
- 高熱
- 痛みが激しくて痛がる
- 吐いたものに血が混ざっている
- 膿が溜まる
胃や十二指腸に刺さった場合は、激しい腹痛が起こります。
腹痛や発熱で体に負担がかかるので、痛がっているときは早めに対処しましょう。
骨の大きさや太さなどによっては、胃や腸を突き抜けることもあるんです。
そうすると血管が傷つき、刺さった部分から出血して吐いたものに血が混ざります。この場合、手術が必要になる場合があるので早期発見が大切です。
病院では、まずレントゲンで骨が刺さっているかを確認します。
魚の骨が刺さったと思ったときは、動物病院で検査を受けると早期発見・治療に繋がります。
犬の体内に魚の骨が刺さった場合の対処法
愛犬が魚の骨を飲み込んだとき、なんとかして取り出したいと思いますよね。
しかし、魚の骨が刺さったときには、正しい処置をする必要があります。
無理に骨を取ろうとしたり、吐き出そうとしたりすると、さらに深く刺さってしまうかもしれません。症状が悪化する場合もあるので注意しましょう。
また、飼い主さんができる応急処置もありますが、愛犬の状態によって対処のしかたが異なります。
愛犬に合った対処をするためには、応急処置ができる状態であるか確認することが大切です。
ここでは、
- 飼い主ができる応急処置
- 魚の骨が喉に刺さった場合の注意点
をご紹介します。
魚の骨が刺さったときにしてはいけないことも一緒にチェックしていきましょう。
飼い主ができる応急処置
まずは、口を触っても痛がらないか、嫌がらないかを確認しましょう。
口を触って嫌がったり暴れたりするようであれば、水や食べ物を与えず安静にして動物病院で処置をしてもらってくださいね。
口を触っても嫌がらない場合は、口の中を見て、喉に骨が刺さっていないか確認します。このときに、口の中をライトで照らしながら見ると見やすいです。
刺さっている場所がはっきり確認できた場合は、ピンセットでまっすぐ抜いていきます。
抜こうとしてさらに深く刺さってしまうことがあるので、慎重に行いましょう。
自分で処置をするのが難しいときは、無理せず病院で処置をしてもらうことをおすすめします。
なお、応急処置で骨が取り除けた場合でも、傷が膿んだり菌が入ったりすることがあります。
骨を抜いた後は、動物病院で傷の治療をしてもらいましょう。
魚の骨が喉に刺さった場合の注意点
魚の骨が刺さったときには、
食べ物や水を与えないでください。
体内に刺さっている場合、食べることでさらに内臓に負担をかけてしまいます。
人間は魚の骨が刺さったときには、ご飯を飲み込めば取れると聞いたことがあるかもしれません。しかし、食べたり飲んだりすると骨が深く刺さってしまうことがあります。
そのため、人間も犬も食べ物で骨を取ることはできないのでしないようにしましょう。
また、喉に刺さった骨を指で取るのも危険です。
小さい骨を指で取るのは難しいと思います。骨が深く刺さり傷口が広がってしまうので、ピンセットを使って取りましょう。
このときに無理に取ろうとするのは避け、取れそうにない場合は獣医さんに取ってもらってくださいね。
愛犬に魚の骨を栄養補助として与える方法
ここまで、魚の骨の危険性や食べてはいけない理由をご紹介してきました。
しかし、魚の骨には、骨の成長を助ける、関節を守って維持するなど様々な役割の栄養素が含まれています。
魚にはカルシウムが多く含まれていると言われていますよね。カルシウムは、魚の身よりも骨に多く含まれています。
そのため、骨まで食べるとしっかりカルシウムを摂ることができます。
魚の骨をそのまま与えるのは危険ですが、工夫をすれば愛犬に与えられるんです。
ここでは、
- 魚の骨に含まれる栄養素
- 愛犬に魚の骨を栄養補助として与える方法
- 老犬・小型犬・幼犬は要注意
についてご紹介します。
愛犬に魚の骨を安心して与える方法をいくつかご紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
魚の骨に含まれる栄養素
魚の骨に含まれている栄養素は、次のようなものがあります。
- カルシウム
- グルコサミン
- コンドロイチン
- マグネシウム
- コラーゲン
- タウリン
- ビタミン
特にカルシウムは、魚の骨に多く含まれています。
カルシウムは骨を強くしたり維持したりするだけでなく、神経を安定させる、筋肉の収縮など生きていく上で重要な働きをしている栄養素です。
グルコサミンは、関節の軟骨形成や関節の柔軟性を高めてくれます。
コンドロイチンやコラーゲンには、関節を保護する、腸の炎症を抑える、認知機能を改善するなど様々な働きをしてくれます。
マグネシウムは、肥満・高血圧予防に効果がある栄養素です。
タウリンは動脈硬化や心疾患の予防効果があり、ビタミンは貧血予防や骨の強化をする役割を担っています。
愛犬に魚の骨を栄養補助として与える方法
栄養が豊富な魚の骨を与えたいと思っている飼い主さんもいると思います。
魚の骨を栄養補助として与える場合、骨を刺さらないような状態にしましょう。
例えば、骨をミキサーやブレンダーで砕いて粉末状にする、柔らかくなるまで煮るなどの方法があります。
粉末にすれば、ご飯の上にかけてふりかけとして与えられますよね。
圧力鍋で魚ごと煮れば、丸ごと柔らかくできるので、骨を取らずに与えることができます。柔らかくする場合は、しっかり柔らかくなっているか確認してから与えてくださいね。
また、魚の骨を使った犬用のおやつもあり、調理せずに簡単に栄養を取れるのでおすすめです。
なかには、硬い魚の骨のおやつもありますが、気になる場合はお湯をかけて柔らかくしてあげると食べやすくなりますよ。
老犬・小型犬・幼犬は要注意
老犬・小型犬・幼犬に魚の骨を与えるときには注意が必要です。
老犬は、消化機能が弱くなっているため、消化不良を起こすことがあります。
小型犬や幼犬は、食道が狭く内臓が小さいので骨が刺さる危険が高いです。育ち盛りの子犬には、カルシウムを摂って健康に育ってほしいですよね。
また、老犬の体のケアをするのに必要な骨や関節を守ってくれる栄養素が多く含まれています。
魚の骨を与えてはいけないわけではなく、砕いたり柔らかくしたりすれば安心して与えられます。
前の項目でご紹介した魚の骨を与える方法を参考にしてみてください。魚の骨のおやつを与える場合は、硬すぎず食べやすそうな物を選ぶといいですね。
初めて与えるときは、消化不良やアレルギーを起こす可能性があるので、少しずつあげましょう。
まとめ:魚の骨を誤飲した場合は早急に動物病院へ
魚の骨の危険性や刺さったときの対処法、与え方などについて見てきました。
今回のMOFFMEでは、
- 魚の骨は喉だけでなく、食道や胃、十二指腸などの内臓に刺さることがある
- もし魚の骨が刺さった場合は、早めに動物病院で診てもらう
- 魚の骨を粉末にしたり、柔らかくしたりして与えると安心
をご紹介しました。
魚の骨を飲み込んでしまったときは、愛犬をよく観察し、異変がないか確認することが大切です。
そして、自然に消化されるから大丈夫だと判断せず、動物病院で診てもらいましょう。
魚の骨は栄養が豊富なので、与え方を工夫しながら愛犬にあげてみてくださいね。
また
MOFFMEでは、他にも様々なペットや保険に関する記事を多数公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください!